茨城リバーシーバス釣行 【後編】

初日に涸沼川下流の“流れ”と“ベイト”からシーバスのボイルを確認済み。2日目序盤に涸沼の流れ込み周りで80cm超を手にし、肩の荷を下ろした。「あとは、あのボイルをどう喰わせるか、ですね」。秋のリバーシーバス攻略にも役立つテクニックを駆使し、2日目の実釣は続く。果たして、結果は?

フィールド紹介 / 那珂川・涸沼(ひぬま)川(茨城県)

那珂川は栃木県北部の那須岳山麓を流れ出し、茨城県ひたちなか市、大洗町の境界として太平洋に注ぐ延長150kmの一級河川。上流はアユ釣りでも人気の川だ。涸沼川は那珂川水系の一級河川で、流域にある涸沼とともにシーバスの好フィールドとして知られている。

鈴木 斉

すずき・ひとし シーバスからマグロまで幅広い魚種に挑むソルトのエキスパート。釣果だけでなく、プロセスにもこだわるスタイルに憧れるファンは多い。シーバスは地元茨城の河川やサーフで腕を磨き、磯、干潟、港湾とフィールドタイプを選ばず懐の深い釣りを魅せる。

DAY2 攻め方は晩夏と同じ。より釣りやすくなるのが秋の河川だ

鈴木さんが語る秋のリバーシーバスの魅力

20時すぎに80cmオーバーをキャッチした鈴木さんは、遅めの夕食をとりつつ涸沼川の時合を待つ。その間に秋のリバーシーバスの魅力について語ってもらった。
「まず秋の河川は、徐々に水温が下がるので夏よりシーバスの活性が高いです。海からエサを喰いに入ってきて、適度な雨が降って川が濁れば、10月頃でもどんどん上流に動く魚も居ます。やる気のあるシーバスが多く、ランカーが出やすいのも秋の川の魅力です」
夏の高水温期より釣りやすくなる?
「断然、喰わせやすいと思います。ただ、流れとベイトが絡んでいないとだめ。流れの変化とベイトを絡めた場所と時間は夏と共通で、秋は時合に入ればゴンッとしっかり喰ってきます。逆にチョンッと触るようなショートバイトは減ります。あと地方の川によっては、落ちアユやコノシロなど秋のベイトで成立するローカルパターンがあるのも秋の面白さです」

秋のローカルパターンを楽しむ! 涸沼川はカビボラ

「 秋の河川は落ちアユが流れたり、コノシロが入るなど、地域によってハマれば爆発力のあるベイトパターンがあります。それを試すのも秋の楽しみ方で、涸沼や涸沼川でいえば、例年9月中旬頃からはじまるカビボラパターンですね」

カビボラとは?
「涸沼のボラは、秋になると雨による塩分濃度の低下や水温低下などの影響で、体にワタが付くような病気にかかります。これがカビボラで、弱って水面付近を流されてランカーが捕食します。狙い方は、アガケ95Fか120Fを水面付近を流しながらゆっくり巻くだけ。ただ、カビボラは大雨が降ると一気に流されるので、その時点でカビボラパターンは終了。雨がなければ11月頃まで続きます」

エクスセンス アガケ 95F/120F X AR-C

[自重] 13〜18g 
[全長] 95〜120mm(フローティング)
[カラー] 全12色
[本体価格] 1,950〜2,200円

「ゆっくり引き波を立てて引いたり、水面直下で喰わないときは、ティップを水面に浸けて巻き、水面下10cm位まで潜らせるのも効果的です」

ボイル撃ち成功の鍵は、ボイルが出る前にあり!

