ポイズングロリアス166L+ -BFS BFS66カバートラップ 早野剛史×霞ヶ浦水系(千葉県・茨城県)その2

1尾に続き、即座に2尾目!「展開は見えた」。

1尾目を5グラムテキサスリグで仕留めた早野さんは、即座に次なる手を決めた。

「さっきの魚、カバーのすぐ下、水面直下で喰ったんです」。

つまり魚は浮き気味ということ。

「朝イチに見えた魚、それにこの魚。展開は見えてきましたね」。

そう言うが早いか、即座に2尾目をキャッチ! それが冒頭の魚。使用したルアーはストレートワームの0.8グラムネコリグ。ごく軽量なネイルシンカーを仕込んだリグが着水、フォールを開始するやラインが横方向へ走ったのだという。近年の霞ヶ浦水系はプレッシャーの高まりからか、バスがルアーをくわえて走るといった現象はごく珍しい。今目の前で起きたことは、何を意味するのか。それはバスが今まさに求めていることを早野さんが理解して実現することができたからこそ、バスは素直な反応を見せたということに違いない。

「全てはバスが教えてくれます」。

プロガイドはゲストに技術やノウハウを提供する立場であるが、その源は全てバスにあるのだ。

ポイズングロリアス166L+ -BFS、サブネームはBFS66カバートラップ。早野さんはアルデバランBFS XGにフロロカーボン10ポンドを組み合わせる。上の写真はアルデバラン50だが、早野さんは独特のグリッピングでリグを操っていた。

霞ヶ浦水系でベイトフィネスが必携な理由とは

早野さんの霞ヶ浦水系釣行、2尾目を仕留めたロッドはポイズングロリアス166L+ -BFS BFS66カバートラップ。番手にある「BFS」とは「ベイトフィネス」を意味する。本来はスピニングタックルで使用するクラスの軽量なリグをベイトタックルで使うこと。それが、その言葉の意味。この10年でバスフィッシングの1カテゴリーを築くまでに至った、比較的新しいメソッドだ。

早野さんが霞ヶ浦水系でなぜベイトフィネスを必要とするのか。なぜBFS66カバートラップが必要なのか。

ロッド、リール共に「BFS」の表記。はたしてその真意とは。

この動画を撮影したのは、前項の動画と同場所。敢えてそうしたのには理由がある。

「1610Mでテキサスリグを撃ったのと同じ場所で、ネコリグをBFS66カバートラップで使います。理由は、軽いリグのほうが食わせやすい場合もあるからです」。

5グラムテキサスリグはやや軽めとはいえ、ベイトタックルで使用するルアーの範疇にある。つまり、重く、フォール速度も速い。対して、ネコリグには0.8グラムのネイルシンカーを使用。ごく軽く、フォールは遅い。またストレートワームによる繊細なアクションを演出しやすいというアドバンテージもある。ここまでは、通常のベイトフィネスが有利という一般論。

早野さんがBFS66カバートラップを使用する理由は、もう一歩突っ込んだ部分に真の回答がある。

「軽いリグを投げやすくするためにパワーの弱いロッド、例えばLアクションを使うことも多い。しかし、狙う場所はスナッグレス性の高いテキサスリグを使うのと同じ場所」。

つまり、カバー周り。そこで魚がヒットしたとすれば、Lアクションでは心許ない。

「カバーの中で掛けた魚を瞬時に外へ引っ張り出して、確実に1尾を手にするにはもう1ランク上のパワーが必要になる」。

Lアクションにプラスのパワー。それが166L+ -BFS。6フィート6インチという絶妙なレングスが飛距離と軽快性を両立すると共に、「カバー」においてバスに仕掛ける「トラップ(=罠)」が果たす役割は想像以上に大きいのだ。

例えばこんなクイ群。目に付きやすいだけに誰もが撃つため、プレッシャーは高い。重くボリュームのあるリグでは反応がなくとも、軽く繊細なリグならバスが好反応を見せる場合もあるのだ。

「カバーから引き出すためのL+パワー」。

「今回はネコリグに0.8グラムというごく軽いネイルシンカーを使いましたが、通常は1.8〜2.2グラムがメインですね」。

今回は魚が浮き気味であることを察知して、テキサスリグから極端にウェイトダウンしてスローフォールさせたことが奏功した。

ヒットルアーはネコリグ専用ストレートワーム4.8インチ。マスバリはワームに対してタテ刺しのセッティング。

「スモールラバージグも良いと思います。2.7〜3.5グラムに、トレーラーは2〜3インチ程度の高比重ワームとか」。

空気抵抗の強いスモラバを狙いの場所に到達させるべく、トレーラーでウェイトアップ。ネコリグに比べ重量こそ重いが、繊細なラバーによるフレアがほぼ同等のフォール速度を実現してバスに魅せる。

