ポイズングロリアス1611MH ハイパーアプローチ 加藤誠司×旧吉野川(徳島県)

350キロ移動後の2日目、早朝から見事に!!

「移動してきたかいがあったよ(笑)」。

実釣開始から1時間にも満たない早朝。加藤誠司さんは朝日の中で、狙い通りの1尾を手にすることに見事成功したのだ!

ポイズングロリアス1611MH ハイパーアプローチで獲ったのは堂々の個体、明らかなキロフィッシュ。

前夜は愛媛県の南部に位置する野村ダムからおよそ350キロを走り、この日は辿り着いた先で実釣をスタートするなりこの好結果だ。

「昨日はサ、釣りをしていても(釣れる)保証がなかった。こっちはサ、たとえ魚が少ないと言われているとはいえ、この釣りを一日やり切れるって考えていたんだよ」。

いざ実釣2日目。旧吉野川本流との合流点に程近い今切川スロープから出船。

今回の釣行で加藤さんに残されたミッションは2本のポイズングロリアス・ベイトロッド。初日の時点で既に2本の同スピニングロッドで釣果を叩き出していたが、残すベイト2本で釣果を生み出すことに難を感じていたのだという。

それは魚のストック量や平均サイズという問題ではない。フィールドの特性やカバーの質によって、そのベイトロッドたちが活躍できる場を選んだということなのだ。

「キューヨシ(=旧吉野川)なら、1611MHや176Hで戦えるカバーがある。そこが大きいよね、竿選びって」。

徳島県の旧吉野川は四国を代表するメジャーなバスリバーだけに、週末にはローカル大会が開かれる他、全国各地からアングラーが訪れるためプレッシャーが高いのは言うまでもない。しかし、加藤さんはそれにも増して「今使うべきロッド」の出番を考えた時に、旧吉野川こそがマッチしていると考えたのだ。加藤さんが思い通りに1尾目をキャッチしたのは、はたしてどんな場所だったのか。その条件を知れば、1611MH ハイパーアプローチが登板するシチュエーションが見えてくるはずだ。

どの方向から見ても「+」形状の消波ブロックが乱雑に積み重ねられているのがわかる。整然と並ぶより変化に富み、夏はシェード、冬は越冬場、どの時期でもフィーディング場となる可能性を秘めた好エリアだ。

「キューヨシ、リバーは流れがキーになる」。

加藤さんが狙ったエリアは、旧吉野川本流の中流域に当たる”消波”ブロックエリア。波を消す、つまり流れが当たる位置にブロックが設置されるため、その場所は必然的に川がカーブする外側=アウトサイドベンドであることがわかる。

「キューヨシは流れが出た瞬間に魚が動くのが明確にわかる。流れが出る目安は潮時表。毎回必ずその通りに水位が変わるわけじゃないけど、流れは水面を見ていればすぐにわかるよね」。

旧吉野川は潮の干満に応じて開閉する堰を擁するタイダルリバー。基本的に一日で満潮と干潮を各2回繰り返す潮時に応じて、最下流の堰は干潮時に向けて開門して流れを生み出し、満潮時までに閉門して水位を高める。大きく潮が動く大潮の日は水位の増減差が激しく流れを発生しやすい一方で、小さな潮では流れが出にくい。

地元アングラーの間では前者を減水日、後者を満水日と呼び、釣りやすさの目安にしていると聞く。事前に流れが出る時間帯を知るには、旧吉野川の場合はウェブ上で確認することも可能だが、加藤さんが言うように時に思いがけず流れが発生することもある。

例えば水面に浮いたゴミが移動しているのが目視できたり、ブロックの下流側で流れが巻いていたり、橋脚周りの流れの変化を見たりと判断する方法は多い。

「何より使っているルアーを見ればわかる。キャストした後、投げた方向とは違う方向からルアーが戻ってくる場合は流れがある証拠」。

本日1尾目の撮影が終わった頃、陸上からファンの方の呼びかけが。話を聞けば、グッドコンディションの魚を釣り上げたのだという。

「クランクベイトで? ほほぅなるほど、岩に当てて釣ったのね。ならば、このルアーでも十分に釣れるわけだ」。

加藤さんが1尾目を釣ったのは、こんなルアーだった。

フットボールジグ3/8オンスに、トレーラーは大型のカーリーテールグラブだろうか。

ヒットルアーは「いつもの」フットボールジグ

「トレーラーは7インチリザード型ワームのテール側のみをカットしてセット。派手に水をかき混ぜてくれるから、クランクベイトのアピール力とそう変わらないと思うんだ」。

このジグを加藤さんはどう操ったのか。

「ボトムに落とした後はスイミング。ボトムに当たるか当たらないかのスレスレを泳がせてくる釣りだね。1611MHとのセットでよくやるいつもの釣りだよ」。

トレーラーとしてよく使うのは3.5インチクローワームだが、今回はより派手な動きを求めて大型のカーリーテールを選択したのだという。

加藤さんが「いつもの釣り」というこの釣り方。実はかつて2014年10月にこの地で行われた国内最高峰トーナメント・JBTOP50戦で優勝した際の釣り方でもあるのだという。最高峰戦で自身3勝目を挙げたウイニングテクニックには絶大なる信頼がある。

