事前情報、そして現場で握るべきタックルを決める

鈴木斉が津軽海峡のクロマグロを狙い始めてから約10年。近年は撮影釣行や製品テストといったプロフィッシャーマンとしての釣りに加え、プライベートでも足繁通っている。

– 8月から10月を中心に1年で最大30日程度を津軽海峡での釣りに充てている。同海域では一昨年にキャッチした130kgが、現時点での鈴木の最大魚だ。
「マグロのサイズはアングラーサイドで選ぶことができません釣行時にモンスタークラスが回遊しているかどうかも分かりません。だから、この時期だったらこのサイズも出るな、ということを頭の片隅におきながら、直近の情報などを踏まえ、現状で釣れているサイズを中心に狙っていくのが僕のスタイルです。もちろん、いつでもモンスター用タックルも含め、フルセットを用意していきます」

– 釣行時の状況を考慮し、メインタックルになるであろうロッド、リール、ライン、ルアーをあらかじめ決めておく。これに加えてモンスタークラスに対応可能な安心感のあるヘビータックルを用意しておく。小型魚は狙わない。
「通常、5〜6セットを持参します。ミニマムとマックスは1本ずつ、メインになると想定されるタックルを3本という感じ。今年、多かった例としてはPE6号タックルとPE12号タックルを1本ずつ、ほかにPE8号、10号タックルを2セットずつ、という感じですね」

可能な限り情報を収集し、釣行当日にメインとなるパターンを想定し、タックルを準備する。準備は万全に、しかし現場では柔軟に対応することも必要だ。

シイラパターン用には必ずセットするザイロン製ファイティングリーダーも、イワシパターンなどのときは使用しない。「ほぼ喰わない、というくらい喰いが悪い」とは鈴木だ。

– ルアーは240mmから160mmのダイビング系ペンシルベイト各種、近年メインルアーのひとつとなっている大型ポッパー、加えてシンキングペンシルまでを使い分ける。どのタックルにどのルアーを合わせるかは、事前情報によりある程度設定しておくが最終的には現場判断となる。メインとなっているベイトフィッシュと捕食されているパターンに合わせてルアーをセレクトする。ベイトフィッシュだけでなく、マグロのサイズ、釣っているエリアの潮流の速さなどによっても手にするタックルを変えていく。
「間違ったバランスのタックルを使ってしまうと、飛ばせなかったために喰わせることが出来なかった、ということになりかねない。また、近年よく感じるのは、ファイティングリーダーを必ずセットしている人が多い、ということ。誘い出しやイワシナブラの場合にはヒットを遠ざける要因になると思います。その場の状況を冷静に判断し、タックルを選択するということはとても大切です」

ただし、イワシパターンがメインと想定していても、急にシイラが飛び出すことは日常茶飯事。ある程度想定していたほうが、いざという段になって悩まなくて済むが、あまりに決めすぎると対応できない場合もある。臨機応変な対応も必要だ。

ベイトが捕食されている状況やマグロのサイズなどでタックルを決める

【パターン別攻略術】
―誘い出しパターン―

「ナブラ撃ちなのか誘い出しなのか、パターンの違いを明確に意識したいですね。タックルや釣り方が変わってきますから」と鈴木。前提となるパターンは「誘い出し」、「イワシナブラパターン」、「シイラパターン」の3つに大別できるという。

– なかでも、近年、津軽海峡でメインパターンになることが多い注目のパターンが誘い出しだ。
「メインパターンになることが多くなったのは2019年シーズンから、というイメージですね。ルアーに反応させやすい、30〜60kgくらいの数が増えている、ということが大前提にあると思います。最近はエサが多く、マグロも多い状況が増えてきた。ペンシルのアピール力では反応させにくい深いレンジのマグロも、ポッパーのアピール力で引き出せるようになった感じですね。トップに出にくい魚まで水面まで誘い出せるようになったということだと思います」

