実釣フィールド / いちき串木野市周辺(鹿児島県)

鹿児島県薩摩半島の西岸に位置し、全長47kmの砂丘海岸、吹上浜北部を臨む風光明媚な地だ。
ソルトゲームは、サーフ、漁港、河口、地磯などフィールドが多彩で、幅広い釣種が楽しめる。また串木野漁港は遠洋漁業の基地で、ご当地グルメはまぐろラーメンなどマグロ料理が人気。

DAY1 「ポイント探しはエギングの楽しみ方一つです」

– 2017セフィアエギングパーティ鹿児島大会はここ串木野で11月に開催され、湯川さんも参加。
「そのときはゲストだったので、釣りはしていないんですよね。時季的には秋イカ後半で、大会ではキロオーバーも何杯か出ていました。参加者の皆さんが楽しまれていましたね」

– 11月にキロオーバーということは、フィールドのポテンシャルは高い。春ならもっと大型も期待できますね。そこで翌年の4月中旬に実釣を計画?
「2kgオーバーが出れば、それに越したことはないですけど、春にきても面白そうだなと思ったのが、地元の紀伊半島とは違う地形。ポイント選びはエギングの楽しみ方の一つだし、いちき串木野と似たようなフィールドは各地のあると思うので、ポイント選びの参考にしていただければと思います」

地図アプリの航空写真が湯川流釣り場探しの第一段階

湯川さんは鹿児島空港に降り立つと、車でいちき串木野へ向かう道中でスマホの地図アプリを利用し、いちき串木野周辺の航空写真で気になるスポットをチェック。湯川さんが初めてのフィールドに臨む際のルーティンだ。

– いちき串木野周辺と湯川さんの地元紀伊半島との違いは?
「まず水温16℃以上あれば、どこの海でもアオリイカが釣れる可能性はあります。温暖な鹿児島は水温的な条件はクリア。で、いちき串木野周辺の海岸線は、直線的で全体的にのっぺりした感じ。海岸線が複雑で起伏が多い紀伊半島とは違いますよね」

– のっぺりというのは、変化が乏しく釣り場が絞りにくい?
「いや、逆です。海岸線がのっぺりしているからこそ、その中にある岬や漁港などの変化に回遊するイカが足を止めやすい。あと、ゴロタ場や小磯もあるので、シャローの釣りも展開できるかもしれません。まずは、いつもの遠征のとおり、気になるポイントを下見します」

 

海岸線の変化が乏しいからこそ狙いどころが絞りやすい

変化の乏しい海岸線に張り出しや大規模な構造物がポツンッとあれば、回遊するイカが一時的に停留しやすい。「初めて釣りをするエリアで、捕食意識の回遊イカを狙うポイントが絞りやすくなります。ビギナーの方にとっては、初めての場所で地形が複雑だと、どこも釣れそうに見えてポイントが絞りづらいですからね」

回遊待ちとシャロー撃ちができる2本のロッドを用意

– 湯川さんは今回の遠征で、ロッドは2本のSephia XTUNEを携えてきた。
「1本はS808L+で、これは岬などで腰をすえて回遊待ちをするために。飛距離が出て、エギの前進を抑えたシャクリがしやすく、バランスが良いので長時間シャクっても疲れにくいです。もう1本はS805ML+。このロッドは回遊待ちもできるし、取り回しが良いのでカエル跳びアッパーでシャロー撃ちもできる。アカ系モンスターも視野に入れたでかイカ対応のマルチパーパスなモデルです。あと、ほかにも人気シリーズの新作も用意しました」

– 人気シリーズの新作?
「それはフィールドの状況をつかんでから」

※写真はS804L+です

– 夕マヅメは予定どおり長崎鼻でサオを出すことに。釣り場に着くと入れ替わるように帰ろうとするエギンガーの姿があり、湯川さんが言葉を交わす。
「たった今、キロアップを釣ったので帰るところらしいです。イカは居ますね。地元では実績の高いポイントなんでしょうね」

– 北寄りの風を避けるために入った長崎鼻の南岸は、ワンドを控えた地磯で雰囲気は悪くない。
「沖堤があって、磯との間が水道で潮通しも良さそう。イカが回ってきそうですね。光量が落ちたときに備えて、明るい時間に水中のシモリの位置をチェック。夕マヅメの照度変化のタイミングでワンチャンスあるはずです」

