フォールスピードを共有してマダイに迫れ!!エキスパートたちのフォールタイラバ攻略法

本連載で明らかにされたフォールタイラバのメソッドとタックルは、鯛ラバゲームの新たな方向性として大きな反響となっている。今回は、徳島県鳴門で行なわれた釣行の様子をレポートしよう。激シブが予想された条件のなか、チーム炎月のワザは火を噴くのか?

鯛ラバ発祥の地・鳴門に豪華メンバーが集結

真鯛はフォールに強く反応する。そこでフォールをもっと有効に活用して真鯛を誘い、巻きで喰わせてしまおうというのがフォールタイラバの発想。それは以前の記事でもお伝えした通りだ。今回はその続編。釣行の模様をレポートしよう。
鳴門といえば、鯛ラバゲームの創成期から取材を重ねているところ。言ってみれば、この釣りが広く知られるきっかけを作ってくれた場所である。今回はここに赤澤康弘、折本隆由、庄山英伸、湯川マサタカの4人が集結した。いずれもシマノのソルトウォーターを盛り上げる強力な面子だが、なかでもとくに目を引くのは湯川の存在だ。

湯川はここであらためて言うまでもなく、独自の理論と底抜けの明るさで多くのファンから慕われているエギング界のカリスマ。鯛ラバの経験はほとんどないが、その湯川をチーム炎月に抜擢したのは『他ジャンルの視点からも鯛ラバを検証してもらいたい』という意向である。
出船前、湯川は「僕は鯛ラバ初心者だから」と謙遜するも、「いやいや、そういう人が得てして一番デカイの釣るんだよね~」と皆から警戒されるダークホースに認定。実際、鯛ラバ自体は初心者でも釣りの腕とセンスは隠しようもなく、なおかつこの釣りに先入観のない状態ゆえ、なにかアッと驚く釣果を出す可能性は高かった。

6時を過ぎ、各自がタックルのセットを終えたところでちょうど出船の時刻となり、『つるぎ』に乗って鳴門海峡へ。西上卓志船長は鯛ラバの普及に多大な尽力をしてきた人である。今日もいい釣りを愉しめそうだ…と言いたいところだったが、実はこの日の鳴門は出船を危ぶまれるほどの悪天候。幸いにも風が若干弱まったためなんとか海に出られたが、最後までできるかどうかは今後の天候次第という条件付きだった。
しかも、船長によれば釣況も奮わないらしく、「いまは全体的に低調で、シャローからミドルレンジに型ものがいないんです。そこで今日は、深場の良型に的を絞って探っていきます。ベイトはイカなどのボリューミーなもので、タチウオもよくヒットしてきます」とのこと。不調の原因は定かではないが、「水がきれいすぎる感はありますね」と船長。水温の異常等でプランクトンの湧きが抑えられ、貧栄養化しているのだろうか?ともあれ、喰い渋りの状況も、フォールタイラバの検証には重要なステージだ。

深場のポイントを順次チェック 答えを導く方程式は?

午前6時35分、水深60mの根の周囲から釣りを開始。ここは山のように盛り上がっており、頂点で60m、深いところは100mほどあるそうだ。いよいよ鳴門の真鯛に挑戦するに当たり、どんな釣りを想定しているのかメンバーに聞いてみた。
赤澤「今日は釣りをできる時間も限られているので、ハイアピールを意識して手返しよく大ダイを狙うつもり。深場の大ダイにはナチュラルよりアピール、繊細より大胆というのが僕の持論ですから。探るタナは下から6mくらいかな」
折本「鳴門は初めてなので、コンセントレーションを高めてやってみたいですね。フォールタイラバのハマり具合やタックルの答え合わせなどを通じて、なるべく早い時間に状況を把握したいですね」
庄山「普段通り!僕にはそれしかありませんから。いつもやっている釣りを試しながら、少しずつマダイに近づいていければいいと思っています」
湯川「鯛ラバはこれが2回目ですが、前回は小さな鯛しか釣れなかったので、今日はそれを上回ることを目標に、僕なりにやれることをすべてやってみたいです」
リールは赤澤と折本が炎月プレミアムの150PG、湯川は左ハンドルの151PG、庄山は早巻き主体のスタイルに合わせて150HGを選択。それぞれのリズムでスタートフィッシングとなった。

潮の流れはまずまずで、折本曰く「98mの水深に対してラインは110m出ていく」とのこと。折本、赤澤、湯川の3名は底から10mまでをじっくり探る作戦だが、庄山だけは15mまで巻き上げていた。これは「フォールの誘いを最大限に活かしたいから。上まで巻いて喰わせるというより、ある程度のストロークを取って、反応の上の層から連続したフォールを見せたい」(庄山)という理由からである。
フォールスピードは各自4~5でスタート。徐々に活性にアジャストしていくも、最初の1時間は予想通り反応が悪く、赤澤、庄山、湯川の3名に突くようなショートバイトがあったのみ。湯川はさらにタイガーバクバクでいいアタリをもらったが、「ああ~、合わせちゃった~!」と天を仰ぐ。フォールスピード4、巻上げ3で、14回ほど巻いた後の落とし直しで喰ったという。

それから20分後、折本が船中初となる1kgほどの真鯛をキャッチ。フラットバクバク100gにトレーラーワームのスカイフィッシュを装着し、着底後の巻き始めで喰わせた。
「これは落ちていく鯛ラバについてきた魚。完全にフォールが効いていますね」。折本の釣りを見ていると、何気ない動作のなかにも高い集中力を保っているのが分かる。

続けて赤澤に大きなアタリが来た。これはかなり強烈な締め込みだったが、さすがは経験豊富な第一人者。手慣れたやり取りで船上に取り込んだのは、67cmの大ダイだった。鯛ラバは折本と同じくフラットバクバクの100gだ。

「折本さんのボトムバイトを聞いてフォール4、巻き2で誘ったところ、すぐに当たったのですが喰い込まず。そこで巻きを若干速めて追い喰いを狙ったら乗ってきました」と赤澤。基本はあくまでも等速巻きだが、じゃれてくる真鯛には時としてスピードアップでバイトに持ち込むテクニックが効果的だという。

<使用タックル>

※ラインは炎月G5PE0.8~1号に炎月真鯛リーダーEXフロロ3号~4号を結節