ポイズングロリアス169XH-SBトリックボルティズム69 軽快ビッグベイティングのススメ 川島勉×亀山ダム(千葉県)その4

時間帯、マッチザベイト、そしてメンタル。全ては揃った

残すはラスト2時間弱。取材終了のホイッスルは、もうすぐそこまで迫っていた。

テキサスリグで2尾を立て続けにキャッチして、メンタルは万全。川島さんはさらなる上流を目指し、ボートを進める。上流からは攻め終わったと思しきアングラーが帰着へと向かい始めている。しかし、我々はこれから最上流へと向かうところだ。

「レンタルボート店が複数あるフィールドでは、どのエリアを攻めたいのかによってお店を選ぶことも大切ですね」。

機動力はエレクトリックモーターのみ。超広大なフィールドではないにしても、行動範囲は制限される。特に上流域ともなれば、真夏はもちろん季節を問わず大型が潜むエリアとして人気だ。

「ギルを捕食しているって言ってましたよね」。

初日、ボート店主の話によれば、上流域でブルーギルを捕食する魚が圧倒的にサイズがでかいとのことだった。川島さんは上流域のみならず全域で、初日から常にこの1本・ポイズングロリアス169XH-SBトリックボルティズムにはブルーギル型ビッグベイトを装填していたのは言うまでもない。

夕マズメという時間帯、マッチザベイトの要素、そして何よりポジティブなメンタル。全ては揃った。あとは、結果を見せるだけだ!

70グラムのブルーギル型ビッグベイトのアゴ下には、スティック状のダウンショットシンカーをセット。時に7グラム、時に14グラム。当連載2回目、川のど真ん中、ボトムで釣った1尾をヒントに繰り出したのがこのセッティングだった。

フレッシュな魚を求め上へ、さらに上へ

最上流へと到達する手前、川が大きくカーブを描き、アウトサイドベンドがやや水深を蓄えた場所でのこと。ここまで上ると、水面がアオコで覆われていても、要所要所で割れた隙間から見える水色はかなりのクリア。水中の様子がうかがえる。

「(魚が)いましたね。特大ではないですけど、あれは喰う魚かもしれません」。

魚が見える場所からは数メートル離した場所にピタリと着水。巻き始めるや「うあっ!」と頭を抱える川島さん。いったい何が起きたのか。

「すっ飛んできました! でも、寸前で…」。

明らかに喰い気はある。あとは攻め手次第か。

「まだこういうビッグベイトは見たことないかも」。

そう言って、3連ジョイントのS字系ビッグベイトへとスイッチ。滑らかな軌道を描くや、またもバスはその存在が気にかかるのか、ゆっくりとその体を寄せ始める。

「なかなか間合いが詰まらない…。手強い…」。

ブルーギル型ビッグベイトの鼻先にシンカーを装着して、泳層を下げて挑むこともあった。しかし、そう思い通りに事は運ばない。いつしか魚は姿を消してしまった。川島さんはさらなる上流を目指した。

ポイズングロリアス169XH-SB トリックボルティズムで使用したのはこれらのルアー達。川島さんのフェイバリットであるブルーギル系ビッグベイトの大型とオリジナルサイズ。そして前回、秦拓馬さんが最後の最後に50アップを仕留めたS字系も繰り出していた。

上流域のそこかしこに存在する流れ込み。水面に手を浸けるだけでヒンヤリ。周囲の水温は明らかに低く、20度台後半。ほぼ全域で30度を超える中、そのエリアは明らかにバスをストックする要素が存在していた。

上流で目にした異様な光景…はたして結果は…

流れ込みを撃ち、カバーを撃ち、引けるコースは全てトレース。ついにはボートで遡れる最上流域まで辿り着いた。

「大きくカーブしたところを過ぎてから、魚の気配が濃くなりましたね。ベイトフィッシュは明らかに多いし、バスもチラホラ見えるようになってきました」。

水深はもはや1メートルを切り、水質は超クリア。アングラー側から魚の姿を確認することができた時点で、魚には既に気付かれていると考えられるような水域だ。

「あっ!」。

川島さんがひとこと言った瞬間、上流側から40〜50センチのバスが10数尾のスクールで下流へと下っていくのが見えた。

「ロッドティップを突っ込んでリトリーブしている横をバスが通過しました。もはや、だましようがないですね(笑)」。

どんなコースを通しても、ビッグベイトには見向きもせず下流を目指すバスの群れ。先よりやや小型ではあるが、同じく10数尾が大きなブッシュ周りにも見えた。これもまた反応は皆無。時計の針は16時30分を回った。ボート店帰着までの時間を考えれば、もう戻りながらの微かなチャンスを望むしかない。川島さんのミッションチャレンジは残念ながら1本を残して終了することになった…。