単発ボイル直後に投げても喰わせるのは難しい

「ちょっと早いですけど、そろそろ様子を見に行きますか」

夕食休憩後の午前0時すぎ、鈴木さんは初日にボイルがあった涸沼川下流の河畔に立っていた。
「今日の満潮は昨日より1時間遅く、昨日ボイルが出はじめたのが1時すぎ。現在、ボイルなし。もっと流れが出て、ベイトが動いて、捕食のスイッチが入るまで待機ですね」

流れがないとボイルが出ない…

待つこと約1時間。バフッ! と静寂を破るシーバスの捕食音が聞こえてくる。釣り人の心は昂るはずだが、鈴木さんは水面に神経を尖らせた。
「ボイルしたところにすぐ投げれば釣れると思われがちだけど、そう簡単にはいかないです。シーバスは喰って、反転して、居心地の良いレンジに戻ってステイ。次の捕食対象が流れてくるのを待ってます。だからボイル直後にルアーを通しても反応しづらい。投げずに捕食音を聞きながら、ボイルの位置と頻度を確認します」
ボイルの位置と頻度の確認。その目的は?
「基本的に河川のシーバスは、定位して流れてくるベイトを捕食しています。ボイルの位置を確認し、ボイルの頻度がわかれば、次のボイルが起こる前の一番喰わせやすいタイミングでルアーを送り込めます」

ボイルを見極めれば、ムダ撃ちを減らせる

「河川のボイルは、基本的にはシーバスが定位して流れてくるベイトや、ヨレなど流れの変化に入るベイトを捕食しているので、同じ位置で起こります。頻度は30分に一回より5分に一回のほうが、ベイトを活発に捕食しているので喰わせやすい。また、短時間に一カ所でボイルが連発するところは、シーバスが複数居る可能性が高く、ボイル直後にルアーを入れても釣れる可能性があります」

ボラの群れの下にサイレントアサシン一閃!
  85cmを仕留める!!

ボイル=水面で捕食とは限らない。表層のレンジ調整が奏功

時が進むと流れが速まり、ボラの群れがかたまるとボイルの数が増える。鈴木さんはサイレントアサシン129F AR-Cをボイルが出る前のタイミングを見計らってキャストするが、反応はない。

「ルアーに気づかないのかもしれない。レンジを下げて、ボラの群れの下を通して目立たせてみます」
サイレントアサシン129S AR-Cに替え、ボイル地点付近にダウンクロスでU字を描くように巻きながら流し込むと、反応はすぐに出た。

「やっぱりボラの群れの下でした。ボイルしているからといって、水面で喰うとは限らないです。まあまあ良い型ですよ」 浅瀬に誘導してきたシーバスは、ゆうに80cmを超えるランカーだ。流れがあって、ベイトが居てボイル発生。投げるタイミングを測り、それでも喰わなければレンジを刻む。一連の流れは、秋のリバーシーバス攻略でも必ず役立つはずだ。

ボラの群れの下を通してルアーを目立たせる

ヒットルアー

エクスセンス サイレントアサシン 129S AR-C

[自重] 24g 
[全長] 129mm(シンキング)
[カラー] 全14色
[本体価格] 2,250円

「自分がサイレントアサシン129Fを使うレンジは、水面下50、60cmまで。129Sは1m近くまで入ります。ボラの群れの厚みを考慮して、ちょっとだけ潜らせてボラの群れの下を通したら喰いました。ボラの群れと同じレンジだと、ルアーが目立たないですからね」

捕食レンジはボイルの音でも判断可能

「ボイルが、バフッと空気も一緒に飲み込むようなこもった吸い込み音は、水面直下のベイトを食べています。下層から突き上げて喰って、反転してバシャーンッと尾ビレで水面を叩く音のときは、魚のサイズにもよりますが捕食レンジは水面下50cm前後のことが多い。レンジが合えばバイトも深いです」

流れが変化しやすい地形を利用すれば連発も夢じゃない!

川の湾曲部は流れが変化しやすい捕食エリアだ

鈴木さんは85cmを釣った後も、同じヒットパターンで釣果を出し続けた。ルアーはサイレントアサシン129S AR-Cのカガヤキカタクチイワシを使い、30分後の2時15分に60cmオーバー。2時42分にセイゴクラス。そして3時9分に再び80cmオーバー。

