ポイズングロリアス265L+ エアキャリバー ライトリグからパワーフィネスまで完全網羅 小野俊郎×長良川(岐阜県)その4

取材前から釣果は約束されていた!?

小野俊郎さんが4本のポイズンシリーズロッドで長良川を斬る当連載も今回が最終回。トリを飾るのは、今回のラインナップで唯一のスピニングロッドとなるポイズングロリアス265L+ エアキャリバーだ。

「間違いなく釣れるから、敢えて最初から使う必要はないよね」。

初日の朝、小野さんはそう言って実釣をスタート。この日、初めてポイズングロリアス265L+ エアキャリバーを手にしたのは昼を過ぎ、灼熱の太陽となった14時過ぎのことだった。

当連載初回で「今日はワームな感じがする」と、ホッグ系のテキサスリグで数を重ねたことは覚えているだろう。タフったコンディションなら巻きよりワーム、さらにスピニングによるフィネスともなれば結果は見えたようなものだ。小野さんは言葉にせずともそう睨んでいたことは想像に難くない。

スラックを活かした中層スイミングでも威力

瞬殺で魚をキャッチしたのは、画像では判断しにくいがボトムは水深8メートルにも迫るディープの中層。立木の先端が水面に見えるため、水中には明らかに複雑な枝ぶりが想像できた。

「ジグヘッドワッキーかなと思ったけど、ここはガード付きマスバリを使ったネコリグだね」。

スナッグレス性能を考慮してリグを選択。どんな場面でも無駄なく、効率的な展開を求めるのが小野さんの流儀。当連載2回目のポイズンアルティマ163MHでは、メインルアーの1つであるフットボールではなく敢えてテキサスリグを選んだ辺りからもそのスタイルが伺える。

水中の枝が伸びているであろう立木の周辺へとキャスト。魚探でベイトフィッシュの存在を確認しながら、そのレンジへ向けてネコリグをフォール。そしてスラックを保ち、それを弾くかのようにティップをシェイク。スラックシェイクとも呼ばれる中層スイミングを繰り出していた。

「一定層をネコリグで普通にスイミングするだけ」。

この直前にはホッグ系のテキサスリグでも同様のテクニックを用いていた。容易に見えて実は難しいこの技術。マスターするには練習が必要だろう。

「できてしまえば、簡単に答えが出るよ。ホラね。もうこの釣りは封印しておこう」。

この時、ポイズングロリアス265L+ エアキャリバーに組み合わせていたのはヴァンキッシュ2500Sで、ラインはフロロカーボン4ポンド。ぜひ参考にしたい。

掛けた瞬間、美しく曲がるティップ〜ベリーに対して、屈強なバット部を保持していることに気づかされる。「30センチ中盤程度なら」とあっさり抜き上げ。そのパワーをここで確認できる。

使用したのは5.8インチの1.3グラムネコリグ。フックはガード付きマスバリ#4を使用。「初場所でのネコリグはこれが基本。ネイルシンカーは0.9〜1.8グラムを状況次第で」。

小野さんはリグを変更すると共に、別のラインが巻かれたリールへと交換。機種は変わらず軽快性で定評のヴァンキッシュ2500Sだが、スプールにはPE0.6号にリーダーとしてナイロン2号が1メートルほど。いったい小野さんはこれから何をしようというのだろうか。

パワーフィネス、小型プラグまでをも網羅!

小野さんがリールを交換すると、そこには見た目にも鮮やかなPEラインが巻かれていることがわかった。

スピニング+PEと言えば、パワーフィネスというテクニックが頭に浮かぶ。軽量リグをカバー奥へと運び、バイトがあればロッドとラインのパワーで魚を手繰り寄せるあの釣りだ。しかし、リーダーにはナイロン2号をセットしているのだという。通常であればフロロカーボン6ポンド前後、もしくはPE直結というのがその釣りの基本なのではないか。

「実はトップウォーターワームをやろうかと思ってね。PEもナイロンも水面に浮くよね」。

フローティングワームをマスバリでワッキーセッティング。枝の先端にラインを引っ掛けてチョウチン釣りをしたかと思えば、流れに乗せてのドリフトも。また時にはオーバーハング下へ鮮やかなスキッピングで送り込んでバイトを誘った。リーダーを組んだのは、ルアー近くでPEの存在をバスに明らかにしないためだろう。

残念ながらこのセッティングでは結果こそ出ることはなかった。しかし、通常のフィネスからパワーフィネス的な釣りに至るまであらゆるシーンに対応できることは判明した。実に幅広い対応力がそこにはある。

「またある時はスモールプラグにも使う。ひとことで言えば、バーサタイルスピンだね」。

ポイズングロリアス265L+ エアキャリバーとPEで挑んだワンシーンがこちらの画像だ。さまざまな状況に対応できるバーサタイルスピン。

陸っぱりやレンタル艇で、1本あれば強い味方に!

