浪漫志向 まだ見ぬ、伝説の巨大魚へ挑戦する魂が震える、あの魚を求めて 巨べら伝説3 浪漫志向 まだ見ぬ、伝説の巨大魚へ挑戦する魂が震える、あの魚を求めて 巨べら伝説3

シマノには管理釣り場の競技釣法を修練しながら、野釣りの魅力も熟知した4人の名手がおり、その4人は数々の大型を釣り上げながらも、その結果に飽き足らず、さらなる大型と出会うために努力を続けています。彼らの話から夢の魚に出会うヒントをつかんでいただけたら幸いです。

対談写真1

向かい風でも振り込める設定

“春一番”に代表されるとおり、春は強い風が吹く季節です。今年は地域によって2月中に“春何番”も吹いており、春の嵐が吹き荒れていました。へらぶな釣りにおいて、こうした強風がもたらすものは、溶存酸素量の増加、日光で温まった浅場が撹拌されることによる平均水温の上昇などがあります。
しかもこの風向きは“向かい風”の方がいいと言われています。風を背にする追い風は釣りやすいのですが、風波が押し寄せられる岸側の方が水位は高くなり、浮遊しているプランクトンも集まります。条件としては釣りにくいとはいえ南風のときは北岸に入った方が釣れる傾向があるということです。
向かい風で困るのは、エサの振り込みです。特に、乗っ込みの釣りは水生植物の根元へ的確にエサを打つ必要があり、エサ打ちの精度が求められるだけでなく、エサ打ちに失敗すると釣れないばかりか水生植物に仕掛けを絡めてしまいます。この悪条件を緩和させるため、ウキは大きめのものを使って、それに付随する重いオモリで振り込み精度を高める方法があります。これによって操作性が上がり、軟らかいエサを打つことも容易になります。
振り込み技術は、大変重要です。なんとかサワリが出たのに、なかなかアタらず、エサを打ち返した場合、そのサワリが出た場所へ正確に打ち込まなければなりません。しかも魚は、そこにいるのだから、浅場だし、すぐに食べられるよう極限まで軟らかくしたエサを入れたいものです。人によっては“魚の鼻面へエサが入ればいいけれど、尻ビレ側だったら喰わないし、叩かれて散らされたら終わり。焦って大アワセしてスレたら、引っかかれたそいつはもう警戒して喰わないよ”とも言います。
巨べらは、すべてにおいてスケールが違います。それはサワリひとつにしても言えることです。あの巨体で、信じられないほどの浅場へ出てくるわけですから、近づいてくると周辺の水生植物は揺れ、水面も揺らめきます。胸ビレの動きなのか、ウキの横に小さな渦流が起こっていることもあるそうです。そんな大事なときに、ウキがサワリだけでトップまで沈没してしまっては役に立ちません。巨べらがバックリと口を開けてエサを吸い込むまで、しっかりと水面にトップが出てアタリを示すことができるサイズのウキが必要です。しかも水深は浅いので、長いウキではトラブルが起こります。まとめると“短くて太い、オモリ量の多いウキ“が求められます。
振り込みやすいウキを選んだけれど、ガチガチの竿で上手に振り込めないのもよくありません。そうした竿の硬さを発揮させるのは取り込み時であり、まず喰わせるためには振り込めなければいけないし、仕掛けの性能を活かすためには曲がって働く竿であってほしいものです。飛天弓 頼刃またたき』は短尺でも強さとしなやかさを兼ね備え、へら竿としての機能を発揮します。
それから野釣りでは、ウキの見やすさ、視認性も大事な性能となります。管理釣り場では、対岸の景色が水面に映ってウキが見づらいということはほとんど起こりませんが、野釣りでは見やすい方が恵まれている条件なのです。釣り台の上で釣り人がクネクネと身体を動かしてウキを見ていることがありますが、これは見やすい角度を探っているのです。
実は、巨べら釣り師のなかに“逆光で釣る”ことを意識している人がいます。これはウキが立つ方向へ、釣り人の影をつくらないための配慮です。
すでに巨べらがエサに近づいているのを知らないで、不用意に釣り人が立ち上がり、その影がウキの近くに伸びてしまったことで、グラグラグラとウキが揺れたかと思ったらヤッカラの中へ巨大な魚影が逃げていったという話があるそうです。言わずもがなですが、逆光はトップが見にくくなる条件です。つまり、見やすいウキを選ぶということが重要ということです。

