最先端技術で武装する Btフォースの覚醒  奥田学 × 旧吉野川水系他(徳島県) パート3

ダークサイドからの帰還へ、いざ

明けて実釣2日目。奥田さんはこの日、狙いを定めたのは旧吉野川水系。それも水路を執拗に狙うプランを練り上げたようだ。その理由はパート2の最後に語ったこの言葉に起因する。

「(水位が)低くなればBtフォースにチャンスは確実にある」。

取材中、奥田さんは各所でロッドティップを水中に入れてボトムまでの水深を確認していた。その理由を聞くと、納得できた。

「季節的には、まだ産卵している個体もいる。そう考えれば、ボトムに魚がいても不思議ではない。魚はまだスロー。もちろんアフターで回復した魚も狙ってはいる」。

沖側に杭や橋脚を始めとするストラクチャーがあれば狙い撃ち、時にタイトなコースを取り、時には1点でトゥイッチして強烈なアピール。沖に浮いたブイ脇を通すと水面を割る個体もいた。

「どアフターやったね。しかし、今後の方針を固めるには要素が弱い」。

この日主に狙ったのは水路だっただけに、どアフターが付くべくストラクチャーは実に少なかったという理由もある。

魚は確実にシャローにいる。今日も天気予報が当たるかどうかはわからないが、終始ローライト。雰囲気はいい。あとは水位だけ」。

奥田さんの力強い言葉は、なぜだかまだ見ぬビッグフィッシュを予感させた。ライトサイドへの帰還は間近だ。

表層の攻略に特化したビッグベイト=Btフォース。圧倒的なアピール力を誇るが、この時期に水面下で潜むバスを引きつけるには低水位がキーになるという。

Btフォースを活かすノット方法にも注目

狙ったスポットに際どいキャストが決まり、Btフォースは今日も水面を快活に動き回る。初日に比べ、若干スピードはスローか。ここぞというスポットを狙い続ける奥田さんだが、時にミスキャストも起きないわけではない。しかし、奥田さんのバンタムロッドと16ポンドラインは難なく回収を可能にして、未だロストはない。また硬い護岸に派手に当たることがあっても、リップやボディに破損が発生していないのは驚きの事実だった。

「シマノの厳しい強度基準をクリアしてるから、ちょっとやそっとじゃ壊れないんよ。それと…」。

そう言いながら見せたのは、Btフォースに接続されたリング。ルアー交換を素早く行えるように、奥田さんは付属のスプリットリングを外して、ソルトウォーターの大物釣りでも使われる高強度リングで接続していた。よく見ればラインとのノット部が編み込まれているかのように複雑化している。通称「イモムシノット」と呼ばれるこの結び方。なぜこの方法を奥田さんは選んでいるのだろうか。

「ノットってね、締め込む部分があるとそこだけ強度が低下する。でも、このノットは締め込みが一切ない。おそらく最強だよ」。

ダブルラインをリングに通した後、ラインの先端側をハーフヒッチで上から下からと続け7回。最後となる8回目は下から2回通すエンド処理で締め付け。あとは余ったラインをカットするだけで最強ノットの完成だ。

「11時と14時」。奥田式ビッグフィッシュの法則

かつて奥田さんにこんな質問をしたことがある。バス、それも特大に関してはどの時間帯に釣れることが多いのかと。

ズバリ言ってしまうと、11時と14時。なぜか? それは僕の経験上の話やから。よく考えれば、その2つの時間の間が最も魚が動く時間帯であるのは確かだよね」。

多くのアングラーは意外に感じたかもしれない。早朝と夕方、いわゆる朝マズメと夕マズメ、フィーディングタイムとされる時間帯はは奥田さんの眼中にはないのだろうか。

「朝マズメは前日に獲り残した魚を獲りに行くという意味合いが強いね。早朝ならまだ誰も攻めていないだろうからね。エサを獲る時間帯ではあるけど…、特大クラスはそこじゃない」。

アベレージサイズの行動は必ずしも特大サイズと同じではないということなのか。それとも奥田さんの釣りだからこそ、その時間に特大が釣れるのか。詳細は不明だが、覚えておいて損はない事実だ。

早朝はローライトだったものの、この日もまた予報は外れ、8時には太陽がジリジリと肌を突き刺し始める。前日にも増す日差しの強さが厳しい。

「6月なのにもう真夏の様相やね。これはもうシェードしかない」。

移動途中の車内時計は10時55分を指していた。次の釣り場に着く頃を計算すると、ちょうど例の時間帯だ。果たして…。

画像は初日訪れた桑野川での1枚。橋上など高台から見下ろすと、そこかしこでシャローに定位するバスの姿がうっすらと見えた。「もう6月中旬やけど、まだ産卵シーズンは終わっていないんやね」。2日目の戦略にヒントを与えた。

低水位に11時、そしてシェード。「ロボ」の逆襲、ついに!!