– 加えて、誘い出しパターンは、ルアーの進化によって成立するようになった、とも。
「ポッパーといっても以前のGTポッパーではなく、連続ジャークができて抜けがよく、泡を細かく出すタイプが主流。よく泳ぐスリムなボディのポッパーを、速めのスピードで引くことでマグロのスイッチを入れることができるようになったと思います」

誘い出し、といっても、やみくもにキャストして誘ってもヒットには至らない。近々の状況からマグロが釣れている実績エリアで行うのが前提だ。そのなかでマグロが跳ねたり、鳥が飛んでいたりするのを目印にする。単発で跳ねていたとしてもマグロは1匹で回遊するわけではない、その周辺にマグロがいると想定しトライする。

海上では時間帯によって濃い潮目ができる。このタイミングを測って潮目の周りを狙うパターンも常道だ。潮目の周り、30〜50ⅿ程度のレンジにイワシなどのベイトの魚探反応があればなおよいし、ここにマグロの単体反応があればさらに理想的といえる。

ロングキャストはどんなパターンの場合でも有利となる。加えて、飛距離だけでなく、ピンポイントを射抜くようなキャスト精度も釣果を左右する。

 

  • リリース直後から数多くの実績を叩き出しているオシア バブ ルディップ220Fフラッシュブースト。誘い出しが効果的になったのはルアーの性能の進化も大きな要因だ。

  • ベイトフィッシュの種類やサイズを考慮するだけでなく、タックルとのバランス、飛距離を考慮してルアーを決定するのが基本だ。

実際のアプローチは、ルアーを出来るだけ遠投することからスタートする。誘い出しでは、ある程度の水深を回遊しているマグロにアピールする必要がある。そのためルアーはポッパーが主流だ。ラインを張りながら泡の噛み方に注意し連続的にポッピング、しっかり泡を引きながら、ルアーを泳がせることを意識する。ステイさせることなく連続した動きを演出することが重要だ。

リールを巻きながらポッピングするが、巻き続けていてはルアーのヘッドが水中に入りっぱなしで泡を水中に引き込んでくれない。ロッドワークとリールの巻き加減で調整していく必要がある。

キハダの場合は、ステイの時間を長めにとったストップ&ゴーも効果的だが、クロマグロ狙いでは連続ポッピングが基本となる。止まった一瞬にドンっと出ることが多いというので、意識しておくとよいだろう。

泡と音を出す連続的なポッピングがマグロにスイッチを入れてくれる

【パターン別攻略術】
―イワシナブラパターン―

– イワシがメインベイトとなっているケースも多い。とりわけ、近年は増えており、基本はナブラ撃ちとなる。ただし、ナブラの出方にもいくつかの種類があり、イワシの種類、サイズによっても攻略術は異なってくる。
「マイワシのほうが圧倒的に喰いがいいですね。8cm、9cmという小型であっても活性が高く、ルアーへの反応も圧倒的にいい。ただ、遭遇する割合としては9対1の割合でカタクチイワシが多い。サイズの目安はいずれも、10cm弱から、マイワシの大型は20cmを超えるものもいます。サイズはでかいほどいい。種類を問わずナブラの出方のパターンは同じです」

ナブラのパターンを細分化し、攻略術に触れていこう。

イワシナブラの攻略ではキャスト後、ルアーをステイさせることが基本。誘い出しとは明確にアプローチを変えることが基本だ。

– スーパーナブラは真っ白に沸き立つような爆発的なナブラ。派手だがモンスターサイズは出にくい。スーパーナブラの攻略では、まず進行方向を確認することが基本。理想としては進行方向の先頭にルアーをキャスト、ステイすること。マグロの群れはイワシを追いながら進んで行くので、先端に入れば、次から来るマグロが喰ってくる確率が高まる。
「先端ほど群れは濃く、後方に行くにしたがって薄くなります。先頭にルアーが入れば次々と泳いでくるマグロにアピールできます。後方に入れたら薄い群れにしかアピールできないし、最悪の場合はすでに群れが抜けていることになります」

