シマノインストラクターと行く絶景ドリームツアー・バスコース突撃レポート 奥田学×さめうら湖(高知県)

  • お二人の当選者が奥田学と楽しむドリームな2日間!!

今回の当連載はいつもと趣向を変えてのお届け。

例月のようにチームバンタムのひとりが4週間に渡って実釣する模様をお届けする点では変更ないが、今月の初回は先頃行われた「インストラクターと行く絶景ドリームツアー」の模様を紹介することにしよう。

ドリームツアーとはシマノ製品を購入して応募した皆さんの中から、厳選なる抽選で決まるシマノワンダフルフェアの特賞賞品。日本全国の絶景フィッシングポイントをシマノインストラクターとともに巡り、プロのテクニックを目前にしてレクチャー及び興味深い体験談なども聞ける貴重な機会。今年で3年目を迎える好評のプレゼント企画として知られる。今年はバスコース、磯チヌコース、船釣りコース、ショアエギングコース、ショアキャスティングコースのそれぞれで各2名が当選。当連載が追ったのはもちろんバスコース。

担当したシマノインストラクターはお馴染みの奥田学さん。向かったのは四国屈指のリザーバー、高知県さめうら湖。バスフィッシングが楽しめるフィールドとして国内でも有数の広大な湖面積には、メインリバーから幾つもの枝分かれしたクリークが存在。高速走行可能なバスボートを活用しても、その全てを知るには1日では不可能。ドリームツアーには最適なフィールドとも言えそうだ。*さめうら湖の利用は登録制です。詳しくは「NPO法人さめうらプロジェクト」をご確認ください。

今回のツアー、幸運なる当選者はこのお二人だ。

岐阜県からお越しの伏見和之さん(左)、滋賀県からの長井智久さん(右)。そして担当インストラクターは奥田学さん。写真は釣行前夜、新睦会でのひとコマ。

前夜まずは合流して、大盛上がりの新睦会へ!

長井さん「今日の今日までドッキリなんやないかと(笑)」。

伏見さん「写真を撮られながら焼肉を食べたことないです(笑)」。

ツアーは釣行前日、高知市内のホテルに集合することから始まった。現地までの交通手段は各自で都合するため、長井さんは期待半分不安半分で地元滋賀県から自走でやってきたのだという。夕方17時半、ホテルのロビーで集合の後、まずは夕食を兼ねた新睦会。焼肉店で奥田さんと当選者のお二人が食事するシーンから、翌日丸一日の実釣まで全てを我々取材班は追うことになった。

長井さん「ここ2年フィネスの勉強をしています。奥田さんにその極意をぜひ」。

奥田「明日、場合によってはフィネスをやるかもしれないね」。

奥田さんといえばビッグベイトを始めとした超パワーゲームの印象も強いが、実はもう一方の釣り、超フィネスにも造詣が深いことは知られている。

長井さんは九州出身。幼少期から海釣りに親しみ、現在は滋賀県にお住まいでバス釣りに傾倒。今回は奥田さんから何かを学んで帰りたいという意欲が感じられた。翌日、奥田さんはどんな場面でフィネスを繰り出し、どう長井さんに魅せるのか実に楽しみだ。

伏見さん「僕の勤務先の社長公認で有休をもらってきました! 絶対に釣ってこいと。釣るまで帰ってくるなと」。

一同「(笑)」。

聞けば、その社長さんは根っからのバスアングラー。伏見さんは2年ほど前にバス釣りの楽しさを知るや一気にのめり込み、今回のツアー参加は会社ぐるみの後押しがあってこそ実現したのだという。何としても釣果を叩き出したいところだろう。ほんの数時間前に初めて出会ったお二人、そして奥田さん。最初は緊張の面持ちだったお二人もいつしか旧知の仲であるかのように打ち解けていった。

バスフィッシングという共通の趣味って本当に良いものだ。

お二人が手にしているのは、奥田さんが開発したバンタム初のビッグベイト、Btフォース。伏見さん「これで釣りたい! 奥田さんがどう使うのかも見たい!」。今日は目の前に「動く釣りDVDがいる(笑)」と長井さん。まさに言い得て妙だ。

「動くDVD」(!?)を目の前に、いざ実釣が始まる!

