バラシの原因はポンピングにあり。
正しく矯正すれば釣獲率が大幅アップ!

バラシにもいろいろあるけど、最も多いのは・・・

時間とお金、そして何よりも情熱を注いで釣り場に向かう。
その目的は、狙った獲物を手にしたときの何事にも代え難い達成感と高揚感。しかし最後の詰めでバラしてしまうと、これは一転してどん底だ。

バラシの要因はいくつかある。ラインブレイクに始まり、結びが抜けるスッポ抜け。掛かりどころが悪かったり強めにヤリトリしすぎてフックが伸びるケース。そしてハリの掛かりが浅く、いわゆる皮一枚の状態でファイトした場合に起きる身切れ・・・。
私の経験上、そういったもののうち最も多いのがフックアウトだと思う。いわゆる釣りバリが魚の口からポロッと外れてしまう現象だ。

カエシの付いたフックは簡単には抜けないハズなのだが、なぜかポロッといく。
自信満々でファイトするアングラーがこれ見よがしに披露する強引なファイトでは特に起こりがちだ。必要以上に魚へ負担を掛けるため、ハリが刺さった部分の身が裂けてハリ穴が広がるからだ。これではせっかく刺さったハリも抜けやすくなってしまう。コマーシャル要素満点の強引なファイトをすれば、バラすのは当然と言えよう。

「バラしてもいいので、アノ人のように格好よくファイトしたい」と、見た目重視の方はここで別のページへスキップしてもらうとして・・・。
掛けた魚をより確実にキャッチしたいと考える賢明なアングラーの皆さんには、これからバラシ撲滅のヒントを解説していこう。

魚がバレる最大の要因はテンションの緩みと知ろう

現代のルアーフィッシングはPEラインが主流であるが、実はこれこそがバラシにおける最大の要因だ。
しかしながら、飛距離・感度・強度と三拍子そろったPEラインを除外することは考えられない。多大な恩恵を授かるのも事実だし、私もかれこれPE派として20年も活動してきた。このラインの優位性は今更手放せないのは皆さんも一緒と思う。 ただ一点だけデメリットを挙げるとするならば、PEには柔軟性がないのでファイトに神経を使う。ナイロンラインのようにショックアブソーバーとしての機能はしてくれない。ラインに伸びがないため、緩んだときはテンションが0になりやすい。すなわちこれがバラシの要因だ。ただし、これはアングラーの技量と道具で補うことができる。

まずは道具から考えてみよう。
ロッドは長くて軟らかいものを選ぶ。例えば磯の上物釣り用のようなものを使うことで、緩衝のストロークが長く取れる。ラインに伸びがない分ロッドが追従してくれれば、ナイロンラインの使用時ほどではなくても多少は解消できる。

次に技量としては、ドラグを緩めに設定しポンピングをせずリールをひたすら巻き続けて寄せる。
つまりヤリトリはリールのドラグに一任してしまうのだ。その極端な例が、管理釣り場のファイト。ロッドとラインを真っすぐにし、ライフルのような構えでグリグリ巻いてくる。トーナメントで多用されるこのゴリ巻きが、最も魚をバラさないテクニックといえよう。

ロッドを起こして魚を寄せ、その分のラインをリールで巻き取る・・・は間違い。
トップの位置で「さあ巻くぞ!」と力を込める直前にフックアウトの憂き目に・・・。

 

  • さあ巻くぞ・・・あっ!という悪い見本

“管釣りファイト”がなぜ理にかなっているのか?

彼らは、競技で釣りをしている。掛けた魚は確実に捕らなくては勝てない。
その結果たどり着いたのが、あの独特のスタイルだろう。バーブレスのシングルフックで確実にランディングまで持ち込むためには、わずかでもテンションが抜けたらアウト。ラインテンションを絶対に緩めないことが最重要なのだ。

では、そうすれば?と思われるかもしれない。ところが海の場合はそうもいかない。私たちが釣りをするシチュエーションは、管理釣り場のようなクローズドな環境にない。掛かる魚が大きく、ロッドを使わなくては寄せきれない。
要はラインテンションが抜けないようにファイトすればいいわけだから、注意すべき点を挙げていこう。

リールの釣力に任せてグリグリ巻いてくるのが最もバラしにくい。
しかし相手がその釣力を上回ると、ロッドに頼らざるを得なくなる。
魚にとってはそのときこそ、つけ込むスキなのだ。

 

こっちらは正しい見本

まずは、極力ポンピングはしないこと。これはバラシを減らす上で非常に重要だ。ロッドで起こさないと寄ってこないような大物の場合は、ラインテンションが抜けないよう慎重にロッドとリールを操作する。具体的な方法はあとで解説しよう。
そしてロッドも吟味する必要がある。飛距離重視で硬くパワーのあるもの、喰い込みを重視したソフトティップで先調子のものは、対象魚よりオーバーパワーであるケースが多い。ティップが軟らかくても魚の動きへの追従性は悪く、ラインテンションが抜けやすい。

