さらに遠くへ、より正確に、もっと投げやすく!!投竿選びの基礎知識

並継ロッドのアドバンテージを再確認

COLUMN12 理想のロッドが3ピースの並継竿である理由

主に置き竿釣法を見すえた振出竿

前項でご紹介した並継投竿であるキススペシャル<並継>、スピンパワーSC<並継>、スピンパワー<並継>、サーフランダー<並継>の他、シマノには多彩な投げ釣りシーンに対応する振出タイプの投竿のラインナップがあります。並継竿と同じく、その素材と設計、製造技術の進化により、現在の振出竿は非常に高性能となっています。

ただ、振出竿はすべてのブランクスを元竿に収納するというその構造により、並継竿ほどは設計の自由度がありません。このため快適なキャストフィールと遠投性能の追求に関しては常に並継竿が先行し、それに追随する形で振出竿が進化していくことになります。そこでシマノでは、2本以上の竿を出すことの多い置き竿釣法に適した、仕舞がコンパクトで携行しやすい振出竿を設計しています。

3本継の効率的なパワー伝達性能

振出竿は基本的に4本継です。3本継の振出竿を作ることも可能ですが、それでは仕舞寸法が並継竿以上となり、携行性が下がります。また、振出竿の構造では、4本継の方が実用的なガイド配置を実現しやすいと考えています。

ただし、設計上の制約が少ない並継竿なら3本継が理想です。3本継のメリットは、投入時にベントカーブ(竿の曲がり)の頂点となるベリー(胴)にスムーズな曲がりを阻害する継目がくることを避けることができることです。「継目の存在が問題なら携行性を考えなければワンピースロッドがベストでは?」と思われるかもしれません。しかし、3本継にすることで、3本のブランクスに対し、トップ(1番)、ベリー(2番)、バット(3番=元竿)と、それぞれの部位の役割に特化した、異なるブランクス設計ができるという大きなメリットがあります。

投竿の各セクションに求められるもの

1番に求められるのはキャストの方向性と安定性の向上、そして、アタリに対する高い応答性です。2番はスイングパワーをロスなくためこみ、最高の速度でオモリを弾き出すセクションです。竿全体では、曲がりのピークが2番のセンターにくる理想のベントカーブを描く設計としなくてはいけません。そして3番で大切なのはキャスターが最大限のパワーを入力しやすいデザインとすることになります。このように役割の異なる各パートをそれぞれに適した最高の素材と構造に設計できるのが3本継なのです。

たとえば、キススペシャルの項でアタリを明確に出すため1番をあえて硬めにしていることをご紹介しましたが、正確には1番の先寄りは硬めにしたものの、その根元近くは2番へ効率よくアタリを伝達するため、少し柔らかめの設定としています。こういった繊細なロッド設計は1ピースや2ピースの竿では難しいでしょう。