– 一番やってはいけないのがナブラのど真ん中にキャストすること。キャストしたルアーが見えず、ヒットしてもほかのマグロにラインが当たり、ブレイクすることが多くなるからだ。カタクチイワシが小型の場合は、ルアーサイズのセレクトにも注意したい。
「スーパーナブラは派手なので、なんでも喰ってくるように思ってしまいがち。でも、マグロが狂っているような状況でも、ルアーを見切って反転されることがあります。こんなときはルアーサイズを落とすと急にヒットしだすことも多いですね」

逆のパターンもある。ベイトサイズが大きいのにルアーサイズが小さいときは気づいてくれないこともある。マグロは意外に冷静に見て喰っていることも多い、ということだ。理想は追われているベイトフィッシュのサイズに近いか、やや大きめを選ぶこと。追ってくるが喰わないときは、ルアーのサイズチェンジによってヒットにつなげることも考えてほしい。

 

– スーパーナブラのようにマグロが密集せず、マグロとマグロの間隔が空いて水面に出る場合もある。このパターンのときも進行方向を見定めることが先決。加えて、なるべく密度が濃いところを探し、見極めることが重要だ。
「バッシャン、バッシャン、という感じの出方の中にも、バシャバシャ、バシャバシャと連続して出る密度が濃いところがあります。また、イワシが固まってそこに集中的にマグロが2〜3匹集まり、勢いよく出ているようなところもあります。こうしたところを探すことが大切です。こういうところなら1匹が水面に出たあとにキャストしても、ほかのマグロが喰ってくる確率が高くなります」

誘い出しでは、連続的にポッピング、しっかり泡を引きながら、ルアーを泳がせる。ステイさせることなく連続した動きを演出することが重要だ。

モグラ叩きとなってしまうことが一番まずい、と鈴木。つまり、進行方向や水面に出るリズムを考えることなく、出たところにキャストしてもそこにマグロはいない、ということ。これを繰り返していてもなかなかヒットには結びつかない。アプローチはキャストして着水したらステイが基本。これで喰わなければワンアクションしてステイ。喰わなければ回収する。あまりルアーを動かさないのが基本だ。

マグロに囲まれ、イワシがボール、ダンゴ状になってしまうパターンが、通称「イワシダンゴ」パターンだ。

– イワシダンゴを攻めるときの難しさのひとつは、フローティングとシンキング、いずれが効果的かの見極めだ。
「マグロはダンゴの下か側面を捕食します。側面をそぎ取っていく場合は水面に出てくれますが、下をそぎ取って捕食する場合にはシンキングタイプのルアーでしか攻略できません。この違いはマグロの動きや水面に出る飛沫で判断することになります。たとえばマグロが水面に顔を出していても口を閉じていれば、勢いがついて水面に出ているだけ、と判断できます。水面に出ている姿が見えるので、トッププラグで喰うぞ! と思っても全然喰わない(笑)。このような状況では水面下3ⅿくらいのダンゴの下の部分のイワシを喰っている、ということがよくありますね」

一定の間隔で水面に出てくるケースでは、イワシダンゴの縁部分をそぎ取るように捕食していることが多い、と鈴木。この場合はフローティングルアーでも十分に勝機があるという。

イワシダンゴはマグロに囲まれながらも移動していく。進行方向を見定めてアプローチすることが大切だ。ルアーを落とす位置はイワシダンゴの進んでいる方向の前、もしくは両サイド。フローティングルアーの場合は、着水点にステイしておくのが基本だ。真ん中にキャストすると、ダンゴが散ったり沈んだりしてしまう。真ん中よりも少し外れたところに浮いているほうが、ルアーも目立つためアタックしてくる確率が高い。状況次第ではロングステイも有効。ダンゴが移動し、ルアーがその近くから離れてしまったら回収、というのが基本パターンとなる。

