最先端技術で武装する Btフォースの覚醒  奥田学 × 旧吉野川水系他(徳島県) パート2

話題の新作ビッグベイト、いよいよ実戦投入

パート1ではBtフォースのポテンシャル、そしてセッティング方法を解説してきたが、パート2ではいよいよ実釣編へと突入。

時は6月の中旬、5月から真夏日が連日続いたあの頃のことだ。日々照りつける日差しを受け続けたせいか、奥田学さんの肌もいつになく色濃い。

「今回は厳しい展開になると思う。何せこの暑さ。ワンチャンスを活かせるどうかがカギになる」。

今回の実釣で使うことを許されるのは無論、Btフォースのみ。奥田さんはシーズンと天候、そしてルアーの特性を考慮に入れ、実釣プランを練り上げた。さて、どんな展開が待ち受けているのだろうか。

全長190ミリ、自重50グラムのBtフォース。その威力を存分に活用すべく用意したのは、バンタム1711H-SBにフロロカーボン16ポンドを収納したアンタレスDC HG。まだ見ぬ大物に期待は膨らむ。

朝イチエリアにはバックウォーターを選択。しかし…

早朝まだ暗いうちに徳島市内を出発しておよそ1時間。とあるリザーバーに到着。狙うはバックウォーター。朝の涼しい時間帯に上流へとフィーディングに上ってきた大型の個体を狙う作戦だ。この日、事前に終始ローライトとの天気予報はあったが連日続いた真夏日からセオリーを追求することに。

しかし、ここで大きな誤算が待ち受けていた。

「水が…ない…」。

通常であればジンクリアの水が激しく流れ、各所にバスをストックする岩影や地形の変化が豊富なはずのこのエリア。その多く、いや全てと言っていいほどが陸上と化している。ごく細い流れを見れば、多くが水深30センチ未満。表層を活躍の舞台とするBtフォースには何ら問題ない水深ではあるが、早朝だというのに小魚の姿はおろかライズさえも皆無。

「生命感が…ない…」。

本来であれば瞬時にビッグフィッシュを仕留め、幸先の良いスタートを切っていたはずのこのエリア。奥田さんはわずか30分後には移動を決めたのだった。

「見切らせないうちに喰わせるために」

朝イチの釣り場で移動までのわずか30分に満たない間、我々は初めて水面を泳ぐ最終プロト、いわば製品版のBtフォースの姿を見ることができた。ワイドリップと肉厚のボディが水を掻き分け、前方から横へそして後ろへと水面を盛り上げ、そこには明らかに強い波動の存在を見て取れた。フロントボディのロールアクションはテール側へと伝達され蛇行を見せると共に、何より強烈な印象を受けたのがそのテールが魅せる超絶アピール力だった。

「単なるシャッドテールじゃない。振り幅の大きい左右へのアクションと共に、そのマスト部が水を掻き、動くたびに激しく飛沫を上げる。これがBtフォースをバスに見切らせない秘密」。

まずは水面が穏やかな別場所で改めて撮影した動画で、その圧倒的なアピール力をご覧いただくことにしよう。基本はただ巻き、応用編としてトゥイッチ。いずれの使い方でも強烈な水面アピールを見せているのがわかる。

ただ巻きするだけで、広範囲に強力アピール

Btフォースが着水。巻き始めるや後方には三角状に長く残る引き波は、パート1でも解説した2つのサウンドと共に広範囲からバスを湧き上がらせる。

「これだけでも存分にバスを引き寄せることができる。ビッグベイトのエントリーユーザーはまず投げて巻くことから始めてほしい」。

応用編としては、ここぞという場面で繰り出したいトゥイッチ。竿先を軽く1回あおるだけで、Btフォースは激しい飛沫と共にテーブルターン。時にポッピングを彷彿させる大きな泡をもはらみ、あらゆる方向へとスプラッシュ。形状こそビッグベイトではあるが、その後方にはまるで大型ポッパーが通過したかのような軌跡が残る。

「見切らせないうちに食わせる。完全なスイッチベイト」。

他の追随を許さぬ激しいサウンドとアクションに魅せられたバスは、もはやバイトする以外に選択肢はない。

なお、奥田さんが使うリールはアンタレスDCのHG。ミディアムギアではなくハイギアを好む。リトリーブ時は水中の微かな変化をハンドルから感じ取り、フックアップ後は主導権を与えず即座に足元へと寄せるための選択だ。見た目にはミディアムリトリーブでも、水面のBtフォースの動きは想像以上にスピーディーであることも付け加えておこう。

追っては来るもののUターン…。時にビッグベイトは魚をサーチするだけの存在となる場合も少なくないが、Btフォースなら見切らせることはない。圧倒的な存在感がそこにはある。

