朱紋峰 嵐月 インプレッション 朱紋峰 嵐月 インプレッション

アラシノヨウニ、ツリマクレ。
管理釣り場、ボート、平場。
真夏の熱釣三幕。

岡田 清、中澤 岳、そして吉田 康雄。
管理釣り場、夏ならではのボートフィッシング、そして平場釣り。
常識外れの酷暑が続いている今年の夏、それでもへら鮒釣りが好きで好きでたまらない名手3人が、暑さをものともせずに、熱い釣りを披露してくれた。
そしてその右手には、今秋、新登場の「朱紋峰嵐月」!
かの名作、「朱紋峰嵐水」の系譜を堂々と受け継ぐスーパーオールラウンダーが、ついにそのベールを脱ぐ。
果たして、その実力はいかに?
三者三様の釣りが、その恐るべき万能性を早くも白日の下に晒す・・・!

平場の“嵐”

平場野釣りの“嵐” 吉田康雄in門池 「朱紋峰 嵐月」16.5尺

さて、「熱釣三幕」は、この男に締めてもらおう…。
吉田康雄である。
しかし、今回は過酷な巨べら釣りでもなければ、彼が最も得意とするトーナメント系の釣りでもない。意外と思われるかもしれないが、今回、吉田を「身近な平場の野釣り」である、静岡県沼津市にある「門池(かどいけ)」へと連れてきたのだった。
新作「朱紋峰 嵐月」は、どんなシチュエーションでも迷わず使用出来る、硬式先調子のオールラウンダーである。ならば、「普通の釣り人が普通に行く釣り場」でのインプレッションは絶対に必要…と感じていたのだ。
長閑な公園の池…という風情の門池は、地元のみならず古くから多くのファンに愛される「憩いの釣り場」。近年はその魚影に加えて型もアップしているようで、最近、「『芝生』のポイントでは、やや長めの竿での底釣りで、数は望めないものの、けっこういい型がポツポツ釣れている」という情報をキャッチしていたのだ。
「まったく初めての釣り場なので、ドキドキしますねぇ。昨日は嬉しくてあまり眠れませんでしたよ(笑)。ほんと、この歳になってもいまだに釣りの前日は嬉しくて、1回の釣行がとにかく貴重なんですよね」
初めての釣り場に嬉しさを隠せない…といった表情の吉田を助手席に乗せ、筆者は一路、夜明けの東名高速をひた走った。

「いやぁ、これは強烈な暑さですね(苦笑)」
正面の雲間から真夏の太陽が顔を出すと、いよいよ気温も上昇。曇っていた朝の時点でもすでに30℃あったのに、一気に34℃まで上がった。
「芝生」に入った吉田は、こまめに水分補給を行いながら、嬉々としてまだ動かないウキを見つめていた…。
竿は「朱紋峰 嵐月」16.5尺の底釣り。水深は約3mで、エサは両ダンゴだ。
まずは「カカリ」との戦いだった。
場所によってはカカリがあると聞いていた「芝生」のポイント。吉田が釣り台を置いた正面は、やはりカカリがあった。そこで吉田は左右に打ち、「やや左」に打つとほとんどカカらないことを見つける。この作業に、まずは30分ほど要した。また、ウキ下は上バリトントンで約3mほどなのだが、綺麗に落とし込むより、振り切り気味の方がカカらないことも確認。このあたりはあの印旛沼で鍛えてきただけはあり、お手のものだ。
「この暑さのせいか、ちょっと食いが渋いのかもしれないですね」
1時間はほぼ気配なく、1時間を経過した後からようやくジャミかと思うような弱いサワリが出始めていた。
早くも吉田は動く。
まずハリスを40―50センチへと長くし、落下途中のアピール力を高めた。また、ハリをサイズアップし、軟らかいタッチでもしっかりと待てるようにする。
この対応が効いたのかどうかは、定かではない。しかし、開始から2時間が経過していたその時、この日初めてはっきりとした「返してツン」が出た。
「やっぱりいたんですね!」

底釣りならではのアタリにガッチリとアワセが決まり、「朱紋峰 嵐月」16.5尺が豊かな弧を描いた。門池のアベレージというと尺前後というイメージが筆者にはあったのだが、水面に顔を出したのは、まさかの40センチ、堂々たる野べらだった。
「よし、きましたよ! しかもデカいですよこれ!」
閑静な公園に、吉田の声が響く。
「嵐月」を豪快に曲げて水面に浮上したのは、なんと1枚めからいきなり40センチジャストの見事な野べらだったのだ!
「『芝生』の底釣りは型がいいとは聞いてましたが、まさかここまでとは…。これなら印旛にも負けてないですよ(爆)。それにしても、この『朱紋峰 嵐月』の仕上がりは素晴らしいですよね。半端ダナの底釣りって一番振り込みがやりづらいじゃないですか。でも、この『嵐月』は細身の硬式先調子ということで、とにかく取り回しがいい。本調子の竿も嫌いではないのですが、こういった平場の野釣りや川釣りでは、やっぱりある程度シャキっとした硬さと先ぬけ感があった方が使いやすいんですよ。初心者の方ならなおさらですよね。釣り場で『最初に揃えるならどの竿がいいですか?』って聞かれることって多いんですが、正直、『嵐馬』がなくなってししまった後は、ちょっと答えに迷っちゃうことが多かったんです。で、結局最後は各竿の性格を説明して、『お好みで』と。でもこれからは自信を持って『まずは嵐月を揃えておけば間違いないですよ』と言えます。この竿はほんと、管理釣り場でも湖でのボートでも、そしてここみたいな平場の野釣り場でも、どこでもどんな釣り方でも使えるオールラウンダーですから」
この夏、長く我々を苦しめ続けている連日の酷暑。この日も気温はグングン上昇し、10時を過ぎた時点で早くも38℃にならんとする暑さとなっていた。さすがの吉田もパラソルを立て、その暑さに似合わない渋い底釣りに没頭していく。
「思ったよりジャミもいないですし、ウキを動かしているのはほぼ全てへらって感じです。微細な気配はけっこう続きますし、返しも毎投出てくるんですが、なかなかそこから喰いアタリに至らないですねぇ。でもいかにも底釣りっていう感じで、すごく楽しいですよ」
本当に、楽しそうに釣りをする男である。

この暑さの中、時折カカリに悩まされつつも、吉田はキラキラと目を輝かせて竿を振り続ける。
「こんなこともあろうかと、ちゃんと持ってきたんですよ」

吉田がこちらを見てニヤリと微笑み、バッグから何かを取り出した。
グルテンだ。上バリにダンゴ、下バリにグルテンを小さく付ける。
その1投目、「ナジんで返してツン」。この日一番のアタリで尺二寸級が竿を曲げた。
吉田は2種類のエサによる両ダンゴと、バラグルのセット、そして時には両グルテン…と、めまぐるしく目先を変えながら、次々と門池の大型をキャッチしていくのである。このあたりはテクニックというより、「釣り小僧」吉田康雄の真骨頂、というべきものだった。

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