瀬戸内全般にいえることだが、島が多く干満の潮位差が大きいので潮も速く複雑になる。それを踏まえて攻め方を考える

潮が速いと言いましたが、潮汐によって大きくその速度は変わります。川のようにガンガン流れるときもあれば、ほとんど動かないこともあります。大潮だから速い、小潮だから緩いとは限りません。

そんな複雑な潮は攻略しがいがあり、その潮の変化と時期に合わせてマダイも大きく動きを変えているので、シーズンごとに狙い方を変えていく必要があります。

「魚籠(びく)」の船長の甲斐出孝憲氏。周辺海域を知り尽くす頼れる船長

今回釣行した時期はマダイが産卵を終えて食いが渋る、いわゆる「アフター」まっただ中でした。お世話になった「魚籠(びく)」の甲斐出船長の話では、それまでは堅調な釣果が出ており、アフターを過ぎるとよく釣れはじめるとのことで、まさに端境期の釣りでした。しかし、そんな時でもしっかり狙えば釣れるというのが鯛ラバのおもしろいところです。

4つのタックルで状況に合わせる周防大島沖攻略タックル

今回は4タックルを持ち込みました。スピニングロッド2本にベイトロッド2本です。
基本はキャスティング用にスピニング、バーチカルやラインを出していく釣りではベイトを使うという考えです。2タックルずつ用意したのは、潮の速さ、水深に応じて鯛ラバの重さを替えるので、いち早くそれに合わせる事ができます。

  • 使う鯛ラバと使い方、釣り場に合わせて4タックルを使う

  • 潮が止まったときはキャスティング鯛ラバも有効

 

カウンター付きのリールは数値で状況把握と巻き速度が再現しやすい

ベイトリールは『エンゲツ CT』と『オシアコンクエストCT』で、カウンター付きのモデルを選択。水深、巻き速度が数値で明確になるので、タックルを替えてもアジャストしやすくなります。

スピニングリールはNEW『ヴァンキッシュ』C3000。
巻き出しが非常に軽いので精度の高いタッチ&ゴーができ、巻きの軽さは鯛ラバやラインにかかるさまざまな状況を伝えてくれます。重い鯛ラバを巻き取りやすいように、ハンドルノブを夢屋アルミラウンド型パワーハンドルノブにカスタマイズしています。

スピニングはNEW『ヴァンキッシュ』C3000。重い鯛ラバを巻き取りやすいよう、ハンドルをアレンジ

ラインは基本的に8本縒りのPE1号にリーダーはフロロ4号の組み合わせ。今回は試しにPE0.8号にフロロ3号のスピニングも持ち込んでみました。ラインの太さに関してはよほどのことがない限り、海域が変わっても同じものを使っていて、十分、大鯛に対応できる強度があります。

また、どこでも同じものを使うことで、鯛ラバを操作する感覚が変わらないのでイメージ通りの釣りができます。

タックルデータ

※『NEWヴァンキッシュ』はハンドルノブ:夢屋 アルミラウンド型パワーハンドルノブ ブラック/ゴールドMノブ

共通

カスタムパーツ:
炎月バクバクネクタイ
炎月集魚ネクタイ
炎月バクバクトレーラー
各種
フック:FF鯛ラバフック #5

周防大島沖のアフター時のヒットパターン

船長の話では、午前中は厳しく、午後の下げ潮に時合があるだろうとのこと。
釣行日までの状況は「食ってもボトムから3m上まで」のことが多く、それ以上は浮かないのだとか。まさにアフターの状況です。産卵後のマダイはボトムであまり動かず貝類や多毛類、動きが鈍い甲殻類、いわゆる「底モノ」を食べています。ゆえに鯛ラバを追ってくれないことがほとんどです。攻略するにはマダイが鯛ラバに反応する有効レンジがボトムからどのくらいまでかをつかみ、そのレンジ内で食わせる鯛ラバの組み合わせを探し出すことが必要になります。

釣り開始。タッチ&ゴーを的確に行います。状況がシビアになればなるほどタッチ&ゴーの精度が重要になります。ボトムにべったり着くマダイは鯛ラバをしっかり見ているので、フォール後に動きを止めてしまうと違和感を覚えてすぐさま見切ってしまうのです。

巻き速度はゆっくりで様子を見て、食わない場合は速巻きも試します。
ひとまず狙うレンジはボトムから3m上までに限定してみました。その範囲内で鯛ラバのセッティングと巻き速度、角度を変えて誘うことでヒットに持ち込みます。開始時はベイトタックルでのバーチカルですが、食わなかったら潮と水深によってはキャスティング鯛ラバで斜め引きをするという展開です。

 

パターン①でのヒット!

