実釣フィールド / 西海市(長崎県)

西海市は長崎県北西部の西彼杵半島北部に位置する。
五島灘、佐世保湾、大村湾に面する海岸線は複雑に入り組んだリアス式海岸で、橋や定期船で手軽に渡れる離島もある。エギングの好スポットが豊富な人気フィールドだ。

DAY1 藻場+カケアガリ+深場をキーに大型イカ探し

西彼杵半島北部には寺島、大島、蛎浦島、崎戸島が連なって浮かび、橋で結ばれている。車でアクセスが可能で磯、水道、入り江など様々なシュチュエーションでエギングが楽しめる。

– 実釣は4月中旬。湯川さんは長崎県北西部の西海市に向かった。
「長崎の各地で釣果がポロポロ出ている情報がある。だったら釣りをしたことがないエリア、ということで来てみました。目標は2kgオーバー(笑)。出たら良いですね」

– 当連載のロケ地は、初場所が多い。
「エギングの楽しさは、魚とは違うアオリイカ独特の引きが一つ。そしてもう一つがイカ探し。初めてのフィールドはワクワクしますからね(笑)」

– この2つが湯川さんのエギングの根幹ともいえる。では、春の大型イカ探し。湯川さんのお眼鏡に叶う釣り場の条件とは?
「ワンドの奥に藻場、要は産卵場があって、ワンドの入り口がカケアガリで深場が隣接している。春の基本的な考え方に潮の状況やベイトなど地域性が絡んでくると思いますが、今は水温が17℃と低め。まだ走りの時季。水温18℃以上で安定すると春イカシーズンの本番を迎えます」

長崎空港に降り立った湯川さんは、西海市北西部の橋で結ばれた島々へと車を走らせた。

 

藻場を起点に大型イカの動きを追う

春の大型イカの動きは藻場(産卵場)がゴール。
そこを起点に産卵を意識したイカがどこにいるかを探す。「実釣時は水温が17℃で産卵前。イカは深場に居て、夜、捕食でシャローに上がる。日中は藻場近くのカケアガリに良型が付いていることも多い。秋のサイズアップも同じような条件で狙えます」

水深7m前後のカケアガリで捕食を意識するイカをNEWウェポンで狙う

– 最初に選んだ釣り場は、奥に浜をひかえたワンド入り口の磯の張り出しだ。
「藻はないですね。水温的にも藻がモサッと繁る時季ではない。春イカの走りの時季で、捕食も夜が中心。産卵場近くの磯の張り出しなど、水深が7、8mあって潮通しが良いカケアガリには明るくなっても捕食意識の高いイカが残っている可能性があります。今回は、こういうところをテンポ良く回る展開になりそうですね」

– 釣り場に着き、タックルを組む湯川さんの手には装飾のないロッドが・・・そ、それは?
「Sephia LIMITEDの最終プロトモデルがあがってきたんです(笑)」

– シマノ製品で“LIMITED”といえば、シリーズ最高峰の機種に与えられる称号だ。特長は?
「現時点での最新テクノロジーが惜しげなく導入されていますが、特長・・・うーん、単に軽くて強くなった的なことだけではなく、エギングをやり込んでいる人ほど、その凄さがわかっていただけると思います。そのへんは実釣しながらお伝えできればと。あと、もう一つ」

– ほかにも新作があるんですか?
「Clinchにラトルバージョンが出ます。Clinchに音というアピールをプラス。エギの選択肢が広がります。今回は、この2つの新戦力を軸にイカ探しを楽しみます」

 

Sephia LIMITED
エキスパートをさらなる高みへ引き上げる

「軽くて強く、しなやかでシャープ。自分の手の延長線のような感度もある。自重も軽いけど、持ったときや振ったときにより軽く感じられるロッドです。スパイラルXコアに高強度材を採用したブランクスや、カーボンシェルグリップ、Xガイドなどの最新テクノロジーが、自分の理想とするロッドを生み出してくれました。エキスパートの方がこのロッドを使えば、もっと上手くなれるはずです」 

Sephia LIMITED

S86M

 

実釣ではSephia LIMITED S86Mをセレクト。Mクラスでもしなやかでシャープな操作感

「Sephia LIMITEDはS83L、S85ML、S86Mの3機種が出ますが、今回はカケアガリ周辺のイカを遠投して広く探るため、そして大型イカを意識して一番パワーのあるS86Mをセレクト。パワーがあるといってもブランクスは軽くて細く、きれいに曲がって素早く戻り、ブレの収束も今までになく早い。キャストで気持ち良く振り抜け、軽快にシャクれる。しなやかでシャープな操作感が、8ft6inという長さを感じさせないロッドです」

 

フォール中も音を発してイカを誘う!

