聖地 東京湾 戦略的ロッドセレクトで獲る春のシーバス 【前編】

かすみたなびく陽春の海は、シ ーバスの気配が増すばかり。「春はベイトの種類も数も増えますからね。そのぶん、釣れる場所や釣り方の幅が広がる。適材適所のルアーセレクトと、それをストレスなく操作できるロッドが求められます」。早春の実釣から鈴木さんの戦略的なロッドセレクトによるシーバス攻略に迫る!

フィールド紹介 / 東京湾

東京湾は、日本有数の魚影の濃さを誇るシーバスフィールド。神奈川、東京、千葉にまたがる湾岸線は干潟、港湾、サーフ、河川など釣り場タイプが豊富で、入門者もエキスパートも、日中も夜も楽しめる懐の深さが魅力だ。

鈴木 斉

すずき・ひとし 茨城県出身、在住。ショア、オフショアを問わず、シーバスからマグロまで幅広い釣種に精通するソルトゲームのエキスパート。結果だけでなくプロセスにもこだわり、釣りの魅力を発信し続けるプロアングラーだ。

早春のシーバスの動きとフィールドの状況

前日の南風から天候急変。寒の戻りがシーバスの動きを鈍らせる

実釣は早春。水温む春にはまだ早い時季だ。例年の東京湾のシーバスの動きは?
「12月から1月の産卵で湾奥から出ていたシーバスが戻って、エサをとって回復傾向にあります。まだ太ってはいないけど魚体はきれいですね。とはいえ、まだ水温は低い。春の三寒四温で魚の動きが天候に左右されやすく、難しい時季でもあります。今回もどうなることやら…」
鈴木さんがつのらせる不安の原因は、天候の急変だ。
「前夜まで南寄りの大風が吹いて、温かい雨も降りました。ところが今朝から急に冬型の気圧配置に変わり、強い北風が吹いている。 急激な寒さでベイトフィッシュが岸から遠のいて、それに付くシーバスも沖に出る可能性があります」
実釣は、寒の戻りに当たってしまった。
「早春は暖かい日が続くと水温が上がり、ベイトの動きが活発になって、シーバスの活性が上がりやすいですからね」

ベイトによって釣り場のシチュエーションが変わる春

小魚、バチ、アミ…何を捕食するかでシーバスは動く

春の湾奥のベイトは?
「イナっ子やチアユ、ハゼなどの小魚系に、アミ、バチなどですね。水温が上がればイワシも接岸してきます。春が深まるほど、ベイトの種類も数も増えて、捕食するベイトによって狙う場所も変わってきます」
今回はデイゲームでサーフを釣り場に選択。その理由は?
「まだ、シーズンの走りなのでベイトが少ない。例年の実績でいうと4、5cmのボラの稚魚が群れをなしてサーフ沿いを回遊している場所なんです」
小魚を捕食するシーバスを狙う?
「そう。日中なのでバイブレーションの速巻きなどリアクション系の釣り方で。ただ、今は沖の海面で鳥が休んでますね」
鳥が休んでいるということは?
「ベイトっ気がない。釣れるときは、沖で鳥が飛んでますからね」
昼の干潮前後を狙った実釣は、静かなスタートを切った。
「下げは厳しそう。ベイトフィッシュが(岸寄りに)入ってきやすい干潮から上げ潮に期待するしかないですね」

サーフ×デイゲーム リアクション狙い

バイブレーションを遠投して速巻き 泳層をコントロールしやすいロッドがキー

日中はリアクション狙いの釣り。春は「適材適所のルアーセレクトとそれをストレスなく操作できるロッドが求められます」という鈴木さんが手にするのは、フルモデルチェンジされたディアルーナだ。

「新しいディアルーナは、軽くてシャープで、すごく振り抜けが良い。価格的にはポピュラークラスですけど、機能的にはワンランク上。僕自身、メインロッドで使っても良いくらいの仕上がりです」

今回、なぜディアルーナで実釣を?
「ディアルーナシリーズは、クセのないスタンダードなモデルでラインナップが豊富なんです。春はベイトの種類によって居場所が変わり、ルアーも釣り方も変わるんですけど、それに対応したロッドセレクトができます」
リアクション狙いでは何を選択?
「S96Mです。釣り場は浅いサーフ。使うルアーは、リアクション狙いなのでバイブレーションなど重め。広範囲を探りたいので遠投が必要。ロッドはレングスがあって、ある程度ティップに張りがないと、ボトムを叩きすぎてしまう。S96Mは、バイブレーションを速巻きしてもティップが入りすぎず、ティップの高さでレンジをコントロールしやすい。遠投できて、遠くのバイトをしっかりアワせるパワーとフッキングストロークも持ち合わせています」

ディアルーナ S96M
大場所に向くパワーオールラウンドモデル

「S96Mは、小型バイブレーションから14cmクラスのミノーまで幅広いルアーが操作しやすく、遠投性も高い。サーフ、大規模河川、堤防など大場所に向く強めのオールラウンドモデルです。ティップは適度な張りと繊細さを両立しているので、ナイトゲームでスライドアサシンやゴリアテHiを流しながら巻いて、流れの変化をとらえるような感覚的な釣りにも対応できます」

鈴木さんが選ぶディアルーナS96M適合ルアー例

右から

サルベージソリッド60ES
サルベージソリッド70ES
サルベージ60ES
スライドアサシン100S X AR-C
サイレントアサシン99F AR-C
ゴリアテHi125F X AR-C

天候の急変でベイトの気配が薄いサーフ

遠投と手返しの良さで数少ないチャンスをものにする!