中澤 岳 萩野 孝之

立ち込むときは、大型釣り台が有利

陸っぱりの釣りとはいえ、乗っ込みの釣りは“寄せる釣り”ではないからポイントが最優先となり、いいポイントがあるなら立ち込んで(水に入ること)釣り座を構える必要があります。
多くの釣り人が口を揃えることですが“ポイントの整理で藻刈り鎌を入れること”より、魚に大きなショックを与えてしまうのが“人間が水に入ってくる”ことです。仕方ないことなので、最小限のダメージで抑えるように努める以外ありません。そのため、ミニ釣り台にまたがってバタ足をしたり、時間つぶしに水中を歩き回るのは避けるべきです。“乗っ込みはバチャバチャやっているんだから大丈夫”というのは、そのとおりかもしれませんし、警戒心が弱いサイズの魚を狙うなら問題ありません。しかし、記録的な大型を仕留めている巨べら師の多くが安定感のある大型釣り台に上がり、滅多なことでは降りないように何食分かの食事と飲料も準備しているのは、なぜでしょうか。警戒心の強さで生き残ってきた、スーパージャンボの巨べらを釣るためには、神経質だと思われても仕方ない、こうした気づかいが必要だというのは否定できません。ちなみに会話など空気の振動はまだいいのですが、水に振動を伝える行為は御法度です。だから仲間と語らう、楽しい釣り談義は構わないといいます。
またこうした大型釣り台に上がることにより、巨べらを喰わせてヤッカラへ駆け込まれそうになった大一番で、すぐに立ち上がって、全身を使って屈伸しながらの“やりとり”も可能になります。「大きな魚を釣りたければ、大きな台に乗ること」は言い得て妙なのです。

釣り談義=私の「巨べら考」

4名手による釣り談義の内容を、以下へ箇条書きで挙げます。巨べら釣りのヒント、秘訣としてご覧ください。

●釣行のタイミング

「最近の平場は、巣離れ即、乗っ込みだよね。ああ巣離れだな~と思う動きは、早い年だと1~2月に見られて3月の雨とか大潮で第1回目の乗っ込みが始まっちゃう。ヤマ(山上湖)は、昔から巣離れが分からなくていきなり乗っ込みだったけれどね」
「やはり潮汐は気にしますか?1カ月に2回は干満の大きな潮時があるじゃないですか。今まで釣ってきて、いい釣りしたな~と振り返ってみたら“帰りに見た、お月さまがまん丸できれいだったな”とか“カレンダーを確認したら大潮回りだった”って気づくから、どうも関係があるんだと思うだよね」「釣り場によるのだと思う。私は山中湖、河口湖だと潮汐を気にするなぁ。津久井湖とかは農繁期の通水かな」
「手賀・印旛水系が好きなんですけれど、印旛は小さいマブナがハタいて2~3日後に大型のへらぶなが乗っ込んでくるパターンが多いですよ。だから、マブだってガッカリしないで、チャンス到来と思わないとね」「私も経験がある、手賀・印旛でマブナ20尾に本命1枚ってことが」「ボクはマブナ50尾ですよ(笑)。ウキは動きっきりで面白いし、まだハタいていない産卵直前だから本命が喰ってくるんです」「そういうタイミングに当たるかどうかって、要は、釣り場へ通って傾向と対策を覚えるんだよね。なんとしても諦めないことが重要で、オデコ、ノーサワリは成功の基であり、釣れなくても見学に行ったと思うことですよ。最初は、人がいる場所へ行くこと。先釣者がいて、さらに竿が立っていたら、そこがポイントですよ」
「いきなり迷いなく釣り座へ入る人って、減水位のオフシーズンに下草を刈ったり、渇水しているうちに水底を掘ってカケアガリを整えたり、準備している人だったりするんだよね。この日のために、そこへ魚が来ないわけがないって信じ込んでいる。目の色が変わっちゃっているんだ」
「あれっ、そういえば釣り場ドライブが好きでしたね。全然、竿を出さないで釣り場を回るの」「みんな同じでしょう。“見たことのある車が前を走っているな~”と思ったら“あっ、あの人だ”ってことが珍しくない」「時期がくると、釣り場が気になって見たくなるんだよね。竿を出す時間がなくても行ってしまう」「でも、釣り場へ行って竿を出さないのはつらいでしょう」「それで釣れなくても竿を出しちゃうから、12連敗したことがありますよ。でも、あきらめない。オデコ覚悟の釣りだし、仕掛けで対象魚を絞り込んでいるから釣れない確率の方が高いんだもの」
「(“山上湖の河口湖はGWにシーズン・インでしょう”の問いに)河口湖は2月に見に行って、とりあえず周辺を周っちゃうよ(笑)」「まだ、なんにもできないのにね(一同爆笑)」「今年(2017年)は水が多いんじゃない」「あれっ1月なのに、見に行ったんですか(再び大爆笑)」