Clinchのカエル跳びアッパーとエクスカウンターにラトルバージョンが登場。上下2段のラトルルームを内蔵し、シャクリだけでなく、フリーフォールからカーブフォールに切り替える際に音を発するフォールラトルでイカを誘うことができる。「ボトムにトンッと置いて、テールを上げるときにもガラスラトルボールが転がる。ステイでも音を出します」

Sephia Clinch Rattle カエル跳びアッパー / エクスカウンター

005 ピンクコア

 

【湯川さんのラトル考】「ラトルの登場でアピールの幅が広がります」

「正直、こういうときはラトルが効く、という明確な使い分けは解明されていません。ただ、明らかにラトルのほうが良く釣れるケースは、テストで何度も経験してます。エギングで使うルアーは、エギという1タイプしかない。ClinchとClinch Rattleの使い分けで、アピールの幅を広げることができます」

フォールで誘う

フォールで誘う

通常のラトル入りエギはダートアクションのタイミングでラトルサウンドを発生します。クリンチラトルシリーズにはオリジナル「ラトルシステム」を搭載しているため、フリーフォールからカーブフォールのタイミングでもラトルサウンドでイカを誘うことが可能です。

ステイで誘う

ステイで誘う

ボトムタッチの際は、エギの浮力でボディが持ち上げられます。これによりエギの角度が変化し、内部のガラスラトルから音を発生します。また、わずかな潮の流れでエギがふらつくことで、ボトムステイでもしっかりイカを誘うことが可能です。

ロッドから伝わる水中の情報量が多いほどイカ探しが楽しめる

「ここはワンド入り口のカケアガリで、沖側には瀬があって、すり鉢状に深くなってる。日中に喰い気のあるイカが溜まるのは、こういうところ。でも、潮がスカスカで厳しい」

– いつものようにスマートフォンの地図アプリの衛星写真で地形を見て、好条件がそろっていそうな場所を目指すが、アプローチがわからなかったり、釣り場まで30分近く磯場を歩くなど効率良く釣り場を回れない。いざ、現場に立っても潮や水深など、何らかの好条件が足らず、思い通りに展開できない釣りが続く。
「初めてのエリアなので仕方ないこと。時間がかかっても気になるところは撃たないと悔いが残るし、明日以降のためにもポイントを見ておきたいですからね。その点でもSephia LIMITEDは優れています」

 

– Sephia LIMITEDが釣り場の下見にも役立つ?
「水中の情報を感知する能力がすごく高いんです。シャクリの重さの微妙な違い。潮の流れの変化。ボトムの地形。海藻の有無などが手に取るようにわかる。ここはフラットな砂底で潮はスカスカ。今はないな、とポイントを見切りやすくなります。ロッドから伝わる水中の情報が多くて正確なほどイカ探しが楽しめますからね」

– 昼すぎにスタートを切った初日の実釣は、釣り場を2ヵ所チェックした時点で、まもなく夕方を迎えようとしていた。その間、イカのアタリはなく、浅場で数杯見えた4、500gほどのイカは、エギを見ても無反応。
「イカの活性は低い? でも、何かのタイミングで口を使ってくれるはずです」

日没前の照度変化で活性が上がった居付きを仕留める

– 初日、最後に選んだ釣り場は、大島南部の平磯の張り出し先端だ。
「ここは比較的遠浅で、水深は着水点でおそらく4、5m。居付きのイカが日没間近の照度変化で活性が上がって、喰ってくるんじゃないかな、という狙いです」

– エギはClinch Rattle エクスカウンター3.5号。カラーは005ピンクコアを選択。
「ピンクコアはローライトでも視認性が高い。あとClinchとClinch Rattleは、カラーバリエーションが違うので、色の選択肢も広がります」

 

– 釣り場に立って3投目。離れ磯の脇に沈む根周りの探るとすぐに答えは出た。
「ボトムをとってシャクって、ロッドを立ててきいていたら、グンッと持っていった。やっぱり活性の高いイカが居ましたね」

– サイズは700g前後。明日につながる1杯になりますね?
「浅場で活性の高い居付きが釣れるのは想定内。逆に言えば、シャローでもっと釣れないといけないんです。明日も春イカシーズンらしく藻場やワンドに絡むカケアガリをキーに大型イカを探します」

 

アオリイカの引きを存分に楽しめるロッド

「Sephia LIMITED S86Mは、パワーはあるけど負荷がかかればきれいに曲がります。700gのイカの引きも十分に楽しめます。よりイカの引きを楽しみたい人は、S83Lがおすすめ。Sephia LIMITEDは曲がっても復元力が強いから、でかいイカを楽に浮かせることができる。ファイトでも頼りになります」

DAY2 先行者の存在や警戒心の高い見えイカ。
プレッシャーが高い!?

