実釣フィールド / いちき串木野市周辺(鹿児島県)

鹿児島県薩摩半島の西岸に位置し、全長47kmの砂丘海岸、吹上浜北部を臨む風光明媚な地だ。 
ソルトゲームは、サーフ、漁港、河口、地磯などフィールドが多彩で、幅広い釣種が楽しめる。また串木野漁港は遠洋漁業の基地で、ご当地グルメはまぐろラーメンなどマグロ料理が人気。

DAY2 朝の4時間を投げ倒しワンチャンスを逃さずにキャッチ!

– 前編で紹介したとおり、2日目の朝は直線的な海岸線にある大きな地形変化として目を引く岬の長崎鼻で実釣。“空の白みはじめ”、“潮止まり前”、“潮の動きはじめ”の朝の3回の時合いを狙って、ラストチャンスで600gをキャッチした。
「大潮の満潮から下げはじめ。キャストして最初の着底から跳ね上げたらすぐに抱いてくれました。時間どおり。時合いは短かったですけど、潮が動き出す瞬間に反応してくれんたんでしょう。うれしい1杯ですね」

実釣開始から約4時間投げ倒していたからこそ、ワンチャンスを逃さずに獲れたイカだ。

“のっぺりとした海岸線の大きな変化はイカが回遊しやすい”が現実に!?

– ただし、朝マヅメから実釣を開始し、3回の好機に1杯という釣果は、状況としては渋いということですか?
「いや、周りのヤエンの人の釣果を見ても2時間に1回くらいのペースでポロッと釣れてます。そういうところなんだと思うんですよね」

– そういうところ・・・?
「要は、単発ですけど、2時間に1回くらいのペースでコンスタントにイカが回ってくる。地元の紀伊半島にもこういうところはあまりない。そういう意味では、すごいポイント。定期的にイカが入ってくるということは、待ってれば釣れるんですからね」

– 定期的にイカが回遊してくる要因は?
「沖堤との間が水道で潮通しが良いとか、ベイトの存在。水深やカケアガリの角度、シモリの位置など、いろいろな要素があると思います。今回は2時間に1回ですけど、潮回りが違えば変わるでしょうし。一概にこうとは言い切れないですよね」

– なるほど。では、今回のいちき串木野エリアのように、直線的な海岸線にある岬などの大きな変化は、イカが定期的に回遊してきやすいということは?
「そういう傾向はあると思います。さっき釣った600gが9時半だから、次は11時半頃。このタイミングで釣れれば、1日回遊待ちしても良いポイントになりますよね」

前編で湯川さんが言っていた「海岸線がのっぺりしているからこそ、その中にある岬や漁港などの変化に回遊するイカが足を止めやすい」というコメントが実態として現れてきた。

朝の1杯から約2時間後に600グラムを追加し、回遊ペースを確信

【ヒットエギ】

  • セフィア クリンチ  エクスカウンター

    02T オレンジドット

  • – 10時すぎに磯際から30mほど離れた沈み根に800gクラスのイカが回ってくる。湯川さんはすかさずエクスカウンター3.5号のオレンジドットでアプローチ。
    「一瞬、エギを見るだけですね」

    – というとケイムラアカエビ、ケイムラアボカドなど1投ごとに色を替え、5色を試す。
    「これだけカラーローテーションして反応がなければ、色のせいではないと判断できます。白かったので活性は低いはず。でも、何かのタイミングで喰うんですよね」

– その喰う確率が上がりやすいタイミングが、前編の解説のとおり、朝夕マヅメの照度変化、潮止まり直前、潮の動きはじめだ。反応しない見えイカを見切り、再びボトムを黙々と丁寧に探っていると湯川さんがアワセを入れる。
「抱いた! 何時ですか・・・!?」

– 11時15分です!
「ハハハッ! やっぱり回遊は2時間に1回ですね! サイズはそんなに大きくないですけど、満足度は高い!」

読みどおりのタイミングで600gを追加。この日、この釣り場での回遊パターンを決定づけるような1杯をキャッチ。

初見のエリアで釣り場に迷ったら“地元の実績場”をチェック

「長崎鼻は、昨日の夕マヅメも釣り人が居たし、今朝もヤエンの人は夜から入っていると言っていました。イカが回ってきやすい実績のあるポイントなんでしょう」

– そして、午前中の実釣で回遊は2時間に1回ペースというのがわかってきた。次の回遊は13時30分頃になる?
「おそらく。14時40分すぎが干潮で、潮止まり直前。その2時間後は潮の動き出しと、潮がわりのタイミングも絡んできます。あと言い方を変えれば、長崎鼻のようなのっぺりとした海岸線にある大きな変化は、回遊のペースがつかめなくても、エギを投げ続ければ釣れる可能性が高いです」

– 地形的にも見つけやすい変化ですね。
「ビギナーの方でもわかりやすいですよね。そういうポイントは、何らかの好条件がそろっているからイカが回ってきやすい。要は、地元の実績場になりやすい」

