ポイズングロリアス1610Mマイティストローク 早野剛史×霞ヶ浦水系(千葉県・茨城県)その1

はやの・たけし 国内最高峰JB TOP50シリーズに参戦中のトッププロ。JBマスターズシリーズでは2014年に、今季2017年はJB霞ヶ浦でそれぞれ年間1位を獲得。今乗りに乗っている注目の29歳。福岡県出身。

霞ヶ浦プロガイドが魅せる現場のリアル

チームグロリアス4人目の登場となるのは目下、急成長中の若手プロとして注目を浴びている早野剛史さん。

国内最高峰トーナメントJB TOP50シリーズにフル参戦しながらも下部カテゴリーで数々の優れた戦績を見せ、日増しにその存在感を強調。プロガイドとしても活躍する早野さんは今年、拠点を霞ヶ浦水系に移すや同地で開催されたJB霞ヶ浦シリーズにおいて、第3戦で優勝を果たしたのに続き、全4戦の結果で決まる年間成績は第1位を見事に獲得した。

「今年は誰よりもこの水系に(ボートで)浮いてきた自負がある」。

長らく住んできた山梨県・河口湖畔からの移住。1年を待たずして堂々の結果を見せるあたり、近い将来の「大物」を予感させる。今回、早野さんが自身の愛竿・ポイズングロリアスと共に熱き戦いを魅せる舞台はその霞ヶ浦水系。普段プロガイドの立場として、ゲストにどう釣らせる、いや釣ってもらうのか。職業柄ネタばらしにもなりかねないが、我々はそこが知りたい。

「まずはアシを狙います。現在は若干水位が高くなっている状態なので、シャローカバーを中心にご案内できればと思っています…とスタートはこんな感じでよろしいですか?(笑)」。

プロガイドとゲストの朝を再現。我々取材班がゲストのように釣りをするわけではなく、今回は早野さん自身が釣っての解説。さぁ、いよいよ霞ヶ浦プロガイドによるガチの釣りが始まろうとしている。

全4本が6フィート台。なぜ「長く」ないのか?

早野さんの駆るバスボートのフロントデッキには4本のポイズングロリアスが出番を待っていた。手前から、166L+-BFS、166M、1610M、168ML-LM。

今回早野さんが用意したのは4本のポイズングロリアス。まずはそのラインナップをご覧いただこう。

1:ポイズングロリアス166M ウルフギャング

2:ポイズングロリアス166L+-BFS BFS66 カバートラップ

3:ポイズングロリアス168ML-LM グレイハウンド68

4:ポイズングロリアス1610M マイティストローク

「ガイドの際にはこれらのロッドを中心にゲームを展開することが多いですね」。

時にはその優れたポテンシャルを体感してもらうべく、ガイド時に貸し出しも行っているようだ。

さて、これらの4本はガイドフィッシングだからこそのセレクトなのだろうか。166Mウルフギャング、1610Mマイティストロークはその番手からもイメージできるように、バーサタイル系の2本。比較的素直なテーパーは誰にでも投げやすく、飛距離も稼ぎやすい。ゲストの技量に合わせてロッドを選ぶという意味も少なからずあるとも感じることができた。

「いえ、そうとも限りません。これらは僕が霞ヶ浦水系の試合でも使い込んでいる4本です。逆に、この4本があれば、ほぼ全てのシチュエーションに対応できますね」。

あえてスピニングは選ばず、ベイトロッドのみの選択。太めのラインでカバーからターゲットを引き抜く、そんなイメージ映像が頭に浮かぶ。まずはそこが霞ヶ浦水系のキーとなりそうだ。

コクピットの足元には小型タックルボックス。4つのケースには各種シンカーが収納され、その1つが写真のケースだ。ダウンショットかキャロライナか、それともテキサスか。早野さんはどんなリグで実釣をスタートするのだろうか。

