YAMAMOTO HIROTO 山本 啓人 シマノインストラクター

山本 啓人 プロフィール 幼少時、身近な海でのエサ釣りを経て、ルアーフィッシングをスタート。ソルトゲーム全般に親しむ過程でジギングに出会う。現在は「理論と勘を駆使して考える」釣りであるスロー系ジギングに没頭。その魅力を発信している。

オートマチックかつランダムなフォールでターゲットを魅了
進化したスロー系ジギングの世界

近海ジギングのなかでも飛び抜けて注目度の高いスロー系ジギング。
エリア、ターゲットの拡大とともに、新たな理論やテクニックが次々と開発されている。
山本啓人氏はそんなスロー系ジギングを引っ張ってきた第一人者。
ボトム狙いのタクティクスに絡めて最新のタックルとジグを解説してもらおう。

 

スロー系はフォールで喰わせる

今回の釣りの舞台は愛媛県の宇和島沖。水深100m前後の起伏に富んだ海底でハタ、カサゴ類を狙った。
山本氏が手にしたタックルは、『オシアジガーインフィニティ』のB652とB653。スロー系ジギングのフラッグシップ『インフィニティシリーズ』のなかでも、最も汎用性の高いモデルだ。
「スロー系ジギングは緻密でテクニカルな釣り。偶然ではなく海中の変化やターゲットの活性にあわせてジグの動きをアジャストし、狙い澄ましてハリを掛けにいく過程が面白い。『オシアジガーインフィニティ』のブランクスは粘りがあって、ジグを飛ばすも飛ばさないも自由自在。フォールはもちろんワンピッチやコンビジャークを駆使した誘いも楽々行えます」と山本氏。その言葉通り、小さく誘って小さく落としたり、飛ばし気味のジャークからスッと喰わせの間を入れたりしてバイトの出方を探っていく。スロー系ジギングというと、ゆっくりとしたジャークで喰わせるというイメージがあるが、それは誤解。ジャークは決してスロー一辺倒ではなく、しかも喰わせの極意はシャクった後のフォールにあるのだ。山本氏が今回多用した『センターサーディン』と『サーディンウェバー』も、フォールアクションを第一に考えたジグである。

難しい操作を簡単に実行
潮に任せていれば釣れるジグ!

アピールしながらフォールするジグ『サーディンウェバー』

『サーディンウェバー』は山本氏が開発に携わったニューモデル。開発の経緯、今までのバタフライシリーズとの違いを教えてもらおう。
「僕が提案したのは、どれかひとつに特化しない代わりに劣るところもないという、言ってみれば基礎となるスロー系ジグ。それをどうにか作ってほしいというところから開発が始まりました。そのなかでイメージしたのは、僕がよく使っていて、スローでよく釣れる『センターサーディン』をアレンジすること。『センターサーディン』はバランスの崩し方が絶妙で、イワシパターンでの魚の反応もいい。そこでフォール時間を長く取ったりして、よりスローで効果を発揮する『センターサーディン』ができないか、と。これまであったスロー系のようにゆっくりヒラヒラ落ちるわけではなく、アピールしながらフォールするジグ。前後スライドやウォブリング、あるいはバックスライドしながらテールから落ちる。そこまではあまり変わらないのですが、ひとつ一つの動きが速く、キレがあり、フォールのなかにいろいろなアクションがイレギュラーに交じるというイメージです。テストでは極端な左右非対称にして、フォールのときにジグが自分から泳いでいくようなアクションを探りました」。
ヒラヒラ落ちるジグ、おとなしく普通にフォールするジグ、ストンと落ちるジグはこれまでもあったが、『サーディンウェバー』はヒラヒラしながらもランダムに切り返すフォールアクションを出し、なおかつそのスピードを速くしたのが特徴。ゆっくりフォールするジグは速く動かしてゆっくり喰わすことしかできないが、アクションを伴ったまま速くフォールすればフォール自体で追わせることができる、というのがその理由だ。ちなみに水深60mで実験した『サーディンウェバー』130gの「フォール速度は平均38.6秒。『ウィング』135gに比べて約13秒(26%)速く、PE4号の太糸でもしっかりフォール。そして山本氏はもう一つ、潮やラインの抵抗を利用して違った動きを出せないか、ということも目標にしたという。

ランダムに発生するいずれかの動きで喰わせる!

3種類のフォールアクション ウォブリング 前後スライド バックスライド

「動きが変わる=スピードの変化。ワンパターンではないフォールアクションということ。そのためにはエッジをとがらせるのではなく、エッジを真っ直ぐ太目に落とすというのがポイントでした」。
これを追求した結果、ウォブリングフォール、前後スライド、バックスライドの3つをランダムに発生するジグ『サーディンウェバー』が完成。タチウオから中深海のアカムツまで魚種を問わずにテストし、期待以上の釣果を叩き出した。

  • 駆動範囲の広い
    「大型ラウンドアイ」

    フォール時の支点がズレやすい!
    イレギュラーなアクションが発生

  • ヒラ打ち向上!
    「舟型断面」

    幅を薄くして水流抵抗を軽減
    左右へのヒラ打ちを向上!

