対馬ロックショアゲーム釣行【後編】

台風通過直後のウネリで、シーズン尚早のヒラスズキにチャンスの芽が出て、さらにとの
2魚種をターゲットに設定した今回の釣行。2日目はヒラフッコの2桁釣果が出たが、
サイズが上がらない。3日目以降はヒラスズキのサイズアップとヒラマサを狙って、
鈴木さんは磯を歩き、ロッドを振る。

フィールド紹介 / 対馬(長崎県)

九州の北西部の対馬海峡に浮かぶ島。韓国まで直線距離で50kmを切る国境の島として知られている。
南北に約82kmと細長い島は、複雑な海岸線を形成。対馬暖流の影響で、青物、ヒラスズキ、アオリイカ、根魚類など魚種が豊富で、遠征地としても人気の島だ。

鈴木 斉

すずき・ひとし 茨城県出身、在住。シーバスからオフショアまで幅広いターゲットに精通するソルトゲームのエキスパート。磯のキャスティングゲームは得意釣種の一つで、対馬は車中泊で釣り込むなど、実釣経験豊富でフィールドを熟知している。

DAY3 朝マヅメ、ウネリが落ちる前の最後の好機にランカー磯ヒラを狙う

磯周りから沖に戻る前の大型ヒラスズキに照準を合わせる

初日は、台風通過直後の交通機関の乱れから対馬入りが遅れサオを出せず。2日目から実釣がスタートし、50cm前後のヒラフッコ13尾をキャッチ&リリース。数は出た。
「台風の恩恵ですね。ウネリでサラシが出た。ただ、魚のサイズが小さい。それが、水温が高いせいなのか、釣りをした場所の問題なのか、わかりません。夜、ランカーは浅い磯周りに上がって、朝になると沖に戻っている可能性があるので、朝マヅメはサイズアップのチャンスがあると思う。ウネリはどんどん落ちる方向なので、ヒラスズキ狙いは今朝が最後のチャンスになるかもしれません」。
釣り場は、2日目に下見をした島北西部の平磯。昨日はウネリがきつすぎて立てなかった場所だ。辺りが明るくなりはじめる6時過ぎに実釣開始。
「ウネリが落ちて、今朝は釣りができますね。ただ、満潮が5時すぎで潮がどんどん上がっていて、釣り場に立てなくなる。早くランカーを釣って、ヒラマサ狙いにシフトしたいですね」。

大きな沈み根の際をタイトに攻めてランカーを引きずり出す

小さなスリットは小型が反応し、見切る

釣り場は、鈴木さんの立ち位置の沖30~40mに大きな沈み根があり、左右にもスリットや沈み根が点在しサラシが発生。ルアーはサイレントアサシン140F AR-Cを選択。
「活性が高い朝イチの魚に、いち早くルアーに気づかせるために泳ぎの立ち上がりが早くて、アピール力のあるフローティングミノー。波は正面から来て、沖の沈み根の右側に良いサラシが出ているんですけど、アタりませんね」。
次に左側のスリット周りのサラシに投げると、40cmにも満たないヒラセイゴがヒット。実釣2日目の既視感が漂う。
「この魚を釣る前に65cmくらいのチェイスがありました。魚っ気はあります。(立ち位置の)両サイドのサラシは浅くて、スリットなどの変化も小規模。やっぱりでかいのが居るとしたら、沖の大きなシモリですね。シモリの際をもっとタイトに狙ってみます」。

沈み根の際にサイレントアサシン140F AR-Cを落とし、一気にグッと潜らせると、瞬間的な衝撃と同時にワイルドコンタクト1100が重量感のある引きで大きく弧を描く。サラシでエラ洗いする魚体は、遠目でもでかい。鈴木さんは沈み根にラインが擦れないように、魚の引きをいなしながら釣り人が有利な位置へと誘導し、フィッシュグリップを入れた。82cm。狙いどおり、朝マヅメの短時間でランカーをキャッチした。

