高水温期の高活性イカを狙う!
夏イカ攻略10のセオリー【後編】

「夏イカ狙いはシャローをランガン」という湯川さんだが、実釣前半はウネリや豪雨に見舞われ思うような釣りができなかった。「なんとか水深1mを切るようなシャローで、元気の良い夏イカをお見せしたいですね」。後編で夏のJOE STYLE!の本領発揮なるか?

実釣フィールド / 紀伊半島(和歌山県)

本州最南端の潮岬がある紀伊半島は、黒潮の影響を受けやすく、ルアー、エサを問わず海釣り好適地。
エギングも南方系大型アオリイカから秋の新子まで幅広いスタイルで、年間通して楽しめる。
実釣は和歌山県側の南紀から中紀エリアで実施。

湯川マサタカ

ゆかわ・まさたか 和歌山県在住。紀伊半島を拠点に活躍するエギングエキスパート。ボトムを丁寧に探る釣りと攻撃的なラン&ガンを得意とする日中エギングの正統派で、そのフィッシングスタイルはアングラーの良き手本となる。

シャローの海藻帯周りで夏イカの気配を追う

実釣2日目は、午前8時すぎの下げ潮が動きだすタイミングに、串本町大島の漁港堤防外側のシャローに点在する海藻周りで、最大キロクラスを筆頭に数杯のイカを発見。海藻周りにイカが居ることを確信した湯川さんは、大きくエリア変更を決断する。
「車で1時間弱かかりますが、太地方面に移動します。シャローに残る藻場周りで活性の高いイカを狙います。夏イカの実績場で、湾の奥なら台風の影響によるウネリもかわせるはずです」
干潮潮止まり直前に絡めて?
「11時すぎがその時合になりますが、今日は晴れて、シャローの水温は上がっているはず。イカの活性が上がって、潮のタイミングがベストじゃなくても、居れば反応する。これも夏のシャロー撃ちの強みです」
串本から半島東面を北上して太地エリアに移動。湾奥の磯場のシャローに残る海藻周りをカエル跳びアッパー3.0号でテンポ良く探ると、ワラワラと湧いてくるのは胴長5cm未満の小イカばかりだ。
「イカは居る。ただ、小さすぎる(苦笑)」

期待した潮止まり直前の潮変わりのタイミングも不発。その後、串本に戻り、地磯や漁港を回るが何も起こらずに2日目を終えることになる。

【夏のセオリー7: 海藻帯の攻め方】
藻面をボトムに見立てスイープなダートでゆっくり誘う

「アマモなどの海藻帯を狙うときは、藻面をボトムに見立て、藻面付近を誘います。水深がなければカエル跳びアッパーでテンポ良くシャクリますが、水面から藻面まで1.5m以上あればエクスカウンター3.5号も効果的。足の長いスイープなダートで、藻面をスローに誘えます。フォールはテンションをかけてじっくり。風がなければサオを立てて滞空時間をできるだけ長くとります」

【夏の藻場狙いの裏ワザ】
「ただ巻きやリフト&フォールでギュッと抱くイカも居ます」

  • リフト&フォール

「アマモなどの海藻帯を普通に攻めて反応がないときは、ただ巻きやリフト&フォールを試します。ただ巻きは、水面から藻面までの水深がないときにも有効。
藻面まで水深があるときは、ロッドを立てながらリフト。止めてフォール。ただ巻きやリフト中など、エギを引っ張っているときにギュッと持っていくこともあり面白いです」

  • ただ巻き

1カ所1投で見える変化をテンポ良く撃つ

「今朝は、釣りをさせてもらえますね」

最終日の朝は、昨日、豪雨で入れなかった地磯のシャローを目指す。
「満潮は7時20分。駐車スペースの関係で7時10分頃までしか撃てないですけど、潮止まり直前が狙えます」
早朝。西面で山を背にする日陰の地磯。日差しによる水温上昇でイカの高活性化は期待できない。潮の変わり目などイカが口を使う要素を重複させたほうが、釣れる確率が上がるというわけだ。
「水深は約1.5m。エギはカエル跳びアッパー3.0号。カラーは視認性の高いピンクドット。シモリの際、ちょっとした深み、浮きゴミ溜まりの下など、1カ所1投で見える変化をテンポ良く撃ちます」

【夏のセオリー8: シャローの攻め方】
気になるところはすべて撃ち、立ち位置を変えて死角を消す

「僕のシャロー撃ちは、バス釣りのカバー撃ちのイメージ。シモリの際や浮ゴミ溜まりなど、気になるところはすべて通し、活性の高いイカを誘い出します。また、シモリや岩が点在するところは、イカがエギに気づかないこともあるので、立ち位置を変え、通すコースを変えて死角を消します」

