浪漫志向 まだ見ぬ、伝説の巨大魚へ挑戦する魂が震える、あの魚を求めて 巨べら伝説2

前回に引き続き、今回も4名手による釣り談義をご紹介します。
シマノには管理釣り場の競技釣法を修練しながら、野釣りの魅力を熟知した4人の名手がいます。4人は、すでに数々の大型を釣り上げながらも、その結果に飽き足らず、さらなる大型と出会うために努力を続けています。
彼らの会話がみなさんの釣行に役立つと考え、皆様にご紹介します。

対談写真1

“巨べらの喰うエサ”が打てる竿を選ぶ

巨べらを狙うエサといえば「集魚材の入っていない真っ白なマッシュポテト」が定番となっています。集魚材が入っていると、ジャミ(小魚)や、コイやマブナ、大型に比べると警戒心が弱い小中型のへらぶななどが、巨べらがエサを食べる前にアタってきてしまう状況を作り出してしまい、巨べら釣りを難しくしてしまいます。これでは巨べらがアタってくるまで、エサをベストな状態(量または大きさ、軟らかさ)に維持できません。
“回ってくる巨べらを足止めさせ、他の魚は寄せないエサ”というのは都合のいい考え方のように聞こえるでしょうが、それを適えるために、一見するとシンプルで真っ白なエサでもブレンドは複雑で、その配合や粒子の大きさについて各自が研究しています。
浅はかな考えで“エサを持たせようと硬めのエサを大きく付ける”と、警戒心の強い巨べらはいくら口が大きくても違和感で喰いつきが悪くなります。そこでポイントへ打てる限界まで軟らかくしながら、エサ喰い尽くされない大きさで打つため、ハリ選びとエサ付けにコツが要るというわけです。
このとき竿が、棍棒(こんぼう)のような調子だったら絶妙なタッチの“ヤワな大エサ”を打つのは至難の業です。飛天弓 頼刃またたき』は剛竿でありつつ、へら竿として必要な調子も備えています。まず“巨べらに喰わせるエサが打ててこそ、巨べらの釣れる竿である”という信念から、ただ硬いだけではなく“強靱さ”を目指して開発しました。
こうして解説してしまうと“大エサを打っていくのが巨べら釣り”のように思われてしまいますが、巨べら釣りには“底休め(関西では床休め)”という釣技があります。これまで何度も申し上げたように、巨べらは警戒心のかたまりです。無策にエサを多投して釣れるものではありません。先ほどとは逆に、浅過ぎて他の魚が入ってこない、ジャミすらもいない場所にエサを打ちすぎると、せっかく回ってきた巨べらが白いピラミッドのように溜まったエサばかりを食べて、ハリに付いたエサ玉に違和感を覚えるのか関心を示さないことがあるのです。寄せエサになる、回遊を止めるための“置きバラケ”は必要ですが、それは“エサ玉にして1~2個が転がっている程度でいい”という人もいます。回ってきた巨べらがそれを拾い喰いして“もうちょっと食べたいな”と思った鼻先へ、ふんわりした口どけのいいヤワエサを投じてやるのが1番効果的なのです。
こうした底休めをする1つの方法を紹介すると、例えば1時間もエサを打ったならば、30~40分間はエサを打たないで底を休めてみるのです。そして再開してエサを打ち始めたら1投目から、真剣に集中します。特に3投目までが大事で、好釣果の話を聞くと多くはこの間にアタっています。この釣りを成立させるにはエサのグルテン量、持ち具合が重要です。釣りをしながら投じているエサと同じものを、同じ大きさでポイントとは無関係の見える場所(水中)へ落としておきます。10分以上経過しても球体が維持されていたら、グルテン量が多いのかエサが持ち過ぎです。エサの状態としては、近づいてきた巨べらの大きなヒレによる水流で飛び散ってなくなってしまうのがベストです。巨べら自身がエサを飛ばしてしまったことにより、美味しそうな残り香はするのにエサにありつけず、いたずらに食欲だけ刺激されポイントから離れられないでいると、突然、目の前にエサがひとくちサイズの“かたまり”で現れ、思わず無警戒にも飛びついてしまうという寸法、いや作戦です。
ここまで読んで、いささか擬人的だと思われる人もいるでしょうが、そもそも魚釣りは“魚と人の知恵比べ”です。相手は命懸けですから、対等に思って勝負しないと決して釣り人は勝てません。

対談写真2

仕掛けのバランス(長さと強さの関係)