足場の良い護岸の約30mの範囲内で、約30分に1尾のペースでキャッチ。それだけシーバスが多いということ?
「いや、流れが変化しやすいところだからです。ここは川のカーブの外側で、流れが当たりやすい。流れが巻いたり、ヨレたり、湧昇流のように湧くなど、流れの変化が起こりやすい。また、潮位が下がると流心に水が集まって流れの筋ができます。流速差による反転流や潮目が出たりもしますからね。要はシーバスの捕食スポットが多ければ、連発が可能になります」
真っ直ぐな流れより川の湾曲部が良い?
「真っ直ぐな川で全体的に流れると、橋脚などのストラクチャーがない限り、変化は両岸のカケアガリしかない。カーブは外側に流心が走って深く、内側は流れがゆるんで浅い。水深差もあるし、カーブ外側は流れによる岸の侵食を防ぐために護岸されたり、人工の構造物が入れられていることが多いですよね。そこはベイトの隠れ家にもなるし、シーバスの付き場にもなる。カーブ外側に立つのではなく、その上流側または下流側から流れが当たって、ヨレたり反転する流れの変化を狙うのも有効です」
上流側か、下流側かの選択は物理的に釣りができて、安全な立ち位置が確保できるかの問題?
「それもありますが、両方立てるなら捕食しているベイトで決めます」

その解説は、次のFun to Fish! for River Seabassを参照。今回の鈴木さんの釣行を参考にすれば、秋の河川でランカーハンティングを楽しめるはずだ。

ベイトフィッシュによってアプローチを変える

元気の良い小魚を食べているときはダウンクロス

「今回は流れのヨレや流芯脇の流速差のある部分で、流れに逆らうようにかたまるボラの群れを喰っていたから、ダウンクロスでアプローチ。要は流れに逆らったり、流れの中でステイできる元気なベイトを食べているときは、上流側に立ち位置をとり、流しながら巻いてU字の底を捕食スポットに合わせるようにルアーを送り込むのが理想です」

ダウンストリーム推奨ルアー

「レンジやアクション、シルエットの違いで使い分け。スタッガリングスイマーは流れにドリフトさせます」

エクスセンス サイレントアサシン 99F AR-C

[自重] 14g 
[全長] 99mm(フローティング)
[カラー] 全14色
[本体価格] 1,850円

エクスセンス サイレントアサシン 129F/129S AR-C

[自重] 22〜24g 
[全長] 129mm
[カラー] 全14色
[本体価格] 2,200〜2,250円

エクスセンス スタッガリングスイマー 100S/125S AR-C

[自重] 14.5g 
[全長] 100mm(シンキング)
[カラー] 全8色
[本体価格] 2,000円

エクスセンス ゴリアテ Hi125F X AR-C

[自重] 17g 
[全長] 125mm(フローティング)
[カラー] 全12色
[本体価格] 2,000円

弱って流される小魚を食べているときはアップストリーム

「落ちアユやカビボラなど遊泳力が弱く、流されるベイトを捕食しているときは、下流から上流に向かって投げるアップストリームでアプローチ。流れに同調させながら巻き、流されるベイトを演出します。完全なアップの立ち位置をとれるケースは稀ですが、アップクロスでもなるべく上流側へキャストできる立ち位置をとれば、流す距離を稼げます」

アップストリーム推奨ルアー

「アガケは流れよりちょっと速めに巻いて、ブリブリ泳がせながら水面直下を流します。アサシン99Sはリップが大きく水噛みが良い。流しながらしっかり泳ぎます」

エクスセンス アガケ 120F X AR-C

[自重] 18g 
[全長] 120mm(フローティング)
[カラー] 全12色
[本体価格] 2,200円

エクスセンス サイレントアサシン 99S AR-C

[自重] 17g 
[全長] 99mm(シンキング)
[カラー] 全14色
[本体価格] 1,850円

使用タックル

川幅、流れ、障害物を想定した盤石のセッティング

ロッドは川幅の広い那珂川下流でも使えるように遠投性重視のエクスセンス インフィニティS906M/RFをチョイス。
「きれいに曲がるので、シーバスとスリリングなファイトが楽しめます。リールは糸フケを素早く回収し、ルアーを流れに馴染ませることができるハイギアが有利。PEラインは、流れや風の影響をなるべく受けず、ランカーにも対応可能な1号。リーダーは障害物際でリーダーをつかんで引き揚げることもあるので、太めの25lbを選びました。」