対談写真2

●ダブル飛天弓シリーズで備える『飛天弓 閃光P』『飛天弓 頼刃またたき』

「今、シマノにはパワーロッドといって良い新しい竿が2種類あるじゃない。長尺モデルの『飛天弓 閃光P』と短・中尺モデルの『飛天弓 頼刃またたき』だけれど、これを竿ケースに揃えておいたら、結構、頼もしいんじゃないかな」「早春で時期尚早か、あるいは釣行日が三寒四温の“寒”に当たって浅場に魚が入っていないとき『飛天弓 閃光P』で沖を探ることができるよね。ハタいている魚より素直に喰ってくる可能性が高いから、この釣りは軽視できないよ」「晩春も、初夏の釣りをするかもしれない。盛夏になれば舟で21尺チョウチンの、いわゆる“デカマッシュ”と呼ばれるハリ18号の釣りがある。亀山湖、片倉ダム、それから河口湖の深場なんかも、そういう釣りが楽しめるよね。エサが開き気味のマッシュポテトだから、そういうエサを保たせる大バリが必要なんだ。亀山湖の魚は乗っ込みで狙われすぎて利口になっているから、深場のチョウチンの方が喰わせられるかも知れないね。ああいう魚を深場で喰わせると、竿にパワーがなかった場合は取り込みで苦戦するんだよ。舟縁で下に潜られるのはイヤだよね。飛天弓 閃光P』だったら、その条件で60~70cmのコイが取り込めちゃうパワーがあるから安心だ。底釣りのハリは8~10号の小バリでいい・・・このサイズを小バリって言っちゃっている自分がおかしいのだけれど(笑)、感覚がマヒしちゃうね。底釣りのハリは号数が小さくても、軸の太さでエサを水底に安定させる必要はある。桧原湖などはこのサイズでいいけれど、河口湖は底釣りでも大きなハリがいい傾向があるよね」「喰わせたら獲れる自信はあるけれど、できれば楽しむ方の“楽”に釣りたいじゃない。ダブル飛天弓だったら、楽だと思うよ」

飛天弓 頼刃またたき

●美しい『巨べら伝説』

「色白っていう話ならマッディレイク(透明度の低い湖)の釣り場が銀鱗って感じの魚が多いよね。クリア(透明)だとアメ色の地べら、野武士って印象」「高滝湖のへらぶなは姿形がきれいだよね(一同納得)」「ベスト3だったら、ナンバーワンでいいでしょう」「じゃあ2位は? 」「河口湖」「木崎湖」「芦ノ湖」「頭が小さくて肩が張った魚の印旛新川」「みんな違うんだね。3位もバラバラになりそうだな」「北海道の大沼って伝説的な釣り場だよね。あそこの巨べらはきれいだって話だよ」「あと、ブラックバスの大きいの、デカバスっていうのがいる場所はへらぶなも大きいよね」「ブラックバスを扱った映像や誌面などのメディアを見て、このバスがいるなら巨べらもいそうだなって思うときはあるよ」