魚釣りは対象魚によって、仕掛けのサイズ、号数が決まります。喰わせるエサの大きさや軟らかさからハリの号数(大きさ)が決まり、ハリの号数と魚の型からヨレにくい丈夫なハリスの号数(太さ)が決まり、ハリスは2本あるので号数を倍にしてミチイトの号数(太さ)が決定します。こうした過程を省略すれば「対象魚で仕掛けの太さが決まる」と言い表せます。
そもそも野釣り場は、釣りをするために管理された場所と異なり、障害物もあれば流れも生じます。しかもその条件は、魚が居着く好ポイントです。そうした場所では水の抵抗を最小限に抑えてウキを落ち着かせ、しかも障害物へ擦れても切れない強さが求められます。
前提として、へらぶな釣りは主にナイロン素材のラインで仕掛けづくりを行います。仕掛けは長くなるほど伸縮性が働いて切れにくくなると言われており、そのためハリス(2本分の合計も含む)とミチイトが同じ号数であっても「ハリスの方が短いから切れる」と勘定しています。これにより“丈夫な仕掛けづくり”として「ハリスとミチイトの号数差を小さくすること」がコツとして意識され、ハリス号数の2倍よりミチイトの号数を少し小さめ(細め)にして“水の抵抗を受けずに強さを維持させるバランス”を整えています。例を挙げると管理釣り場の仕掛けなら“0.5号のハリスならば2倍で1号のミチイトを使用するところ、ミチイト0.8号にする”という意味で、これを野釣り仕様で考えると“1.5号のハリスなら3号のミチイトを使用するところ、ミチイト2~2.5号にする”となります。極端な太仕掛けでウキを落ち着かせようとすれば、ウキも極端に巨大化しますし、どこかへシワ寄せが生じるものです。
細く使いたい仕掛けの強さを引き出すこと――それは竿でも補うことができます。
飛天弓 頼刃またたき』は、硬いだけの曲がらない竿ではありません。仕掛けの限界となる強い力が掛かったときに、竿が働くことで仕掛けに無理をさせず、仕掛けの強度を活かします。
これによりタチ1本(水深1m)もない極浅場の乗っ込み狙いで、ウキ下を確保するために短ハリスしか使えないときも(短いほど釣りイトの強度が活かせない)、強度を保って従来よりハリス切れを減少させることができます。

ギリギリ釣れるかどうかの巨べらを、ど真ん中のターゲットにする

へらぶな釣りの歴史を振り返ると、へらぶな釣り用のハリとして“伊勢尼型をバーブレス(カエシを取り除いたもの)に改造したもの”を使っていた時代があります。これを愛用者はヘラスレと呼びました。太軸でガッチリしており短軸のハリだったことから、ヘラエサの変遷(オカユエサなどの影響)に従いエサ付けのしやすい“ヤラズ”型という長軸のハリに移行しますが、再びエサが進歩するとヤラズ系の軸は長すぎてしまい“短く改良された”という意味で“改良ヤラズ”系と呼ばれるハリが誕生します。現在は、ヤラズ系といったら改良ヤラズ系のことを指し“太軸のしっかりしたハリ”を表す言葉になっています。
この巨べら釣りで使うエサが“魚の口に合ったサイズで、食べたときは口溶けがよく、置きバラケになってもへらぶなが散らしてしまうほど軟らかい方がいい”となれば、そのエサをポイントへ打つために“フトコロの大きな太軸のハリ”が用いられます。これは、大きな魚の強い引きにも負けない丈夫さも両立しています。通常の大型狙いは改良ヤラズ系が一般的ですが、巨べら狙いでは原点回帰というよりも、今でもずっと伊勢尼型、いわゆるヘラスレ系のハリが主力であり、その号数も極端に大きなものを使っています。こうしたハリは大きく水の抵抗を受けるため、エサを打ち返すたびにプロペラのごとく回転することによりハリスが細いとヨレてしまいます。エサ付けでハリを持ったときにヨレグセに気がつき、ハリス強度に不安を覚える人も少なくありません。千載一遇の大チャンスで、ハリスが飛ぶ悔しさは味わいたくないものです。それで、ある釣り人は太いハリスを結んだところ、振り込みや落下中、または宙釣りなどでエサ玉が揺れることにより太いハリスがエサ玉をグリグリとかき分けて、チモトからエサが掘れて浸水することによりギリギリ設定のエサ持ちが保てなかったという事例も起こったそうです。
こうした一般的なへらぶな釣りでは起こらなかった問題が、規格外によって生じるのも巨べら狙いの特徴です。仕掛けには太さによる利点と欠点があることを踏まえて、必要な太さを探る必要があるのです。
これも巨べら釣りの常識なのですが、一般的なへらぶな釣りとは印象が異なり“常識を超える常識”といわれています。つまりこれまで、へら竿としての概念にはなかった力と調子を実現した『飛天弓 頼刃またたき』は、ギリギリで狙っていたターゲット(対象魚)である巨べらを“ど真ん中のターゲット”として捉えた画期的な製品なのです。

