パブロシャッド59SPが満を持して発進!! 山木一人×霞ヶ浦水系(千葉県・茨城県)

待望の「THEジャパンシャッド」、いざ降臨!!

全国のパブロシャッドファンの皆さん、お待たせしました! 待望のあのモデルがついにリリース!! 多くを語る前に、まずは開発者である山木一人さんによる動画をご覧いただきたい。

この5月に発売された「59SP MR」に続き、いよいよパブロシャッドの本丸、オリジナルモデルの「59SP」が登場する。

潜行深度2.7メートルの前者に対して、後者は1.7メートル。国内フィールドにおいてシャッドプラグの有効レンジとされる水深2メートルをターゲットに作り込まれた日本人による日本人のための「THEジャパンシャッド」。陸っぱりアングラーはもちろん、あらゆるシーンでより使いやすい潜行レンジの59SPは、この冬から春にかけてきっと心強い味方となってくれるはずだ。

「いやいや、低水温期だけじゃなくて、どんな季節でも使えるのがシャッドだよ」。

季節を問わず、表層に小魚を始めとしたベイトが見えないなら、中層やボトム狙い。シャッド=寒い時期というイメージがあるが、それだけではないのだと山木さんは言う。

「パプロシャッドが潜る水深プラスアルファ。リップがボトムタッチするかどうかくらいの場所は全て投げて巻いてみて損はないよ」。

まずは投げて巻く。いわば、クランキンシャッドとして、使い込んでみてはいかがだろう。

上がパブロシャッド59SP、下が59SP MR。59SPはこの11月に10色、12月に10色、59SP MR同様に計20色がショップ店頭に出揃う。

「開けたらすぐに使える高精度シャッドを求めた」

当連載をご覧になっている方々の中には既にパブロシャッドを手に入れて好釣果を叩き出している方もいることだろう。

しかし、なぜ先に59SP MRが発売となったのか。そこに疑問を持つ方も多いのではないだろうか。

「本当の意味で、パッケージを開けたらすぐに使えるシャッドが欲しかったんだ」。

シャッドプラグを使う上で、これまで儀式かのように当然の如く受け入れられてきたのがトゥルーチューン。向かって右へ泳ぐならラインアイを左へ、左なら右へとプライヤー等で微調整して直線軌道へと修正するのがそれだ。ミスキャストによって曲がったアイを調整し直すことは不可避としても、未使用の段階で調整することも珍しくない現状を山木さんは嘆く。

「アイを調整してようやく真っ直ぐに泳ぐようになるなんて、工業製品としておかしな話だよね」。

プロト段階では早くから圧倒的釣果を叩き出し、完成の域に到達。しかし、発売には待ったがかかった。

「なぜ全てが真っ直ぐ泳がないのか。当初はパーツの精度の問題なのかと全てを国産に替えたが、それでも変化がない」。

開発は難航を極めた。行き着いたのは、プラグ組み立て時に生じる何千分の一の誤差だったのだという。

「金型から抜く際、樹脂はどこかに歪みが出る。人間の眼では判断できないくらいの歪み。それを矯正することこそが正解だった」。

「MRは早くから理想の数値に辿り着いた。けど、59SPはなかなか難しくて、発売がかなり遅れちゃったんだ」。

ようやく山木さんのGOサインが出たパブロシャッド59SP。全ての製品がパッケージを開けた瞬間から同じ動きで、同じように釣れる。アングラーにとって夢のようなシャッドプラグが今まさに登場することになったのだ。その実力は、既に当連載でこれまでにご覧になっていただいた通り。バックナンバーを要チェックだ。

山木さんは巻きの釣りに、その剛性が確かな巻き感度を伝えるカルカッタコンクエストを愛用。軽量なパブロシャッドにはカルカッタコンクエストBFS HGをセレクト。そしてロッドは…。

バンタム166L+BFS、巻きも撃ちも高次元で両立

かつての釣行では、山木さんはパブロシャッドを状況に応じて4タックルで使い分けていたことはご存知だろう。

バンタム267ML+ヴァンキッシュ2500HGS+フロロカーボン4ポンドを軸に、タフなら「よりワームのようなアプローチ」を実現すべくロッドを2610Lへ持ち替え、ロングレングスによる喰い込みを活かす。高速巻きにはリールをヴァンキッシュ3000HGMへと大型化して、大口径とハイスピードギアによるアドバンテージを追求。

そして唯一のベイトタックルは、手返しの良さを求めると共に、カバー対策としてフロロカーボン7ポンドをセット。カルカッタコンクエストBFS HGは、重量わずかに6グラムという軽量なパブロシャッドを軽快に飛ばせる優れたスプール回転性能を発揮して、高い剛性による高次元の巻き感度で万全の対応。

当時、使用していたベイトロッドはバンタム165L BFSだったが、今回山木さんが使用するロッドを見るとバット部に手書きで「166L+BFS」の文字が。おそらくはプロトモデルだ。