アオコと漂流物が貯まる水が停滞したエリアでは、ほんの微かな隙間を探してビッグベイトを流し込み、時にリフト&フォールする場面も見かけた。帰り際のラストチャンスも残念ながら不発に…。

NEWグロリアスが魅せるパワーと軽さの両立

「悔しいですね…。でも、まぁ、こんな時もありますよ」。

ミッションの4本中、3本をクリア。ビッグベイトを操るポイズングロリアス169XH-SB トリックボルティズムだけはどうしても答えを引き出すことができなかった。

一時は秋へと進んでいた水中のシーズンが、突然真夏へと巻き戻され、混沌に陥れられた亀山ダムの水中。人間でさえ正常値を維持するのが極めて難しい状態で、変化に弱いとされるバスはいったいどう過ごしていたのだろうか。今回の結果が全てを物語っていることは間違いない。釣果こそ得ることはできなかったが、当連載ではそのロッドのポテンシャルを解説する使命がある。まずは、この動画をご覧いただきたい。

ポイズングロリアス169XH-SB トリックボルティズムのパワーをまずは見て欲しい。2リットルペットボトル、つまりは2キロの魚を抜き上げるのと同等のパワーをこのロッドが秘めていることがわかる。

昨季このモデルと同等のパワーを持つポイズングロリアス174XH-SB ウルトラボルティズム74が5キロ以上の鉄製ディスクを軽々と持ち上げる動画が大きな話題を呼んだのは記憶に新しい。5キロ、つまりはロクマル、いや65センチクラスのモンスターを抜き上げてもなんら問題はないことを意味している。

NEWグロリアスが初代に比べ、格段の軽量化を果たした。通常であれば「軽い=弱い」と判断されがちだが、当連載の1回目で解説したUBD(=アルティメットブランクデザイン)が適材適所に素材を無駄なく配置して、理想的な強度を維持しながら軽さにも貢献しているのだ。このモデルのみならず、全てのNEWグロリアスに採用されたUBD。もはや何者にも追い付けないバスロッドの究極がそこにはある。

ビッグベイトを扱う際のキャストシーンを捕らえた1枚。今回は70グラムから150グラムのビッグベイトを使用した川島さんだが、その多くはオーバーヘッドではなく、他ルアーと同様にサイドからのキャスト。NEWグロリアスが軽量かつパワーを秘めているからこそ可能にすることを証明する1シーンだ。

ビッグベイトの世界を激変させる「トリックボルティズム」

ここまで川島さんがビッグベイトを扱ってきたポイズングロリアス169XH-SB トリックボルティズムを見て、気づいたことはないだろうか。その軽さとパワーはもちろんのこと、そのグリップレングスにも注目してみたい。

「僕のビッグベイトの釣りって、長い距離を引くことってあまりないんですよ。オーバーハング下に滑り込ませたり、狙いのピンスポットへ着水させたり。わりと通常の巻き物に近い感覚で使っていますね」。

その使い勝手の良さを実現するべく、川島さんがこだわったのが通常のビッグベイトロッドに比べかなりショート化されたグリップだ。

「脇を締めてサイドキャストする際、グリップが長いとエンドがライフジャケットに干渉したり、ストレスが多いんです。軽快に投げるために、この短さはどうしても譲れなかった」。

軽さをキープしながら存分なパワーを実現。なおかつコンパクトなキャストでも存分にルアーの重みを乗せることができ、7フィートを切る長過ぎないレングスはレンタルボートに積んでも邪魔にならない。

リザーバー・レンタルボートスペシャルとも言えるビッグベイトロッドの進化系ですね」。

今回は残念ながらこの1本で釣果を得ることはできなかった。しかし、そのポテンシャルは2日間を通して存分に把握することができた。いつかまた機会があれば、リベンジを期待したい。

<ビッグベイト用>