対馬ロックショアゲーム釣行【前編】

ロックショアゲームは、磯からキャスティングで青物やヒラスズキを狙うルアーフィッシングだ。「青物とヒラスズキは釣れる条件が違いますが、今回はチャンスがありそうなので、両方狙います」。そう思わせる理由とは? 豊かな対馬の海で一石二鳥のFun to Fish! なるか。それとも二兎追うものは…の憂き目にあうのか!? 実釣に注目だ。

フィールド紹介 / 対馬(長崎県)

九州の北西部の対馬海峡に浮かぶ島。韓国まで直線距離で50kmを切る国境の島として知られている。
南北に約82kmと細長い島は、複雑な海岸線を形成。対馬暖流の影響で、青物、ヒラスズキ、アオリイカ、根魚類など魚種が豊富で、遠征地としても人気の島だ。

鈴木 斉

すずき・ひとし 茨城県出身、在住。シーバスからマグロまで旬のターゲットを狙って全国を釣り歩くプロアングラー。磯のキャスティングゲームは得意ジャンルの一つで、対馬は長期間の遠征で釣り込み、実釣経験豊富で釣り場を熟知している。

DAY1 季節外れの台風通過で実釣プランを構築

台風直後の磯に交錯する期待と不安

実釣は秋。二週続けて本州に上陸した台風通過直後で、九州各地から対馬に渡る交通機関は乱れ、現地入りが夕方近くになってしまった。
「台風通過直後だから仕方がないです。明日の朝マヅメからきっちり撃ちましょう。台風の恩恵もありますからね」。
台風がプラス要素に?
「今の時季はまだ水温が高すぎて、普段なら対馬にヒラスズキを狙いにきません。でも、今回は台風のウネリが残る間はサラシが出て、期待が持てそうです。ただ、心配なこともあります」。
ウネリが高すぎて磯に立てないとか?
「いや、それは場所選びでカバーできますが、もう一つのターゲット、青物です。メインはヒラマサで、ウネリが落ちたらヒラマサ狙いに切り替えますけど、本来は海況が安定して、ベイトフィッシュが接岸しやすい状況が釣りやすい。季節外れの台風が二週続けてきて、海が荒れた状態が続いていたのでベイトフィッシュが沖に出て、潮も変わってしまうかもしれない。そうなるとヒラマサの活性が下がって、釣るのが難しくなってしまいますからね。魚のコンディションは、明日、釣り場に立てばわかるはずです」。

対馬ロックショアゲームのターゲット

  • ヒラスズキ

    「対馬の場合、時季的には晩秋から初冬に気温が10℃を下回って、寒く感じる頃が釣りやすい。地形的にも対馬西岸はヒラスズキが付きやすい平磯が多く、北西風が吹く季節はサラシが発生しやすい。サラシとベイトフィッシュが絡めば、釣れる確率が上がります」。

  • ヒラマサ

    「1月下旬から3月の最低水温期は釣るのが難しくなりますが、ほぼ年間通して狙えるターゲット。ベイトフィッシュが出入りする湾があって、その入り口の岬など潮通しの良い磯が釣り場。沈み根に付くヒラマサにダイビングペンシルでアピールして、水面付近で喰わせる“誘い出し”で狙います」。

DAY2 台風の置き土産のサラシから大型ヒラスズキは出るか!?

高水温でもサラシがヒラスズキを
磯際に誘う

実釣は、空が白みはじめる6時すぎにスタート。
「干潮が4時半で潮がどんどん上げてきます。潮位が高くなる前に磯の先を撃ちたいですからね」。
釣り場は、対馬北西部の平磯。沖に根が点在する。
「ウネリが残ってサラシがある。ゴロタ浜沿いを移動しながら撃っていきます。ランカーを釣るなら朝マヅメがチャンスですからね」。
ルアーはエクスセンス スライドアサシン100S X AR-C。新たにリリースされるシンキングペンシルだ。
「シンキングペンシルなのにすごく水噛み良く、風が強い磯でも使いやすい。潮に馴染ませて漂わせる感じで、沈み根の際などヒラスズキが付きそうなところを通します」。
サラシに揉まれる小魚のようなナチュラルなアクションが功を奏し、実釣開始30分で全長約50cm、体高のある銀ピカのヒラスズキを幸先良く手にした。
「潮が温く感じるくらい水温は高い。時季的には早いですけど、台風通過直後の恩恵で出ましたね」。

ヒットルアー

エクスセンス スライドアサシン100S X AR-C

[自重] 23g [全長] 100mm(シンキング) [カラー] 12色 [本体価格] 2,000円

「ウェイトがあってAR-C搭載。空気抵抗も少なく、逆風を切り裂くように飛びます。ヘッドリップが水を噛んで、ラインが横風に引っ張られてもアクションが安定。喰わせやすいサイズ感も良い。貫通ワイヤーなので磯際で強引なファイトができるし、磯のヒラスズキで武器になります」。