昨夜の大荒れの天候による濁りの帯が、下げ潮と追い風によって沖に広がる。
「濁りの帯と澄んだ潮の境目が、届く範囲に入らないと厳しいかな。下げ潮は全体的に流れていて変化がないですね。やっぱり上げに入って、ブレイクを回遊するシーバスを当てにいくしかない。ベイトっ気がないんで、チャンスはそう多くはないと思いますけど」
数少ないチャンスをものにするには?
「数多く撃つことと、ボトムを叩きすぎないこと。ボトムのエサを拾い喰いしているわけではないですからね。中層からボトム付近を泳ぐシーバスの目の前を通すイメージで速巻きします」
干潮間際で潮位が下がると、それまで使っていたサルベージソリッド60ESからサイレントアサシン80Sに替えて表層を探るが反応はなく、再びバイブレーションのサルベージ60ESに交換。
「ベイトフィッシュが居るときは、サイレントアサシン80Sなど小型ミノーの実績も高いんですが、今はその雰囲気はない。バイブレーション系で押し通して、より浅いレンジが引けるサルベージ60ESで。ただ、ウェーディング中に足を動かすと、底のほうからフワフワとアミが湧いてくる。カラーはアミを意識してウォータークリア。アミを喰っているわけではないと思いますけど、小魚も居ないのでベイトフィッシュ系カラーでもないかな、と。クリアはアミっぽくも見せられるし、光の加減でフラッシングしてリアクションも誘えますからね」

深く立ち込み、沖のカケアガリを重点的に探る

上げ潮にのってきたシーバスにルアーを届け、必然の1尾を手にする

「レンジは水面下7、80cmからボトム付近まで。レンジを刻みながら探っていますが、反応はないですね」

上げ潮に入ってもシーバスの気配はない。
「サルベージ60ESは潮位が低くてもボトムを叩きすぎずに通せるので、そのうちシーバスの回遊とリンクして喰うはずです」
鈴木さんは安全に配慮して深く立ち込み、遠投して沖のカケアガリ付近を重点的に狙う。強い追い風の影響もあり、その飛距離は60mを超える。
「それにしてもS96Mは飛びますね。濁りの帯の境目はまだ先ですけど、シーバスが動くとしたらカケアガリ沿い。ティップの高さを調整しながら、ボトムと平行に引くようにしています。また、ティップの頼りなさがないからレンジコントロールがしやすいです」
遠投と繊細なレンジ調整で上げはじめの2時間を探るが、シーバスと出くわすことはない。
「厳しいですね。あと10分。15時になったら一旦上がりましょう」
鈴木さんは渾身のキャストで飛距離を伸ばす。その2投目に待望の魚信が!
「すごい沖で喰った。巻きはじめたらすぐにグングンッと」
遠くのバイトもしっかりフッキングが決まり、エラ洗いと同時に魚の頭をこちらに向けると、63cmのシーバスに一寸たりとも主導権を与えずキャッチ。
「ディアルーナS96Mは、パワーもありますね。たまたま上げ潮にのって入ってきたシーバスの目の前を通って喰ったんだと思います。1尾しか居ないわけじゃないでしょうけど、ベイトっ気もないし、魚影は薄そう。1尾出たので、ナイトゲームに備えて、少し休憩しましょう。夜は干潟で釣りをします」

たまたまと鈴木さんは謙遜するが、寒の戻りという難しい状況に適したルアーとロッドを選んで獲った必然の1尾だ。そして干潟のナイトゲームでは、どんな釣りを展開するのか?

後編に続く

沖のカケアガリ沿いを速巻きでトレース

波打ち際から一つめのヨブ(海底の起伏)を超えて砂底の隆起部に立ち、沖のヨブのカケアガリを狙う。「シーバスは上げ潮にのって岸に近づき、沖のカケアガリ沿いを回遊」と読み、サルベージ60ESを沖のカケアガリの先に遠投。速巻きでリアクションバイトを引き出す。

ヒットルアー

エクスセンス サルベージ60ES

【使用タックル】
サーフで遠投対応の軽くてシャープでタフなセッティング

「新しいディアルーナは、よりシャキッとシャープな印象。このクラス(本体価格3万円前後)のロッドにありがちな振り切った後のボニョンとしたダルさ、鈍さがなく、エキスパートの方も納得の使用感だと思います。リールは新型のエクスセンスCI4+。カラーリングがカッコいいですよね。軽さが特徴のCI4+シリーズに初めてXプロテクトを採用して防水性も優れている。下から水を受けることもあるウェーディングゲームで安心して使えます」