「霞ヶ浦水系はキャストに誤魔化しが効かない」。

時は9月下旬、連休明けの月曜日。平日とはいえ、週末に叩かれ続けたフィールドはプレッシャーを免れない。早朝から出船した早野さんはまずこの日の傾向を探っていく。

「今日は快晴。晴れたらシェード、基本ですね」。

まず向かったのは、東面にある護岸とアシのミックス場。ボートの正面には昇ったばかりの太陽。それぞれのストラクチャーが手前側にシェードを形成している。

「今の時間帯はアシの奥を狙うというより、手前側の水深のあるシェードを狙います。使うのはホッグ系ワームのテキサスリグ、シンカーは7グラムです」。

ある程度の自重を備えたシンカー、ボリュームのあるワームによって投げやすさは十分。近距離戦におけるピッチングで、精度の高いキャストを実現しやすい。使っているロッドは、ポイズングロリアス1610Mマイティストロークだ。

「僕は長いロッドはあまり使いません。霞ヶ浦水系はロングキャストというよりは、距離感の短いシチュエーションが多く、1日投げ続けてもストレスのない長さ、軽さに注目します」。

前項で挙げた4本を再度確認。すると、いずれのロッドも6フィート台であることに気づく。最短で6フィート6インチ、最長は早野さんが手にしている6フィート10インチの1610Mだ。

「霞ヶ浦水系に引っ越してきて改めて実感したのはキャスト数の多さですね。おそらくクリアレイクの5倍は投げると思っていい。タックルに対する考え方がどんどん変わってきましたね」。

キャスト数の多さ=手首をはじめとする利き腕の酷使。早野さんは本来、右投げだったが「あらゆる方向も逃さず撃ち尽くす」べく左投げをマスター。現在は両利きだ。

「両方使えれば腕への負担も減る。さらに軽いながらも存分のパワーを発揮するポイズングロリアスが味方になる。いわば、ストレスフリー。今の僕には心強い相棒となっています」。

ガイド時の朝、ゲストにもその点をまずお知らせするのだという。

「キャストが決まらないと集中力も切れますからね。減水している状態ならカバーの手前でも釣れますが、増水していたら奥まで届かないとバイトは少ない。霞ヶ浦水系は誤魔化しが効かない。キャストが釣果に直結するフィールドなんですよ」。

だからこそ、ポイズングロリアス。パワーと軽量感、そして圧倒的な感度を持ち合わせたこのシリーズが必要なのだ。

フッキングから即座に魚を船べりへ寄せ、一気に抜き上げ、そしてガッツポーズ! 1610Mマイティストロークの存分なパワーはここで確認できる。

状況に合わせてアジャストする重要性

「あ! バス!」。

シャローを狙っている早野さんの目前をバスが通過。水面直下30センチ以内といったところだろうか。上流方向に向かっている姿を見つけるや、すぐに姿を消した。その後にバスが向かうであろう進行方向にあるアシ周辺へとキャスト。しかし、反応はない。

「魚は浮いてるのは間違いない。こんなに晴れているのに魚が見えるのは珍しい。もしかしたらベイトフィッシュに着いているバスかな」。

ボラの幼魚、イナッコが水面のあちこちで泳ぎ、時には跳ねる姿も見える。一瞬曇ったタイミングではマキモノを試すも、再び晴れ間が戻るやシャロー撃ちにスイッチ。小型ケースからシンカーを取り出し、リグを作り直す。その際、リグ周辺の傷んだラインはカット済み。この作業を怠らないからこそ、確実に1尾を獲ることを可能にするのだ。

「ちょっと軽くしてみます。7グラムから5グラムへ。これで釣れなかったらどんどん軽くして、30分後にはノーシンカーになっているかもしれません(笑)」。

早野さんは冗談交じりでそう言ったが、それも真なり。当日の状況にピタリとアジャストしていくことこそがバスフィッシングなのだ。

すると、その直後「(アタりました)」と小声でつぶやく早野さん。1610Mを前方へと倒し糸フケをメタニウムMGLで回収するや、右後方へ鋭く強く引きつけるかのようにフッキング! 即座に相手を船べりまで寄せ、左手はグリップ部、右手はバット部に添えて瞬時に抜き上げ! そして次の瞬間、早野さんはランディングしたバスに何かを叫んだ。