開始からしばらくは潮が流れずアタリもない状況でした。
場所移動して潮が緩やかに動いたタイミングでスピニングタックルにチェンジ。鯛ラバをキャストして斜め引きすると瀬戸内らしくチヌが釣れました。このときの鯛ラバのセッティングはストレートネクタイにラバーを少し入れて、ワームをプラスしたユニット①。これに替えてすぐヒットしました。潮の流れはじめはユニットのボリュームを少し上げてアピール度を高めると、魚に見つけてもらいやすくなるのです。

少しずつこの日のヒットパターンが見えてきたところで、船長の見込みどおり、下げ潮になると潮がよく動き、魚探にいい反応が出はじめました。同船者もマダイをキャッチ。いずれもボトムでのヒットで、追って浮いてくる感じはしないとのことでした。やはり時合で食いが立っても、3m以上は追ってこないようです。しかし先ほどのポイントより水深があるのと、流れが強くなっているので、ヘッドはタングステンのままウエイトをアップして、ユニットはチヌを釣ったときの組み合わせ①か、ちょっとボリュームアップの『炎月 集魚ネクタイ』のイカタコカーリー②が効果がありそうです。

同じボリュームアップでも②と③では意味が変わる。そのうえで食わせた1匹

まず①を試すとボトムで小ぶりなマダイがヒット。
こういう状況でこの釣り方だと、小型が続くことが多いです。実際に私も同船者も同じサイズがヒットし続けました。そこで①をベースに、少し全体的にボリュームをアップさせたセッティング③に。

これはボリューム的には②とは違うアピールです。
ちょっとした変化でポンといいサイズが食うことがあります。この日はさっそくヒットしましたがサイズは同じでした。

④で狙ってのサイズアップ

まだ潮は良い感じ。今度はユニットのボリュームをもうちょっと上げて動きは抑えてみることに。タングステン90gにイカタコカーリーとバクバクトレーラー④というセッティングです。これはユニットのボリュームをアップさせ、イカタコカーリーとバクバクトレーラーの浮力を活かしてユニットを漂わせてみせるのが狙いです。浮力のおかげで巻き速度をかなり緩めても、流れの中でユニットがフワフワと漂います。食い渋りのときにかなり効果的。

すると効果覿面。狙い通り、サイズアップ!
試しに一度③に戻して巻き速度もスローに戻すと、サイズが小ぶりに戻りました。小さな工夫が必要なのだということを実感させられます。

⑤でのヒット違うアピールで状況をチェックし続けた

ひと通り、食い渋りの攻略パターンが見えてきたので、納竿までの残り時間はサイズを狙うことに。タングステンヘッドから鉛製の『炎月 タイガーバクバク』⑤へチェンジ。重さは少し軽く80gですが、体積が大きくなるので水押しが異なり、アピール度も大きくなります。ちなみにユニットはイカタコカーリーにバクバクトレーラーの組み合わせ。アタリが続いていたし、同船者がサイズのよいマダイを手にしたのでチャンスです。みんなほぼ同じセッティングなので、ガラっと変化させたアピールで良いサイズのマダイが出ることもあります。

その後も『炎月 タイガーバクバク』をたまに100gにするなど、納竿までの残りの時間は鉛ヘッドに絞って狙ってみましたが、私に良型マダイは微笑んでくれませんでした。当日は最初から最後までボトム勝負でした。しかし船中68cmと63cmが上がり、トータル25匹(7名乗船。うち私は8匹)でした。この状況を考えると、良い釣果です。釣り方が見いだせたこともありますが、うまく釣り場を回ってくださった船長の功績が大きいですね。

今回釣行したエリアは例年8月はイワシが回りはじめ、マダイがそれに着くとイージーに釣れることも多いとのこと。今回はそのパターンではありませんでしたが、ハイシーズンでも食い渋るときはいつだってあります。今回の釣りはそんなときの打開策の参考にしていただけるものではないでしょうか。

今回のヒットパターン

 

周防大島沖のおすすめアイテム

今回の釣行では『炎月ヒューストンバクバクTG ヘッド』と集魚ネクタイの『イカタコカーリー』『炎月バクバクトレーラー』スカイフィッシュの3つが活躍をしてくれました。ボトムに狙いを絞り、タングステンの高比重を活かして底取りを速め、シルエットも小さくして引き抵抗を抑えてヘッドの動きをおとなしめにして、ユニットの動きとボリュームで食わせるというものでした。さまざまなカラーを使いましたが、レッド系にアタリが集中しました。甲殻類をはじめとした底モノを食べているからではないでしょうか。

  • 『炎月 ヒューストンバクバクTGヘッド』。カラーは1色。重さは目に書かれている。ウエイトは45、60、70、90gの4種

  • 『炎月バクバクネクタイ』イカタコカーリー。ボリュームがあり、水もしっかりかき混ぜてくれる

  • 『炎月バクバクトレーラー』スカイフィッシュ。これをカットして使った。ケイムラがこの日は強かった