– 初めてのエリアで釣りをするときは、実績場所の情報収集もキーになる?
「なります。とくにビギナーの方でポイントがわからなければ。慣れてきたら僕みたいにスマホで航空写真を見て、ポイント探しを楽しむのも良いと思います。今日はフィールドの状況がつかめてきたので、午後はタックルを替えます。フルモデルチェンジしたSephia BBのロッドとリールを使って、ビギナーの方が楽しめる釣り方で、サイズアップを狙います」

「NEW Sephia BBはエギングの基本テクニックがより身につけやすいです」

– 湯川さんが用意したSephia BBのロッドは、S83LとS86MLだ。
「S83Lは、良いシャローがあればカエル跳びアッパーでシャロー撃ちをするために。S86MLは、春イカを視野に入れてエクスカウンター3.5、3.8号をしっかり動かして回遊待ち。今日は2時間に1回ペースの回遊なので、S86MLの出番ですね」

]- リールのSephia BB C3000Sをセットし、午後の実釣を再開。愛竿のSephia XTUNEを操るのと同じように緩急、強弱をつけた多彩なシャクリでエギを動かし、イカを誘う。エギはエクスカウンター3.5号を使用。
「タックルのバランスが良く、軽快にシャクれます。入門機にありがちなダルさもない。エギングタックルとしての基本性能が優れているので、ビギナーの方がエギングの基本テクニックを身につけやすいでしょうね」

湯川さんに新しいSephia BBのロッド、リールの使用感と、それを使ったビギナー向けのテクニックを紹介してもらった。

 

 

【JOE’s impression Sephia BB S86ML】
「ブランクスのしなやかさが跳ね上げ系のシャクリをサポート」

「ブランクスにキャスト時やファイト時のネジレを防ぐハイパワーXを採用。これはシャクリでも効果を発揮して、以前のBBよりしなやかさを感じます。Sephia BBリールとのバランスも良いので、テコの原理でサオ先を上げて、瞬間的にラインを張ってエギを跳ね上げることができます。回遊待ちで多用する前への移動距離を抑えたシャクリがしやすいです」

【JOE’s one point advice for beginner】 
 エギを高く跳ね上げる多段シャクリをマスター

「エギが着底したらティップを下げながらエギの重みを感じるくらいまで糸フケを巻き取る。そこからロッドをパンッと素早く立てると、サオが曲がって戻る力でエギが跳ね上がります。一回で大きく跳ね上げれば1段シャクリ。パンパンッと2回に分ければ2段シャクリになります。新しいSephia BBは、ロッドの戻りが早いのでシャクリがより行いやすくなっています」

【JOE’s impression Sephia BB S86ML】
 「キャスト、シャクリでダルさは感じず、中級者以上にも対応」

「キャストはスムーズに曲がって反発力もあり、ティップのブレの収束が早く、飛距離が出ます。ガンガン力を込めなくてもエギを動かせるし、ティップの戻りも早いからワンピッチでクイックなダートの連続も可能。普及価格帯のロッドですけど、キャスト、シャクリでダルさ、鈍さは感じず、中級者以上の方にも対応するロッドだと思います」

【JOE’s one point advice for beginner】 
 ワンピッチジャークの連続ダートで誘いに変化をつける

「ロッドのシャクリと戻しを同じ振り幅で行い、シャクリと同時にリールをひと巻きするのがワンピッチジャーク。この一連の動作を2回、3回と続けると、キレの良いダートが連続できます。シャクリによる誘いに変化をつけるために欠かせないテクニック。最初はスローなピッチからはじめ、慣れたら徐々にピッチを上げます。縦にジャークすれば跳ね上げ系のダート。横にジャーク(写真)すればレンジキープの横ダートになります」

 

【JOE’s impression Sephia BB C3000S】 
「基本性能が充実。ロッドとのバランスも良い」

「巻きごこちがスムーズで、ドラグの効きも良い。ビギナーの方は、強くシャクったときにドラグがジッと出るくらいに設定しておけば、遠投してもシャクった分、しっかりエギを動かせます。エギング用リールの基本性能を十分備えていますが、何よりSephia BBロッドと組ませるとタックルバランスが良い。ビギナーの方でもシャクリやラインメンディング時の細かいロッド操作が軽快に行えると感じるはずです。ロッドとリールの統一感のあるデザインも良いですよね」

【JOE’s one point advice for beginner】
 フォール中はライン張り気味でエギの姿勢安定を重視

「シャクリでアピールして、フォールで抱かせるのがエギングの基本。フォール中にエギがグラッと揺れるなど違和感のある動きをするとイカは抱きません。フォール中は姿勢の安定が重要で、基本はティップを水面に近づけ、ビギナーの方はエギの重みを軽く感じるくらいにラインを張ってフォール。Sephia BBのロッドとリールは、タックルバランスが良いから安定したフォール姿勢を保ちやすいです。慣れてきたらラインを張らず緩めずより緩め気味にする、潮になじませるナチュラルなフォールをマスターしましょう」