「ココやね(ニヤリ)」。

到着した水路は、側壁にそれまで高かった水位から減水した跡を残している。数10メートル間隔で水路にかかる橋が水面に色濃くシェードを形成している。バスがいるとすれば、そのシェード部分か。奥田さんは足場の高い護岸で無理な姿勢からやや下向きの鋭いサイドキャスト。水面スレスレの低弾道でBtフォースをシェード奥へと送り込んだ。

着水するや巻き始めて1アクション。答えは、ついに、出た!!

「やっぱ出たやろ? 全ての要素がなかなか揃わないから、今回は本当にしんどかったワ(笑)」。

初日から数えて死闘約20時間の末、狙い通りの答えが出た。感無量といったところだ。ところで奥田さんはなぜ低水位を望んでいたのか。

「(農作業等の影響で)ほぼ全域がマッディに近いステイン。さらにはまだ産卵が終わっていない時期。こうなると、Btフォースの圧倒的なパワーがあってもそうそう浮かせることは難しい」。

リトリーブを若干スローにしても追いきれない産卵絡みのこの時期。ましてや水位が高ければ、なおさらのこと。

「水路の水位はおそらく周囲の田畑の状況次第で人為的に変わっていくから、本流のようにデータで読むことは難しい。だから、足を使って全てを見て回っていくしかなかった。はー、しんど(笑)」。

その解放感からなのか、奥田さんの表情はいつにも増した爽快な笑顔。ひと仕事やり切った男の顔がそこにある。

まるで台本があるかのようなストーリーだが、これがリアル。真実は小説より奇なり、なのだ。

破壊力バツグンの奇策。いったいこれは…

Btフォースで狙い通りの1尾を獲ったところで、ブレイクタイム。実は初日の日中、奥田さんならではの超暴力的(!?)なこんな手法にもトライしていたことをお知らせしておこう。

「専用のハーネスでBtフォースを2つ繋げた通称ダブルアタックリグ。カラーはそれぞれ別。どんな泳ぎかって? まぁビックリするよ(笑)」。

ハスを彷彿とさせる2尾の大型ベイトフィッシュがカップルで表層を泳ぐ。「1つよりも2つ、2つよりも3つ。Btフォースのパワーはより破壊的になっていく」と奥田さん。

「バイトはどちらに出るかはその時次第。ダブルヒット? 経験上は一度もないね、不思議と」。

ただでさえ圧倒的な強さのBtフォースなら、バスは群れで追いかけ双方にバイトするのではないかと思うのは早合点。次の言葉を聞いて、合点がいった。

「後端にもう1つのハーネスを付けて、トリプルにすることも。その場合は2つを同じ色で、1つにバスの目を集中させる」。

バスは明らかに対象を捕捉してバイトしているということを証明する。この現象、奥田さんが得意とするリグの1つであるアラバマリグ系にも似る。周囲には複数の同じ形状のシャッドテール、中央で1つだけ派手に動くシャッドテールにバイトさせるというのがあの手法。根本的な考え方としては実に近い。

「最高で5個まで連結したことがあるよ。そりゃもう着水した直後の巻き始めでドッカーンだった」。

使用タックルもそれまでとは異なり超高強度なタフモデルを使用。バンタム最強ロッドにしてジャイアントベイト対応の180XXH-SBに、フロロカーボン25ポンドを収納する中型リール。これは本来ソルトウォーターのジギング等で使われる高剛性モデルとのことだ。

奥田さんがダブルアタックリグに使用するベイトリールはグラップラー300HG。マイクロモジュールギアを搭載してバス用ベイトと遜色ない軽快な巻き心地を実現。ロープロファイル型はハンドリングにも違和感がない。※ハンドル交換済

<使用上の注意>Btフォースの保管方法

Btフォースでの実釣はこれにて終了。

「今回はしんどかったけど(笑)、この記事が公開される頃は夏。バスの活性は高いはずやから、ぜひ臆せずに投げ続けてほしいね」。

Don’t think.Feel.(訳・考えるな、感じろ。)

翌日もまたBtフォースを使うのであれば、そのままの状態でボックスに保管しても問題はない。ただし、1ヶ月など長期に渡って使用する機会がない場合やテールが破損した場合は、以下の通りに保管または付け替えすることをお勧めしたい。

1:正面から見てボディ左面にある小さな穴にハリ先や細い針金等を押し込み、ステンレスピン2本を右面の大きな穴からそれぞれの頭を押し出す。ハリ先を使用する場合は十分注意しよう。

2:右面から頭を出したピンはそれぞれプライヤーで完全に抜き出そう。勢い余ってピンを飛ばさないように。次に使う時のためにピンは小袋へ戻して保管しておこう。

3:テールの付け根を持って本体から下方向へとスライドして取り外す。これで分解は完了だ。

4:取り外したテールは、元々入っていたブリスターパックへと戻そう。こうすれば次に使う際もクセが付いていない真っすぐの状態のままセットすることが可能だ。

Btフォース使用タックル

●ロッド:バンタム180XXH-SB

●リール:グラップラー300HG(ハンドル交換済)

●ライン:フロロカーボン25ポンド

●ロッド:バンタム1711H-SB

●リール:アンタレスDC HG

●ライン:フロロカーボン16ポンド