パターン別の具体的戦術

ここからはナブラなどに対する攻略法を紹介。ルアーセレクトの判断基準、具体的なアプロ―チ法、ルアーアクションなど、状況別の具体的な戦術について踏み込んでいく。

 

【パターン別ルアーセレクト術 ①】ナブラがない場合

ナブラが水面上で確認できない場合は、いわゆる「誘い出し」が基本的な攻略法となる。キハダの存在は船長がソナーを駆使して捉えている。水面下にいるキハダに対し、ルアーを魅惑的に操作することで、誘い出してヒットに持ち込むのだ。

– 水面付近にいるキハダに対し、まずはルアーの存在に気付いてもらえなければヒットに結びつかない。また、船の近くではキハダも警戒するためヒットしにくい。このあたりがルアーセレクトの際の注意点だ。
「ルアーに求められるのは、アピールするために必要な、ある程度のボリューム感。遠投性能も重要です。近づけば近づくほど魚が警戒心を増し、ルアーに反応しづらくなってくるので、船からなるべく離れたところ、遠くから誘ってくるほうがチャンスは増えます」 

– 誘い出しパターンで、鈴木さんがセレクトするのは、オシア ロケットダイブ187F X AR-C、オシア ペンシル別注平政190F。使い方は指示の方向と距離に投げてから、ジャーク&ポーズで巻いてくる。ジャーク幅はショートを基本に、状況次第で変化させる。
「ルアーのアクション的にはストップ&ゴー。ヒラマサを狙う場合と同様の、一般的なダイビングペンシルの使い方と同じです。水面直下で泡を引きながら、ルアーにアクションを与えます。チョンっと引いてから浮かせる、という動きを繰り返したりもします。アピール力を保つために、潜らせ過ぎないよう注意しています」

キャストした直後にいきなりキハダがドンッと出る。これが、ほかにはない、相模湾ならではの醍醐味だ、とは鈴木さん。

オシア 別注平政 190F

006 キョウリンカタクチ ※写真は145Fです

 

マグロとヒラマサ、異なる使用方法に対応する2種類のアクションを両立したフローティングペンシル。しっかりと見せて喰わせる、マグロ狙いのスローなアクションにはST-66 #3/0のセットを想定した浮力設計。ダイブした後の水中の滞在時間を長くし、バイト時にしっかり口の中にルアーが入ることを目的とした設計となっている。

オシア ロケットダイブ 187F X AR-C

009 キョウリントビウオ

鈴木さんコメント

「飛距離が出る、というのが最大の武器。スリムなタイプなので、おとなしめなアクションを生み出すのが特長。水面近くにいるキハダが小さめのベイトを捕食しているときなどに効果的で、控えめなシュポッ、シュポッというスプラッシュと、速めのアクションを武器に、主に誘い出しで使用しています」


水面にナブラが出ている場合、まず確認したいのは、キハダが何を捕食しているのか、ということ。自分の目で確認できることもあるが、出来ない場合は、船長に聞くなどしておおまかに把握しておく。その情報からベイトフィッシュのサイズを想定しておくことがルアーセレクトの判断基準となる。

– ナブラには、ベイトフィッシュが密集している場合とバラけている場合があり、密集している場合も、そのナブラが速く移動していく場合と、留まっている場合とに分けることができる。
「ベイトフィッシュが密集しているナブラで、移動が速い場合はフローティングプラグが有効です。キャスト&アクション、そして回収を手返しよく行えるからです。あまり大きいルアーだとバイトしてきても乗り切らないことが多いので、フローティングペンシルのなかでも、比較的小型で、飛距離が出るものを使用するのがいいですね」

– 鈴木さんセレクトはオシア ドリームチューン160F、オシア ヘッドディップ140F AR-C。ルアーは、沸き立つナブラの中ではなく、周りにキャストするのがコツだ。
「ナブラのど真ん中に落とすと魚からも自分からもルアーが確認できない。できるだけナブラの周りにルアーを置くようにして、1個だけポツンと浮いている状況を作る。そうするとルアーが目立つので、魚が気付きやすいんです」

ルアーは放っておくか、アクションを加えるにしてもチョンッと引いてステイ、という程度に留める。基本的に移動距離を少なくし、ナブラからあまり離さないように注意する。ナブラを追い詰めている場合、あまり派手に動いていくルアーに対しては反応が悪いことが多い。動かし過ぎに注意だ。