「場所と時合いの読みは当たっているが・・・」。
午後は実績場所の洗礼を受ける

– 昼食を挟んで長崎鼻で実釣を再開するが14時半すぎの干潮潮止まり前は、イカの反応はなし。
「11時15分に釣ったので、2時間後の回遊を期待したんですけどね。次はチャンスはさらに2時間後の15時半。上げの潮が動き出すタイミングも絡みます」

– その時刻を迎えると、同じポイントに入っていたエギンガーが700g前後のイカをキャッチ。
「場所とタイミングの読みは当たっているんですけれど・・・これも釣り人が多い実績場所では良くあることです。釣り場の状況は、昨日より透明度が上がってベイトの姿も多くなってきた。夕マヅメに向けて期待が持てますね」

– 潮位が上がると潮目が岸に寄ったり、流れのヨレが出るなど、潮の変化が頻繁に見られるようになる。
「潮目でエギが潮に馴染んでスーッと入っていった。すごく釣れそうな雰囲気。今、17時28分。2時間に1回の回遊タイムなのに・・・このタイミングで喰わないのは痛い」

このまま夕マヅメの照度変化の時間帯もイカの反応はなく、2日目の実釣を終える。

DAY3 日の出後はシャロー撃ちと漁港周りの可能性に賭ける

「最終日は、朝マヅメに空の白みはじめを狙って長崎鼻に入り、明るくなったら海岸線を北上。漁港やシャローをランガンします」

– 最終日の実釣は、帰路の飛行機の時間から逆算すると15時現場撤収がタイムリミット。2日目までの実釣の流れでいうと、チャンスは朝マヅメと8時44分の満潮前後。そして、同じパターンが続けばの条件付きで2時間に1回ペースの回遊だ。
「シャロー撃ちは、満潮から下げが条件的に良い。また、夜に捕食で入ったイカが港内で狙える可能性がある。港内から撃てる堤防の基礎にイカが付いているかもしれない。日が昇ったらランガンで、少しでも条件の良い場所を探して釣果を出したいですね」

– だが、実釣は朝マヅメの照度変化は不発。満潮潮止まり直前まで粘るが反応なし。下げ潮の時間帯は北上し、港周りや小磯をテンポ良く回るが、イカの姿はない。
「やっぱり長崎鼻しかないですね。15時すぎが干潮なので、潮位が少しでも残っている間に、ラストチャンスが巡ってくるはずです」

 

「大容量で動きやすい。ラン&ガンの機動力が上がります」

湯川さんがラン&ガンの釣りに切り替えるとバッグもチェンジ。「太ももに付けられるバッグで、釣り場で身軽に動けます。エギが10本以上入る大容量で、開閉しやすく中身がこぼれ落ちにくいポケットなど、使い勝手の良い機能を多数搭載。右脚用のRタイプと左脚用のLタイプがあり、僕は右腕でシャクるのでL。左膝を地面に付いてシャクっても動作を妨げません」

ラストはエギのサイズアップローテーションで快心の1杯

– 13時半に長崎鼻南岸の地磯に入り直すと、磯際に100g強のアオリイカの群れを発見。
「春に新子サイズとは。エギに反応する活性はあるのかな?」

– 試しにカエル跳びアッパー3.0号を群れの近くでシャクって止めると逃げる始末だ。回遊待ちをするためにエクスカウンター3.5号に付け替え、投げる前に足元の小型イカの群れにちょっかいを出すと、イカがエギを見て反応。
「エギをサイズアップしたほうが反応が良いですね。こういうのが居るから、秋にキロアップが出るんでしょうね」

– 目標の1.5kg超えを狙ってエクスカウンター3.5号を遠投し、数投して反応がないと、湯川さんをエクスカウンター3.8号にチェンジ。遠投して広く探り、エギが足元近くまでくると湯川さんはロッドを繊細にコントロールして喰わせの間を作り出す。
「エギが足元まできたときに、イカが20mくらい離れたシモリからスーッと出てきた。よっしゃっ、抱いた! 大きくはないですけど」

 

  • 【ヒットエギ】

    セフィア クリンチ  エクスカウンター

    02T オレンジドット

  • – 釣り上げられたのは500gクラス。サイズアップはならなかったが、湯川さんはしてやったり感が漂う満面の笑み。
    「さっきの小さな見えイカは、3.0号より3.5号のほうが反応が良かったですよね。こういうときは大きいエギが効く傾向があります。3.5号で同じコースを通しても反応しなかったのに、3.8号に替えたら一発」

    – 湯川さんほどのエキスパートでも、初めてのエリアでイカ探しを楽しみ、狙いどおりに釣れればサイズに関係なくうれしいということだ。
    「産卵期終盤の夏から秋は回遊待ちも狙えるし、シャロー撃ちが楽しくなる時季。ビギナーの方はSephia BBのロッドとリールを使って、エギングの基本をマスター。今回のようにそのエリアの実績場になるようなわかりやすいポイントで釣りをすれば、イカの引きが楽しめると思いますからね」