聖地 東京湾 戦略的ロッドセレクトで獲る春のシーバス【後編】

早春、寒の戻りという難しい状況下での実釣となったが、前編では日中のサーフで60cmオーバーのシーバスをキャッチ。後編の舞台は夜の干潟だ。「春はベイトの種類も数も増える。適材適所のルアーとそれをストレスなく操作できるロッド選びが重要」という鈴木さん。春の干潟をどのようなタックルセッティングで、どう攻略するのか?

フィールド紹介 / 東京湾

東京湾は、日本有数の魚影の濃さを誇るシーバスフィールド。神奈川、東京、千葉にまたがる湾岸線は干潟、港湾、サーフ、河川など釣り場タイプが豊富で、入門者もエキスパートも、日中も夜も楽しめる懐の深さが魅力だ。

鈴木 斉

すずき・ひとし 茨城県出身、在住。ショア、オフショアを問わず、日本各地を釣り歩くソルトゲームのエキスパート。釣果だけでなくプロセスにもこだわり、ルアーフィッシングの魅力を発信し続けるプロアングラーだ。

干潟×ナイトゲーム 早春の想定ベイトはアミ、バチ

繊細さと遠投性を考慮した
タックルセッティングで挑む

春はベイトの種類も数も増える。それによって釣り場も釣り方も変わる。春の東京湾奥。夜の干潟のベイトは?
「早春は、まだ水温が低くアミがメインで、そろそろバチ抜けが絡む時季になります。水温が上がってくればイワシなど、ベイトフィッシュも入ってきます」。
今回はアミ、バチを想定して釣りを組み立てる?
「そうなります。シンキングペンシルを潮目に送り込んだり、流れに漂わせるような釣り。でも干潟は広大。繊細なだけでなく遠投も考慮したタックルセッテングが必要になります」。

良く飛んで繊細な操作できるロッドが良いです

シンキングペンシルの操作を妨げる難敵は強風!?

夜の干潟で選んだ1本は軟らかめのオールラウンドモデル

実釣は、下げ潮の流れが効きだす下げ五分からスタート。夜の干潟も日中のサーフ(前編)と同じように、北寄りの強風が吹き続けるあいにくのコンディションだ。
「アミやバチパターンで考えるとロッドは、ディアルーナS86L-Sを使いたかったんですけどね。このロッドはソリッドティップで喰い込みが良い。でも風速5mを超える風が吹く状況では、飛距離やルアーの操作性の部分で、もう少し張りのあるロッドが有利。でもティップはしなやかで、シンキングペンシルの引き重りをしっかり感じられるようなタイプが向きます。新しいディアルーナはバリエーションが豊富で、様々な状況に合わせた1本が選びやすいです」。

鈴木さんはディアルーナS90MLを手に、干潟へ歩を進めた。

ディアルーナ S90ML
港湾、河川、干潟でマルチパーパスに使える

「S90MLは港湾部、小中規模河川、干潟など幅広いシチュエーションに対応。10cm前後のミノーから30gのバイブレーションまで様々なルアーが使える汎用性の高いロッドです。ティップは張りが強すぎないからバチ用ルアーも操作しやすく、バイトののりも良い。長さは飛距離を落とさず、ウェーディング時の取り回しやすさを考慮したセレクトです」。 ※写真はS86MLです

鈴木さんが選ぶ
ディアルーナS90ML×干潟適応ルアー例

右からエクスセンス トライデント90S AR-C、同115S AR-C、エクスセンス スタッガリングスイマー100S AR-C、エクスセンス ゴリアテHi95F X AR-C、エクスセンス サイレントアサシン80S AR-C、エクスセンス スライドアサシン100S X AR-C

干潟移動中に偶然見つけたバチ抜けから予見

「船道の流れの変化でバチパターンがあるかも!?」

鈴木さんが目指す釣り場は、干潟の中を走る船道。
「深く掘れていて、流れが出ます。下げで干潟から落ちる潮の流れが合流して、流れの変化も出やすいですからね」。
入水地点から徒歩10分ほどで船道のブレイク手前にたどり着く。移動中に鈴木さんは吉兆を発見。
「途中でバチが抜けていましたね。15cmくらいでわりと大きめ。数は少なく、ちょうど良い。バチが大量に流れて飽食しているときは、喰わせづらい。今夜は船道の流れの変化でバチパターンがあるかもしれないですね」。
ルアーはバチを意識して、スタッガリングスイマー 100S AR-Cをチョイス。
「流れの向きと風向きが同じで流れが速そうなのと、アップクロスでもダウンクロスでもラインが横風を受ける。ある程度の重量と水噛みがないと、ルアーの操作感が得られず、位置を把握しづらい。何をやってるのかわからない状態になりますからね」。

鈴木さんの予感とルアーセレクトが的中し、何と1投目にシーバスがバイト!