ヒラスズキはサラシが絡む変化に付く。
その規模が大きいほど大型が潜みやすい

「ヒラスズキはサラシの中を泳いでいるのではなく、サラシが絡む沈み根や磯際のえぐれなどに潜んで、波に揉まれるベイトを待ち伏せしていることが多いです。深さ30cm程度の小規模なスリットでは、大型は身を隠せない。大きな変化ほど、80cmを超えるランカーが付きやすいです」。

大きな沈み根際をタイトに攻める
ルアーセレクトが奏功

沖の沈み根際をタイトに攻めた鈴木さんの正確なアプローチも、ランカー捕獲の大きな要因だ。「それを可能にするのは、まずルアーの飛行性能。サイレントアサシンはAR-C重心移動システムのおかげで、風が吹いても空中で姿勢が乱れにくく、アキュラシーが高い。また、巻きはじめるとすぐに泳ぎだして動きが大きいからアピール力もある。ピンスポットに付く活性の高いヒラスズキを攻略しやすいです」。

薄いサラシの中に見える根の際から68cmを追加

「足元から15mくらい沖にテーブル上の根があって、際がえぐれている。そこから出てきました。サラシが薄いから変化が見え、喰わせることができました。サラシだけを狙ってもなかなか釣れない。昨日、数が出たのもサラシプラス水中の変化を狙っていたからです」。

ヒットルアー

エクスセンス サイレントアサシン 140F AR-C

[品番] XM-140N(140mm/23g/フローティング) [本体価格] 2,200円

秋は青物狙いのロックショアゲームの好シーズン。ヒラマサは出るか!?

懸念されるのは台風通過で荒れていた海

ヒラスズキは、80cmオーバーを釣り任務遂行。次のターゲットは、磯から狙うヒラマサだ。実釣時間は明日の夕方まで。残された時間は一日半と少ない。
「本来ならヒラマサのほうが、この時季は簡単に釣れるんですけどね。時季的にも秋はハイシーズンで、1月頃まで狙えます。水温16℃から25℃位あれば、年間通じてチャンスはありますからね」。
1月後半から3月の最低水温期以外は釣れる。なぜ、釣り場は磯なんですか?
「根に付くヒラマサを狙うからです。磯周りのほうが根は多いですよね。理想は、海が穏やかで安定した日が続くと、ベイトフィッシュが岸に寄りやすい。ヒラマサの活性が上がって、釣りやすくなります。今回は台風が通過したばかりで、海が荒れた状態が続いた。そこだけが気がかりです」。
確かに磯のヒラスズキ釣りでは、磯際にベイトフィッシュの気配はなかった。
「ただ、沖にハガツオ漁の船団がある。ちょっと沖にはベイトがいるということ。周辺にベイトが居るというのは、プラス要素です」。

居付きと回遊が狙える磯の岬周りで青物をダイビングペンシルで誘い出す

ダイビングペンシルの釣りは日中もチャンスがある

ヒラマサ狙いの釣り場は、対馬南東部に大きく移動した磯の岬周りだ。ヒラマサの実績が高いポイントらしい。
「ベイトが出入りしやすい湾があって、その入り口にある岬。深場に隣接していて、潮通しも良いです。根も点在しています」。
こういった条件がそろうところが、ヒラマサ狙いの釣り場になる?
「岬に周りに根があれば、ヒラマサが居付きやすいし、深場隣接でブレイクがあって潮通しが良ければ、回遊してくるヒラマサやブリがいますからね」。
朝マヅメにヒラスズキを狙った島北西部から島南東部へは、車で約2時間。ヒラマサ狙い開始時刻は11時近くになろうとしていた。
「満潮潮止まり前。潮変わりのワンチャンスにかけます。ダイビングペンシルによる誘い出しの釣りは、朝夕マヅメ以外にも潮が流れたり、流れが変化するタイミングはチャンスですからね」。

【磯のヒラマサ狙いの釣り場の条件】
湾に隣接し、沈み根が点在する潮通しの
良い岬周り

潮通しの良い磯の岬周りで、ヒラマサが付く沈み根がマスト。岬脇に湾があればベイトフィッシュが出入りしやすい。「磯の岬周りは、基本的には深場に隣接して潮通しが良いところが多い。水深は極端に深くなくても良く、7、8mあれば十分出ます」。