明けて翌日、早朝5時にホテルを出発。高知道を経由して約1時間。当ツアーのメインイベント、さめうら湖での実釣が始まろうとしている。

奥田さんのバスボート、フロントデッキを見ると最左に見慣れない1本のロッドを発見。バンタムロッドは全てコルクグリップのはずだが、それだけはEVAだ。はたして、これは一体何物なのか。詳細は追って解説することにしよう。

すると、その一方で参加者の伏見さんは取材班とはまた別の視点からこのタックルを見ていた。実に興味深い。

 

伏見さん「食事中の奥田さんのお話で気になったのが、奥田さんは釣り場に着いたら固定観念を持たずに五感を研ぎ澄まし、フィールドの状況を肌で感じ、シックスセンスを大切にするとおっしゃっていました。その時は何のことかあまり理解できずに話を聞いていたのですが、翌日奥田さんのボートに乗ってビックリ! 奥田さんのタックルにはルアーは何もついていなかったのです」。

実は釣行後、参加者のお二人からレポートをいただいた。上は伏見さんから届いた文面から一部抜粋したものだ。振り返ってみると、奥田さんのタックルには確かに伏見さんの言う通りルアーがセットされていなかったのだ。奥田さんは前日、こんなことも語っていたのが思い出される。

奥田「スタイルやこだわりって、バス釣りには一番無駄なことやと思う」。

かつて奥田さんが3代目陸王の栄冠を勝ち獲った時のことを話そう。今からおよそ7年前のことだ。2日間に渡って行われた霞ヶ浦水系での決勝。季節は11月。既に冬を控えた晩秋、いや初冬とも言える時期の開催だった。その地に不慣れな奥田さんは初日、ノーフィッシュ。今思えばこの日が実質的なプラクティスだったとも言える。

2日目、冷たい雨が降った。状況はさらに悪化。さらにこの時、タックルは1本のみ使用可能というレギュレーションだった。ところがこれこそが奥田さんを頂点へと導く大きな要素となったのだ。その選んだ1本とは「陸王スピン」。番手は274M。現在のバンタム274Mの原型となるモデルだ。ラインはフロロカーボン6ポンド、使用ルアーは何とスピナーベイト1/2オンス(!!)。他選手が苦戦を強いられる中、堂々の5尾のリミットを達成して大逆転を果たしたのは記憶に新しい。バスフィッシングの歴史に残る名勝負だった。

奥田「そんなのおかしいよ、釣れないよと思われるかもしれない。けど、大切なのは目の前にあるフィールド、そして魚に対して、どう向き合っていくか、なんだ。決め込むと何も広がらん」。

確かにスピニングタックルで重めのスピナーベイトは不思議な組み合わせだ。しかし、それで魚が反応することは明らかで、それも狙うべき場所が遠い。となれば、その組み合わせは奥田さんにとって迷うことなく選ぶべき最高の武器だったのだ。

最新鋭ビッグベイト、Btフォースの威力を再確認!

さて当ツアーのメインイベントとなる釣行は、Btフォースからスタートした。ビッグベイトであるとともにウェイクベイトであるという印象が強いせいか、ただ巻き系ルアーと考えがちだが、その使い方に限界はない。

長井さん「トゥイッチさせてバスを誘う…こんな使い方があるのかと…。今までやったことのない使い方をレクチャーしてもらいました。これからビッグベイトを使うときの引き出しが広がりました」。

長井さんのレポートにはこんな感想があった。かつての当連載で初めて見たBtフォースのトゥイッチは確かに我々取材班にとっても驚きの出来事だった。ヘッド部が強く水押しすると共にテールが激しくスプラッシュしてテーブルターン。時にポッピングを彷彿とさせる大きな泡をもはらみ、あらゆる方向へスプラッシュを撒き散らす。そのアクションは、かつての連載記事でもう一度ご確認いただきたい。

狙うは岸沿い。伏見さんはフロント、長井さんはバックシートからそれぞれキャスト。ドリームツアーの始まりだ。

 

バンタム初のビッグベイトにして、奥田さんによるバンタム初プロデュースのBtフォース。その威力は推して知るべし。

ドリームツアーの記念すべきファーストフィッシュが!

長井さん「ボートポジションの取り方も教えていただき、非常に参考になりました。見極めも数投。時間をかけない早い展開だったことにビックリしました」。

リザーバーは岸沿いが急深な場合も多い。奥田さんは敢えてボートポジションを岸にタイトな位置にとり、エレキで進む進行方向へのキャストをお二人に求めた。バスがよりバイトしやすいコース取りがそこにはあった。

奥田「シャローフラットなら岸から離れて広範囲を探るのもアリやけど、今回は急深な場所ばかり。バックシートだった長井さんには申し訳なかった。けど、頑張って獲ってくれました」。

フロントデッキからキャストする伏見さんが有利。Btフォースのファーストインパクトが有効に働くためだ。伏見さんに最初にヒットするも惜しくもキャッチに至らず。その一方で、長井さんは不利な条件下にも関わらず、最初の1尾を手にすることに成功した。

奥田「岸際にピタリとBtフォースを着水できなかったら即回収。ミスキャストで手前に落ちてそこから巻き始めてしまうと、せっかく岸際に集中していたバスが沖側へ追ってきて離れてしまう。そこをしっかり把握できていたんだと思う。お見事!」。

ドリームツアー釣行は幸先の良いスタートを切ったのだった。

長井さんのお見事な1尾目がこちら。カラーはタイニーギル。当日朝イチに自ら選んだ入魂の1色だった。

当選者待望のフィネスで連続キャッチ!