– シンキングタイプのルアーを使う場合は、ナブラの下のマグロの群れにルアーが入りやすい、両サイドに落とすのが基本だ。着水後はカウントダウンしてルアーを沈める。鈴木が基本としているのは5秒。最大で10秒程度。水面近くまで巻き上げ、また沈める、というアクションを何回か繰り返し、回収する。フォールの方法は潮の向きや船の進行方向に合わせて調整する。ラインテンションが緩む状況ならラインを出さないようにしてフォール、張ってしまう状況ならラインを多めに出しながらフォールする。
「イワシダンゴの攻略は相模湾などでキハダゲームを経験している方は、そのままの攻略法で大丈夫です。ただ、キハダ狙いでは50㎏くらいまでのサイズが多いですが、クロマグロの場合は100㎏超えも十分に可能性があることに注意したいですね。ダンゴ狙いだから小さい、というわけではない。サイズは選べないので、いざ大型がヒットしても自信を持てるタックルを使ってほしいですね」

イワシナブラでもマグロとマグロの間に距離がある、散発的なパターンの典型例。このなかでも密度の濃いところを探し出すことが重要だ。

 

【パターン別攻略術】
―シイラパターン―

シイラパターンは文字通り、シイラがメインのベイトフィッシュとなっているパターンだ。200kg、300kgといったモンスタークラスの確率が高いのが特徴のひとつだ。
相手がデカいことが多いため、ヘビータックルをセレクトするのが基本。飛距離の出るルアーを選択、小型ルアーを使う必要はない。ルアーがデカすぎても飛ばないので、タックルバランスをよく考慮し、自分が持っているなかの最もヘビーな道具で、飛距離が出せるセッティングにすること。悔いがないよう慎重に選びたい。

水面が沸き立つような、いわゆるスーパーナブラ。視覚的にも興奮度が高く、投げればヒットするように錯覚してしまうが、意外にシビアな喰い方をすることも多い。

– シイラが跳ねる、マグロがジャンプする、という合図を目印にキャストする。シイラパターンの場合は、ほぼリーチが掛かっている状況。狙ったスポットにルアーが到達さえすればヒットする確率は高い。ヘタな小細工にメリットはない。
「シイラはマグロにバーッと追われた後、一回沈むことが多い。沈んだ少し後方でドッカンドッカン出る。シイラが跳んでいるうちはマグロはなかなか捕食せず、沈んでから突き上げてくることが多いですね。逃げていく方向をよく確認して、シイラが沈み、マグロがつき上げたタイミングでキャストが決められたら最高ですね」

バラけて散ったシイラをマグロが追うこともある。この時、早くキャストしすぎ、タイミングを外してしまうのはマズい。ルアーを回収している間にマグロが沈んでしまうからだ。焦りすぎないことも大切だ。反面、2回、3回とマグロが出ることもあるが、1回で終わり、ということもある。タイミングは難しく、運も左右する。

ナブラに向かって走る! 凪の場合ならミヨシで構えていてもいいが、荒れ気味の海況では一段下がるのが安全策。いつでもキャストできるように備えておく。

– マグロが単体で飛んだときも同様。マグロは1匹ということはないので、シイラを追っているときと同様に、その周辺で再び跳ねるのを待つイメージでキャストタイミングを計る。
「ルアーが着水後、待っているとドカンッと出るか、軽くワンアクション、ツーアクションしてドカンッと出るかのどちらかが多いですね。最長で10秒程度待って出なければ回収します」

水面近くで逃げそびれ、フラフラしているシイラを演出する。ルアーがステイしているときのアタックが圧倒的に多いことを覚えておくとよいだろう。

フクラギ、ワラサがメインのベイトフィッシュになっているときも、シイラパターンに準じる攻略、タックルセレクトが通用する。シイラパターンよりも攻略がイージーなことも多い、とは鈴木の弁。その理由のひとつに、シイラはほとんどダンゴにならないが、フクラギなはマグロに追われて、イワシのようにダンゴになることがあるからだ。ただ、シイラパターンほどにはモンスター率が高いわけではないことが多いのも特徴だ。