オシア ヘッドディップ140F/175F AR-C

37T アルミカタクチ

通常の別注平政160Fよりウェイトを後方に集めて配置。後方重心となっているチューンドモデル 「オシア ドリームチューン160F」に狂鱗仕様が新登場。8号以上のPEラインでも、しっかり飛距離を稼げるキャスタビリティが武器。風や波の影響で、着水点からルアーが流され、ナブラからルアーが離れてしまわないよう、絶妙な浮き姿勢となるチューニングが施されている。

オシア ドリームチューン 160F

004 キョウリンシイラ

 

鈴木さんコメント

「昨年、相模湾で一日に2本しかキハダがキャッチできなかった日の1本を仕留めることに成功したルアーです。飛距離は十分。チョンとアクションを加えても、移動距離が少ない、水の押しの強さがあるところがいい。自走しにくく、テール重心なので同じ場所で踏ん張ってくれる。一カ所で粘って、キハダを誘ってくれるところがお気に入りです」


【パターン別ルアーセレクト術 ③】密集したナブラで移動が遅い場合

– 密集して跳ねている場合でも、その移動が遅い場合にはシンキングペンシルが有効だ。
「シンキングペンシルは、キャストしてから沈める時間が必要です。フォール中にキハダを誘うルアーですからね。そのため移動の速いナブラの場合は群れから取り残されてしまいます。移動が遅い場合に効果的なルアーです」

– このケースで鈴木さんが使用するのは、オシア サーディンボール150Sフラッシュブースト、オシア マンマサーディン90Sだ。使い分けのベースは、ベイトフィッシュのサイズだ。
「2つのルアーは、ベイトサイズに合わせて使い分けるのが基本です。オシア サーディンボール150Sフラッシュブーストはフラッシュブーストがついているのでキハダを引き出す力、アピール力が大きい。レンジが深い場合や、広範囲に密集している場合にいいですね。オシア マンマサーディン90Sは、アピール力こそ大きくはないですが、10cm以下のイワシを捕食しているようなとき、なかなか喰わないセレクティブな状況での最後の一手になります」

着水点はナブラの真ん中を避ける。ナブラの下のキハダの群れにルアーが入りやすい、両サイドに落とすのが基本だ。

– 着水後はカウントダウンしてルアーを沈める。鈴木さんが基本としているのは5秒。最大で10秒。水面にベイトを追い詰めているので、あまり落としていってもキハダが追いかけて捕食することは少ない。沈めていってもシイラやサメがヒットしてくる確率がアップするだけでなく、他のアングラーとのオマツリの危険性が高まってしまう。
「5秒から10秒間沈めたら、水面近くまで巻き上げ、また沈める、というパターンを何回か繰り返し、回収するのが基本です。アクションは加えません。水中に漂っているイワシをイメージします。変に動かすとキハダに違和感を与えるだけです」

– フリーに落とすか、カーブフォールで落とすか? これは状況次第だ。
「フォールの方法は潮の向きや船の進行方向に合わせて調整します。ラインテンションが緩む状況ならラインを出さないようにしてフォール、張ってしまう状況ならラインを多めに出しながらフォールします。一番多いのは、フェザーリングしながら、パラパラとラインを出しているときのヒットです」

 

動かさずに誘えるフラッシュブースト搭載!
キハダ狙いに特化した150mmシンペン

実績に裏打ちされた船長たちからのアドバイスを参考に、船上で調整した、扱いやすさ優先のバランス設計が形になったシンペン。サメ付きのイワシダンゴなどでの使用を想定。トリにつかまらないシンキングタイプでありながら、早く沈み過ぎないスローフォール設定。キハダにしっかりシルエットを見せ続けるためのボディサイズ。すべて現場で得られたノウハウが詰め込まれたシンペン。

鈴木さんコメント

「イワシがダンゴ状態、そこでボカンボカンとキハダが出ていてもなかなか喰わない状況や、キャストしてもすぐにトリに持っていかれてしまうような状況が出番ですね。水面を引っ張ることなく水面直下でアピールできる、というのが強み。漂っているものを拾うようにして捕食するキハダに訴えるフォールスピードもいい。フラッシュブーストが搭載されているので、いままで攻略できなかった状況でもヒットに持ち込める、そんな可能性を秘めたルアーです」

オシア サーディンボール 150S フラッシュブースト

003 Fカタクチ

リアルイワシサイズの90mm。
ゆっくり落ちて、拾い喰いを誘発! 

