パターンとスピードの共有が生んだ渾身のダブルヒット!赤澤康弘×庄山英伸 鯛ラバ必釣パターン

風と潮に任せ、状況によってはパラシュートアンカーで調整しながら広く探っていく船の流し方がドテラ流し。落として巻き上げるだけでも釣果を得ることはできる鯛ラバ。だが、アングラーのアプローチ次第で、愉しみの幅は無限の拡がりをみせる。もちろん釣果もアップする。ここではチーム炎月が誇るエキスパート、赤澤康弘と庄山英伸、2人のドテラ流し攻略法を紹介する。

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“ドテラ流し”で釣果も愉しさもアップ!赤澤康弘×庄山英伸 鯛ラバ必釣パターン

着実に釣果を重ねる庄山
波に乗り切れない赤澤


30分ほどかけて、アフターのポイント、朝一番のポイントに戻った。ここで一枚目をキャッチしたのは庄山。約80cm、5.5kgのビッグワンだった。

庄山「水深はいま56~57m。バーチカルなら60gでもOKな水深ですが、安定性を考慮して、80gがちょうどよい、と判断しました。フォールスピード4である程度の角度、つまり水面に対し30度から40度くらいの角度のフォールで見せて、巻きで喰わせたイメージです。スピード5で巻き、波動の強さを出すことを意識しました」

ここまで、思うような釣りを展開できていなかった赤澤だったが、アタリを出せていないわけではなかった。なかなか良型キャッチまで結びついていないだけだった。むしろヒット率は赤澤のほうが高いとも言えた。フォール&巻き上げスピードの共有も万全。必要なことと言えば「何かの歯車が合う」ことだけだった。

そんな赤澤だったが、まずは一枚。50cmクラスを掛けた。

赤澤「庄山さんがボトムからやや高めのところまで巻き上げ、フォールスピード4で少しゆっくり落とし、マダイに見せる、追わせるイメージで落としていたので、真似しました(笑)。巻き上げ回数は18回です」

冗談めかしてコメントした赤澤だったが、「真似」は立派なテクニックのひとつだ。タックルの違いを加味したうえで、アプローチ法をアジャストするには、相応の知識と経験が必要。ただ、フォールと巻き上げスピードに関しては、リールがアジャストしてくれる時代になりはしたが…。

最後に浮上した大ダイは、
起死回生のハチマルUP!

ストップフィッシングが近づいていた。何度目かの流し替えの後、ラストを飾るダブルヒットを得た。ともにフォールスピードは3~4、巻き上げはやや速めのスピード5、ともにフォールでしっかり鯛ラバを見せて寄せ、着底からの立ち上がりで喰わせるというパターンでモノにしたダブルヒットだった。

赤澤が仕留めたのは、約70cm、4kgクラスの立派な大ダイ。バラしに苦労した一日の最後を締めるにふさわしい、面目躍如の一枚だった。

赤澤「玄界灘での経験はありますが、宗像大島沖というフィールドは初めてだったので、どんな感じかな、という手探り状態でのスタートでした。最初は自分のホームである瀬戸内流でやってみました。アフターの魚が中心ということだったので、フックは小さめ、細かい工夫をいくつか試していたんですが、アタリやバイトはあるものの、いまひとつ乗り切らなかったり、バラしも多くて苦戦しました。スロースピードもいまひとつでしたね。
瀬戸内でのアフターの大型狙いでは、喰いの悪さからFFチヌ5号(シーハンター8号使用)を使用することが多いので、今回もこのハリで挑みました。ですが、ここのマダイの引きは強く、軸細のハリでは、身切れしてしまったようで、それがバラしに繋がったと思っています。庄山さんからのアドバイスもあり太軸のFFチヌ7、8号(シーハンター10号使用)に替えたことが、その後の安定したキャッチにつながったと思っています。
試行錯誤した結果、フォールで見せて巻き上げて喰わせる、というやり方に行きつきました。フォールの大切さを再認識しましたね。
ラインの角度も調節しました。朝一番はなるべく縦に釣るようにしていました。ラインが立っているほうが繊細なアタリが出るし、さまざまな情報、挙動も伝わりやすいですから。ただ、今回は上へ上へ、というより斜め、横方向に引いたほうが効果的でした。水深50mくらいのところで、ラインを80、90mくらい出した感じのときが良かったですね。最終的にはマダイが喰いやすい角度、スピードを見つけていけたかな、と思います。こちらでは底付近を広く、それなりのスピードで巻いて誘う、ボトムから離れすぎないようにするのがキーワードかな、と思います。明日もこれでやってみます」

庄山「ヘッドのカラーについては、いろいろ検証していきましたが、最終的にはオレンジ系に落ち着きました。潮が止まったタイミングでは匂いという要素でよりアピールするため、イカゴロエキスが入ったトレーラーワーム、炎月バクバクトレーラースカイフィッシュをつけて集魚効果と波動のアップを狙いました。これで3kgを獲れたのは、まず成功でしたね。
波動の強さとラインの角度に注意して、意図通りに数を重ねることができたので、1日の釣りとしては中の上という手応えです。
全体的にマダイのご機嫌は悪かったと思います。喰い気がない感じ。いいタイミングで魚が集中して釣れた、という状況ではなく、1枚1枚の釣り方を探して掛けていった、そんな1日でした」

2日目は、天候悪化によりショートタイムの釣りに終わった。前日以上にマダイの喰いはタフで、2人とも型を見た程度だったが、雨と風が強まるなか、ラストを飾る大ダイを仕留めたのは赤澤だった。前日の教訓をもとに手にしたのはハチマルオーバー!約6kgの今釣行の最大魚だった。バラしに悩んだ末の、名手、起死回生の一枚だった。

フォールでしっかり見せて、巻き上げで喰わせる!アングラー同士がパターンとスピードを共有しあうことで、船上全体の釣果は確実に向上する。

スピードの共有が「ゆっくり」、「速く」、ではなく数値化できる時代が始まっている。マダイにとっては苦難の時代の到来かも知れないが、アングラーにとっては?もちろん、吉報だ。

赤澤康弘使用タックル

ラインはすべてメインのPEがタナトル8(0.8号)、リーダーが炎月真鯛LEADER EX フロロ(4号)を3.5m結節。

庄山英伸使用タックル

ラインはともに、PEがタナトル8(0.8号)、リーダーが炎月真鯛LEADER EX フロロ(4号)を5m結節。