「春に大型イカを狙うならワンドの奥に藻がワサーッと生えて、沖に向かってかけ下がっていくエリアが良い」

– 2日目もこの条件をキーに大型イカを探す。向かったのは初日と同じ、大島周辺だ。
「水温が低く藻は少ないですけど、年間通して水深6、7mの潮通しの良いカケアガリは良型が出やすいですからね。明け方の満潮から下げが動き出すタイミングを狙っているんですが、パッとしませんね」

– 潮目など気になる変化を抜け目なく探るがイカの反応はない。
「潮目がスカスカ。移動しましょう」

– 風裏の潮が引くと立てそうな磯の張り出しに向かうと、そこには先行者が潮待ち。
「やっぱり良いポイントなんでしょうね」

– 移動中、ホンダワラが繁る入り江に小型だが数杯のイカを発見。エギを投げるために水辺に近づくだけでイカが沈む。無論、エギにも無反応。
「良いポイントには先行者が居るし、見えイカの警戒心も高い。意外と激戦区なのかもしれませんね。多少、風が影響しても地形的に条件の良さそうなポイントに入るしかないですね。状況によっては風を利用して釣ります」

 

 

横風も一利あり!
ラインを引かせてドリフトフォール

実釣でみせた湯川さんの風対策はこうだ。
「向かい風は、ロッドティップを水面に近づけラインが風の影響を受けにくくすれば、エギのフォール姿勢をコントロールしやすい。追い風は飛距離を伸ばせますが、エギがどうなっているかわからないほどの遠投はNG。横風はシャクリ後、あえてラインに風を当ててカーブフォール。ドリフトさせるように扇状に探ります。Clinch Rattleは風でラインが張った瞬間、フリーからカーブフォールに移行し、フォールラトルが活かせます」

イワシの大群に魚食魚のボイル乱発でイカが姿を消す!?

– 午前中は大島周辺で釣果がなく、午後は西海市南部へ大きく移動。フェリーで10分ほどの離島に渡る。
「岬とワンドが連続する磯があって、ちょうど風裏。明日の最終日のポイント選びのためにも見ておきたかったエリアです。離島なら釣り人も少ないでしょうし」

– 釣り場に立つとワンド奥のシャローに早速、見えイカを発見。エギを投げるが反応はない。
「やる気がないなぁ。今は上げ潮に入っている。潮変わりなど、何かの変化点で喰うんでしょうけど」

 

– ワンド奥のシャローから岬先端まで立ち位置を変えながら探っていると、沖でナブラが立つ。そのナブラが岸に接近。
「イワシがラインに当たってアタリがわからない。多すぎ」 「わっ、70cmくらいの真鯛が追いかけてきた」

– 静かだった磯の状況が一変。各所でボイルが発生し、追い詰められた大量のカタクチイワシが磯際の潮溜まりに逃げ込んでくる。
「大型のフィッシュイーターの活性が高いというのは、良くないですね。イカが警戒。これだけベイトフィッシュが多いと、明日、この島で釣りをすることはないですね」

イワシの群れのザワつき あちこちでボイルしている

– 離島は船の便によって移動に制約がある。明日も同じ状況なら、限られた時間を浪費することになりかねない。実釣2日目もボイルが多発する磯で、夕方の好機を費やすことになってしまった。
「ルアーを持ってくれば良かった(笑)。でも可能性はゼロじゃない。イカの活性は低そうなのでボトムを叩きます。フィッシュイーターに追われて、弱って沈んだイワシを食べてるイカも居るはずです」

ボトムをじっくり、ていねいに探るがイカの反応はなく、2日目の実釣を終える。

 

イカの活性が低いときはボトムノック

「活性の低いイカは、エギを見つけても遠くからは出てこない。ましてや上で真鯛や青物がイワシを追い回していれば、浮かずに底ベタ。ボトムで糸フケを瞬間的に張る移動距離を抑えたシャクリが有効です。イカの目の前にエギを置くイメージ。Sephia LIMITED S86Mは、ティップがしなやかだからボトムノックがやりやすい。またClinch Rattleは、ボトムでステイ中の立ち姿勢の変化でもラトルボールが転がって音を立てます」