「LとL+、若干硬めになっているという表記だけど、実際に使ってみるとよりしなやかになってる気がすると思うよ」。

硬いはずなのにしなやかとはこれ如何に。

「1インチ長くなっているという理由もあるけど、竿を曲げて飛ばすための設計が効いていると思うよ」。

それがエキサイトトップと呼ぶシマノ独自のロッド設計技術。高感度のチューブラーティップを搭載して、先端部を硬く、中間部をやや柔らかくといったセクションごとに硬さのギャップを作り上げることで実現した遠投性能を格段に向上するテクノロジーだ。

「軽いシャッドでも乗せて飛ばすことができるし、何よりこれ1本でワームも小型プラグも両立できる強みがある。近年のベイトフィネスロッドって曲がる造りになっていないのが多いからね」。

硬いロッドであればスナップを極限まで活かさぬ限り、シャッドで存分な飛距離を生み出すことは難しい。乗りの良さを追求したロッドならシャッドはもちろん、軽量リグへの対応力も高くなる。

「元々165L BFSは小型プラグへの対応力も高めた軽量リグ用モデル。ボートで何本も持っていける状況なら、166L+は小型プラグ用として使うし、陸っぱりにも使いやすい1本だね」。

撃ちも巻きも高次元で両立するバンタム166L+BFS。いわば、ベイトフィネスバーサタイル。2018リリースを予定する1本に要注目だ。

フルスロットルで移動を繰り返し、各エリアで反応を探るラン&ガン。はたして実釣初日の結果は…。

ボラジャンプさえ見えない実釣初日の悪夢…

今回山木さんが選んだフィールドは、東日本屈指の広大な水域を誇る霞ヶ浦水系。2日間の釣行日程で向かった全エリアは、厳密に言えば利根川水系も含んでいた。隣り合ったこれらの水系は、2つの水域の水位を調整して通過を可能とするロックゲート(=閘門)と呼ばれる装置を利用。運河にも似た構造だ。米国の広大なフィールドでは珍しくないが、国内のバスフィールドではなかなかお目にかかれない光景だろう。

異なる2つの水域を繋ぐロックゲート。2つのゲート内でこれから向かう水域の水位に調整してボートの安全な通過を促すのがその主な仕組みだ。

横利根川からランチングした山木さんは、北利根川へと繋ぐ新横利根閘門を通過。下流へひた走り、常陸利根川から利根川へと繋ぐ小見川閘門へ。そして、黒部川へと繋ぐ笹川閘門へ。下流から上流へと攻め上がり、帰路は阿玉川閘門から利根川へと入り、往路とは逆に戻っていった。これが初日の行程だ。

「いったい何なんだ、今日は? ボラが跳ねるのさえ、2回しか見なかったぞ?」。

そう、ご察しの通り、初日は無念のノーフィッシュとなってしまった…。時は10月下旬、前日まで極度に冷え込んだ後に晴天となった一日。日に日に水位は落ち、シャローから魚が消えたばかりか、水面からは生命感が一切感じられなかった。こんな日も珍しい。

「横利根のロックゲートが開いてる! 水位が落ち着いたんだね」。

北利根川と横利根川を繋ぐ新横利根閘門が開いていた。この閘門は他とは異なり、両水域に水位差がなくなると解放したままとなる。つまりこれ以上水位が低くなることはない。翌日の状況好転を願って、この日は竿を納めることになったのだった。

実釣時、常に周囲を観察し続ける山木さんだが、この日は何ら変化がない。「ボラさえ跳ねていない…どういうことだ?」。

実釣終盤、霞ヶ浦へと入り、沖の消波ブロックをパブロシャッドで撃ち始めるや…「いや、やめておくよ(笑)」とすぐに竿を持ち替えたのだった。なぜか?

シャッドなら釣れる状況…しかし、なぜ!?

「今日はサ、シャッドの日だったんだと思うよ」。

実はこの日、山木さんはパブロシャッド59SPをほぼ投げていない。なぜ投げなかったのか、理由が知りたい。

「投げ始めたら、他をやらなくなっちゃうもの。だって、シャッドの釣りが大好きなんだから(笑)」。

答えを知っていながら敢えて封印する潔さ。確かにこれまでパブロシャッドは幾度もの好結果を各メディアで魅せ続けてきたという経緯もある。

「釣れても今さら…でしょ?(笑)」。

釣れて当然とも言える実力派のパブロシャッド。今回は別のルアーに晴れ舞台を譲ったのだ。詳細は次回記事にて。

山木さんが無造作にボートのドリンクホルダーに突っ込んでいたルアーに注目。

初日はあえなく終了。太陽が沈みかけ、町内放送でカラスの歌が鳴り始める16時半。冬の日没時間は早い、早すぎる…。

<使用タックル>