ポイズングロリアス166M ウルフギャング 早野剛史×霞ヶ浦水系(千葉県・茨城県)その4

166Mの圧倒的バーサタイル性能に注目!

実釣取材は2日目を迎えた。4本のポイズングロリアスのうち、早野さんが初日に釣果を得たのは3本。あと1本にミッションが残されている。そのロッドとは、166M ウルフギャング。

1ピース、6フィート6インチ、ミディアムアクション。そして、「狼の群れ」とも意味が汲める猛々しいペットネームは、バスを仕留めるあらゆる手立てを可能にするバーサタイルな性能をイメージさせる。

「今回選んだ4本のうち、最も幅広いルアーを使えるのがこの1本ですね」。

まずはその言葉通り、当釣行で早野さんが使用したルアーの数々を列記してみたい。

  • 5〜7グラムダウンショット(リーダーレス含む)
  • 5〜7グラムテキサスリグ(撃ち&スイミング)
  • フットボールジグ7〜14グラム
  • 高比重バックスライドワームのノーシンカーリグ
  • ブレーデッドジグ3/8オンス
  • シャッドテールワームのスイミング

このように実に幅広いルアー&リグで使用できるのが166Mだ。

「それと、僕がよく使うのはフロッグです」。

何と、ヘビーカバーにも対応するのだという!

「僕が使うフロッグはややコンパクトで、小刻みなトゥイッチで使います。ヘビーカバーというよりはオープンも混ぜての釣りですね。もちろんラインはPEです」。

上に列記したルアー&リグには、アルデバラン50HGにフロロカーボン12ポンドを組み合わせるが、フロッグにはメタニウムMGL HGとPE56ポンドのタッグ。

「これ1本あれば、リールを付け替えるだけで、またさらに釣り方の幅が広まりますね」。

霞ヶ浦水系では欠かせない1本と言えそうだ。

早野さんが手にしているのは1610M マイティストローク。連載初回に実釣と共に解説していただいた1本だ。今回の166M ウルフギャングと全長で4インチの差。そこにどんな差があるのか。

 取り回しの良いレングスだからこそのアドバンテージ

166Mは前述の通り、驚くべき汎用性の高さを発揮するロッドだ。長過ぎず短すぎないレングスは取り回しに優れ、軽めのルアーからやや重めのルアーまでしっかり乗せて飛ばせるM(ミディアム)というアクション。誰にでも扱いやすい素直なテーパーだからこそ、あらゆるルアーへの対応力も高い。

「このロッドとよく比較されるのが、1610M。同じMアクションなら、長い方の1610Mが1本あれば、166Mが必要ないのではないかと。でも、僕はそうは思いません」。

早野さんの今回のロッドセレクトは全て6フィート台。最長レングスが6フィート10インチの1610Mで、6フィート6インチの166L+と今回の166M、そして6フィート8インチの168ML-LMというラインナップ。66が主力となっている感がある。

「霞ヶ浦水系は距離感の短いシチュエーションが多く、1日投げ続けてもストレスのない長さ、軽さに注目します…んっ !?」。

早野さんが水面を凝視して、驚きの表情。この日、とあるシーンでその「ストレスのない長さ」を象徴する出来事が起きたのだった。

「んっ!?」。その時、早野さんは何かに気付いた。

写真中央に半透明のごく小さな魚影が見えるだろうか。これが霞ヶ浦水系で度々キーとなるベイトフィッシュ、シラウオだ。

遠投性能か、操作性か。同じMでも得意は異なる

「うわ! すごい! こんなにシラウオが沸いてるとは!」。

湖岸に鳥が何羽か佇んでいることには気づいていた取材班だが、水面は凝視していなかった。表層の異変にいち早く気付いた早野さんは、タックルを持ち替えた。

「リアクションを狙ってバイブレーション…はもう済んだし、表層を狙うとしたらジャークベイトか? これだけシラウオが多いと、何かが起こりそうな気がしますね」。

岸沿いのストラクチャーを撃っている際、沖方向にソレを発見。オープンウォーターにシラウオは回遊していたのだ。

「去年まで住んでいた準ホームグラウンドの河口湖では、沖のベイトフィッシュについている魚にはジャークベイトで狙います。今日あるロッドなら166Mが最もマッチしていますね」。

その名の通りジャークを要するハードルアーは、ロッドを下方向に構え鋭くアオってダートアクションを与えるのが一般的。その際、ロッドのレングスが長いとどうなるだろう。竿先は水面を叩き、ルアーへ思い通りのアクションを伝達するのが難しいはずだ。

1610Mと166M。いずれもほぼ同様のルアー、それも数多くのラインナップを使いこなせるバーサタイルな2本。しかし、操作性という点にフィーチャーすると、より取り回しのよい166Mに歩があると言わざるを得ない。

「ボートフィッシングは、何でも1本でこなしたい陸っぱりとはまた別物と考えた方がいいかもしれませんね。逆に、ボートの場合、166Mが何本かあるとより効率的な釣りを楽しめると思います」。

