実釣初日は、荒れる海、産卵がらみで魚影が薄い状況の中、沈み根狙いでヒラスズキをキャッチ。2日目以降は、さらに濁り、大雨、先行者などの難題が待ち受ける。鈴木さんはどのような思考で切り抜け、ヒラスズキを仕留めるのか?
壱岐は、豊かな漁場として知られる玄界灘に浮かび、ソルトではヒラスズキ、青物、アオリイカ、アジなど多彩な魚種が狙える魅惑の島。福岡県博多港から高速船で約1時間とアクセスも良く、離島遠征が手軽に楽しめる。
すずき・ひとし 港湾のシーバスからオフショアのマグロまで、幅広いターゲットを追い続けるマルチエキスパート。豊富な実釣経験に基づく鋭い洞察力と超人的な体力で、狙った獲物は逃さない実力派だ。釣るまでの過程も魅せるプロ魂と、ここ一番で獲る勝負強さを持つ。
何カ所か釣り場を見ながら、鈴木さんのお眼鏡にかなうポイントに行き着く。それが島東面の左京鼻だ。
「荒れすぎず、ちょっとサラシが強めですけど、産卵後のヒラスズキも付けそうです」
鈴木さんは、駐車場から左京鼻の磯を見下ろすと釣り人の直感で魚の気配を察知し、現場に立つとそれが間違いではなかったことがわかる。
あれ!?立とうと思っていた岩に真新しい足跡が付いてる。あそこにはヒラスズキのウロコ。シメた痕跡です。ここは朝一番に先行者に抜かれてますね」
釣時は産卵がらみで魚影が薄い状況。磯際にヒラスズキが何尾も付いているような甘い時季ではない。
万事休すか?
おそらく先行者は、釣り場を良く知る地元アングラー。
後塵を拝する状況で、鈴木さんの思考と技が冴えわたり、今実釣2尾目、61cmのヒラスズキをキャッチした。
「足場が海面から5、6mと高く、先行者が叩けない沖の沈み根周りのサラシの先に飛ばして、しっかり泳がせたかったのでシンキングミノー。サイレントアサシンは、シンキングでもAR-Cシステムで立ち上がりが早く、スローでもしっかり泳ぐ。このミノーだから獲れた1尾です」
「2尾目のヒラスズキも産卵から戻りたてで細めですね」
島北西部をチェックするが、サラシは薄く広がってすぐに消える程度。夕方まで魚からのコンタクトはなく、3日目を終える。
その後、2kg弱のヒラマサをサラシの中から引き出し、隣接する磯では5kgクラスのワラサがヒット。ヒラスズキの反応だけが鈍く、朝マズメの好機が終わる。
「ツインパワーXDは、軽くてタフなリールで、なおかつ巻く力が1番手大型のリールと同等の力強さを感じます。磯のヒラスズキ釣りでは、かけた魚を寄せ波に乗せて一気に巻き上げる強引なやり取りが可能。ゲストに大型青物が来ても、ギアの強さとボディの剛性感で力強い巻き上げができます。」