2017.06.22

キス攻略の快釣スキル [ 日置 淳 ]

Vol.1 基本的な釣り場の考え方とタックルについて

風に逆らわない釣り場のセレクト

今回の釣行では5月中旬に山陰方面・鳥取県西部の実績場を訪れました。
時期的にキスのシーズンは始まったばかりであり、各地の釣況はまだ本調子ではありません。そんな中、山陰に目をつけた理由には気象条件の問題がありました。釣行予定日の風予報だと比較的強めの南風という感じでしたから、全般に日本海側の方が釣りやすいと考えたのです。
そして当日、現地ではかなり強い西~南寄りの風が吹いていました。このエリアにはキスの実績がある浜が数多くあります。その中からなるべく風の悪影響を受けない場所で釣りたいと考えて東向きに開けたポイントを選びました。
大会などで釣るべき場所が決められているなら与えられた条件下でがんばるしかないですが、個人釣行であえて釣りづらい条件を選ぶようなことはしません。トラブルなくスムーズにキスの引き釣りを楽しむには風に逆らわないことです。できるだけ風当たりの弱い場所、風が釣りの妨げになりにくそうな場所を選んで気持よくキャストするようにしています。
ちなみに、風を考えて釣るというのは手返しの際にも大切なことです。たとえば、餌をつけるときに風を正面から受けるような体勢になるのはトラブルの元。多バリ仕掛けが自分の方へ押し付けられるような形になって扱いにくく、ウエアにハリが掛かるようなトラブルも多発します。
やはり基本は風を背に受けるようにして作業することでしょう。そうすれば風をはらんだ仕掛けをスムーズに扱うことができ、手返しがずいぶん楽になるものです。
なお、追い風は無風や向かい風の場合に比べて飛距離をのばしやすいという意味では好条件ですが、強い追い風はラインを吹き上げ気味とし、そのぶんアタリをとりづらくなるというデメリットもありますし、投入時に仕掛けがオモリを追い越すような形になってカラミが起こりやすくなることもあるので要注意。また、盛夏にありがちなキスの活性が下がって釣りづらい状態では、適度な向かい風で海面がざわざわしているエリアが狙い目となることが多いものです。そのときどきで手返し、釣り場、キスへの影響を考えて、うまく風を味方につけることがキャスターの課題となってきます。

次につながる地形的特徴の把握

最初に入るポイントが決まったらタックルの準備に入るわけですが、その前に条件の考え方の続きとして私の基本的な釣り場の見方についてご紹介しておきましょう。
とにかく大切なのは目をつけたポイントの様子を十分に観察することです。まずは浜の地形。平坦なエリア、目立った凹凸があるところ、流れ込みの有無、海の色、波立ちの位置、ブイや藻場などの目視可能な障害物の有無……などなど、今から釣る場所がどんな地形なのかをしっかりと確認しておきます。それがキスのつき場を推測する際の重要な目安となるからです。

また、その場所で釣れたのなら次のポイントへ移動する際は同じような条件の場所を選ぶことになります。逆に釣れなかった場合は別の条件にある場所を狙ってみるという考え方ができるでしょう。
このように自分がどんなポイントを釣ったのか、その条件をしっかりと把握しておくことで効率のよいポイントのセレクトを心がけることは大切です。何となく目についた場所を適当に釣り歩くのと、新たなポイントに入るたびにその日のキスのつき場の地形的な傾向を絞り込んでいくのとでは結果的に大きな差がつくものと思われます。

自分に合ったタックルは最高の武器!!

さて、当日の使用タックルですが、私のキス引き釣りにおけるメインロッドはNewキススペシャルの405CX+(31号)であり、この日もこれにベストマッチするリール、スーパーエアロキススペシャル(極細仕様)をセットしてスタートしました。

最初から超遠投主体の釣りになることがわかっているような場合には、遠投性に特化したロッドであるスピンパワーSCの405AX(35号)を起用するパターンも楽しんでいますが、やはり自分の体格やパワー、キャスティングの傾向から1日を通して最も快適にキスを釣り続けるには405CX+クラスのロッドが私にはベストです。特に今回のようにシーズン初期の状況がよくわからない中での釣りにオールラウンドで対応するにはこのロッドが欠かせません。