キャスタビリティを確保したうえで、小さいベイトにシルエットは合わせたい! キハダを狙う上で、絶対的に必要な性能をのせ、さらに喰わせやすいフォールスピードを実現するためにウェイトをチューニングした新しいマンマサーディン。直接アシストフックを結ぶことで違和感となりうる金属音を低減。ただ巻きでは小刻みなウォブリング、フォールではラインテンションのコントロールによって、スライドやバイブレーションがランダムに入るよう設計。イワシの群れのなかでも目立つデザインを採用している。

鈴木さんコメント

「小さいベイトを喰っているときは、何を投げても無反応、ということがよくある。しかも、キハダは速くフォールするものよりも、潮の流れに乗ってフワフワ漂っているものを拾い喰いしていることが多い。こんなときは小型の軽量なルアーが活躍するけれど、ライト過ぎるタックルでなければキャストできないようなルアーは乗合船では使えない。最低でもPE3号の使用を前提に、釣りが成立できるよう自重を確保し、ゆっくりフォールする設定になっているのがオシア マンマサーディン90S。リアルなフォルムとサイズが、キハダについ口を使わせてしまうイメージですね。フィッシングプレッシャーが高く、イワシダンゴが沈みがちなときは、ヘビーウェイトモデルのオシア マンマサーディン90HSも効果的です」

オシア マンマサーディン 90S

001 キョウリンカタクチ


【パターン別ルアーセレクト術 ④】ナブラがバラけている場合

– ベイトフィッシュ、キハダともに密集せず、間隔をおいて跳ねている場合は、飛距離を出してのキャスト、そして目立たせる、という意識が必要になる。ルアーにはキャスタビリティの高さ、大きすぎない、ほどよいボリューム感が重視される。
「キャスト後、着水点から動きにくい、水押しが強いタイプのルアーが有効です。僕はオシア ヘッドディップ175F AR-C、オシア ペンシル別注平政190Fが好きですね。ナブラ撃ちの誘いだし、というパターンです」

船でナブラを追い掛け、移動しながらキャストしたり、いったん船を止めてから合図が出て、キャストすることもある。進行方向にキャスト、少し待ち、そこからチョンっとアクションを加えるとキハダがドンッと出てくる。そんなイメージだ。

このパターンの場合、ベイトフィッシュはサバ、ソウダ、カツオなど、比較的、大型のことが多い。キャスト後はトゥイッチが基本アクション。ゆっくりチョンと動かして止める、チョンと動かして止める。このアクションでアピールするのが鈴木流だ。

 

140F&175F 2つのサイズを使い分けてキハダにアピール!

安定した飛距離と強い水押し性能を特長とする、マグロに照準を絞って設計されたフローティングペンシル。「AR-C重心移動システム」搭載で、ライバルとなるアングラーよりも遠くのポイントにルアーを届けることが可能。

オシア ヘッドディップ140F/175F AR-C

37T アルミカタクチ

ヒラマサチューンモデルの190Fは、キハダ狙いの誘い出しにも活躍!

飛びと泳ぎを両立させたオシアペンシルシリーズのなかでも、S字ダイブ系アクションを意識した専用モデル。コンセプトは“飛び”と“入り”の良さ。足場の高い立ち位置でも安定してダイブする簡単操作設計。ヒラマサはもちろん、ブリ、マグロキャスティングにも対応。ベイトや活性に合わせて選べる多彩なサイズ展開で、状況に応じた攻めが可能。

オシア 別注平政 190F

006 キョウリンカタクチ ※写真は145Fです

状況にあったルアーを使い分けて、難敵、相模湾キハダをヒットに持ち込んでください、と鈴木さん。

 

– タックルはワンセットで十分、とはいかないのがキハダゲーム。鈴木さんも常に複数タックルを船上に持参している。
「最も少ないときでも、大きいルアー用と小さいルアー用、2セットは用意します。多いときは、トラブルに対する予備の意味もあり、6セット程度まで持ち込みます。ルアーをチェンジしている時間がもったいない、間に合わないというリスクを避けることを考慮すると、使用ルアーごとに用意しておくことが理想。絶好のチャンスをルアーチェンジで逃すことがないようにしたいですよね」

– 相模湾では、20kg前後のスレているキハダを釣る、繊細な釣りを展開する、ということを基本にタックルをセットするが、そうではないときもある。
「数日前からデカイ魚の気配がある、ソウダなどの大きいベイトフィッシュが捕食されている、という情報があれば、PE6号、8号タックルを持参することもあります」

80kgというデカキハダは、パワータックルを持参したからこそキャッチできた! ということもある。ここぞというときに用意できれば、ビッグワンの夢を叶えることができる!? かも。