勝負することが必要な点はマグロとのファイトの特徴

経験がモノを言うアワセからファイト

アタックの勢いがよくてもルアーに乗っていないときがあるので、最初はある程度、「聞く」ことがおすすめだ。聞いて、つまり確認するような動作をしても逃げてしまう相手ではない。とくにナブラを狙っているときはルアーが見えないことも多い。喰ったかどうか瞬時に判断しかねるケースもある。スッポ抜けにつながる早アワセは厳禁だ。
具体的にはラインを張り気味にして、マグロの存在を確認しながら軽くアワセを入れる。ここで思い切りアワせるとスッポ抜ける。

ドラグの初期設定はPE6号なら約6kg、10号なら約10kg。モンスター相手なら最後は20kg近くまで締めることもある。

– 魚に気が付かせるようなイメージの軽さでよい。ここで走り出したら追いアワセを入れる。この流れが最も確実なフッキング法だ。
「気づかせて走らせるイメージです。なかには水面で暴れているだけで走らない魚もいる。こういうのはけっこうバレやすい。このときにドラグがきつすぎる、ロッドが硬すぎるのはマイナス。6号だったら6㎏、10号だったら10㎏。これくらいの設定で少し走らせるようにして、ドラグを締めながら追いアワセを入れる。その後は必要以上にアワせることはしません。スウィープに、魚のウエイトを乗せるように意識しながらアワせるといいですよ」

 

 

 基本的なファイト姿勢。このときはミヨシで掛けてから、マグロの動きに合わせてトモ寄りに移動して対応した。臨機応変にファイト位置や姿勢を変えていくことが大切だ。

アワセが決まれば待望のファイトだ。ファイトは魚のサイズはもちろん、潮の速さ、風の強さなどによって船が流されるスピードや魚の走る方向などで変わってくる。力でねじ伏せられるサイズであればガチンコファイトでもよいが、デカければデカいほど、力だけでは獲れなくなる。

フッキングしたら、脇抱えにしていたロッドをギンバルにセットしてファイトをスタートする。ドラグがキツ過ぎるとテンションが掛かりすぎてギンバルに差すことが難しくなることもある。ファイティングポジションが取りにくければ、いったんドラグテンションを緩めてもいい。まずは基本ポジションを取ることが大切だ。

掛かりどころが悪くマグロがなかなか浮いてこない。ウネリも高い。こんなときは長時間勝負を覚悟し、疲れを癒すファイト姿勢にチェンジする工夫も重要だ。

– マグロが大型の場合や海況によっては常にロッドを一定のポジションに保ち、ギンバルに差してファイトすることが絶対というわけではない。腕が疲れれば、ロッドをギンバルから抜き、マグロに向かって直線的に構え、リールシートの上の部分を持ってキープ、腕を休ませることもある。マグロが浮いてくるのを待ったり、弱ってくるのを待ったりする時間が必要なのだ。マグロのサイズがそれほどではなくとも、掛かりどころによっては長時間ファイトになることもある。こうしたときも同様の工夫が有効だ。
「いまは休みどき、という対応も必要です。ファイトのやり方はマグロのサイズ、掛かりどころ、使っているタックルによって左右されます。ルアーを飲み込んでいる場合、カンヌキに掛かっている場合など、掛かりどころによってもまったく別モノの引きになる。慣れれば相手はそれなりにデカいけれど、あまり引かないから飲んでいるな、それなら早めに勝負をしたほうがいいな、という判断がつきます。自分も楽だからグイグイファイトできる。でも、逆の場合もあります。タックルがライトだと時間ばかりかかってアングラーが疲れ、結果、バラしてしまうということが増えます。可能な限り強いタックルをおすすめしますね」

 

