茨城リバーシーバス釣行 【前編】

晩夏のリバーシーバスは、夏でも秋でもない中途半端なシーズン。「だからこそ、流れとベイト。基本に忠実にシーバスを探します」という鈴木さん。地元リバーでFun to Fish! なるか!? 「秋のハイシーズンにも通用する釣りを展開したいですね」

フィールド紹介 / 那珂川・涸沼(ひぬま)川(茨城県)

那珂川は栃木県北部の那須岳山麓を流れ出し、茨城県ひたちなか市、大洗町の境界として太平洋に注ぐ延長150kmの一級河川。上流はアユ釣りでも人気の川だ。涸沼川は那珂川水系の一級河川で、流域にある涸沼とともにシーバスの好フィールドとして知られている。

鈴木 斉

すずき・ひとし オンショア、オフショアを問わず、旬のターゲットを追って全国を巡るマルチアングラー。シーバスは地元茨城の河川やサーフで腕を磨き、干潟、磯、港湾と、どんなフィールドでも結果を残す実力者だ。

DAY1 “流れ”と“ベイト”で追う晩夏~秋のリバーシーバス

秋の河川は水温低下でベストシーズンに突入

「まだ夏の名残りで川の水温は高い。シーバスの活性は低めでしょうね」
那珂川、涸沼川は、鈴木さんが長年釣り込んできたホームリバー。シーバスの季節的な動向は、頭の中に入っている。

「潮は小潮の終わりから長潮、若潮で、潮が動かない。プライベートでは、まずサオを出さない潮回りです」
潮汐を選べないのも、タイトなスケジュールで全国を釣り歩くプロアングラーの宿命。不安要素の多い釣行になりそうだ。

「ただ、河川に入るシーバスは捕食が目的なので、条件がそろえば喰わせやすいです。その条件が“流れ”と“ベイト”。リバーシーバスは、この二つをキーにポイントを絞り込むのが基本。秋になれば河川の水温が下がって、シーバスの活性が上がる。今回の釣行が秋のベストシーズンに向けた参考になればと思います」

干満差が大きく、流れが出やすい時間帯に勝負!

広大な流域から消去法で釣り場を絞り込む

初日の実釣は、夕方の満潮からスタート。
「夜のほうが干満差が大きい潮回りで、下げの流れが出やすいですからね」
下げの流れがききはじめるタイミングで、鈴木さんが最初に選んだスポットは、那珂川の河口から直線距離で約15kmほど上流部だ。
「直近の釣果は、下流で出ています。ただ、下で釣れているときに、上流にさすシーバスもいるので、それを確かめに。あまりにも気配がなければ、その場所は見切れば良い。広いエリアから消去法でポイントを絞り込んでいきます」
そして開始1時間半で上流部を見切った。
「思ったほど流れがでない。流れが絞り込まれたり、流れのヨレなど変化がない。水面でベイトがもじっているけど平和な感じ。シーバスの気配はないですね。下流に移動します」

上流部ほど淡水の小魚を捕食 
小型ルアーが効く

上流部ではサイレントアサシン99F AR-C、スタッガリングスイマー100S AR-C、ゴリアテHi125F X AR-Cなどを使用。
「レンジやアクションの違いでローテーション。河川上流部ほどウグイやクチボソなど小型の淡水魚を捕食していることが多く、ルアーは9cmから12cm台までが有効です」

エクスセンス
サイレントアサシン99F AR-C

[自重] 14g 
[全長]99mm(フローティング)
[カラー] 全14色
[本体価格] 1,850円

エクスセンス
スタッガリングスイマー100S AR-C

[自重] 14.5g 
[全長]100mm(シンキング)
[カラー] 全8色
[本体価格] 1,850円

エクスセンス
ゴリアテHi125F X AR-C

[自重] 17g 
[全長]125mm(フローティング)
[カラー] 全12色
[本体価格] 2,000円

河口近辺の変化はベイトがたまりやすく、シーバスが付く

適度な流れが海から入ったシーバスの回遊を促す

下流部に移動した鈴木さんは、水路の合流部をチェック後、本命視していた河畔に立つ街灯周りに入る。
「水路の合流点や橋の明暗など、河口から入って最初の変化はベイトが溜まりやすく、海から入ってきたシーバスが回遊して真っ先に付きやすいですからね。ここは、辺りが暗い中でポツンと街灯が立って明るい。ベイトが集まりやすいです」
水面には、イナっ子や小型のサヨリなどの魚影が。“ベイト”という要素はそろった。あとは“流れ”だ。
「流れがしっかり出て、流れの変化ができれば、シーバスが回遊しやすく、ターゲットの供給量が増えます。現状は全体的にドヨーンと流れて、流心に流れの筋が出たり、ヨレや潮目もないですね」

