イージーに!そしてサカナも!狙える!
秋のエギングの楽しみ方【前編】

秋のエギングは、イージーに楽しめるシーズン。「かわいいイカが遊んでくれます。
でも秋の釣りは、それだけじゃありません。サイズアップも狙えるし、ほかのお楽しみも」。
ほかの…実釣で秋のJOE Style! を魅せてもらおう。

実釣フィールド / 紀伊半島(和歌山県)

本州最南端の潮岬がある紀伊半島は、黒潮の影響を受けやすく、ルアー、エサを問わず海釣り好適地。
エギングも南方系大型アオリイカ狙いから秋の新子まで幅広いスタイルで、年間通して楽しめる。
実釣は南紀エリアで実施。

湯川マサタカ

ゆかわ・まさたか 和歌山県在住。紀伊半島を拠点に活躍するエギングエキスパート。日中エギングを提唱し、ボトムを丁寧に探る釣りと攻撃的なラン&ガンで、確実に結果を残す凄腕だ。そのスタイルに憧れるファンは多い。

DAY1 好調な今秋の釣況に水をさす台風。釣りは成立するのか!?

実釣は9月下旬。湯川さんが待つ南紀串本は、台風一過の青い空が広がっていた。
「未明に台風が通過したばかりですからね。昨夜は大荒れでした」。
海は濁り、ウネリ、風も残っている。エギンガーなら誰もが諦めて帰るような状況だ。サオが出せるんですか?
「僕も心配です(笑)。ただ秋の小型のイカが台風で荒れる外海に出て行くとは思えない。逆に湾の中へ、中へと避難していると思うんです」。
その湾がある沿岸部は、潮の濁りがひどいですが?
「まずは、ポイントをチェック。潮が澄んでいそうな場所を探しましょう。今春は新子が生まれるのが例年よりひと月ほど早く、秋の初めにしては良型の500g前後がけっこう出ています。一方で今、港内で胴長5cmもない小イカがたくさん見える。今季は秋が深まってもイージーに楽しめそうですからね」。

台風通過直後の濁り。湯川さんが出した答えは、水深のある漁港のボトム

湯川さんはウネリがかわせるエリアにある地磯、漁港を何ヶ所が見て回ったが、濁りがひどくサオは出せない。最後に向かった釣り場は、串本の漁港だ。
「もう、ここしかないですね、今日、可能性があるのは」。
堤防外面は、ウネリの影響がある。港内は穏やかだが、濁りは入っている。
「この港は水深がある。底で澄んだ潮が動いていれば、少しでも喰い気のあるイカがいると思います。まぁ、普段の秋イカのようにイージーには釣れないのは間違いない。底の潮が澄んでいると仮定して、ボトムに貼り付いているであろうイカをネチネチ誘うしかないですね」。

護岸際の捨て石に付くアオリイカをイメージしてボトムを丁寧に探る

使用エギは、クリンチ・カエル跳びアッパー3.0号のキンアジ。しっかり底をとり、ドラグはシャクると軽く滑る程度の緩めに設定。
「シャクリで前に進みすぎないようにするためです。シャクリはおよそ2回まで。ボトムは砂地で、護岸際の先4mくらいに捨て石が護岸に沿って入っています。砂地にある変化や、捨て石にイカが付いてるイメージで探っていますが、確実にある捨て石になるべく長くコンタクトできるように、斜めに投げて探っています」。
この濁りで本当にアオリイカが釣れるのか? 側から見ると疑心を抱きざるを得ない状況だが、じっくりボトムを探ること1時間。その成果が出た。
「やっぱりボトムでしたね。砂地と捨て石の境目をネチネチ誘って、ボトムでステイ。違和感があって、アワせた乗りました。低活性時の典型的な喰い方です」。