水面に顔を出せば勝負あり、と思いたいが、とくに相手がデカければデカいほど、ここから思いのほか時間が掛かることもある。油断は禁物だ。

– 相手が弱ってきたら徐々にドラグを締めていく。モンスタークラスであれば最終的には15kg、18kgというイメージ。ドラグ値を上げて寄せなければ、魚は弱らず全然浮いてこない。浮いてきたかな、弱ってきたかな、というときに勝負をかける必要があるのだ。
「慣れないうちは判断が難しいですが、勝負することが必要なのもクロマグロとのファイトの特徴のひとつです。普通の魚なら時間を掛けてファイトすれば弱って浮いてくる。でも、モンスタークラスのクロマグロの場合は水面近くまで寄っても余裕で走っていく。200ⅿくらい一気に走ったりもする。だからどこかで主導権を握らないと。たとえば2時間くらいファイトして、船の近くまで寄せてさらに1時間、腕に乳酸がだいぶ溜まった状態で、ここから200ⅿ走られたら精神的に折れますからね」

 

バラすことが多いのはマグロを寄せてきた水面近くが多い。相手との距離が近いのが原因だ。潮の流れや船の流れるスピードがダイレクトにマグロの口元とルアーのフックに負担となって掛かる。ドラグも強くなっている。無理な動き、瞬間的な動きは禁物だ。

最後の詰めで、ロッドをギンバルに差したままだと、ラインが船底に擦れたり、マグロの急な動きに対応できなくなる。脇抱えにポジションをチェンジし、魚の方向にロッドを向けて直線ファイトをしながら寄せてくるほうが安全だ。魚が右に泳いでいるときにロッドを左に倒しても寄ってこない。魚が泳ぐ方向にロッドを倒しつつ、上手に誘導しながら寄せてくることが大切だ。

ギャフが掛かれば終了、というわけではない。モンスタークラスを相手にしたときは疲労困憊だろうが最後まで油断大敵。集中力を保っておきたい。息をつくのはマグロが船に上がってから、とは鈴木からのラストアドバイスだ。(文中敬称略)

イワシナブラパターンでキャッチした約70kgのクロマグロ。大荒れのため、ペンシルではステイできないと判断、引き抵抗が大きく、移動しにくいポッパーの特性を利用した鈴木。さすが! の一本だ。

鈴木斉 使用タックル

使用タックル①

ロッド:オシア プラッガーBG フレックスエナジーS83H
リール:ステラ SW14000XG
メインライン:オシア8 6号
リーダー:ナイロン120LB、140LB

使用タックル②

ロッド:オシア プラッガーBG フレックスエナジーS710XH+
リール:ステラ SW18000HG
メインライン:オシア8 8号
リーダー:ナイロン150LB、180LB

使用タックル③

ロッド:オシア プラッガーBG ブルーフィンツナS73XXH+
リール:ステラ SW20000PG
メインライン:
オシア8 10 号
リーダー:ナイロン180LB

使用タックル④

ロッド:オシア プラッガーBGブルーフィンツナS70XXXH+
リール:ステラSW30000
メインライン:オシア8 12 号
リーダー:ナイロン220LB。先端にファイティングリーダーとしてザイロンノット50号を60cm結節。

ルアーをセットした状態で、いつナブラが沸いて も対応できるようにしておく。チャンスは一瞬。 ルアーチェンジしている時間はないことも多い。

鈴木斉 使用ルアー

【誘い出し用】

オシア バブルディップ220Fフラッシュブースト
オシア ヘッドディップ175Fフラッシュブースト

【イワシナブラパターン用】

オシア ヘッドディップ175Fフラッシュブースト
オシア バブルディップ180F
オシア ドリームチューン160F
オシア ペンシル115XS 60g

【シイラパターン用】

オシア ヘッドディップ200Fフラッシュブースト
オシア ワイルドレスポンス240F

 

WEB LURE X MOVIEクロマグロ×鈴木斉~2020年津軽海峡~