【夏のセオリー9: エギのカラー】
シャローは目で釣る!視認性の高さが重要

「シャローで使うエギは、自分が見やすい色を選びます。視認性が高いとレンジやトレースコースが把握しやすく、追尾するイカの姿もとらえやすい。シャローは目で釣ることで、釣りの精度が上がります。基本は派手な色で、晴天の日中は下地に金テープやシルバーテープを使ったカラーでフラッシング重視。ローライト時は、ケイムラ系が有効です」

高視認性カラー

カラー名:(左から)オレンジドット ピンクドット ピンクカモ ケイムラアボガド

晴天フラッシング重視

カラー名:(左から)キュウセングリーン カサゴレッド キビナゴ オレンジカモ

マヅメ&曇天の低照度時

カラー名:(左から)ケイムラグルクン ケイムラアカエビ

「潮が重い」。イカの気配を感じ、待望の夏イカをキャッチ!

1カ所1投。立ち位置を変え、死角を消しながらシャローをテンポ良く探る湯川さんだが、磯の張り出しで足が止まり、扇状に投げはじめた。
「沖に潮目があって、手前の潮が重い。流れがヨレて浮きゴミも溜まっている。出そうな雰囲気があるので、しつこく投げてみます」
投げる方向やシャクリ方を変えて攻める。
「イカが付いてきたかな」と言うとフォール。
次の瞬間、アワセを入れる。
「きました!」
足元から10mで抱かせたイカは、水面に盛大に水を吹き上げ、浅いからギュンギュン走る。
「大きくはないけど良く引く。これがシャローの夏イカの魅力です」
水際まで好ファイトをみせたのは、870gの良型夏イカだ。

イカのチェイスの確認し、フォールで抱かせる

「ボトムをとらずに中層を早いテンポでシャクり、イカがうっすら見えました。付いてきた気配があってフォールを入れたら、エギを持っていきましたね。おそらく潮目を泳いでいたイカが、タイミング良くエギを見つけてスーッと寄ってきたんだと思います。シャローに流れがあれば、居付きだけでなく回遊も狙えます」

ヒットエギ

セフィア クリンチ カエル跳びアッパー 3.0号

[品番] QE-230Q(3.0号 / 15g)
[カラー] 16色
[本体価格] 1,120円

最終日に高水温期×シャローのポテンシャルの片鱗が示された

朝マヅメのシャローでタイムリミットを迎え、次に向かったのは2日目にイカの姿を見た大島の堤防。下げ潮が動きだすタイミングを狙うが、そこには先行者が。
「入れませんね。よし、次。中紀方面へ北上しながらシャローを叩きます」と、シャローのラン&ガンを決断。
最初に入った最深部2m、シモリが点在する磯のワンド奥では、1投目にカエル跳びアッパー3.0号の1/3にも満たない小イカが群れでチェイス。
次のキャストで「ちょっと良いサイズ」が付いてきて、抱かせると200gクラスだ。
「秋イカサイズですね。イカが居れば釣れる。これが夏のシャローのポテンシャルです。ただ、このサイズだと、もっと数がいないといけないんですけど」
その後、中紀エリアまでめぼしいシャローを転々と撃つが、エギに反応するのは釣獲対象外の小イカばかり。釣果を追加できるサイズは見当たらず、実釣を終える。
「状況が良ければ、シャロー撃ちで300gからキロクラスが連発するんですが…。中紀まで北上しても潮が濁り気味。良いサイズの活性が低いのは、そのせいかもしれません。磯だけでなく、シモリが点在するサーフも夏のポイントとして有望ですけど、いつもの潮色ではなかった。ただ、各所で小イカの姿を数多く見ることができました。このまま順調に成長すれば、今後が楽しみ。秋のはじめも水温が高く、夏の釣りが通用しますからね」。

【夏のセオリー10: シーズン】
型から数へ。秋前半も夏の釣りが効く!!

「秋の前半は、新子が200~300gに成長して、数釣りが楽しめるシーズン。新子はフィッシュイーターから身を隠せて、エサが捕れるところに溜まりやすく、夏に狙うシャローエリアもその一つ。夏よりサイズは期待できませんが、数釣りが楽しめます。漁港で釣りをしてあまり釣れないという人は、足を使ってシャローを撃てば、今まで以上にイカと出会えるはずです。見えるから、ボトムのそういうところにイカが付くんだ、というのがわかり勉強にもなります」

【使用タックル】
夏イカの引きが楽しめる軟らかめのロッドをセレクト

夏イカ狙いのシャロー撃ちは、ラン&ガンをするために機動力を考慮して1タックル。ロッドは、カエル跳びアッパー3.0号を機敏に操作できて取り回しの良いセフィアCI4+ S803Lをチョイスした。

「このロッドは非常に軽く、ソフチューブトップを搭載し、しなやかだけどシャープなシャクリが可能。軟らかめでイカの引きがたっぷり楽しめるロッドです」

[MOVIE] 高水温期の高活性イカを狙う! 夏イカ攻略 in 和歌山【後編】