【磯のヒラマサ狙いの時合】
朝夕マヅメや潮が動くタイミングが好機

「朝夕マヅメは、ベイトが浮きやすく湾を出入りするために動くので、青物の活性が上がりやすい。それ以外にも潮が動くタイミングもチャンス。潮が流れはじめたり、流れがヨレたりする流れの変化。あるいは潮目が寄ってくるなど、とくに“誘い出し”は、日中でも潮のタイミングで釣れることが多いです」。

【磯のヒラマサ狙いのメソッド】
ダイビングペンシルの飛沫、音、泡、波動で青物を誘い出す

「青物がボイルしていて届くなら、ミノーやシンペンのほうが効果的。スライドアサシン100S X AR-Cも効きます。距離的に届かなければメタルジグを水面付近でスキッピングさせるとか。でもダイビングペンシルは、これらのルアーとはちょっと異質です」。

異質というのは?
「もちろん、ボイルしている青物も喰いますが、ヒラマサがボトムの根周りに付いて、捕食態勢ではなくても喰わせることができる。それが“誘い出し”です。水面のダイビングペンシルをジャークすると、水面直下にダイブ。ダイブするときの飛沫と音。ダイブしてからの波動や水中で後を引く泡が、ボトム付近のヒラマサにアピールしてスイッチを入れ、水面付近まで誘き出して喰わせます。チェイスや喰う瞬間が見える非常にエキサイティングな釣りです」。

使用ルアー

オシア ペンシル 160F AR-C

[品番] PB-160Q(160mm/65g/フローティング) [本体価格] 3,000円

機敏なアクションと泡で誘いながらサーチ

「AR-C重心移動システムを搭載して、飛距離が出る。ワンサイズ下の150F並みにアクションの立ち上がりが早い。機敏に動かしやすく、ダイブ時は泡を多く噛むので、水面から水面直下でのアピール力が強いタイプです」。

オシア ドリームチューン 160F

[品番] OT-160Q(160mm/63g/フローティング) [本体価格] 3,000円

水面に出にくいときは水面直下にダイブで喰わせる

「ウェイトのバランスがテールヘビーでよく飛びます。オシアペンシル160F AR-Cより深くダイブするので、オシアペンシルに反応がないときや、飛距離を出して水面直下に潜らせて喰わせたいときに使います」。

【ダイビングペンシルの使い方】
泡をまとわせながら潮に絡ませるように
ジャーク

「ダイビングペンシルは、ジャークしてダイビングさせますが、波のピッチや潮の流れに合わせて、水面を転がったり、潜りすぎないようにジャークの強さ、振り幅を調整します。基本は泡をまとわせながら潮に絡むようにロッドを引いてジャーク。ロッドを戻しながら糸フケを巻いて、再浮上。ダイビングと浮上を繰り返します」。

“誘い出し”は成功。だが喰いが浅くフックアウト・・・
ヒラマサの活性は低い!?

魚種や反応の有無でルアーやアクションを変えてアプローチ

「ウネリもないし、台風通過後のわりには潮も澄んでいる。悪くはなさそうです」。大海原にオシアペンシル160FAR-Cを投げ、黙々とジャークを繰り返すが、魚の反応がない。だが沖の泡だまりをともなう潮目が寄ってくると状況が変わった。

「チェイス、チェイス!喰わないか…。もじゃもじゃ戯れるように付いてきたので、おそらくイナダ、ワラサでしょうね。潮止まり前の流れがダラーッとしたときでも出るのがブリ系。潮が走り出したり、流れの緩みはじめに出やすいのがヒラマサという傾向があります。喰い切らなかったので、ちょっと下に入るドリームチューンに替えます」。