午前7時にスロープへと続くゲートが解放。以降、午前中の大半を使ってBtフォースの実釣及びレクチャーは続いたが、なかなか反応を得ることができない。午後5時半のゲート閉門までにそう多くの時間は残されていない。何せ広大なさめうら湖。移動時間だけでも想像以上に時間を要する。奥田さんは昼前を境に、タックルをそれまでのベイトからスピニングへの変更を提案。そう、長井さんが求めていたフィネスの展開へと進もうとしている。

長井「なかなかバイトをとれないので、ネコリグでフィネスの展開へ。ボトムをしっかりとれるようにと、奥田さんは3グラムのネイルシンカーを提案。そんなに重いウェイトは使ったことがなかったので新鮮でした」。

とあるクリークでの1枚。切り立った岩盤が左右にそびえ、ボトムには大岩が点在。向かう先にはフレッシュな水が流れ込むバックウォーター。何かが起こりそうな予感。

奥田さんがネコリグのレクチャー中の1枚。当選者はその解説を真剣に聞き入っている。

奥田さん直伝のテクニックがもたらした1尾

狙ったのは主に小さな流れ込みの沖側。見た目に反して水深は深い。浅くても5メートル以上。時には10メートルを超える場合もあった。

お二人にネコリグを提案する一方で、奥田さんは何やら魚探を凝視してヘビーダウンショットリグを試していた。即座に1尾をキャッチしていたが、この釣り方に関しては次週以降に詳細をお届けしたい。

長井「良いアクションを出せるように、シンカーやフックを付ける位置をいろいろ教えてもらいました。しっかり観察しながらリグを作る大切さを学びました」。

ネコリグのフックのかけ方を見ると、基本的にはタテ差し。ハリ先を下にしてワームの上側後方から刺して下側へ抜き、ハリ先を再度ワーム前方へ埋め込む方式。奥田さん独自のセッティング方法はワームへアクションを伝えやすく、フッキングパワーもより伝わりやすい。なおかつスナッグレス性の高さもキープする。お二人にフィネスを伝授し始めるや、早々に伏見さんがキャッチすることに成功した!

奥田「これで社長に報告できるね(笑)」。

伏見「ありがとうございます(笑)」。

 

伏見さんがネコリグで釣った中の1尾がこちら。奥田さんと一緒に喜びの1枚。

実戦的なアドバイスがやり取りされる船上

以降は、長井さん伏見さん長井さん伏見さんと、意図せずして釣果が順番に訪れた。Btフォースの釣果こそ伏見さんにはなかったが、おそらく当日最大は伏見さんの手に。奥田さんがこの時、お二人にアドバイスしたのはノットについて。後に聞くと、こんなお話だった。

奥田「4ポンドラインを使っていたので、正直な話、ノットはシンプルでいい。シングルのクリンチノットで十分なんだ。あとはスピニングリールのドラグがサポートしてくれる。お二人はちょっと難しいノットで結んでいたようだけど、結びに時間をかけるよりルアーを水中に入れる時間を多くしたほうがより釣れるようになると思う」。

ラインとロッド、そしてノットのパワーバランスが大切なのだと奥田さんは言う。そして釣りの時間こそが最優先だと。やや厳しめのアドバイスだったかもしれないが「お二人の今後の釣りの参考になれば」とのことだった。

およそ10時間にも及ぶ実釣時間だったが、あっと言う間に楽しい時は過ぎて帰着へと向かうことになった。

実釣終盤は3人がフロントデッキに集結してフィネス合戦。より近い位置でアドバイスを受けながらの集中講義といった感じだった。

まさにドリームな2日間はあっという間に!

長井さん「なんかこれ、夢のなのかな、現実なのかなとまだ頭の中がフワフワしてます(笑)」。

奥田さん主演のDVDを釣行前にぶっ続けで観てきたという長井さんは、目の前の光景が未だに「動くDVD(笑)」状態。夢と現実の狭間で過ごした2日間は、今後の釣りに刺激を与えてくれるに違いない。

伏見さん「奥田さんに教えていただいたことを胸に刻んでバス釣りを楽しみたいと思います。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。この2日間は私の一生の宝物です」。

これまでの2年の釣り歴から、今後も続く楽しい釣りの世界へ。この日、伏見さんはきっと何かを身につけ成長を続けていくだろう。

「シマノインストラクター奥田学と行く絶景ドリームツアー」は盛況のうちに幕を閉じた。

次週からは、その翌日に同リザーバーで行った実釣の模様をお届けしよう。奥田さんは初日ドリームツアーでの手がかりをどう活かすのか。はたしてどんな釣りが飛び出すのだろうか。

当ドリームツアーの模様はシマノ公式サイト内、絶景ドリームツアー釣行レポートでもご覧いただける。