「最終日の前日、見えバスはいたけどルアーへの反応がなくて、回収時の速巻きで船べりまで魚が追いかけてきてバーンと喰った。あぁ、そういうことなのねと気が付いて、まずはシャッドプラグの速巻きで試してみたんだけど、水深が浅い場所だからリップがボトムに当たると軌道がブレちゃう。そこでフットボールに変えたんだ」。

台風接近により2日間のみで開催されたその試合で、最終日にリミットメイクに1尾足りない4尾ながらも大会最重量ウェイトとなる5キロ超を持ち込んでの大逆転勝利。タフさが囁かれる中でのハイスコアはギャラリーを大いに沸かすことになった。

当時のウイニングタックルを振り返れば「●ロッド:プロトロッド ●リール:メタニウムXG」とあった。今となっては確認する術はないが、おそらくは今回使用した1611MH ハイパーアプローチのテストモデルだったのではないだろうか。

左手にロッドを構え、ほぼ水平方向から徐々に立てて行くのが加藤さんのフットボールジグスイミングのスタイルだ。

「ルアーにゼロの状態を与えて喰わせる」

加藤さんのフットボールでの釣り方を再現してもらった。ルアーの着底を確認すると、左手にロッドを構え右手でバット部を支え、水平方向から上方向へスッスッスッと段階的にロッドを立てていく。ティップが頂点まで上がったらラインを回収しながらロッド位置を戻して再び段階的に立てていく。

水中のフットボールはボトムから微かに浮き上がり、多少は水深の上下があったとしてもほぼ一定層を泳がせていることになる。水中でのルアーの様子は、手法こそ異なるが、ミドストと呼ばれる釣りに近い。ボトム周辺で泳がせているためボトストとでも呼ぶべきだろうか。

「俺の釣りはさ、どんな釣りでもゼロの状態を作ることを大切にしてるんだよ」。

段階的に立てるロッドで瞬間的にフットボールジグの重みを感じているが、僅かに作ったラインスラックがフットボールジグに自由な動きを与えている。加藤さんの言う「ゼロ」とはアングラーの意思とは別に、ルアー自体の性能や特徴を活かすこと。逆に言えば、ルアーの意思を活かすことが大切なのだという。

ヒットしたのは消波ブロックの切れ目。ナチュラルバンクとの境目に発生した流れのヨレへ、斜め前方、下流側へキャストしてのスイミング時だった。

「でも、本来なら下流側から上流側に流していったほうがいいね」。

釣り上げた直後にこう加藤さんが語っていたのだが、その意味がようやくわかった。

魚は常に流れの上流方向に頭を向けることは自然の摂理。そう考えるのだとすれば、下流に向けてキャストして魚の後ろ方向からルアーが現れる方がリアクション効果を生みやすい。逆に、上流方向へとキャストしたらどうだろう。ルアーが魚の目の前へと徐々に近づくため、警戒心を抱きそうだ。

しかし、流れという要素、それによってできるラインスラックを考慮に入れると、狙いは逆転する。下流へ投げれば常にラインにテンションが掛かるが、上流へ投げればルアーは流されフリーの状態、加藤さんの言うゼロの状態を作りやすいのだ。

「一概に全てがそうではないけど、頭の片隅に置いておくと今後の釣りのヒントになるかもね」。

今回は上流から下流へ投げて加藤さんは釣った。とはいえ、完全に下流を向いてキャストしたわけではなく、岸際の消波ブロックに対して斜め下流側へのアプローチ。ラインが流れの抵抗を受けながらスラックを生み出してのスイミングだったのだ。

1尾目を仕留めた際のファイトシーンを振り返る。大移動後の、まさに狙い通りのバイトは格別だったに違いない。

次回ラストミッションは、4本中最強パワーモデルが登場

「この辺りの消波ブロックエリアは、もう少し水位が高い段階から低くなるタイミングが一番よく釣れるんだよね」。

長年の経験値が、旧吉野川の事実を物語る。

「もう流れが止まっちゃったね。さっきの1尾がギリギリのタイミングだったんだろうね」。

この日は朝の8時に干潮を迎え、ヒットしたのはその直後。最下流で流れが止まっていたとしても、中流域にはタイムラグがあるためまだ水は流れていたのだろう。

この次に流れが出るとしたら、およそ6時間後となる午後2時前後。しかし、干潮の次に来るのは満潮。水が増えるタイミングとなるため、干潮時ほど大きな流れは出にくい。はたして加藤さんに勝算はあるのだろうか。

「今回フットボールジグは3/8オンスを使ったけど、もっと重い1/2オンス以上を使うなら176Hもいいよね。さらにパワーが上がるだけでなく、ロングレングスによるストロークも活きる。このロングストロークが俺の釣りには大切なんだ」。

次回は、全4本で釣果を生み出すミッションのトリを飾るポイズングロリアス176H ブラッシュバスター76が登場。ヘビーパワーかつロングストロークのアドバンテージを活かす1本で、加藤さんはどんな釣り魅せてくれるのだろうか。

<使用タックル>