●竿が長いことで、細仕掛けが使える

「一昨年、桧原湖で50cm超を釣ったのは、流れ込みのあるポイントで竿は18尺、タナは1本半。竿が長いことは大変有利で、竿の働きに助けられるから仕掛けが細くても上がるんですよ。だからミチイトは1.5号、ハリスは1号、ハリは改良ヤラズ系10号。ハリだけはエサの関係があって大きい。こういう仕掛けだったから、釣り上げてみてから、あれっ大きいぞと気がついたくらい。デカいのに口が小さいから、10号でちょうどよかった」「ハリのサイズは魚の型に合わせるっていうけれど、型の割に口が小さい釣り場ってあるよね。河口湖、山中湖、桧原湖は口が小さい印象を受ける。それと、自分も“仕掛けを太くしたくない派”なんです。ヤッカラ(アシやマコモなどの水生植物)に囲まれたアナ(水生植物を草刈りしてつくった釣り座。水中植物の藻穴と区別するため)でも流れが出るし、鬱蒼(うっそう)としているのに水通しのある水況のいいアナの方が釣れる。ゴミが流されて出てきちゃうこともあるし、極端な太仕掛けのデメリットを考えたら無理して使う必要はないと思っている。だからハリスは1~1.2号にしている。関係ないという人もいるけれど、こういうハリスの方が喰うんだよね。竿が長ければ仕掛けは普通でも構わないと思うし、その方が釣れる。だから最短5尺はミチイト3号、3年1組(ミチイト3号、ハリス1号)3年2組(ミチイト3号、ハリス2号)だよね」「推奨ハリスとか適合ハリスが書いていない竿って、へら竿くらいなのかな」「何号まで使えるかって磯釣りの竿には書いてありますね」「ボクらの独断と偏見で言ったら、3年2組までは大丈夫って感じかな」「『飛天弓 頼刃またたき』は硬い印象だけれど、亀山湖辺りの魚をかけると元から曲がりますよね」「穂先が利くから竿の働きが早く表れて、逃げようとする魚の突進を止められる」「そもそも下方向へ深く潜られる釣りじゃないですよ、浅場の底釣りはね。そうなると喰わせたとき、竿と仕掛けが直線になって切られるのも一瞬、打ち返しとか根掛かりを繰り返して気づかずに込みが甘くなって“穂先を抜かれる”のも一瞬ですから、その一瞬で振出穂先が働いて竿と仕掛けに角度がつけられる『飛天弓 頼刃またたき』は心強いですよ。瞬き(またたき)、一瞬の隙もない竿ですよね」

対談写真3

●“魚道”を探せ

「魚道ってあるじゃない、ダムとか堰に設けられた人工的なものじゃないよ(笑)」「分かっていますよ、産卵で浅場に入ってきた魚によってヤッカラの根元が、かき分けられている通り道ですよね。山道で言ったら獣道(けものみち)みたいな感じの」「そうそうキツネやタヌキの道と、大きなシカやイノシシ、クマが通っている道は規模が違うと思うんだ。魚道はさ、見極めるのが難しい。湖沼にはへらぶなだけがいるわけじゃないし、シーズンによっては様々な魚が産卵期を迎えてしまう。魚種多彩で、大きなモジリがあって見ていたらコイの道もある。コイ道って、コイ釣りの人が探しているポイント名でもあるし、コイって乗っ込みじゃなくても同じルートを何度も通る習性があるんだと思う。ここにエサを入れてもコイが釣れちゃうよね。私見で申し訳ないけれど“魚の留まる障害物”があるって持論があって、これを見つけるのが魚道探しのコツだと思うんだよね」「いやいや同感ですよ。ヤッカラの際にエサを打ってもダメなんです。ちょっと先でモソモソやっているのに、こっちへは出てこない。道はヤッカラ壁の向こう側で、こっちへ通じていないとダメなんですよね。表面に打ってもアタらない。じゃあって草刈りして壁に穴を開けると、下心を見透かされるように別ルートへ逃げちゃう。釣り人の都合でどんどん切り開いちゃうと釣れないアナになっちゃうんだよね。最低限、仕掛けがギリギリ入れられるくらいの方が釣れる。ヤッカラの新芽が産卵床なんだから、きれいに刈ったら来なくなるのは当たり前だよね」「そうそう、釣りにジャマなものが、魚には大切なものだったりする。水没した枝に引っ掛けちゃって抜けちゃった途端にアタリが消えて、1級ポイントだったのに魚が通り過ぎるだけの場所に格下げしちゃうことがある。それであの枝は、抜いちゃいけなかったんだって気づくのだけれど、後の祭りなんだよね。他にも新芽が揺れることで、魚が来たことを伝えるセンサー、アンテナにもなっているし。そんなピンポイント狙いをするのに『飛天弓 頼刃またたき』の13.5~15尺っていうのは有効なんだよね。最短5尺があるから、釣り人側の都合でアナを広げなくても釣れるよね。竿に合わせてアナを広げたら釣れない、釣り場に竿を合わせなきゃいけないんだ」

