– のと里山空港の観光案内所には「能登丼」のパンフレットが置かれている。能登地方の名産をアピールするもので、海鮮と能登牛が花形だ。
「貝はアカニシとニシバイとサザエ、白いのはヒラメ、これはヒラマサ・・・」

– 半島の中央東側、能登島の北にある港町・穴水の「福寿司」は、遊漁船・N-style船着き場の近くで、店主はとても気さく。富所潤さんはうなずきながら「うまい、うまい!」と、あっと言う間に能登丼を平らげてしまった。
「そのイカ? そうそう、アオリイカ」

地元の店に当たり前のように並ぶアオリイカは、能登では11月に漁獲のピークを迎える。その1カ月の水揚げ量は、関東地方の1年分に相当すると言われている。

穴水港を夜明け前に出て「大口」と呼ばれる湾口から日本海へ。

東の空がうっすら明るくなると、立山連峰の輪郭が見え始める。

水深20メートル弱、アントラージュ・金テオリーブ、最も軽いS0を着底させて4、5回巻きシャクリして止めた瞬間、ティップが震える。同時に合わせると、セフィア・エクスチューン ティップエギングが曲がり込む。

ドワン、ドワン。
リズミカルに引き込まれるたび、S610L-Sがしなやかな生き物のように動く。

うっすら立山連峰が見える夜明け前、入れ乗りが始まった

1投目から 連続ヒット!!

プシュ、プシュッ!
1投目からアオリイカが顔を出す。

プシュ、プシュッ!
2投目も、3投目も。

「満月ですから、明け方がチャンスかもしれません、楽しみましょう」
昨日の乗合は朝の2時間でトップが20杯を数えてから止まったという。

「でも、今日は曇っていますから、釣れ続くかもしれませんね・・・」
明確になるはずの立山連峰の影が、雲で隠れる。眺望は残念だが、空が暗いからか、イカの乗りは衰えない。

ザルにどんどんイカが溜まっていく

いわゆるボートエギング「ティップエギング」発祥は諸説あるが、能登が源流のひとつであることは間違いない。

なぜなら、この地で医師として勤務しながら漁師さんと毎朝のように海に出て、この釣りを完成させた人が、富所潤さんなのだ。

キジハタも能登名物

細かな風や潮の変化、海底の形状、イカの追い方、何かが変わったときに細かく対応していく様子は、だれかに教わったのではなく、自分で考え、調べ、会得したものだと一目で分かる。

だから、富所さんのティップエギングは「簡単そうに見える」し、要点をズバリと衝いてくるから、悩める釣り人を劇的に釣れるようにできる。

  • 巻きシャクリとステイ。動から静へ、スムーズに、メリハリを付けて行えることがタックルの条件でもある

 

同じことは松栄克典船長にもいえる。
富所さんと一緒に漁師さんの船で遊び、今年で開業10年目になる31歳の青年船長は、このあと海底がどうなるか、いつ、どこで聞いても即答できる。

アオリイカは乗り続ける。すでに数は意味をもたない。仮に10杯でも、20杯でも、50杯でも、久しく「楽しい」。
すべてのコンプレックスから解放されたような充足感は、能登の魔法とでも言おうか。

「4〜5回ほかの釣り場に行くのなら、能登に一度、来ます。ここは特別です」
この日、同船させていただいた方の言葉だが、これは多くの人が口にする。

遠方からのリピーター率、100パーセント。
そんな言葉さえ浮かぶ能登のティップエギングはこの日、沖揚がりの昼前まで途切れることなく釣れ続いた。

  • 船長にも竿を持ってもらう

  • 富所さんと一緒にこの釣りを築いてきたN-styleの松栄克典さん(右)通称ノリ船長

「最近は釣りの方が多いんです。イカ釣りで、アオリイカだそうです」
能登丼のパンフレットを受け取ったのと里山空港の観光案内所で、受付の女性2人が口をそろえる。

「名所なんですかね?イカ釣りの」
逆に質問されて、前のめりになる富所さん。そうそう、その船の釣りを開拓して、広めたのが・・・。

ここでフライトの時間。後ろ髪を引かれる思いで、能登を後にした。

タックルデータ

軽量・鋭敏な専用タックルは、まるで指先にイカが触れたかのように、乗り(アタリ)が目に、手に伝わってくる。

ティップエギング専用エギ・アントラージュ。上からS0(25g)、S1(28g)、S2(35g)、S3(43g)、S4(55g)。すべて専用チューンで完璧なバランスを誇る。

ロッド: セフィア エクスチューン ティップエギング
ロッド: セフィア CI4+ ティップエギング
リール: ヴァンキッシュ C3000SDH
エギ: セフィア アントラージュ