初回に早野さんは「ロッドって、アングラーの感性や使用するフィールドによって使用するルアーは変わってくる」と語ったが、まさにその通り。固定観念に基づく一般論だけでは判断できないセレクト術がそこにはある。

「移動の前にリグり直し…」。早野さんは移動した先でリグをセッティングし直すのではなく事前に行う。着いた先で即キャストが可能。効率化の一環だろう。

パズルのピースを1つ1つハメて正解へと

「風下に行けば、シラウオが溜まっているかもしれませんね。でも、春によく見るシラウオに比べて2分の1サイズ。ちょっと小さいですね。まだ成長しきっていないのかな」。

早野さんは移動を決意。風が当たるアシ際、その手前にあるゴロタ場を選んだ。リーダーレスダウンショット、いわゆるジカリグ系をキャスト。ボトムをズル引きし始めた。

「あれほど沸いているのは見たことない。今年一番の感動かもしれません。でも、なぜか鳥が少ないですよね。水面に突っ込んだり、トリヤマができてもおかしくないほどの量ですけど…あ、食った!」。

冒頭の画像が、その時にキャッチした見事な1尾。

頭に「?」を浮かべているかのように思えた早野さんだが、思い描いていた通りの戦略がピタリとハマった形だ。その証拠に、次の画像をご覧になっていただきたい。

バスの口元にご注目。

「ワームはクロー系ですけど、カラーは合わせておきました」。

移動前にリグをセッティングした際、ワームのカラーも変更して、いわばシラウオ色にしていたようだ。

カラーが即座に必ず釣果に直結するとは、早野さんは言い切らない。しかし、万全な準備を整えることこそが大切だと教えてくれたのだ。

「信じて投げ続けることができるかどうか。撃ちモノだけでなく、マキモノはその部分が大きく影響すると思います」。

来たるべくその時に向けて常に前向きな姿勢が、早野さんの釣りを後押ししているのだ。

166Mでのヒットルアーはクロー系ワームのリーダーレスダウンショット5グラム。実際に釣ったワームカラーとは異なっている。

「フットボールロッドと言ってもいい」

早野さんがこの日、最も166Mを多用したのはおそらくは石積みエリアだった。

水面から飛び出した石と水面のキワにルアーを落とし、徐々に水面下へとルアーを落としていくダウンヒルの釣りだ。まずは動画をご覧いただきたい。

早野さんが使っているのはフットボールジグの3/8オンス。

リップラップに投げて、斜面を形成する石の1つ1つ乗り越えるように落としていく。その際に小刻みな瞬発的なアクションを加えることで、岩にスタックすることなく舐めるように斜面を落としていくことを可能にしている。

「166Mはショートレングスなので、瞬発的なアクションを入れるのがすごくやりやすいんですよ」。

フロッグやジャークベイトではロッドを下方向に構えてルアーにアクションを与えていたが、フットボールジグは上方向に構え無用なスタックを避けながらもよりアピール力の高いアクションを演出。いずれにせよ長過ぎないレングスが享受するメリットは大きい。

この時は3/8オンス(=約11グラム)を使用していたが「7〜14グラムをストラクチャーに応じて」使い分けるという。

「フットボールロッド、そう言ってもいいくらい使いやすい1本ですね」。

実釣終盤、ついにビッグファイト! …が、しかし…。相手はナナマルオーバーのコイだった…。無念。

霞ヶ浦水系はこの4本で完全攻略可能!?

4本全てのロッドで釣果を叩き出した早野さんは、ここでミッション終了とするのではなく「ビッグフィッシュを獲る!」と果敢に霞ヶ浦水系と戦った。しかし、残念ながら撮影を兼ねてのトライには限界があるのは言うまでもない。2日間に渡る実釣はここで幕を閉じることになった。

最後に、気になる質問を投げかけてみた。ここまで早野さんが使用してきた4本のロッドで、霞ヶ浦水系の釣りは全て対応できるのかどうか、ということだ。

「ほぼ全てまかなえますね。オールシーズン、この4本で何も問題はないと思います。ただ…」。

限定付きでこう話を続ける。

「欲を言うなら、162L-BFS BFS62 クイックレスポンスで、もう1ランク柔らかいロッドでのベイトフィネス。1610H マイティースティンガーでもう1ランク強い釣りもできるといいですね。逆に…、陸っぱりなら、1610M マイティストローク1本だけでもいいかもしれません」。

まさしくロッドとは「アングラーの感性や使用するフィールドによって使用するルアーは変わってくる」もの。イメージや固定観念だけでなく、実際に手に取って確かめてこそ、そのメリットデメリットを把握できるものだ。機会があれば試投会等に出かけてみるのもいいかもしれない。きっとアナタのお好みの1本が見つかるはずだ。

当取材終了後、早野さんが参戦するTOP50シリーズ霞ヶ浦戦が開催。通常3日間で行われる大会だが、悪天候により異例の1日大会へ。結果は21位と早野さんとしては不本意な成績となったが、年間順位は来季のシード権を獲得できる30位内に滑り込んだ。来季こそ、この舞台で表彰台の頂点で微笑む姿が見たい!

<使用タックル>