●“魚道”観察をする

「へらぶなやコイってさ、同じところを何度も泳いでいる気がしない?水が澄んだ釣り場なんかで、ふと気がつくと、同じところに傷のついた魚が何度も姿を見せているんだよね。それで“また、この魚だ・・・泳いでくるとあそこで止まってUターンするんだよな”と思って観察すると、やっぱりその行動パターンを繰り返している」「そういう魚って、行動範囲が決まっているみたいで、コースから1.5mくらい離れたところのエサとか見向きもしないんだよね」「そういえば、そういう水の澄んだ場所ってさ、鳥を避けているのかな、樹木がオーバーハング(ひさしのようにせり出ている)しているような日陰で水温は低そうなのにアタるよね」「浅場に出てくるのって命懸けなんだよ」「オーバーハングのポイントも『飛天弓 頼刃またたき』の短尺なら振り込みやすいよ」

対談写真4

●初釣行の釣り場でポイントを探す方法

「インターネットで防災情報を調べると、河川湖沼の水位やダムの貯水量がリアルタイムで分かるサイトを見つけられる。スマホでも確認できるから、水位上昇したら現場へ急行するって手段がある。実績重視で巨べらが釣れたという場所をチェックするようにしたらいいよ」「ボクは、まとまった雨が降ったら釣り場へ見に行っちゃうな。着いたら釣り道具をいきなり車から降ろさないで、クッションだけ持って行き、あとは直感(経験で培ったもの)で魚が通りそうなところに目星を付けて、しばらく観察する。それで新芽が揺れたり水面がモジったら“いる”って判断して、クッションで場所取りして、それから道具を取りに行く」「(直感に関して、初めての場所でも)あれっと思うところがあるよね」「自分は、釣れそうな雰囲気のある場所で、なおかつ“前日、あるいは最近、誰かが釣りをしていたな”という形跡のあるところに入るなぁ」「自分で釣り座を切り拓いたりはしないの? 」「初めて行く釣り場で、その労力と時間が無駄骨になる可能性があるよね。確信がないと釣り座をつくるまではできないな」「河口湖なんか典型的だけれど、釣りにくいからって向かい風を避けちゃダメだよね。河口湖の向かい風はスイッチが入るキッカケになっている。朝イチの無風時はシラーッとしていたのに、次第に風が出てきて、気温で温められた水がかき回されたのか雰囲気が出てくるときがあるんだ。打ち寄せられた水から、へらぶなの臭いがすることもあって接岸したのが分かる釣り場もあるよ」

●浅場の釣りはズラすのか、切るのか

「乗っ込みは浅場だし基本は底釣りだよね。エサをしっかり安定させる意味もあるし」「魚がきて、デカいヒレであおって喰わせようとしているハリに付いたエサが動いちゃうのはダメだと思う」「自分が大きなウキを使わない理由はそれなんです。大きなウキだと復元力が強くて、水流で動きやすいからエサも動いちゃうと思う」「なるほどね。乗っ込み狙い・浅場の釣りこそズラシが必要だと思うんだ。スレが多くなる釣りだし、ズラしたらスレやすくなるんじゃないのって懸念されるけれどね」「いやいや、ここは意見の割れる(分かれる)ところじゃないかな。自分はズラしてもいいと思うけれど。例えば、自分が仕掛けを太くしない理由(水の抵抗を考慮)でもあるけれど、手前に魚がいないとき、あるいは巨べらの隠れ家ともいわれる本流(水系名になるような河川。利根川など)に関わる場所なら、バランスにオモリを少し足したような軽めの“ライト・ドボン(外通し・中通し仕掛け)”をする。こういうときはハリス分だけズラしちゃっていることになるよね」「ボクは、スレさせるとアタリがなくなるから、あまりズラしたくない派ですね。ウキをなじませて、しっかりと大きなエサを付けてアンカー効果を使った方がスレないような気がする」「ごん太(ごんぶと)のボディーをしたウキでそれやったら、切れて(底から離れて)もウキが同じようになじんでいる状態に見えるよね」「だから・・・浅いところでも“少し切る”んですよ。あからさまじゃなくて自然な底スレスレの切れ方で。ズラしちゃうより釣れると思う」「そもそも浅場って、どのくらいのタナをイメージしているの?釣り場環境で違うじゃない、浅場の意味がね」「タナ80cm~1mって深浅で言ったら中途半端。深場でもないし、浅くもない。でも平場は、この水深が一般的。1年中、レギュラーの魚がよく釣れるのはこの水深だよね。型も小さからず大きからずで、そういう意味では中途半端なんだ。そこは対象を絞り込まないと、結局、他の魚が釣れちゃうんだよ」「乗っ込み狙いの浅場って“ウキ2~3本”のタチ(水深)だよね(乗っ込みで使うウキは全長18~20cm)」「水底がカケアガリの、ヤッカラが繁茂していて水深じゃなくて深い(密集している)ところ」「それ以上、浅くても深くても乗っ込みの巨べらは釣れないんだ・・・なぜか分からないけれど(一同納得)」

