チーム沖イカ

釣行データ

日時:2016年6月28日 6時出船・13時沖上がり
エリア:神奈川県長井港
天候:曇り時々雨
潮回り:小潮(干潮4時58分、満潮10時35分)
水深:90m前後
船宿:光三丸

GUEST

小菅義弘(こすげ・よしひろ )

神奈川県横浜市在住。20年ほど前に始めたイカの手釣りで船長の釣技に感銘を受ける。以来、相模湾では小網代、長井、南房では白浜など各地のイカ船基地に熱心に通う。直結仕掛けの手返しがずば抜けて早く、仕掛け沈下中のわずかなイカのサワリをもとらえる。私が知る中でも超の付くイカ釣りハイパーエキスパート。

松田竜也の爆乗り注目ポイント

スルメイカ釣りはタナ当てが命

梅雨の長井、絶好のスルメ日和

スルメイカの触腕は筋肉質。性質は獰猛でツノをがっちり抱いてくる

今回やってきたのは神奈川県三浦の長井港。「イカと言ったら長井でしょ」と言われるくらいのまさにイカ船基地。ヤリ、スルメ、マルと周年イカ乗合の看板を掲げる船宿は多いが、近年はだいぶようすが変わってマグロ、カツオ、カワハギと他の釣りものも人気を集める。
 
長井でスルメイカが盛り上がるのは6月下旬から初秋にかけて。初期は港からすぐの長井沖水深90mラインで反応があるが、水温の上昇とともに城ヶ島、沖の瀬、洲の崎沖と100~200mの深場にポイントが移る。この日は梅雨のさなかであいにくの悪天候。しかし小菅さんは「絶好のスルメ日和だね」と言う。薄暗い曇天は終日イカの活性が高いことが多いのである。

スルメの基本

強烈な水鉄砲はスルメイカの名物だ

小菅さんの釣りを語る前にスルメイカ釣りの基本についてざっとまとめよう。
 
サオはプラヅノ仕掛けを充分に動かせるシャクリが効く強めの胴部を備えた8:2~9:1調子。
 
オモリは120~150号なので負荷表示が120号くらいのサオがよい。全長は1.8m前後。
 
リールは電動。シマノの番手なら3000番クラスのパワーが必要だ。
 
イワシなどの小魚を模したプラヅノのサイズは11 ㎝、14㎝、18㎝とある。小・中のスルメイカでは14㎝が基本。ちなみにヤリイカは11㎝が主体。18㎝は胴長が40 ㎝くらいまで育った大型用、またイカを寄せるためのコマセヅノとして使用する人も多い。
 
ツノ数は7~10本が一般的。ビギナーは枝スを付けるブランコ仕掛けが釣りやすいが熟練者の大半はツノ数10~15本の直結仕掛けを用いる。利点はサバが掛かった時も外れやすく、また枝スがないので絡みにくい。手返しがよくなるのと感度も高まる。
 
各ツノをつなぐ幹イトは8~10号で各ツノの間隔は1 ヒロ(150~170㎝)。ツノ数は地域によっても変わり、各エリアで特色が出る。
 
たとえば東京湾内では投入直後しか反応せず、一発でより多くのイカを乗せるために20本前後とツノ数を増やしてねらう。

松田竜也の爆乗り注目ポイント

小菅さんは中オモリ15 号の下にヨリ取りリング、集魚ライト(ブルー)を付ける。
時に集魚ライトの下にある一番上のツノにしか反応しないこともあるそうだ

松田さんのプラヅノパターン。すべて14cmヅノで10本カンナ。
シンプルな配色。ツノ数は15 本

ツノに特別なこだわりはない

小菅さんのプラヅノパターン。ニゴリ潮対応で濃い色が主体。
真ん中には一際目立つコマセヅノを混ぜる。
14cmで10本カンナ。写真は14本だが主にツノ数は12本

直結仕掛けはカンナに直接幹イトをくくる。
カンナ部分の接続は投げ縄結びが一般的

「私のイカ釣りの原点は鴨居の五郎丸です。当時は朝4時に出船するイカ乗合をやっていて。その時に船長が手釣りでバンバン乗せていたのを見てそれが格好よくて(笑)」
 
そう語りながら小菅さんがセットしたのは直結仕掛けの12本。幹イトは上6本が10号で下6本が8号。仕掛け上部はオマツリしやすいため太めのイトでそれを防ぐ。各間隔は1.6mという。
 
「ツノに特別なこだわりはないんです。ピンク、青、水色の3色を並べれば釣れます。あえていうなら澄み潮なら淡い色。ニゴリ潮の時は黄色やガスイトを巻いた濃い色のツノも使います。こだわりといえばツノ数。僕は12本をベースにしている。このくらいの数がツノを踊らせやすいんです」
 
小菅さんと同じく、私もツノの配色が釣果に直結しているとは思わない。ある時すべてのツノをブルー、すべてをピンクにして釣ったことがあるが、周りと遜色のない釣果を得られた。