動きが切り返すタイミングは絶好のヒットチャンス

動かし方の基本は、潮が速いときほどフォールを長く取ること。そのなかに、強めにシャクる、ゆっくりシャクる、小さなフォールアクションで誘うなど変化を付けていく。潮が緩いときはふわふわと動き、速いときは流れに乗って激しく動く。前述したように、潮流やラインの太さで自在かつオートマチックに変化するアクションはこのジグの最大の特徴なのだ。
「『サーディンウェバー』はセンターバランス、左右非対称設計でフォールスピードが速く、3通りのフォールアクションで誘いと喰わせをオートマチックに出せるように設計してあります。その際、動きの切り返すタイミングは絶好のバイトチャンス。それを意識して使ってみてください」。

グローの効果と使い分けのコツは?

ところで今回の釣行では、グローをあしらったカラーに喰ってくるケースも多かった。グローが入っているとそこを喰ってくる可能性が高いのだろうか?
「グローだから喰うということではなく、グローを使うことによって暗いときには目立ち、明るくなって魚が下から見上げた時には見えにくくなるというように、ジグの存在感をコントロールできるんです。その、保護色の部分とアピールの部分をうまく使い、天候と水色に合わせてグローの量を調整していくと効果があるんです」
山本氏によれば、近年流行しているゼブラグローは魚の本能に照らし合わせても理にかなっているとのこと。グローの使い方を意識することも、この釣りの重要ポイントとなりそうだ。
なお、『スティンガーバタフライ』からは『オリジナル』、『サーディンウェバー』、『センターサーディン』の各サイズにグローを効果的に配した“サーベルチューンカラー”も登場する。どれも安定した実績を誇るヒットカラーばかり。潮の色や時間帯に合わせ、グローの効果を最大限に活かして使い分けることができる。

フォールパターンを微調整してバイトを重ねる

実釣のほうは『センターサーディン』の200gをベースに、潮の流れに応じて『サーディンウェバー』の160g、130gを起用。柔らかな誘いとフォールを駆使してアヤメカサゴ、ウッカリカサゴを掛けていった。ジグのカラーはゼブラグローやグローコパーによく反応していたようだ。
「初めての釣り場だったので、パイロットルアーという意味も含めてまずは基準となるセンターサーディンを投入。ただ魚探の反応からベイトはイワシだろうと判断していて、シルエット的もアクション的にも『センターサーディン』と『サーディンウェバー』でほぼハマるだろうという確信はありました。もしも変えるなら『TGぺブル』でシルエットを小さくする、フォールスピードを上げるという選択もありましたが、今回その必要はなかったですね。ジグのアクションで特に意識したのは、群れから落ちていくイワシや底に向かって逃げていくイワシ。よく当たったのは、2~3回シャクったあとのフォールでした」。エソも多く、小さくアタるだけでフッキングに至らないバイトも多かったが、山本氏はラインのテンションやフォールの幅を微妙に変えてタイミングをアジャスト。冒頭でも紹介したスロー系ジギングの面白さを実践してくれた。

山本 啓人“スロー系ジギング イチ推しセレクト” タックルデータ

ROD オシアジガー∞(インフィニティ)

2016年、大型青物をも制する粘りとパワーで無限の世界を切り拓くスロー系のフラッグシップ『オシアジガー∞(インフィニティ)』に、待望のパワーモデルが追加。開拓が進む中深海やさらなる大型魚に向けたB635、B636の2アイテムがそれ。無限に広がるスロー系ジギングの世界にさらなる一歩を踏み出した。なお、今回の釣行ではB652、B653を使用した。

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REEL オシア コンクエスト 300HG / 300PG

オフショア用の両軸リールとして初のマイクロモジュールギアを搭載した回転性能はどこまでも滑らか。重厚ギア・高耐久クラッチから内部パーツに至るまで武装した強靭さはどこまでもタフ。スロー系ジギングから、太刀魚、深場の鯛ラバまでをカバーする待望の300サイズ登場。

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LINE オシアジガー MX4 PE

今回山本氏がメインで使用したラインは新素材工法、メルトクロスを採用したMX4。編み上げた後に表面を熱延伸加工で溶融させ、低伸度・高復元性を実現。特殊なシリコンに漬け込むことで驚異的な水切れ性能を発揮している。「単なる低伸度ではなく、伸びてから元に戻るまでのスピードも考えて開発。水深の深いポイントでもアングラーの力がダイレクトに伝わります。もちろんアタリを取りやすく、フッキングの確率もアップ。ジグも動かしやすいためヒット率が上がるラインです」。

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LEADER オシアジガー リーダー マスターフロロ

「近年のハイプレッシャーフィールドではライトタックル、ライトラインを使うケースも多いと思いますが、このリーダーはしなやかさと衝撃吸収性に優れるため粘り強いファイトが可能で、ビッグフィッシュとやり合っても安心感があります。細い糸で大物を狙う人におすすめです」。

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