COLUMN

AUTHOR : TETSUYA TAKAHASHI

1965年生まれ、沖縄県在住
神奈川県横浜市に生まれ、小学生の頃から海釣りに親しむ。
独自のスタイルで磯釣り界をリードし、今や日本を飛び越え海外の磯へも。
世界最高峰の釣具作りに携わる。
高橋哲也

釣行当日、風が吹いていないことに気づくととても嬉しくなるものだ。更に、波・ウネリもなく海上が穏やかであれば申し分ない。

このように風波の無いことを素直に喜べる理由は、磯からのウキ釣りは天候・気象に大きく左右されることからきている。要するに「仕掛けが流し易い」、「流し難い」という要因は天候・気象次第であるともいえる。

但し、風波によって釣り難い状況であったとしても、潮流や海流といった「海の流れ」の方向・速度によっては予想外のバックアップを期待できることもある。

釣り人は「釣りと気象」の深い関わりを磯からのウキ釣りで知らず知らずのうちに体感しているのだ。

「風波」そして「海の流れ」。

釣り人であれば、安全に釣り易い環境で釣りができるということを願うのは当然のことだが、「風波」の影響が少ない時に喜ばしく思える理由は一体どこにあるのだろうか・・

一つは、釣り場に於いて釣り座確保の選択肢が広がるということ。勿論、潮の干満時刻を十分考慮し安全を優先した釣り座選びをすることは不可欠であるが、不規則な形状をした磯で自らが思う、釣れそうで釣り易いポイントに入れることに越したことはない。

そして、もう一つは釣り道具が扱い易いこと。5メートル前後の磯竿に10〜20グラム程度の重量のウキを付け、ナイロンラインという比重の軽い道糸を操作しながら仕掛けを流していく釣りでは、風波の無い釣り易い環境は道具を操作し易く、理想的な状況となる。

では、それとは反対に、強風が吹き荒れる中、ウネリや波に注意をはらいながらの釣りとなればどうだろう・・率直に万人が釣り難さを感じるはずである。
ところがそんな厳しい釣り場環境であったとしても唯一、最低でも一箇所は釣り難さの度合いが少ない最も優れた釣り座が存在する。このような場所を釣れる釣れないといった安易な結果論だけで善し悪しをつけるのではなく、仕掛けが流し易いのかといった観点から、他にない優れた条件に着目する必要がある。

非常に複雑な言い回しになってしまうが、いち早く、正確に、このようなポールポジションを見つけ出すことができれば釣果を手にする確率は格段にアップする。それを見つけるには「狙った場所に正確に仕掛けを投げる」。そして「道糸やハリス、ウキを効果的な着水形状を保って海面に置く」。その後、道糸の出発点である穂先をベストな位置にもっていくことによって仕掛けは海の流れに左右されながら流れ始める。流し易さを確保し、流れから仕掛けがコースアウトしないことこそズーム機能の真価が問われる部分である。
これさえできれば簡単なことだ。あとは最もいい流れの状態になれば魚の方が積極的になり、アタリが頻繁に出てくる。

これを風波の中でもできるか否かが技量の差となって現れる。おまけに、風波の存在・方向は、肌と視覚で捉えることはできても、海の流れの存在と方向においては把握し難いもの。ましてや風波がそれを惑わす働きをしてくる。

「Yesか no」。「白か黒」。釣りの面白いところは「判断」するところにある!
この状態を実像で紹介できればわかり易いので機会をみて映像として探求していきたい。