フォールで誘って巻きで喰わせる!鯛ラバの新しいカタチ「フォールタイラバ」Vol.2

フォールタイラバ実釣編

ではここからは、実釣取材のレポートをお伝えしつつ、要点を解説していこう。

チーム炎月によるフォールタイラバの実釣検証はすでに複数回行なわれ、その効果を全員で確認。フォールで誘い、巻きで喰わせるというコンセプトに真鯛が次々に反応したのはもちろん、その情報を全員で共有することで再現性も確認できた。

そんな釣行のうち、ここで紹介するのは玄界灘での一日だ。出船場所は福岡ヤフオクドームの眼の前にある伊崎漁港。マリブエクスプローラー(龍野和浩船長)に赤澤康弘、鈴木斉、富所潤の3氏が乗り込んで、まだ夜が明けきらない港を出た。
狙いは朝の干潮から昼過ぎの満潮まで、約6時間の時合である。近況としては悪くなく、現在はローギアリールを使ったスローリトリーブが効果的です、と船長。果たしてどんな釣果が待っているのだろうか。

最初に向かったポイントは水深45m。底潮は1ノットとまずまずの流れだが、潮と風が逆向きのため、船の位置が変わっていかない。3人がチョイスしたのはフォールタイラバに特化したフラットバクバクの100gだ。

開始早々の手探り段階では、各自が頭に描くパターンを実践。と、すぐに富所さんがハマチをキャッチ。前述の通りフラットバクバク100g、カラーはアカキンを使用しフォールスピード5、巻きは2で喰わせた。ずっとそのスピードで落とし続けたわけではなく、「着底直前にスピードを落としてタッチ&ゴーに備えた」というワザありのヒット。ちなみに巻きスピード2は、船長の言葉に従ったものであった。

その後も富所さんはアタリを出し続け、1㎏少々の本命もキャッチ。巻きスピードは全体的に、遅めが良かったようだ。
「フォールスピードの調整は今までサミングでやっていましたが、完全な等速を維持するのはほぼ不可能ですよね。でもこのリールはレバー操作で簡単にそれが出来てしまう。まずはそこがすごい」(富所さん)

しばらくおいて、今度は鈴木さんがヒット。こちらも本命ではなかったが、フォール中にチョコチョコとアタリがあり、ボトム直前でスピードを落として誘ったという。鈴木さんはフォールスピードを固定せずに試行錯誤、巻きは富所さんの情報に合わせて2で行なった。
「フォールじゃないと出せないアタリってありますよね。いまもちょっかいを出してましたが、それをしっかり感知できるということも非常に重要」(鈴木さん)

赤澤さんはフォール5、巻き3のパターン試していたが、アタリはあるもののなかなかノセられない展開。その途中、かなり上までアタリ続ける魚がいたため、試しに巻きを4に上げたところ、下から10mでついにフッキング。こういうアレンジを正確に行なえるのは、後述するタックルのおかげだ。上がった魚は本命の真鯛、鯛ラバはタイガーバクバク80gのイワシトルネードだった。

フォールタイラバを実現するタックル

さて、早々に3者3様のファーストヒットを得たところで、フォールタイラバのカギとなるタックルを紹介していこう。

ロッド、リール、鯛ラバのなかで、最もこの釣りに特化しているのは、カウンター付きリールの炎月プレミアムだ。剛性の高いHAGANEボディをはじめ、マイクロモジュールギアXプロテクトエキサイティングドラグサウンドなど、シマノが誇るベイトリールの主要フィーチャーをほぼすべて搭載したうえでフォール機能も追加した、新時代の鯛ラバリールだ。

フォールスピードのコントロールに関しては、ハンドル側のプレートに取り付けられたフォールレバーを前後に動かすだけでスピードを容易に調節。左右どちらからも操作可能だ。調整したスピードはカウンターに表示されるため、いまどのくらいの速度が出ているかを数値で把握することが可能。これが文中に出てくる「5」とか「2」という数字。数字が大きくなるほどフォールスピードは速くなる。

速度の算出はギア比とは関係なく、スプールの回転数から割り出され、表示される。したがって、例えば炎月プレミアムのハイギアを使っている人の「5」は、ローギア(PG)を使っている人の「5」と同じ速度。これは巻き上げ時も同様であるため、ギアのタイプに関わらず巻きもフォールもピタリと数字を合わせることが可能なのだ。もちろん、カウンターには水深も表示されるため、探見丸と併用することで、より正確にヒットゾーンをトレースすることが可能になる。

そしてもうひとつ重要なポイントは、スプールの回転とレベルワインドが連動している点。このためライン角度は常に真っ直ぐになり、フォール時はスムーズで一定の沈下を実現し、大鯛がヒットした際のやり取りにおいてもドラグの作動が非常に滑らかになる。細いラインを使うケースが多い鯛ラバゲームには、嬉しい機能と言えるだろう。