「オラ、わかったかーーーーー!(笑)」。

いや、そう叫んでも多分バスは理解できていない(笑)。

重い7グラムでは浮き気味のバスの目の前を素早く通過してしまうが、軽い5グラムにローテーションしたことで若干フォール速度を抑え喰らいつく余裕を与えたということなぞ、きっとわかってはいない。しかし、狙い通りに獲った1尾目、自らの戦略がピタリとハマったその時、早野さんは自らを鼓舞すべくそう叫ばずにはいられなかったのだろう。この1尾はその日の状況を知る上で大きなヒントとなり、この後の展開を早野さんが有利に進めることに貢献したのだった。

ポイズングロリアス1610Mマイティストロークによる答えを導いたヒットルアーはホッグ系ワームの5グラムテキサスリグ。軽めのシンカーによってよりスローなスライドフォールを実現したことが1尾目のキャッチに貢献した。

早野さんによる実釣はポイズングロリアス1610Mマイティストロークによる1尾目で開幕。使用したのは5グラムのテキサスリグだった。見よ、この堂々たる体躯! 長さに対して体高がある実にヘルシーな個体。「キロフィッシュくらいですね」と早野さん。実測してみると…何とっ!!

自分だけのスイートスポット

当連載はグロリアスチームの各メンバーが月替わりで登場することは既にご存知だろうが、かつて川島勉さんが亀山ダムで実釣した際の記事をご覧になっていただいたことがあるだろうか。

川島さんによる2尾目の釣果を生み出したのが、今回早野さんの1尾目と同じポイズングロリアス1610Mマイティストローク。川島さんがバイブレーションで使用したのに対して、早野さんはテキサスリグ。マキモノと撃ちモノ。これははたして何を意味するのか。1610Mという番手だけ見れば、脳内には即座にマキモノを中心としたバーサタイル、またその適度な全長は陸っぱりで重宝するというイメージが湧き上がる人も多いのではないだろうか。

しかし、早野さんは撃ちモノ、かつボートで使用して結果を叩き出している。

「撃ちモノと言っても、狙うのは薄めのブッシュなど。濃密過ぎないカバーに対して、5〜7グラム、時には8.5グラムまでのテキサスリグやジカリグ系をメインに、ヘビーキャロライナリグにも使います」。

前述の川島さんはマキモノが軸だったが、早野さんは撃ちモノ。とはいえ、マキモノにも出番はあるという。

「ブレーデッドベイトやバズベイトにもいい竿ですね」。

ワイヤーベイトの中でもスピナーベイト以外のルアーに使用するのだという。

「ロッドって、アングラーの感性や使用するフィールドによって使用するルアーは変わってくるものだと思うんです」。

早野さんはこう言う。まさに言い得て妙。スペック上の表記だけでは知り得ない、自分だけのスイートスポットがロッドには存在するのだ。

早野さんは今回、4本のポイズングロリアスを使って実釣をスタートすることを決めたが、この1610M以外にもう1つのMアクションとなる166Mウルフギャングを選んでいる。

「1610Mがあれば、166Mの領域もカバーできるため要らないと思われがちですが、僕はそうは思いません」。

全長で4インチの差。それを遠投性能の差とだけ考えるのなら、166Mは必要ないのかもしれない。しかし、そこが盲点。

「簡単に言うと、1610Mは陸っぱりでも重宝しますが、166Mはボートだからこそ活きてくる1本です」。

早野さんならではの独自のロッド使い分け術。ポイズングロリアス166Mウルフギャングの詳細は追ってお伝えすることにしよう。

1尾目の全長は40センチ、重量は…960グラム! 1キロにはわずかに満たないが、早野さんの読みはほぼ的中。さすがはトーナメントプロだ。さて、次週はどんな展開が待っているのだろうか。

<使用タックル>