揚がってきたのは200gと小型だが、湯川さんの鋭い洞察力とボトムを丁寧に探る釣りだからこそ獲れた1杯だ。

ヒットエギ

カエル跳びアッパー 3.0号

[品番] QE-230Q(3.0号 / 15g) [カラー] 16色 [本体価格] 1,120円

エギに付いてくるアオリイカがいる!
低活性時ほど足元のボトムを丁寧に

港内の護岸際には、昨夜の台風で吹き寄せられたシラスのようなマイクロベイトが水面に群れ、それを捕食しようとする胴長7、8cmの小イカの群れが何隊も居る。
「台風に飛ばされず、港内にいましたね。このサイズが居るということは、もっと良いサイズもいるはずです」。
ボトムをスローに丁寧に探ると、二度、エギにアオリイカらしき触り。
「活性が低いですね。多分、ボトムで付いてきているんでしょうけど、抱かない」。
捨て石周辺を中心に探るが、エギを抱くアオリイカはなかなか現れない。
「足元まできて、回収すると見せかけてボトムをとり直す」。
すると湯川さんはアワセを入れた。
「足元で何かモゾッと感じて、回収しようとスーッと上げたけど、あやしいと思って落とし直したら釣れました。回収していたら釣れなかった。こんなふうに付いてきても、なかなか抱かないイカがいる。活性が低くても足元のボトムを丁寧に探れば釣れるんです」。

足元で落とし直し低活性アオリイカに抱くきっかけ与える

水深のある漁港のボトムを丁寧に探ってきて護岸際でモゾッと違和感。回収せずに落とし直して抱かせた。「足元にくると横に引けない。スッと上げて落とし直すことで、エギに付いてくるだけの低活性アオリイカに抱くきっかけを与えることができます」。

アオリイカは渋いが魚はボイル。 「秋はこういう楽しみもあります」

悪状況の中、アオリイカを2杯釣ったところで湯川さんから提案が。
「イカがバンバン釣れる状況じゃないし、ちょっとだけ遊んでも良いですか?」
遊ぶ、というのは?
「さっきから気になっていたんですよ。何かがマイクロベイトを捕食してボイルしている。何か、正体を突き止めましょう(笑)」。
湯川さんはアジ、メバルで高実績のソアレのジグヘッドとワームでアプローチ。
「エギングタックルには軽すぎますけど、ボイルが護岸際なので届きます」。
10mほど投げて、チョンチョンッと小さくアクションをつけながら、ボイル地点周辺を通すと1投目に小気味いい魚信が伝わる。
「何か喰った。小さくても良く引く。メッキですわ(笑)。秋のエギングはイカが渋いときでも、こういう楽しみ方があります」。

ヒットルアー

Soare TGファインヘッド

[品番] SS-T12K(1.2g)、SS-T16K(1.6g)、SS-T20K(2.0g)、SS-T25K(2.5g) [カラー] 各3色 [本体価格] 400~550円(3本入)

ヒットルアー

Soare スローダイバー

[品番] SW-114N(1.4インチ) [カラー] 9タイプ(2色アソート) 
[本体価格] 520円(8本入 4本×2色)

エギングタックルで楽しむライトゲーム

「僕は、潮止まりなどイカを釣るのが難しいタイミングで、良くルアーを投げます」。

潮止まりは、魚を狙うタイミングとしても良くないはずですが?
「魚は目の前に落ちてきたものをパクッと喰ったり、イカよりリアクションバイトさせやすいです。エギングタックルは、ロッドによっては、30gくらいまでの色々なルアーが使えます。秋は魚の活性も高いので、バッグの中にルアーを忍ばせておくと、イカが釣れない時間も楽しめます」。

エギング中にルアーを投げたいタイミング

●潮止まりなどアオリイカの活性が極端に低いとき
●エギに何度も魚がアタックしてくるとき
●ボイル発生など魚食魚の魚影が明らかなとき
●回遊待ちの合間など釣りのテンションが低下気味のとき

