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【番外編3】スナイパー流マルイカ攻略

番外編の締めくくりとしてお届けするのは、カワハギ同様にテクニカルな釣りのマルイカです。関東エリアのシーズンは夏ごろまでで、ちょうどカワハギ釣りのシーズン突入と入れ替わるかたちになります。私もこれからしばらくはマルイカをメインに釣行し、合間にカワハギの動向を探っていくつもりです。スナイパー釣法にマルイカ、実は共通する部分も少なくないのです。

▲ マルイカはアタリがあっても掛け遅れするケースが多い。それを解消するには……

 今シーズンは昨年末から釣れ始めるという異例のスタートを切ったマルイカですが、好不調の波を繰り返しながら、ようやく安定傾向が見られてきました。

開幕当初は100メートル前後の深場がポイントでしたが、ここへきて50メートル前後、時には30メートル台の浅場も攻めるようになり、本来の浅場マルイカ釣りが楽しめるようになりました。

▲ 群れが濃ければこのとおり

 私もカワハギが本格化する夏までは大好きなマルイカ釣行に明け暮れます。スナイパー持ちとはいきませんが、釣り方にはスナイパー釣法のエッセンスが多分に含まれているのです。

ゼロテンタックル

 マルイカ釣りでは「タタキ」というアクションが不可欠なので、竿の持ち方はスナイパーではなく、両手でリールを包み込むような持ち方をします。竿の支点を生かした持ち方なので、右巻きリールの方は参考になると思います。

 さて、マルイカ専用竿ですが、ゼロテン釣法が主流になって、竿の調子もずいぶんと変わってきました。7:3、8:2調子に加え、穂先が柔軟なゼロテン調子といわれるものが多くなっています。

▲ マルイカに使用するのは4本。メインはバイオインパクト マルイカ 82 SS165(左)

 ゼロテン釣法メインの私が使用するのは「バイオインパクト マルイカ」、3アイテムあるうちの「82 SS165」というタイプです。強度を保ちながらしなやかで繊細なソリッド穂先にはタフテックαを採用。タタキやすさと目感度に優れ、手元の張りも十分なまさにゼロテン釣法にはピッタリの竿です。

▲ いわゆるゼロテン調子の竿に近い

 予備として持参するのが深場用の「73 S160」、そして「マルイカBB」のシリーズから「82 SS155」と「73 145」あたりです。

 リールはパワフルな巻き上げ、滑らかな巻き心地が特長の「ベイゲーム150DH」がおすすめです。

 仕掛けは直結5~6本ヅノ。スッテのサイズは3.5センチをメインに大型が交じるようなら5センチ。カラーはクリア系主体に濁り潮には布巻き系も交ぜていきます。

スナイパー流ゼロテン釣法

 ゼロテン釣法を覚えてから飛躍的に釣果ものびましたが、初心者にとって習得するまでには経験と慣れが必要なのも確かです。とくに難しいのが❶ゼロテンのキープ❷アタリの出し方とキャッチ❸掛け遅れないアワせ方にあると思います。

 ポイントだけをかいつまんで解説します。

ベタナギの日ならまだしも、海上は多少なりともウネリがあり、常に船は上下動するものです。ゼロテンは常に一定のテンションを保つことが大切なので、体を船ベリに預け、竿とリールは手を添える感じで軽く握ると船の上下動に対処できます。

▲ 右手はリールに添える程度

❷~❸これがもっとも大切な部分です。まず、竿はなるべく水平に構えて、アタリを見やすくします。これはスナイパー釣法にも共通する、アタリを確認しやすい視線の位置が保てるからです。

▲ 竿を水平に構えるとアタリも取りやすくなる

 釣り方の手順は以下のとおりとなります。合図が出ての1投目はもっともアタリが出やすい場面。仕掛けが着底したらオモリを寝かせたまま、テンションを抜いてタタキ。スッテをアピールさせます。

▲ 小湊沖の先発スッテ。小型が多いので3.5センチサイズがメイン

 アタリがない場合は1~2秒間を置いて再びタタキ、今度はオモリを半分持ち上げるイメージから、スッテの重みを活かしながらオモリを寝かせます。

 それでもアタリがなかったら、今度はオモリを立たせたままタタキを入れます。この繰り返しでもアタらなかったら、10メートル以上仕掛けを巻いて下ろす巻き落としとなります。

 オモリを立たせたり寝かせたりするのはスッテのアピールだけでなく、アワせ遅れしないためにも有効です。

 一連の動作の中で、注意していただきたいのが穂先の曲がりです。オモリの立たせ方によって穂先の曲がり方が変わってくるので、どんな状態のとき、どんな曲がり方をするかを頭に入れておくことが重要となります。これは使用する竿により変わってくるので、一つの竿を使いこなす意味でも経験と慣れが必要かもしれません。

 最後にもう一つ、釣果を上げるコツとしておすすめしたいのは、スナイパー釣法でも使用する「アシスト」です。

 マルイカのタナが上ずっているとき、適切なゼロテン釣法を行うため捨て糸部分にアシスト(2~3メートル)を付け足します。上のツノにしか乗ってこないような日には効果的、ぜひともお試しください。

▲ アシストは2、3メートルを用意

▲ 探見丸の画面にもイカの群れがクッキリ

▲ 「冷えキントレー」を使えばいつまでも新鮮

使用タックル製品情報

バイオインパクト マルイカ 82 SS165
バイオインパクト マルイカ 73 S160
マルイカ BB 82 SS155
マルイカ BB 73 145
ベイゲーム150DH
冷えキントレー

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PROFILE プロフィール

鈴木 孝(すずきたかし)

1963年生まれ。カワハギをはじめ、マルイカ、湾フグなど「アタリをとる釣り」に精通。東京都江戸川区在住。釣り歴45年以上。幼少のころから様ざまな釣りに親しむ。船釣りは中学生のころから自宅から近い浦安の吉野屋に通い詰め、ハゼ、シロギス、カレイなど江戸前の小物釣りを楽しむ。現在はカワハギを中心にマルイカ、アナゴ、フグなど釣行は年間70回以上。カワハギ歴は約15年以上。2007年ごろから競技に重点を置くようになり、様ざまな大会に出場するようになる。主なタイトルは2015シマノステファーノグランプリ優勝。シマノインストラクター、チームステファーノ&くろしおマスターズ所属。