ロッドは炎月リミテッド。こちらもリミテッドの名の通り、先進のテクノロジーが満載だ。ブランクスは筋肉質のスパイラルXコアをナノピッチで巻き上げ、均一で高密度の強靭さを実現。Xガイド、スパイラルガイド、タフテックインフィニティのティップと中空のカーボンモノコックグリップが真鯛のアタリを漏らさずキャッチし、本アタリのみならず前アタリの違和感すらも克明に伝える。

そんな主要フィーチャーのなかでもとくに注目すべきは、新開発のXシート エクストリームガングリップだ。

従来のトリガータイプと比較して手のひらとの接触面積を大きくとったこのグリップは、手のひらで包み込むように支える発想が新しい。このため、長時間の使用にも違和感や疲労を感じにくく、アタリに対する感度が向上する。さらにリトリーブ中やファイト中の横ブレを軽減できるため等速巻きやフッキングが容易になるなど多くのメリットがある。

鯛ラバは好評のタイガーバクバクに加え、フォール機能を重視したフラットバクバクが新登場。フラットサイドの偏平な形状で、ヘッドにはわずかな窪みがあり、フラフラと左右に揺れながらゆっくり沈んで真鯛にアピールする。

特徴的なのはその名の通りフラットなヘッド形状と、新しく考案したワイドマウス(PAT .P) を採用していること。大きく開いたマウス部がライン位置を自動的に調整、フォール時はパイプの下部をラインが通ってスロー&ウォブリングフォールを演じ、リトリーブ時はパイプ上部に移動して、ブレたり回ったりしない安定感を発揮する。

ちなみにタイガーバクバクフラットバクバクの使い分けについて赤澤さんは、「僕としてはプレッシャーが掛かっていない時間帯はフラットバクバク、プレッシャーが掛かっていればタイガーバクバクを試すのが基本です。最初にアピール力の強いフラットバクバクを入れて、反応しないマダイをナチュラルなタイガーバクバクでフォローしていくというイメージです。
また、落ちていくときに震え、巻き上げではハイアピールに動くフラットバクバクの特徴は、追われたイワシが弱ってフラフラと沈んでいき、また追われて逃げる動きと似ています。そんな状況があったら使ってみたいですね」と解説。

フォールメインのフラットバクバクと万能型のタイガーバクバクを使い分ければ、どんな状況にも対応可能だ。

フォールスピードは5パターンを共有し全員で大鯛をゲット!

では実釣報告に戻ろう。前半は本命と他のゲストのヒットが半々で、パターンと言えるほどの傾向を見出せていなかった3人だが、その都度フォールと巻きの速度を把握できていることと、探見丸も併用した水深の把握により確実に真鯛の動きを絞り込んでいた。いったん中だるみしたあと、再びヤズ、ヒラゴなど青物のヒットに遭いながらも、後半、その戦略は一気に絞り込まれていく。

先頭を切ったのは鈴木さんだ。フラットバクバク80gでフォールスピード5、巻きスピード3に徹して3㎏クラスの良型をキャッチ。いつの間にか鯛ラバが80gにサイズダウンしていたが、これは「潮が流れはじめたので、鯛ラバを軽めにして潮に乗せてみました」とのこと。フォールレバーだけでなく、ヘッドの重さも相互にリンクさせてヒットパターンを演出した。

これを聞いた赤澤さんも、フォールスピード5、巻きスピード3のリズムですぐに追随。およそ6分のファイトで取り込まれたのは82㎝の大ダイだった。

フラットバクバク100gのオレンジに何度か小さなアタリがあって乗らなかったので、いったん回収し、バクバクトレーラーのスカイフィッシュを小さくカットして装着してみました」と赤澤さん。フックに直接刺して使うバクバクトレーラーは、その浮力でフックを浮かせてネクタイに同調させ、真鯛の口にしっかり吸い込ませる効果がある。

さらにヒットの連鎖は止まらず、その直後には富所さんにもビッグバイトがきた。もちろんパターンはフォール5、巻き3。鯛ラバはフラットバクバク80gにバクバクトレーラーのスカイフィッシュを装着と、鈴木さん、赤澤さんからの情報をフルに活かしてのヒットだった。

「ここまでの流れを見ていて、今日はフォールスピード5、巻きスピード3でパターンが固まったと確信しました。それに合わせて自分も大型をキャッチしたのだから、フォールタイラバの再現性は実証できたと思います」

富所さんも言うように、曖昧な感覚を正確な数値で共有するフォールタイラバの有効性と再現性は、この時点で十二分に証明されたと言えるが、3人はさらに検証を続け、その後も50~60㎝クラスの真鯛を連発してみせた。もちろん、状況が変わればパターンも変わるが、そんな時でもフォールタイラバのシステムを使えば、全員で素早く正解を探り当てることが可能だろう