DAY3 満潮潮止まり直前+照度の変化点で快心の1杯

– 最終日は帰路を考えると16時がタイムリミット。日暮れ前に現地を発たないといけない。
「明け方の満潮前後から下げ。潮変わりのタイミングにローライトからデイライトに変わる照度の変化点が絡む。今日、一番の時合いです。あとは昼の干潮潮止まり前と、ラストチャンスが上げが動き出すタイミングですね」

– 早朝の時合いに向かったのは大島周辺。初日に見えイカを見たワンドだ。
「朝イチ、ワンドのシャローに活性の高いイカが残っているかもしれないですからね」

– Clinch Rattle カエル跳びアッパー3.0号の切れの良いダートで、シャローをテンポ良く探る。
「出てくるイカはいないですね。高活性イカが残っていないし、潮も効いていないので、ゆっくり探る釣りに切り替えます」

– エギをClinch Rattle エクスカウンター3.5号にチェンジ。
「ワンド中央の深場を狙います」

Sephia Clinch Rattle エクスカウンター 3.5号

005 ピンクコア

– キャスト後、底をとってパンパンッと瞬間的にラインを張るようにシャクって再着底。次のシャクリでSephia LIMITED S86Mがきれいな弧を描く。
「フリーで落としているときに抱いていましたね。フリー(フォール)で喰うということは高活性。活性の高いイカは居れば喰ってきます。中潮の満潮潮止まり直前。読みどおり(笑)。サイズに関係なくうれしい1杯です」

– 活性の高いイカがいる場所とタイミングを見越して獲った1杯。湯川さんがイカを探し当てた。
「あとはサイズアップ。春らしいイカをなんとか獲りたいですね」

「ポイントは合っている」。大型イカをあと一歩まで追い詰めているが・・・

– 朝の1杯を獲った後は、ワンド入り口のカケアガリを探って反応がなく移動。次に向かったのは、奥の深い入り江入り口の水道だ。
「水道のカケアガリに付くイカを狙います。下げの潮が効いていれば、ブレイクを回遊するイカもいるはずです」

– ブレイク沿いを探りつつ、ブレイクが最も岸に寄る一等地に近づくとそこには先行者が。移動を強いられ、次に向かったのは奥にホンダワラがまばらに生える入り江の入り口だ。
「春が進めばホンダワラがワサッと生えて産卵場になるはず。航路みたいに溝があって、そこがイカの通り道になるはずです」

– だが、サオを出すと湯川さんの表情が曇る。
「潮が動かない。スカスカで釣れる気がしない」

– 釣り場を離れた後、地元のアングラーの話によると、先行者がキロアップを釣った後だったようだ。
「先行者は潮が止まったから立ち去った、ということですね」

– 湯川さんが選ぶ釣り場は合っている。だが、潮のタイミングなどわずかな要素が噛み合わず、大型イカを追い詰めきれない。
「ポイントごとの時合いを知り、潮待ちをできるのが地元アングラーの強みですからね。時間的に次はラストポイント。初日に釣った磯で勝負します」

「サイズは出ませんでしたけど、大型イカ探しのプロセスは楽しめました」

「平磯で比較的浅く、初日に居付きのイカが釣れた。今日も潮が動けばチャンスはあるはずです」

– 13時すぎの干潮から約2時間経過。上げ潮が効き出すタイミングを狙う。
「磯際に小魚がたくさんいる。沖には青物のボイル。4、500gですけど見えイカもいる。初日より生命感があります。少しずつ流れも出てきた」

– 釣況は徐々に好転しそうだが、タイムリミットが迫る。
「ラスト1投!」

– 渾身のシャクリでClinch Rattle エクスカウンター3.5号に命を吹き込むがイカの反応はなく、サオをたたむこととなった。
「サイズは出ませんでしたけど、思いどおりのポイントで読みどおりの時間に喰わせることができました。全国各地で7月頃まで春らしい大型イカが狙えるので、でかイカハンティングを楽しんでほしいですね。悔いがあるとすれば? Sephia LIMITED S86Mで大型イカとのファイトをお見せできなかったこと(笑)。テストではS85MLでキロアップの引きを楽しみながら、余裕で獲れました。S86Mはアカ系のナイトゲームでも安心して使えるパワーがある。2kgオーバーは、次のJOE Style! で狙いますわ(笑)」

WEB LURE X MOVIE新戦力Sephia LIMITEDとSephia Clinch Rattleで愉しむ 春の大型イカハンティング in 西海(長崎県)