理想としては、やはりベリーからしっかりと曲がるレギュラーテーパーのものだ。こういったロッドはキャスティングの際のリリースポイントが広く投げやすく、大きなストロークでしなるためラインテンションが抜けそうになるのをカバーしてくれる。
キャストにもヤリトリにもバランスの取れたレギュラーテーパー。バラシを撲滅する重要なファクターである。

ファイトのコツはリールを巻き続けること。
気が緩んだ瞬間にオモリ付きのフックはポトリと落ちる。
・・・このことは、実際のファイトでも同じ。人間が一瞬でも気を緩めれば魚も反撃を開始する。
ポンピングでロッドを立て、リールを巻こうとフッと力が抜けた瞬間に走られることはよくある。

これぞプロのレッスン。
魚をバラさないファイトを実践してみよう

エクスセンス S910M/R x ピットブル12 1.2号

それでは、ラインテンションを抜かないファイトを解説しよう。
まずは“オフィスヘンミ”で開発したバラシ矯正マシン「バラサン2号」を準備。本誌記者に体験してもらいながら、「バラシ撲滅レッスン」を行っていこう。タックルは私が愛用している『エクスセンスS910M/R』『ステラ4000』、ラインは『ピットブル12』の1.2号に『エクスセンスリーダーEXフロロ』の25ポンドテスト。いつもシーバシングをしているメインタックルだ。

早速バラサン2号に1.25キロのウエイトを乗せ、砂利の広場で40メートル離れた場所から手元まで寄せる。フックアウトしなければ合格だ。
一見簡単そうだが、実はフックに細工を施している。ハリの先端をカットし、ゲイプ部分にオモリを装着。テンションが緩んだ途端、重力によってオモリが引っ張られ外れてしまうというシロモノ。
さぁ、トレーニングの開始。まずは何も言わずにトライしてもらうと、10メートルも寄せられずにフックアウトした。もくろみ通りの結果である。

バラサン2号に付いた“足”が所々で砂利に引っ掛かり、リールだけでは寄せきることができない。

瞬間的にはドラグに5キロもの負荷が掛かるため、ロッドで引き寄せる必要がある。

そこが狙い目だ!

【アドバイス1】バラさない最大のコツはリーリングにあった

リールを巻き続けることでラインテンションが保たれる

ここでアドバイスを一つ。
「ポンピングをする際も常にリールは巻き続けること」

テンションが抜けやすいのは、ロッドを倒したり起こしたりするタイミング。そのときにリールを巻き続けていれば保たれる。意図的にリールでテンションの抜けをカバーするわけだ。

最もテンションが抜けやすいロッドの動きが止まるところをリールでテンションを保つことにより、2回目からは難なく寄せられるようになった。そう、リールを巻き続ければバラシは大幅に減らせるのだ。

なお、前提としてドラグ設定がきちんとなされていることが条件。この場合は2キロが適正で、それより弱いとロッドを起こしても相手に負荷を掛けられない。

【アドバイス2】タックルバランスで難易度がこんなに違う

オシアプラッガー BG S79MH x ピットブル12 1.5号

これとは別に、そもそも「対象魚に見合ったタックルバランス」も重要だ。試しに、同じ1.25キロのウエイトを積んだバラサン2号をビッグゲーム用の『オシアプラッガーBG』でトライしてもらった。極端に硬いロッドなので、バラサン2号を引き寄せるのは楽だ。しかし曲がらないのでテンションが抜けやすい。結果的にフックアウトを連発することとなった。

対象魚に対し、極端に硬いロッドではファイトが難しくなる。
そして最後に『エクスセンス910M/R』に戻し、今度はナイロンラインの2.5号でトライしてもらう。すると非常に安定したファイトが可能となった。不整地で暴れるバラサン2号の動きを、ラインの伸びが吸収してくれる。極端なポンピングをしてもフックが外れることもない。ナイロンラインがいかに安心してヤリトリできるか、改めて確認できた。

  • フックアウトしやすいよう、ハリに付けたオモリを重くしてトライしてもフックアウトすることがなかった辺見さん

 

この“剛竿”でバラさずに寄せるのは、正直かなり大変。
それでも修行を積めば辺見さんのように難なく寄せられる

ナイロンラインでのファイトは、まるで“吸い付く”よう。
瞬間接着剤で止められているかのような、何をやっても外れる心配がなかった。
レンタルタックルにナイロンが多いのもうなずける。ただ・・・感度の悪さには愕然とする。
ガタガタ道の振動はほとんど手元に伝わらない。

エクスセンス S910M/R x ナイロンライン2.5号

「それじゃ〜ナイロンラインを使えばいいじゃん!」との声も聞こえてきそうだが、やはり感度と飛距離で圧倒的なパフォーマンスを発揮するPEは外せない。テンションが抜けにくいバランスタックルにし、それに応じたファイトをマスターすることが、多くの魚との出会いを実現する。

これを機に、いま一度自分のタックルとファイトを見直してはいかがですか?

 

なお、「バラサン2号」が欲しいというアナタ!

いずれ深夜の通販番組で見掛けるかもしれませんが(笑)、ペンキ塗り用のトレイ大型シングルフックに適当なオモリを装着すれば作れます。

お急ぎなら自作することをおすすめしま〜す!