ヒットルアー

スタッガリングスイマー 100S AR-C

エクスセンス スタッガリングスイマー 100S AR-C

[品番] XL-210Q (100mm/14.5グラム/シンキング) [カラー] 8色
[本体価格] 1,850円

遠投して重みを感じながら
ゆっくり巻いてバイト!

アップクロス気味に沖に遠投。飛距離は70m弱。
「流れがかなり重い。重みを感じ、流しながらゆっくり巻いていたらモゾモゾッとバチを喰ってるシーバス特有のアタリが出ました。ちょっと細めですけど、きれいなシーバスです」。
夜の干潟の1投目で70cm弱をキャッチ!

キーは操作感が得やすいシンキングペンシル

流れの変化をサーチし再現性のある釣りを目指す

1投目のアタリからバチパターンの可能性がさらに高まる。
「今度はバチパターンをもっと意識して、ダウンクロスで潮に乗せてゆっくり流してみます。流れが速くて重く、風も強いので、ルアーは水噛みの良いスライドアサシン。水面付近を漂わせるように流します」。
ルアーを替えると、またしても1投目にバイト。2尾目はサイズは落ちるのの、やはりギンピカなシーバスだ。
「やっぱりグーッと重くなるバチを喰っているようなアタリ。今度はもっとバチっぽくトライデント90Sを試してみます」。
だが、3投目以降はアタリが消える。
「強い横風にラインが引っ張られて、ルアーがどこにあるかわからない。トライデント90Sは飛距離は出るけど、今の状況ではスーッと水を抜けすぎてしまいますね」。
何をしているかわからない状態?
「そう。シンキングペンシルでもある程度抵抗を感じて、流れの緩むところなど流れの変化を探したいですからね。そこが喰わせどころで、再現性のある釣りができます」。

ヒットルアー

エクスセンス スライドアサシン 100S X AR-C

エクスセンス スライドアサシン 100S X AR-C

[品番] XL-210R (100mm/23グラム/シンキング) [カラー] 12色
[本体価格] 2,000円

風にラインが引っ張られても表層をスローに探れる

「スライドアサシンは水噛みが良いから、風が強くても表層を漂わせるように流しやすい。1投目のスタッガリングスイマーもそうですけど、遠投して流れの筋で漂わせると引っ張られる感じで重い。2尾とも流れの緩みなどの変化ではなく、いきなりドカーンッときました。まだ再現性のあるパターンとは言えませんね」。

流れの変化が乏しく、魚影も薄いと判断

シンキングペンシルの“操作感”と“存在感”が
再現性を導き出す

流れが緩む喰わせどころをサーチするための次の手は、トライデント115S。
「スタッガリングスイマーもスライドアサシンも流れが速く、風が強い中でも巻き感があって、この2つは釣れました。トライデント115Sは、90Sより9gも重い自重20g。ウェイトがあるから横風に吹かれてもラインを張って操作感が得やすい。船道は全体的に流れていて、巻きながらずーっと重い。流れが緩むところがないですね・・・、と言ってたら喰いました!」。
ルアーを替えると三度の1投目ヒット。ファーストインパクトが効いている!?
「今度は手前のブレイク付近で喰いました。アタリが出るところはバラバラで、ルアーのアピール力が効いているんだと思います。バチはたまにしか流れず、流れの変化がないからたまる感じでもない。シーバスが流れの変化で縦列駐車するようにかたまっているのではなく、ピンで点在。操作感のあるシンキングペンシルを流れに漂わせつつ、ルアーの存在にシーバスが気づけばバイトするイメージですね」。
狙いどころが絞れない状況?
「本来なら流れのヨレ、緩みなどの変化にバチがたまり、シーバスが付きます。例えば潮目があれば、潮目に入った瞬間や抜けた直後にアタリが出ることが多い。春が深まるほど湾奥の水温が上がって、シーバスの個体数が増えて活性も上がるので、もっとイージーに釣れます。イワシやイナっ子が入ればミノーも効く。ミノーの釣りもディアルーナS90MLで楽しめますからね」。

ヒットルアー

エクスセンス トライデント 115S AR-C

エクスセンス トライデント 115S AR-C

[品番] XL-205N (115mm/20g/シンキング) [カラー] 12色
[本体価格] 2,150円

戦略に合わせたロッドで5バイト4キャッチの高捕獲率!