ついに1尾目がヒット! が、しかし…

「あかんヤツや…」と苦笑いの奥田さん。水面を激しく割る音、バンタム1711H-SBを絞り込む相手に大きな期待を寄せたが…まさかのニゴイ…。

「いいウォーミングアップにはなったね(苦笑)」。

長さこそナナマル近く、派手なファイトを見せてくれたゲストフィッシュに感謝。ここは移動途中にふと思いつきで立ち寄ったとある河川。高台から見下ろした際の水質は良好かに見えたが、岸際に立つと水面に立つ泡が気にかかった。

「この泡は大した問題ではない。水だけを見れば悪くない。けど、なんでやろ。バス以外の魚しかおらん」。

今回使用するバンタム1711H-SBを始め、奥田さんが手がけた「SB」表記のロッドはいずれもソフトティップを持つ超ファーストテーパー。一般的な剛竿とは異なり繊細なバイトを絡め獲り、ファイトの際にはその追従性の高さが確実にランディングへと持ち込むアドバンテージになる。ここでは意外な形でその片鱗を見ることはできたが、やはり本命でその実力をお目にかかりたいところだ。

次の場所へと向け走り始めた車中ではこんな話も聞くことができた。

「そうや! 徳島は6月が田植えシーズンなんや! 全国的にはゴールデンウイーク頃っていうイメージがあるけど、水のことも考えなアカンね。見た目だけではわからん水のことを」。

水質の変化に強いとされるコイやニゴイしか見かけなかったのは、そんな理由があったのかもしれない。稲の品種や地域性もあるが、この後のエリア選びにも少なからず影響を与えることにもなりそうだ。

減水、そして水質悪化で、ま・さ・かの苦戦…

奥田さんのプランは山間部からスタートして、下りながら1つ1つ各所を回っていくというもの。天気予報では終日ローライトのはずが、なぜか朝を過ぎると太陽は容赦なく照り続けた。予想通りだ。

「ひと雨欲しいところやね」。

Btフォースは表層攻略に特化したビッグベイト。どこへ訪れてもピーカンベタナギの現状で回答を得ることは実に難しい。何らかの変化が欲しいところだ。

時は既に夕刻。太陽は傾き始める。東日本に比べ日照時間が長い西日本ではあるが、日没の19時にはストップフィッシングを迎える。ラストチャンスとして向かったのは旧吉野川水系。本流から支流へ、そして水路へと歩を進めるも答えは遠い。

農作業中の地元の方に挨拶すると、「マムシに気を付けてな」と心優しいアドバイス…の一方で、よく見れば田植えの真っ最中。万事休すか…。

時折、竿先を水面へ浸け、ボトムまでの水深を確認しては首を横にひねる。奥田さんの中で、この場の何かが違うらしい。それでも、小さな流れ込みを見つけるや、わずかな望みを頼りに1投すると、ついに1バイトを得た。

「…いや、怪しかった。バスやないかも…やっぱ、そうや…」。

次の1投で姿を見せたのはライギョだった。

バンタム1711H-SBがBtフォースのメインロッド。SBはスイムベイトの略称で、他の一般的なロッドに比べヘビーデューティーな仕様であるのは言うまでもないが、直立不動でブレなくひたすらにキャストを続ける奥田さん。まさに「ロボ」の称号がマッチする。

取材初日覚醒ならず。結果は翌日へ持ち越し

初日、日没ギリギリまでトライするも答えは出ない。取材班が知る限り、奥田さんがここまで苦戦を強いられた例は他にない。取材日程は2日間。残すはあと1日。通常なら、ここで焦りを感じるところだろう。しかし、奥田さんは地に足を付け、冷静に初日を振り返る。

「リザーバーが減水していたのはこの天候が続いて渇水なんやろね。明日の選択肢にはもうない」。

たとえ夜間に雨が降ろうと急激な増水は見込めない。では、河川や水路はどうか。

「河川、例えば旧吉野川であれば水の動くタイミングは事前に知ることができるけど、この状況では狙い所を絞りづらい。可能性があるとしたら、周辺の水路。なぜか今日行った水路はどこも水位が高かった。低くなればBtフォースにチャンスは確実にあると思うんやけど…」。

May the force be with you!(訳・フォースと共にあらんことを!)

はたして水位の低さがBtフォースの釣りにどう影響を及ぼすのか。奥田さんの逆襲。その真相は、翌日2日目の実釣編パート3で明らかとなる。

早朝4時スタート、終了19時。約15時間にもおよんだ初日の釣行だったが、答えは未だ出ていない。残すは翌日のみ。奥田さんはこの局面をどう打開していくのか。

Btフォース使用タックル

●ロッド:バンタム1711H-SB

●リール:アンタレスDC HG

●ライン:フロロカーボン16ポンド