タナ合わせの正確さと手返しの速さ

オモリの投入から集中する。
小菅さんは仕掛けが落ちるまでのサワリをもとらえる

探見丸を見ると水深は93.6mで反応は50 ~ 60 mラインに出る。
このようにスルメイカの反応は中層にも出て、とんでもないタナで乗ってくることも。
こうしたタナを把握するのに探見丸は実に頼もしいアイテムとなる

「ヤリのタナは底付近のみですが、スルメの場合は違います。中層まで浮くのでタナをどんぴしゃに合わせると爆乗りすることが多く、このタナ合わせが面白さのひとつです」
 
オモリを投げる。小菅さんの仕掛け全長は約19m。その分だけタナを探れるが、イカの密集ダナに合わせないと多点では乗りにくい。スルメイカの上手な人はタナ合わせが正確で手返しが極めて速い。小菅さんも当然そうだ。
 
 
イカは落ちてくるツノに反応しやすい。だから投入直後がチャンスであり、誰よりも速く仕掛けを落としたほうが先にイカの目に付き釣果は出やすい。
 
オモリが落ち、ぶら下がったところでポーズ。穂先に集中する。それからの誘いは鋭くシャクってストンと下ろす。リールを1巻きしてタナを上げ再び同じ動作の繰り返し。

指示ダナの前後20mもイカの濃いタナがあると考えます

「4ハイは付いたかな(笑)」
と追い乗せの駆け引きを楽しむ小菅さん

「乗った!」
 
一投目でいきなり小菅さんのロッドがしなる。さらに追い乗せをさせるべく数mは電動リールを低速巻き上げ。
 
「追い乗せの速度は状況によって違いますが、自分は電動のパワーレバーを使ってスピードの強弱を付けます。
 
イメージしているのは手釣りの追い乗せです。手釣りはイトを手繰っていく時にかならず止まる瞬間があるでしょ。あんな感じ。
 
シマノのフォースマスターでいえば速度8と13で強弱を付ける感じ。10~15m上のタナまでようすを見ます」
 
しかし付いたのは1パイのみ。再投入の手返しは電光石火。そして入れ乗りである。私にもズンと手応え。
 
船内に電動リールの巻き上げ音が甲高く響いた。
 
「スルメイカの遊泳層は広いんです。船長の指示ダナはあくまで参考資料。とんでもないタナで乗ることがある。船長が60~80mと言った時、40mにもスルメがいる。
 
これが分からないと仕掛けを止められない。だから仕掛けを落とす時は一番集中します。
 
イトがフケるくらいのサワリはかなり派手なものだけど、落下速度がちょっと変わる程度の微妙なサワリもありますからね」私ならおそらくこのサワリを見逃してしまうだろう。だからタナのつかめる探見丸は頼りになる相棒なのだ。

たとえていうなら500円玉分くらいの微妙な重さ

右/ツノをマットに引っ掛けずも投げ込むように取り込む小菅さん。
乱暴なようでいて手前マツリをしないように
ツノを重ねないようにしている
左/取り込みは常にテンションをゆるめず高速でイカを外していく

「ズシンと来た時はイカがカンナに乗った時で、その前のサワリを察知しないと数は伸びません。
 
イカはプラヅノの棒を抱いてくる。
 
カンナに掛けるにはそこからズラさないといけない。サワリの違和感をたとえていうなら500円玉分くらいの微妙な重さ。これを感じられるかどうかなんです」
と小菅さんは乗せまくり。
 
「手返しで心掛けているのはツノとツノが重ならないように、後方に散らして投げて取り込むこと。
 
イカを外すときも仕掛けの上に乗ると投入時に絡みの原因になるから足もとや離したところに投げる。
 
直結仕掛けは船の揺れでもテンションが抜けてイカが外れてしまうのでモタモタしてはいられません」
 
その挙動を文章で解説するのは難しいが、乱暴なように見えてとても考えられている。それは経験値がなせる技であることは間違いない。終わってみれば、取材しながらの小菅さんは68パイだった。ちなみに私の釣果は……聞かないでほしい。
 
最後に小菅さんにイカ釣りの魅力をたずねると「ずばり多点掛けの瞬間、アドレナリンがドバドバ出ます」とのことだった。
水深90m前後で船長の指示ダナは主に60~70m。
				その中の群れが厚い泳層はピンスポット。
				小菅さんはそこに仕掛けをドンぴしゃりと落として
				時に指示ダナ外の群れも当ててしまう。
				繰り返すがイカは最初に落ちてきたツノに好反応を示す。
				底だけでなく中層のタナ当てこそスルメイカの面白さ、奥深さであると
				小菅さんの爆乗りを見て再認識した1日だった。
水深90m前後で船長の指示ダナは主に60~70m。
				その中の群れが厚い泳層はピンスポット。
				小菅さんはそこに仕掛けをドンぴしゃりと落として
				時に指示ダナ外の群れも当ててしまう。
				繰り返すがイカは最初に落ちてきたツノに好反応を示す。
				底だけでなく中層のタナ当てこそスルメイカの面白さ、奥深さであると
				小菅さんの爆乗りを見て再認識した1日だった。