3尾目(写真)を釣った後、トライデント 115S AR-Cで50cmクラスを1尾追加するが、北風が強まり開始から2時間ほどで止む無く実釣を切り上げる。
強風下、シーバスが点在という難しい状況で、5バイト4キャッチの高捕獲率をみせた。「ディアルーナ S90MLは魚の乗りも良いです。強風でも操作感と存在感のあるシンキングペンシルで、ある程度再現性が出せたので楽しめました」。

干潟のバチ抜けパターンは流れの変化を狙うのが基本

本来は流れのヨレやタルミ、潮目などに流れてきたバチがたまり、シーバスが付く。「実釣時は流れが太く、流れの変化らしい変化はなし。シーバスは点在する状況で、適度にアピール力のあるシンキングペンシルが効きました。3尾目を釣ったブレイクの際も喰わせやすいスポットです」

Impression of New DIALUNA
「軽くて、強くて、シャープ。基本性能の進化を実感」

実釣を終えて、改めてフルモデルチェンジされたディアルーナの使用感を。
「手にしたときの軽さ、投げたときの振り抜きの良さ、シャキッとしたシャープさがさらに良くなりましたね。マッスルカーボンを採用することで、前作より10%以上軽量化されているにも関わらず、鋭さや強度が上がっているのを感じます。軽量化によって感度も上がっています」。
ロッドの性能がトータルで上がっている?!?
「基本性能が進化して、上位機種に肉薄しています。あと、前作同様、豊富なバリエーションもディアルーナの魅力です。軽量化によって感度も上がっています」。
スピニングは15機種、ベイトは3機種あります。鈴木さんならどう使います?!?
「ディアルーナはクセのないベーシックなロッドなので、今回のように釣り場のシチュエーションや、使うルアーに合わせて選ぶのが基本。例えば大規模河川がホームで、専用の高価なロッドを持っている。でも、たまには磯にも行くけど、大河川で使うロッドではちょっと物足りない。そういうときにディアルーナのMやMHパワーを選ぶとか。色々なタイプの釣り場に行く人は、メインロッドとして、ディアルーナを複数本持つのもありです。それが可能な性能と価格帯ですからね」。 では磯で使うとしたら?大規模河川で使うとしたら?鈴木さんのシチュエーション別おすすめの一本は次のとおり。

メインでもサブでも使えます

鈴木さん推奨 シチュエーション別ディアルーナセレクト例

  • 【磯】磯マルならS110M。磯ヒラならMHクラス

    「磯マルならS110Mで十分対応できるでしょうね。レングスがあって飛距離が出て、トレースコースもコントロールしやすい。磯ヒラならMHクラス。硬めでパワーがあります。S96MH、S100MH、S106MHの3アイテムあり、ヒラメやショアジギングにも使えます」。

  • 【大規模河川】S96Mで流れに潜むランカーを狙う

    「川幅が100mを超えるような大河川なら、今回サーフで使ったS96Mが良いでしょう。飛距離が出て、ティップが軟らかすぎないから、流れの中でルアーをコントロールしやすい。バットパワーがあり流れの中でランカーをかけてもむやみに走られることなくファイトできます」。

  • 【サーフ】ミノー主体ならS106M、強風時はS96MHもあり

    「今回はサーフでバイブレーションの速巻きをメインにしたのでS96M。12〜14cmのミノー中心ならS106Mも良いです。飛距離が出て、ティップの高さでレンジ調整しやすい。ヒラメにも使えます。強風時はバシッと鋭く振り抜くほうが飛距離が出るので、S96MHという選択もありです」。

  • 【港湾】バチ抜けパターンはS86L-Sで喰い込み重視

    「良く行く釣り場のシチュエーションや、使用頻度の高いルアー、釣れる魚のサイズによって、L、Mクラスの中から適した一本が見つかるはずです。バチ抜けパターンなど捕食時の吸い込みが弱く、喰い込みを重視したいときは、しなやかで強いソリッドティップのタフテックを搭載したS86-Lです」。

Impression of New EXSENCE CI4+
「防水性が高くウェーディングで安心して使えます」

リールは、2018年春にリリースされた新型エクスセンスCI4+を使用。
「今回初めて使いましたけど、まずCI4+の特徴である軽さ。軽量化されたディアルーナとバランス的にも合っています。巻きごこちも滑らかだし、ボディの剛性も十分。ドラグもスムーズに効く。特筆すべきは、CI4+と名の付くリールに初めて採用されたXプロテクト。防水性が非常に優れています。タックルが水面に近いウェーディングゲームで安心して使えます。上位機種に迫る機能で、ルックスもダークガンメタカラーでカッコいい。これで3万円代後半。価格的にもディアルーナとバランスが良いですよね」

Impression of PITBULL 12
「ラインの表面が滑らか。飛距離が出て水中を把握しやすい」

「ピットブル12は適度なコシがあって、投げやすく、扱いやすく、強いPEラインです。12本編みで非常に密に編み込まれているのでライン表面が滑らか。要は1号以上の太号数でも表面の凸凹が少ない。キャスト時はガイド当たりが減って飛距離を伸ばし、リトリーブ時はガイド鳴りを減らします。表面が滑らかということは水の抵抗も減って、ルアーが伝える水中の情報をより多く感知しやすいです」。

タックルデータ

干潟ナイトゲーム(左)

サーフデイゲーム(右・前編)

※リール、ライン、リーダーは同左