今回使用したエアキャリバーの番手は265L+。スピニングを意味する2に続くのは全長で6フィート5インチ。そしてパワーレンジを示すL+(読み:エルプラス)。L(=ライト)アクションより強く、ML(=ミディアムライト)アクションよりやや弱いというパワーだ。

パワーフィネスと聞くと、ロッドにも全体的により強さや硬さが求められそうな気もするが、小野さんはこう説く。

「L+とはいえ、バットがものすごく強いファーストテーパー。しなやかなティップ〜ベリーを活かしながらも、ここぞという場所では強靭なバットが威力を発揮してくれるんだ」。

例えばこんなシチュエーション。岸際で掛けた魚がこんなカバーに逃げ込んだら、おそらく細径のフロロカーボンラインだけではランディングするのは難しいだろう。そんな時こそがポイズングロリアス265L+ エアキャリバーとPEの出番だ。

また、よりパワーフィネスに適したモデルとして、ポイズングロリアス267ML デュアルスナイパーというモデルも存在する。ただし、ポイズングロリアス265L+ エアキャリバーに比べやや長めかつやや強めのセッティングとなっているため、より軽量なリグへの対応力が劣ることは否めないのも事実。

「何でもこなせるスピニングバーサタイル。ラインナップの中に1本あると、何でも使えて便利だよね。特に陸っぱりアングラーは、替えスプールを持つことで釣りの幅が一気に広がるよ」。

またスペースの狭いレンタルボートでの釣りをメインとするアングラーにもおすすめの1本。その日の使用ルアーを確定せずとも、釣り場で遭遇するシーンに応じて手駒を替えていくことも可能だろう。

小野さんの愛艇、デッキには必ず1本以上が並ぶというのがこのモデル。本気の舞台で頼りになるスピニングバーサタイル、ポイズングロリアス265L+ エアキャリバー。そのポテンシャル、推して知るべしだ。

ロッドをサイドに構えた小野さんが狙っているのは右側オーバーハングの下、ごく狭い隙間。ここに難なく叩き込み、今にもバイトを呼びそうな気配だった。

ある時は画像のようなクリークにボートを進めた時もあった。進行方向の左右には、ブッシュにオーバーハング。上流へと進むたびに水は透明度を増していく。小野さんは鮮やかなキャストでカバーの奥の奥へとリグを滑り込ませる。時に水面を跳ねるように進んで行くスキッピング、時に鋭い低弾道。いずれもサイドから矢を射るかのように放たれたスキルフルなキャストだった。

スキッピングの際にはリールが水面と平行になるような構えで、サイドから水面を叩くかのような鋭いキャスト。ライトリグはタタタンとリズミカルに水面を叩きながらオーバーハング下へと吸い込まれていった。

フロロがPEに感じる異次元の高感度

「初めてポイズングロリアスを手にするアングラーに1つ注意しておきたいことがあるんだ。それは感度が今までとは明らかに別次元であるということ」。

当ミッションのその2・ポイズンアルティマ163MHの本稿でもお伝えしたが、現ポイズンシリーズの感度に従来の常識は通用しない。今回、小野さんはポイズングロリアス265L+ エアキャリバーにフロロカーボンとPEの双方を使用したが、目隠しした状態でフロロカーボンでのアタリを感じればおそらくPEラインでのアタリと感じるのではないだろうか。それほどに感度は高い。

「その秘密がこのカーボンモノコックグリップ。プロト開発時に、エンドキャップがない状態でテストを重ねていたんだけど、ラインスラックがある状態でごく微かなアタリがあるとカンッ!!って。そりゃもう驚いたよね」。

ごく微かなアタリは通常、アングラーのみが感じるもの。ところがテスト時のグロリアスは他の同船者にもわかるほどの「音」でアタリを伝えたのだという。

「製品版はエンドキャップを搭載することで、そのカンッ!!って音が内部で増幅。そして手元へとしっかり伝えてくれるというわけなんだ」。

いわば、高感度ブースターを搭載した最新鋭アンテナ。水中から伝える信号を全て手元により明確に伝えてしまうのだ。フロロカーボンでもPEの感度。だとすれば、PEを使用したら…。

「そうだね、例えようがないけど、異次元ということだけはお伝えしてもいいんじゃないかな」。

この感度はここで小野さんが解説したポイズングロリアス265L+ エアキャリバーだけに搭載されている機能ではない。全てのポイズンアルティマ、そしてポイズングロリアスにもれなく搭載されているのだ。

「何度でも言うけど、NEWグロリアスこそ、エントリーユーザーに使ってもらいたいロッド。バス釣り上達の近道へと誘ってくれるんじゃないかな」。

こんなロッドが欲しかった。そんな声がどこからともなく聞こえてきそうだ。

<使用タックル>