「ボトムからやや浮き気味という場合に関しては、5グラム前後のダウンショットで2.5〜3インチ程度のフィネスワームを使うこともありますね」。

その他、高比重ワームのノーシンカーリグでも高い汎用性を発揮してくれるようだ。

では、プラッギングではどうか? ベイトフィネスロッドはシャッドプラグや小型クランクベイト、小型トップウォーターにも好相性な場合は多いがBFS66カバートラップではどうだろう。

「正直な話、ベストなセッティングだとは言い切れません。カバーから引っ張り出すことが第一義のロッドですので」。

前回1610Mで独自の見解を論じた早野さんだが、今回も同様。ロッドとは単なるスペック上だけでは判断できない、アングラーの感性やフィールドの違いによる好みがあるものなのだ。早野さんの場合、シャッドを使うなら同じく6フィート6インチで1ランク柔らかめのLアクションを求めるのだという。つまり、「166L-BFS」だ。これはポイズンアドレナに存在する番手だ。

「正解はわかった。あとは突き詰めていくだけ…」。

今回の実釣テーマは早野さんの霞ヶ浦プロガイドとして、ゲストにどう釣らせるか、いや釣ってもらうかという部分にある。ポイズングロリアスのどのロッドがどんな場面で有効なのか、そこが最も大きなテーマだ。しかし、その一方で、従来続けてきた当連載と同じく、4本のロッド全てで釣果を魅せることという裏テーマもあることは早野さんも承知だった。

「今日の時点で霞ヶ浦水系は7〜8センチの増水状態。シャローカバー大好きの僕にとっては、こんなにうれしい状況はない。魚はシャローに絶対にいます」。

水が増えるほどに、それまで浅かった部分にもバスが入り込める水深が蓄えられ、より岸際に魚は寄り始める。減水すればその逆。岸際から魚は消え、より深い水深へと魚は離れていく。今回の場合、2尾目の釣果によって「明らかに魚は浮いている」ことが判明。このキーワードを起点に突き詰めていけば、その日の釣りは正解となるし、プロガイドとして当日のゲストに対しても面目が保てる。前項で早野さんが語った通り、ネコリグとスモラバをこのBFS66カバートラップで手を変え品を変え攻めていけば、確実に答えをより強く打ち出せるだろう。

しかし、裏テーマを達成するには、それだけでは不可能。メディアの要求を難なくこなすこともプロアングラーの仕事。早野さんは取材陣の心を見透かしたように、次のロッド、3本目へと持ち替え思案を巡らせていた。

この日はランディングネットを使わず、敢えてハンドランディングにこだわった早野さん。1尾また1尾と重ねていくうちに、テンションは昂揚していく。

1尾目から2尾目は取材初日朝のわずか20分の間で見事に達成。それもほぼ同場所から2尾を抜き上げた。「絵変わりも必要ですよね」。そう言って、早野さんは愛艇のスロットルを開いた。

広大な水域、宝探しをより効率化するために

「ここまでの2尾は水面直下でヒットしたことから。明らかにベイトフィッシュを追っている、もしくは待っている魚だと思います」。

当日の魚がどんな状態にあるのかを理解すれば、答えは早い。しかし、時には理解不能な状態で魚が釣れてしまうこともある。それが釣りというものだ。

「少しでも早く正解に近づくために、僕はこんなものを使うことがあります」。

ストレージから取り出したのは灯油ポンプ? ポリタンクから灯油を吸い込む側、ストーブへと送り込む側、両端のパイプをショートカットしたように見える。何に使うのか?

「胃の中の未消化物を吸い出して、何を捕食しているのか判断するためです」。

例えば銀色に輝く鱗が混じっていれば、小魚を捕食しているのは間違いない。例えば胃の中で赤く変色した物を発見できれば甲殻類。

「小魚なら表層付近、甲殻類ならボトム周辺と、それ以降に狙っていくべきレンジが決まってくるんです」。

フライフィッシングの世界ではマッチザベイトならぬ、マッチザハッチ(ハッチ=羽化)を攻略する上で、ストマックポンプによって胃の内容物を調べることは古くから知られている。その世界では疑似餌の見た目をより本物へと近づけることも求められるが、バス釣りの世界ではそれはさほど重要ではない。より効率的な釣りを推し進めるためのヒント。そこにこそ最大の目的があるのだ。

この後、3本目のポイズングロリアスで釣果を満たすべく大きく移動。次週、再び早野さんの笑顔に出会うことができるだろうか。乞うご期待!

次のロッドを使うべく、ストレージを開けてルアーを吟味中に、見慣れないものを発見。早野さんはソレを手に持ち、顔芸を披露。プロガイドは時にはエンターテイナーになる。

2尾目を実測すると、35センチ540グラム。「狙いは合っていましたけど、サイズが…。45アップ狙っていきたいですね」。ビッグを求めて向かったのは、はたして。

<使用タックル>