秋の河川のメインベイトはイナっ子

「河川のベイトは、年間とおしてイナっ子が中心。下流ほどその傾向が強いです。秋の河川は落ちアユやコノシロも居ますが、落ちアユはいつ流れてくるかわかりにくい。コノシロはシーバスがほかのベイトを捕食した瞬間に群れが驚いて散る。それが、コノシロが喰われてるように見えることもあります。もちろん両ベイトパターンがハマったときの爆発力はありますが、釣果の安定感でいえばイナっ子です」。
実釣当日、涸沼川にいたボラはサイレントアサシン129S AR-Cとぼぼ同寸。

ホームの強み。時合を読み、“流れ”と“ベイト”を同調させる

河川は下流と上流で時合にズレがあることを意識

河口周辺の実釣は魚信一つなく、時刻は0時をすぎていた。
「そろそろ潮が動いてるかなぁ。涸沼川に行きましょう」と鈴木さんは次の手を打つ。
涸沼川は那珂川の支流で、河口域で合流する。
「涸沼川下流域は、那珂川より2時間遅れで潮が動き出す。そろそろ流れているかな、と。河川は、下流と上流で流れ出すタイミングにズレがあるので、そこは意識したほうが良いです。涸沼川は途中に汽水湖の涸沼があって、そこに大量のボラがいます。下げでボラが流されると、シーバスの捕食のスイッチが入ります」
その時合を読んで涸沼川の河畔に立つと、静寂の中、ボフッと捕食音が発生。
「いますね。今は、川面に全体的にボラが散っているけど、流れがきけばもっと活発に捕食するはずです」
タックルの準備をしている間に流速は増し、ボラは流されまいと群泳し、何かに怯えるようにザワつきはじめた。
「流れがきいてボラの群れがかたまると、シーバスは突き上げて捕食しやすいみたいです。あちこちでボイルがはじまりましたね」
干満差の少ない長潮でも時合を読めば、釣れる確率が上がるということだ。

涸沼川の“流れ”と“ベイト”で2日目の確信を得る

下げの流れがゆるみ、ボイル収束。初日を終える

「ボイルが起こって静かになり、次のボイルがはじまる前が、ルアーを喰わせる最大のチャンス」
その間を測って狙ったが、ボイルは予想以上に少なく、初日は2バイトで下げの流れがゆるみ、ボイルは収束してしまった。だが、鈴木さんに焦りはない。

「涸沼川が流れ出す時間帯は、ベイトもシーバスも居てボイルもあった。明日も同じような潮なので、涸沼川はチャンスがあります。明日は今日とは違う展開で、最終的には涸沼川に戻って、今日のリベンジですね」

DAY2 序盤はベイトを探してラン&ガン。ホームの勘が冴える!

“流れ”と“ベイト”をキーに涸沼の流れ込みでランカー捕獲

実釣2日目は、夕マズメの干潮上げはじめからスタート。最初に入ったのが、初日に本命視していた那珂川下流の街灯前だ。
「昨日は下げ潮。上げのタイミングではどうかなと思って。ベイトは居るけど、捕食音は聞こえてこない。昨日、今日と那珂川下流は気配が薄いので、大きくエリアを変えます」
鈴木さんは1時間も釣らずに見切り、次に車を停めたのは、涸沼に流れ込む涸沼川の上流部だ。
「釣れている情報はないですが、様子を見に。流れはない。ベイトはいるけど、のんびり休んでいる。昨日、ボイルが止んだ状況と同じですね。釣れる気がしない。さぁ、どうするか。車で走りながら考えます」
日をまたいで長潮から若潮に変わる潮が動きにくい潮回りに、苦戦か。今度は10分ほど走ると、鈴木さんは涸沼北西部の駐車場に車を滑り込ませた。
「なんとなく気になって。川の途中にある汽水湖の流れ込み周りですけど、流れとベイトという意味では釣れる要素は一緒です。あっ、捕食音が。連発してますね。良い型が2、3尾は居そうです」
多くの実釣経験に基づく勘が冴え、そのうちの1尾を狙いどおりに手にした。
「本番はこれから。初日にボイルがあった涸沼川の下流。全国的に見て、秋の河川はボイルが出ることが多い。ボイル撃ちのコツをお見せできれば良いですね」

後編へ続く。

流れの中の水面下5~10cmをゆっくり巻いて80cm超がバイト

ヒットルアー

エクスセンス アガケ95F X AR-C

[自重] 13g 
[全長]95mm(フローティング)
[カラー] 全12色
[本体価格] 1,950円

「到着時は、流れ込みの沖40m付近でボイル。流れ込み周りに10cm弱のイナっ子の群れが、水面付近でピチャピチャ泳いでいたのでレンジは上と判断。流れ込みの流れの中で、アガケ95Fをゆっくり巻いて水面下5~10cmを通したらゴンッと喰いました」

使用タックル

中規模~大規模河川に対応可能な汎用性の高い
ロッドをセレクト

「那珂川下流のように、川幅が100m近くある川は遠投が必要。エクスセンス インフィニティS906M/RFは、飛距離が出るので大規模河川から川幅50mほどの涸沼川クラスの中規模河川まで対応可能です。高感度でしなやかなので、涸沼のような汽水湖や干潟で、遠投したルアーを繊細に操作する釣りにも向きます」