– その夕マヅメが近づくと、さらに期待を持たせる兆候がみられる。
「沖の潮目が手前にグーッと入ってきました。潮の流れも効いてきている。読みどおり、岬や(沖堤との間の)水道からイカが入ってベイトを食べる捕食場の条件はそろってますね」

– 岬や水道が回遊ルートになる?
「そう。ただ、エサを食べたらすぐに出て行く可能性もある。春はフィーディングエリアの近くに藻場があれば良いんですけど。まぁ、初日に見たポイントの中では、長崎鼻が一番条件が良いので、明日の朝マヅメはここで勝負します」

夕マヅメを迎えてもイカの反応はなく、初日を終える。

 

岬+藻場があれば理想的

直線的な海岸線にある岬や漁港の堤防など張り出し系の変化は、回遊イカが立ち寄りやすい。「岬の奥のワンドに藻場があるのが理想的。この岬も藻場があれば、産卵を意識した捕食回遊イカをストックしていたと思います。何もないとエサを食べたらスーッと通り抜けていきやすいです」

DAY2 朝マズメは岬で勝負!
「朝のうちに3回はチャンスがあるはず」

– 2日目は、日が昇る前に長崎鼻の地磯に向かう。天候は雨。だが、そこにはヤエンとエギングの先行者が。
「雨なのに。昨日の夕方もエギンガーがいたし、やっぱり実績場なんですね」

– 先行者を避けるようにワンド奥の「カウント3でシモリの頭をこする」ほどのシャローをたたくと、1投目は反応なし。
「シャローは、イカが居れば勝負は早いですからね」

– 次のキャストは根がかりを避けるためにボトムはとらず、クリンチ エクスカウンター3.5号を着水後2カウント分、フォール。ショートピッチでシャクリ、テンションを保ちながら喰う間を与えると、Sephia XTUNE S808L+のしなやかなティップがクンクンッと入り、イカの軽い触りをとらえた。
「春なのに新子サイズとは(笑)。でも、普段やっている釣りが通用するのはうれしいですね。本当は、もう少し岬先端側の水深のあるところに入れれば良いんですけど」

– そこにはヤエン釣りの先行者が居る。
「今日の潮回りでいうと朝のチャンスは3回。日の出前の空が白みはじめる頃と、8時すぎの満潮の潮止まり直前と潮の動き出し。今日は大潮なので、後者の二つは一瞬で終わると思いますけどね」

 

照度変化のタイミングはチャンス

空が白みはじめる頃は、照度変化のタイミング。「朝マズメの照度変化は、潮の動きに関係なく、喰うきっかけを与える変化点になります。当然、夕マズメも照度変化による時合いになります」

【ヒットエギ】

11T キビナゴ

「夜明け前で光量が少ない。キビナゴはベイトフィッシュ系のカラーですが、白っぽいエギでもある。薄暗い状況でもアピールしやすいです」

大潮の満潮から下げ。短い時合いを逃さず朝のラストチャンスで待望の1杯

– 日が昇り、磯の張り出しに入っていた先行者が撤収すると、入れ替わるように湯川さんが立つ。
「白みはじめは何もなかったですけど、チャンスはあと2回ある。チャンスを逃さないためには、投げ続けるしかないです」

– 満潮は8時すぎ。潮止まり直前、2度目のチャンスタイム。
「良い潮目が出てるけど、潮はスカスカ。下げはじめしかないかな。ヤエンでもたまにポロッと釣れるだけ。単発でしか回遊していない感じですね。3度目のチャンスは(潮止まりから)2時間以内にやってくるはずです」

 

– その言葉どおり、潮止まりから1時間後にイカが反応。
「ボトムで跳ね上げてすぐにきた。時間どおり。潮が動き出すタイミングで口を使ってくれましたね。春にしてはかわいいサイズですけど、読みどおりに釣れたうれしい1杯。今日が小潮とか小さい潮回りだったら、潮がダラダラ動いて時合いが長引くんですけどね。次はサイズアップを狙いたいですよね。ここで粘るか。新しいポイントを探すか・・・迷うわぁ」

実釣は後編へ続く。

【ヒットエギ】

02T オレンジドット