朝マヅメの沖の根周りに出るサラシで大型の気配

日が高くなると50cmクラスのバイトが連発

潮位が上がると立ち位置の後退を余儀なくされるが、沖に頭を出す岩礁周りでもサラシが立つ。
「ベイトフィッシュの気配はないですけど、上げ潮で岸寄りに入ってくるベイトフィッシュもいますからね。それを待ち伏せする沖の根周りに付くヒラスズキを狙います」。
スライドアサシン100S X AR-Cを遠投し、潮に漂わせるように巻くと、1尾目とは明らかに違う重い引き。だが、生命感はすぐに消える。
「外れた。80cmくらいはありそうでした」
その後も70cmクラスが水面直下のスライドアサシンを襲うが喰い損ね、反転して自分のテリトリーへ戻っていく。そして日が昇ると大型の気配は消えるが、同じ攻め方で50cmクラスが4バイト3フィッシュと、小型のヒラは高活性だ。
「水温が高めだから、小型の活性が高いのかもしれませんね。ランカーは夜、磯に入って朝マヅメに抜けて沖に出る感じですね。でかいのを狙うなら、明日の朝マヅメしかない。日中は、明朝に備えてポイントを下見します」。

スライドアサシンだからできる新たな喰わせワザ

トップ、サーフェス系を喰い損ねる魚を
安定したフォールで仕留める

島北西部のいくつかの磯を見て回るが、潮位が上がりサオを出すことはできない。
「鳥も居ない。ベイトフィッシュの気配がないのが気になりますね」。
盛大なサラシが発生するゴロタ浜に着くと、鈴木さんはサオを握った。
「昼の満潮まで2時間。時間がもったいないのでやってみましょう」。
サラシが広がるタイミングでペンシルベイトのエクスセンス ガラスライド110Fをドッグウォークさせると、50cmクラスのヒラスズキが何度かもんどりうって出るがミスバイト。次にサーフェス系のエクスセンス アガケ95F X AR-Cを水面直下で引くが、アタリが出てものらない。
「これだけ水面付近で反応しているのにのらない。10cm前後というルアーのサイズ感は合っているんでしょう。ということで」。
と、鈴木さんが結び替えたのが、スライドアサシン100S X AR-Cだ。なんと、その1投目に結果が出る。
「着水後、漂わせるようにフォーリング。シンキングペンシルらしい喰わせ方で釣れました。普通のシンキングペンシルだと重くても水を噛まないから、ラインが風で引っ張られるとフォールが乱れる。スライドアサシンは、重めで水噛みが良いから姿勢を安定させて落とし込みやすいです」。

水面直下のフォーリングで
バイトを誘発

磯のサラシの荒れた水面で、トップウォーターやサーフェス系など浮力の高いルアーは、ヒラスズキが出ても的が外れたり、ルアーを弾くことも多い。
「小型ほど口が小さく、吸い込みも弱いので、出てもルアーをポンッと弾いてしまうことが多いです。そういうときに水面直下でフォールさせれば、吸い込みやすい。スライドアサシンはヘッドリップが水を噛んで、水面上にラインがたくさん出た状態でも姿勢が安定。漂わせるようにナチュラルなフォーリングできます」。

エクスセンス ガラスライド110F

[品番] XT-111Q(110mm/20g/フローティング)
[カラー] 8色
[本体価格] 1,850円

エクスセンス アガケ95F X AR-C

[自重] 13g [全長]95mm(フローティング)
[カラー] 全12色 [本体価格] 1,950円

エクスセンス スライドアサシン
100S X AR-C

[自重] 23g [全長] 100mm(シンキング)
[カラー] 12色 [本体価格] 2,000円

ランカーはどこに!? サイズアップの謎解きを楽しむ

夕マヅメも小型ヒラスズキが高活性。
ランカー狙いは明朝に賭ける

ヒラスズキ実釣は、50cmクラスがイージーに反応し、昼の満潮潮止まりまでに7尾をキャッチ&リリース。あとはサイズアップを狙うだけだ。下げ潮が動き出す午後のスタートは、朝マヅメに80cmクラスがバイトしたゴロタ場だ。
「朝より波が落ち気味ですね。潮位もまだ高い。移動。ランカーの実績が高い平磯に行ってみます」。
さらに島北西部を北上。細い山道を登っては下り、車による移動とはいえ実釣時間のロスも考慮して動く必要がある。対馬を良く知る鈴木さんは、そこも計算済みだ。
「目的の平磯に着きましたけど、潮位的にはちょうど良い。でも、ここはウネリが高すぎて、磯に立つのは危険。明朝のほうが、ウネリが落ちついて良さそうです」。
明日の朝マヅメのランカー狙いの場所は決まった。
「これから夕マヅメを迎えるので、スライドアサシンのフォーリングで喰わせたゴロタ浜に戻りましょう。魚の気配は一番多かったので」。

夕マヅメなのにサイズダウン明日の朝が勝負です!

現場に着くと午前中より潮位が低く、先まで出て沖に点在する根周りをサイレントアサシン140Fや、スライドアサシンで探ると50cmクラスが好反応。薄暗くなる頃には、この日の釣果は10尾を超えていた。
「デカいのが出ませんね。というより、小型の活性が上がってヒラセイゴクラスもヒット。場所なのか、水温が高いせいなのか。
答えは明日の朝、出るはずです」。

後編に続く

【使用タックル】
小型ルアーが操作しやすいロッドをチョイス

「ワイルドコンタクト1100は、磯のヒラスズキにも対応したパワフルなロッドですが、ティップが繊細で操作性の高さも兼ね備えています。10cmを切るミノーや12cm前後のトップウォーターなど小型ルアーが扱いやすく、スライドアサシンもストレスなく使えます」。