釣り談義=私の「巨べら考」

4名手による釣り談義の内容を、以下へ箇条書きで挙げます。巨べら釣りのヒント、秘訣としてご覧ください。

●1mずれたらアタらない

「亀山湖などは特にいえることだが、アナ(穴。アシなど水生植物を切り分けた釣り座。水中藻の藻穴と区別)に入って、エサを中(アシ際の魚道)に入れていくなら竿の長さが重要。土嚢(どのう)など魚が通ることが約束されているような有名ポイントは狙い撃ちにするため、竿の長竿ピタッと合わせたい。枝が入っているポイントは、その枝から1m離れたら丸っきりアタらない。タイトに攻めるために竿を揃えたいよね」

魚写真

展示会写真

●展示会で期待を感じた

「『飛天弓 頼刃またたき』はジャパンフィッシングショー2017(みなとみらい・パシフィコ横浜)で初めて展示され、私たちは、その場にいたのだけれど、実際に来場者は見て、触って、意見を聞かせてくれた。野尻湖などで大型専門に何十時間も竿を出している猛者という釣り人が“これは、よさそうだ”と気に入ってくれるなど、大型をやる釣り人なら、よさが分かる竿だと思う」
「“硬くて曲がる竿=大型が取れる竿”ってことだよね。欲しかった竿だって意見を随分と耳にしましたよ」
「5尺は継いでおいて、ブラックバスの1ピースロッドみたいに扱えないかな(笑)。こういう冗談がいえるのも新しいじゃない。だって、今までになかった竿だからさ、そういう新しい扱い方の提案があってもいいんじゃない。穂先の折損が恐いからハードケースに入れるとかね。業者日に意見があったのだけれど、釣り具店の陳列で、最初から継いでおくってPRもいいんじゃないかって。ジャマにならないからだろうね」
「逆に5尺の仕舞い寸法を見てよ。これだったら大きめのバッカンに入っちゃうよ。大型釣り台へ乗って釣るとき、台から飛び出しちゃうのってロッドケースだよね。“ロッドケースがいらない気軽さ”って思ったんだけれど、それじゃ竿掛けがないか(笑)」
「穂先が振り出し式だから、抜こうとしないように注意して欲しいよね。先を抜かれないようにしているわけだから、間違えて抜こうとして強い力できつく、はまっちゃったら(固着したら)修理に出さないとならなくなるかも知れない。しまうときも入れ方を間違えたら中でスタックして(重なって)折れてしまう恐れもある。今までにない斬新な製品だから、慣れるまでは慎重に扱って欲しいね」

伊藤さとし

●玉網の網目は粗め

「取り込みはタモで魚を追いかけちゃいけないっていうでしょう。タモを構えておいて、そのなかへ魚を誘導するのが流儀で美しいのは間違いない。しかし巨べら釣りでは“すくい”にいかないとバラしますよ。ここまで大きくなれるほど知恵と体力がある百戦錬磨の野べらだから簡単にはあきらめないし、いけると思ってタモを入れたら、玉網を見てハッと我に返り、もう1回潜っていくくらいのガッツがある。だから玉網の網色まで目立たない色にしている人だっている。さっさとすくうためにも、水中での取り回しが大切。まずは大型がスンナリ入る玉枠であること。すると尺玉では気にならなかったのに、玉枠の径がこういう50cm径なんて大きさになると普通の網目では水通しが悪くて、水の抵抗を受けてしまい魚が追えなくなる。だから粗めの網目を選んで、玉枠に張る。そうなると網目をハリや仕掛けが抜けて絡んだり、浅いからウキ下も短いので魚をすくったときに網の中へウキが入り、ウキの先端が網目に刺さっているときに魚に暴れられて反動で折られちゃったりする。こうなることも考えて工夫しないといけないよね」

●一般的な道具でも大型は狙えるが・・・

「こういう面白い釣りをみんなに楽しんでもらいたいと思っています(一同、大きくうなずく)。だから、巨べら釣り談義を“特別だ”って話で終えたくないんです。今、持っている“しっかりめ(硬さ、張りの強さ)の竿”で、ミチイト2.5号、きちんとノット(結び目)が締まる大きめのスイベル、太ハリス、大バリ、軟らかい大エサ、アオリに負けない大きなウキが使えるなら、それで釣り場へ行ってみる。そこでさまざまな経験をしたことから“『飛天弓 頼刃またたき』ならば、もっと釣りやすいかも”と必要を感じて手に入れた方が、竿にどんな性能を求めているかが明確になる。とにかく欲しい人には、ついに出たって思える、待望の竿なんですよ」

対談写真3

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