秋はルアー常備です

エギングタックルにマッチするルアー

「プラグ類は青物などが小魚を食べているときに有効。コルトスナイパーワンダーフォールとソアレTGエース15gは、小型青物やハタ類など何が喰うかわかりません。炎月投式Ⅱもエギングタックルと相性が良く、ただ巻きやストップ&ゴーでマダイをはじめ、砂地ならヒラメ、マゴチが期待できます。TGエース5gとジグヘッドリグは、エギングタックルで扱うには軽いですが、近距離でハタ、カサゴ、メッキなど小型魚が狙えます」。

湯川さんが持っていたルアーは左のとおり。

左:熱砂・スピンドリフト110HS AR-C
中列上から:熱砂・シースパロー95S AR-C、コルトスナイパー・ワンダーフォール30g、炎月・投式II 20g、25g/右のメタルジグ:ソアレ・TGエース5g、15g/ジグヘッド&ワーム:ソアレ・TGファインヘッド2.5g、ソアレ・スローダイバー

秋のエギングフィールドで狙える
主な魚種

「イワシなどのベイトフィッシュがいれば、青物は中型以上もかかるし、シーバスも釣れます。そのほかにマゴチやガシラなど、場所と使うルアーによって何が釣れるかわかりませんからね」。

小型青物 ハタ類 真鯛 ヒラメ

DAY2 満潮潮止まりから下げのシャローをラン&ガン。
秋エギングを楽しむ。

初日は、台風通過直後の濁りを克服し、水深のある漁港のボトムで2杯のアオリイカをキャッチ。
「秋らしい釣りではなかったですね。今朝は濁りも少しはましになってると思うので、磯や砂利浜のシャローをランガン。まずは秋っぽく数を狙います」。
朝マヅメに向かった釣り場は、湾状の砂利浜の両脇に小磯が張り出すシャローエリア。
「小型のイカは、自分が捕食者から身を守るためと、自分がエサを捕食するために適度に流れがきくシャローに入ってきます。水深があって流れがガンガンきいていたら、青物などにすぐ食べられてしまいますからね」。
そして湯川さんがいつも言うように、シャローのアオリイカは活性が高く釣りやすい、ということですね?
「そうです。ただ、シャローを闇雲に撃っても数は伸ばせません。流れの向きが重要。今は潮がどう流れているんだろう? まだ薄暗くてわかりませんね」。

シャローの釣りは、流れの向きが重要。その理由は次のとおりだ。

【シャローのラン&ガンで数を伸ばすための要点】
潮の向きによって進行方向と撃つべきスポットが決まる

「シャローのランガンをするときは、潮の流れの向きを読むことで、進むべき方向と撃つべきスポットが瞬時に判断できます」。

それが釣果にもつながる?
「つながります。例えば、シモリが点在する湾状のシャローがあるとします。潮は左から右。いきなり湾の真ん中から釣りはじめて、アオリイカをかけてスミを吐かれたら、流されたスミで潮下のイカがみんな警戒してしまいますよね」。
この場合は、正解は一番潮下になる釣り場の右端から釣りはじめる?
「そうです。撃つべきスポットもシモリがあるとしたら、流れが当たる面ではなくその裏。流れのヨレや潮が溜まるようなところにイカは付きます。そこを狙っていけば、効率良く数が伸ばせます」。

海面を流される泡で流れの向きを読み、実釣スタート。果たしてシャローのラン&ガンで満足の釣果は得られるのか…!?

後編に続く

【使用タックル】
シャローで取り回しやすいロッドをチョイス

「シャローの釣りをメインに想定していたので、ロッドはセフィアCI4+ S803L。短めで取り回しやすく、精度の高いキャストでエギを落として、狙ったコースをトレースできます。シャローやボトムの釣りは、根ズレがしやすいのでリーダーは太めの3号」。

[MOVIE] イージーに!そしてサカナも狙える!秋イカ攻略 in 和歌山【前編】