吉田 康雄 伊藤さとし

●『飛天弓 頼刃またたき』で見えた、5尺の可能性

「ヘヴィ級が釣れるところなら、この竿の出番でしょう。それはへらぶなを問わず、大型他魚も含めてね。東日本の利根川水系だとコイとかハクレン、チャンネルキャットフィッシュなんかが他魚として猛威を振るっているけれど、いいようにもてあそばれたら仕掛けがメチャクチャになってしまう」「乗っ込み場でちゃんとテストしたし、耐久力を知りたくてコイ釣りも随分したよ。80cmくらいのコイでのされることなく、楽々と引きを楽しんで上げちゃったけれどね」「こうやって4人で話していると、同じ対象魚なのにアプローチの仕方やスタイルはそれぞれ違うよね。でも釣り竿に必要な性能を挙げたら、こうして1つの形になっている。それで全員が満足しているってことは、いかに多くの釣り人が求める用途に応えることができる“汎用性の高い竿”に仕上がっているかって証なんじゃないかな」「例えばね、5尺で舟釣りをしているんだよね。管理釣り場じゃ竿規定で使えないでしょう。でも可能性があるから、5尺チョウチン釣りの性能も確認した。やったことのない釣りだったよ(笑)」「それなんだよね。“狙えなかったポイントが狙える”って、今まで長竿の売り言葉だったじゃない。実は30尺も5尺も、同じ“届かなかったポイント”だったんだよね。深い場所は長い仕掛けを使い、手前は釣り座を下げて狙うしかなかった。その違和感を取り去った功績は、これからいろいろ表れるはずだよ」「5尺のポイントって、今まではパワー不足で取れなかった、あるいは仕掛けに無理させすぎて釣れなかった魚がいたと思うんです。これを正攻法で釣ることができるっていう“可能性の広がり”なんですよね。曲がるから仕掛けが保つし、曲がりすぎないから寄せやすい。期待が大きいですよ」「5尺は、竿全体で求めるすべてを受け止める技量がないと使えない道具になってしまう。ニッチな用途で特殊になってしまいかねない道具に、メーカーが本気で挑んだ形が『飛天弓 頼刃またたき』なんだ」「展示会で意見を聞いたのだけれど、何十年も巨べらを追っている“キャリアのあるベテラン巨べら師も納得の1本”といってもらえるでき映えなんだよね」「5尺は竿師へ特注する以外になく、メーカーが市販品として着手してこなかった長さだから、今までしたことない釣りが現れる可能性も膨らんだような気がするけれど。どうだろうか? 」「それは分かる。5尺の話ばかりしたけれど『飛天弓 頼刃またたき』13.5尺も可能性を広げた長さだよ。自重はあるけれど、実際に使うとテーパーが利いていて振り軽かった。“イイのがくる”底釣りで使いたい調子なんですよ。『飛天弓 閃光P』も用意して、西湖の底釣りにも備えたいね」

●大型放流の管理釣り場で練習を

「乗っ込みが一段落した頃、管理釣り場・つり処椎の木湖辺りで『飛天弓 頼刃またたき』を使ったヒゲチョウチンなんか面白いんじゃないかって思うのだけれど。ヒゲセットはミチイト1.5号ハリス1号で“短ハリスの両だんご”もミチイト1.5号ハリス0.8号と結構、仕掛けが太い。前作の『飛天弓 頼刃』を活用していた人が結構いたよね」「あ~管理釣り場で大型とのやりとりを練習するわけか・・・」「自分も“ヒゲチョウ”で50cm以上あるのを釣って、自動検量器で量ったら2,650gもあった。そういう魚が釣れる方法に合った竿でもあるとは感じましたよ」「“ヒゲチョウ”はアタリに中毒性があって、あのズッと入る感じにハマるんですよね。面白い釣りであることは間違いない」「モデルチェンジによって穂先の性能がさらに上がり、短いハリスが切られにくくなったと思う。短バリのリスクが軽減され、誘いも掛けやすい。話題になっている大きなクワセエサのセット釣りも含めたチョウチン釣りは、またまた進歩すると思うよ」

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