だが、ルアーを替えても反応はなく、オシアペンシル160F AR-Cに戻して潮目にクロスするように通すと、バシャッと魚が反応。
「今の鋭い出方はヒラマサっぽいですね。出たところは、その付近のボトムに付いている可能性がある」。次のキャストでは、反応があった付近でスピードを落とし、細かいピッチで泡をまとわせながらダイブを繰り返すとバシャッと飛沫が上がる。

一瞬、間を置いて鈴木さんはフッキング。
ロッドのコルトスナイパー エクスチューンが曲がる。
「きましたよ。これはヒラマサでしょ」。

海中にせり出す磯にラインが擦れないように磯際に出て、ファイトの体勢を整えようとするとロッドから重みが消えた。
「外れた…しっかりフッキングしたんですけど、喰いが浅かったのかな。魚の反応も少ないし、活性は低そうですね」。台風で荒れた後の影響が残っているのか。その後、夕マヅメまで可能性のある磯を回るが、魚の反応はなかった。

DAY4 島南部は潮が変わり一夜で水温急低下。
時間ロスだが北部へ移動を決断

懸念が現実に。
台風で荒れた海がヒラマサ狙いを難しくした

最終日。残された時間は夕方まで。朝マヅメは、前日にヒラマサをバラした岬に入る。開始して30分。魚の反応はない。
「鳥もいないし、ベイトフィッシュの気配がないですね。昨日の上げ潮とは流れの向きが逆になって、澄んでいた潮が緑がかっている。潮が変わったみたいですね」。
鈴木さんは回収したルアーを手に取る。
「やっぱり冷たい。昨日より水温が2℃くらい低い。潮の急変は良くない。全体的に水温が高かった島北部に移動しましょう」。
車を走らせること約2時間。一気に北上し、湾を控えた磯の岬先端周りを手掛かりに南下しながら探るプランだ。
「北のほうが海は温かいですね。ただ、北にもベイトフィッシュが居ないですね」。
昨日見たハガツオ漁の船団も見当たらない。鈴木さんが知る実績場も、潮が通っていないなど、好条件がかみ合わず、磯を3ヶ所回る頃には夕マヅメ近くになっていた。
「ここが最後になります」。
対馬最北部から直線距離で約30km南下した奥の深い入江の入り口にある磯の岬先端だ。ハエ根が沖へ伸び、ヒラマサが付く条件はそろっている。
「魚が付いていれば、すぐ反応するはず」。
その1投目に魚がオシアペンシル160F AR-Cにアタック。だがフッキングまでには至らない。
「ヒラマサ。10kg近くありました。潮もきいていないし、ここまで南下すると水温が下がって、上まで出切らない。(ルアーまで)頭一つのところで反転して戻りました」。
その一度きりで反応は続かず、今回の対馬ロックショアゲームは幕を引いた。
「台風の恩恵でシーズン外れでもヒラスズキは釣れました。逆に台風の影響でシーズン的には良いはずのヒラマサで苦戦。でも、このまま海が安定すれば、またヒラマサが釣れだす。ロックショアゲームは、荒れても凪でも楽しめるということですね。今回とは逆の安定した海況から荒れなら、ヒラマサを獲ってからヒラスズキ。そのほうが可能性は高いかもしれませんね」。

【ヒラスズキ使用タックル】
飛沫がかかりやすい平磯でもTPXDなら
安心して使える

「ワイルドコンタクト1100は、磯のヒラスズキにも対応したパワーのあるロッドですが、ティップが繊細で小型ルアーが扱いやすい。波飛沫を浴びやすい平磯でも、防水性の高いツインパワーXDは安心して使えます。巻く力も強いので、強引なファイトもしやすいです」。

【ヒラマサ使用タックル】
長めのロッドでワイドなストロークに対応

「品番のPSはプラッギングスペシャルの略で、ジャークでティップがしなやかに追従し、ダイビングペンシルを潮に絡ませるように操作しやすいです。シリーズ最長モデルで足場の高い磯でも使いやすく、より振り幅の広いストロークで操作できる。アクションのバリエーションが増やせます。ラインは300m。リーダーは3ヒロです」。

タックルデータ