ただ、これはあくまでも私基準のロッドセレクト。どんなスペックの竿がマッチするかはキャスターの体格やパワー、キャスティングの傾向で異なるものです。このあたりについては『投竿選びの基礎知識』をチェックして各自にベストなアイテムを知っていただくのが一番でしょう。

パイロット的なシステムで効率よくチェック

今回の使用ラインはSPINPOWER EX4 PE0.6号にSPINPOWER テーパーちから糸 EX4 PE0.8−7号。私が最も多用する遠投性と強度のバランスがちょうどいいセッティングです。限界領域での遠投勝負が要求される場面(さらに細糸を使用)、底が荒くて根掛かりが気になる場所(太めのラインが必要)以外ではこのラインシステムがベストだと考えています。オモリは底をスムースに探ることのできるフロート系のVシンカーを使うことがほとんどです。引き重りが気になるムクのオモリ(鉛やタングステンの金属単体のオモリ)も少しでも飛距離を出したいときには使うことを考えますが、最近のフロート系オモリは遠投性能も高いのでムクオモリの出番はあまりありません。

オモリにセットする天秤はL型の固定式、半遊動式の2タイプを常備していますが、今回のようにシーズン初期の釣り場で魚の居場所を捜して回るパターンでは半遊動天秤がメインになります。その方が鮮明にアタリを察知できるため釣り場とキスの状況を知るためのパイロット的な使用には半遊動の方が適しているからです。

固定式のL型天秤が有効なのはキスの乗りがわるいとき。アタリがあるのになかなか掛からない場面ではこれが威力を発揮することがあります。逆にいえば、アタリを楽しむのに適した半遊動で調子よく釣れている限りL型にかえる必要は感じません。仕掛けとハリのセレクトについての考え方も天秤の場合と同様です。私が多用するのは「掛けキス」「攻めキス」の2タイプで、パイロット的に使用する場合はフトコロが深くてキープ力が高い掛けキスをメインとし、乗ったキスを確実に取り込んでいくようにします。特に遠投のポイントで掛けてから寄せてくるまでの時間が長いと、このハリのハイレベルなキープ力を実感するものです。

ただ、攻めキスの掛かりの速さは魅力ですし、掛けキスでは乗りがわるかった場面で攻めキスにかえたとたんにハリの数だけキスが乗ってくるようなケースもあります。もっとも、逆に掛けキスの方が掛かりのよいこともあるので、このあたりはそのときどきのキスの捕食パターンの違いも影響するようで、一概にこの状況ではこのハリだといえない部分もあります。
なお、状況がわからないときに使用するハリのサイズは5号というのが私の基準です。そしてキスの活性が高いとき、型がよいときは6号にサイズアップしています。ただ、乗りがわるいから、キスが小さいからとサイズダウンすることはあまりありません。基本的に少しでも大きなキスを釣りたいからです。また、5号でイマイチなときに6号にかえたとたん掛かりがよくなるような場面もあったりします。ハリの形状と同様にサイズのセレクトも奥が深いものです。
ハリ数についてはパイロット的に使用するときは5本からスタートし、キスの食いに応じてハリ数を増やす感じです。掛けキス、攻めキスには50連結仕掛けがあり、状況に応じて手軽に好みのセッティングができるので今回もこれを利用してこまめにハリ数をかえていきました。

砂浜へのアプローチ時の注意点

釣り場に決められた駐車スペースがあるときはそこへ車を入れること。ポイントに近いからと迷惑駐車をするのは厳禁です。また、今回の釣り場では浜の後方の空き地に車をとめるパターンになりましたが、このような場所では地面が砂地であることが多いのでスタックに要注意。不安な場所では車をおりて地面の様子を確認し、無理に奥の方まで進入しないのが無難です。
また、4WD車でむやみに浜辺付近を走り回るドライバーによって砂地の希少な植物が被害を受けるケースがよく報告されています。どの場所でも一般的な駐車スペースはわかるはずですし、釣り人としてはそんな違法行為はしないことです。

なお、竿はどんな場面でも大切に扱いたいものですが、特に砂地の駐車スペースでセッティングするときは継目に砂をつけないよう注意が必要です。竿袋から出したブランクスを地面に置くのは厳禁。慎重に取り扱ってロッドにトラブルのないように……。

vol.2に続く