壱岐ヒラスズキ釣行【後編】

実釣初日は、荒れる海、産卵がらみで魚影が薄い状況の中、沈み根狙いでヒラスズキをキャッチ。2日目以降は、さらに濁り、大雨、先行者などの難題が待ち受ける。鈴木さんはどのような思考で切り抜け、ヒラスズキを仕留めるのか?

フィールド紹介 / 壱岐(長崎県)

壱岐は、豊かな漁場として知られる玄界灘に浮かび、ソルトではヒラスズキ、青物、アオリイカ、アジなど多彩な魚種が狙える魅惑の島。福岡県博多港から高速船で約1時間とアクセスも良く、離島遠征が手軽に楽しめる。

鈴木 斉

すずき・ひとし 港湾のシーバスからオフショアのマグロまで、幅広いターゲットを追い続けるマルチエキスパート。豊富な実釣経験に基づく鋭い洞察力と超人的な体力で、狙った獲物は逃さない実力派だ。釣るまでの過程も魅せるプロ魂と、ここ一番で獲る勝負強さを持つ。

荒れたときほど水深があって潮が澄むエリアで勝負!

実釣2日目は、初日夜から北東の風が風速17mと強まり、島北東面はウネリで釣りにならないと判断。朝マズメは北西面をチェックする。
「西側に回り込めば適度なサラシがあると思いましたけどベタ凪。風が予想以上に東寄りに変わったみたいです。サラシがなければ釣りが成立しないので一度、東面を見に行きましょう」
天候と現場の状況から次の展開を推測し、動く。
「風表面でも、浅くて砂浜が近いところは避けます。ヒラスズキは荒れて舞い上げられた砂や切れ藻の濁りを嫌うんです。狙いたいのは、水深があって潮が澄んでいるエリアです」

何カ所か釣り場を見ながら、鈴木さんのお眼鏡にかなうポイントに行き着く。それが島東面の左京鼻だ。

条件の良いスポットには…先行者という新たな難題が突きつけられる

「荒れすぎず、ちょっとサラシが強めですけど、産卵後のヒラスズキも付けそうです」
鈴木さんは、駐車場から左京鼻の磯を見下ろすと釣り人の直感で魚の気配を察知し、現場に立つとそれが間違いではなかったことがわかる。

あれ!?立とうと思っていた岩に真新しい足跡が付いてる。あそこにはヒラスズキのウロコ。シメた痕跡です。ここは朝一番に先行者に抜かれてますね」

釣時は産卵がらみで魚影が薄い状況。磯際にヒラスズキが何尾も付いているような甘い時季ではない。
万事休すか?

潮位が下がるのを待ち、
探索エリアを広げる釣りが貴重な1尾を呼び込む

「さて、どうするか?」鈴木さんは自分の胸に聞いたに違いない。 サイレントアサシン140F AR-Cをセレクトした。
「水深があって潮が澄んで、適度なサラシがある。これだけ条件の良い磯は、今のところほかにはない。沖には沈み根も点在しています。潮位が下がって沖の沈み根周りでサラシが出るのを待ちましょう」
8時すぎの満潮から潮位がぐんぐん下げはじめる時刻を迎えていた。
「潮位が高い時間は届かない沖の根に、ヒラスズキが付いている可能性があります。そこにサラシが広がれば喰わせられる」

おそらく先行者は、釣り場を良く知る地元アングラー。
後塵を拝する状況で、鈴木さんの思考と技が冴えわたり、今実釣2尾目、61cmのヒラスズキをキャッチした。

飛距離が出て立ち上がりの早いルアーで沖のサラシを直撃

「足場が海面から5、6mと高く、先行者が叩けない沖の沈み根周りのサラシの先に飛ばして、しっかり泳がせたかったのでシンキングミノー。サイレントアサシンは、シンキングでもAR-Cシステムで立ち上がりが早く、スローでもしっかり泳ぐ。このミノーだから獲れた1尾です」

ヒットルアー

エクスセンス サイレントアサシン140S AR-C

[品番] XM-240N(140mm/26g/シンキング)
[カラー] 各12色
[本体価格] 2,200円

勝機は朝マズメ。磯際のワンバイトを確実に獲る!

「2尾目のヒラスズキも産卵から戻りたてで細めですね」

その後、濁りのないエリアを叩き続けるがアタリはない。
「魚影は薄いし、どこに行ってもベイトフッシュの気配がない。夜中に磯際に付いた魚が朝イチに釣れる感じ。要は朝イチのポイント選びが重要で、ワンバイトを確実に獲らないと厳しいということです」
2日目午後は、3日目の朝マズメに備え、釣り場の下見を兼ねてサオを振る。そこで目をつけたのが島北東部の赤瀬鼻。初日は荒れすぎて立てなかった磯だ。
「水深もあって濁りもない。ウネリはあるけど、釣りはできそうです」
夜間に磯際に付くヒラスズキを朝マズメに確実にスナイプするプランが組まれた。

3日目、朝マズメの必釣プランは土砂降りの雨に流される

3日目早朝は、予報を上回る土砂降りの雨。
「これではカメラが出せませんね。7時頃には止む予報なので、それまで宿で待機しましょう」
結局、雨は8時すぎまで降り、朝マズメの磯際ワンバイト狙いは実行できなかった。しかも土砂降りの中、赤瀬鼻に入った地元アングラーの釣果情報も入ってくる。
「やはりヒラスズキは夜中に磯際に入って、朝、釣れるんですね。先行者が釣った後は厳しい。北東部の初日に立てなかった磯に行ってみます」
だが、そこはウネリによる底荒れに、朝の雨の濁りが加わり、魚の気配はない。
「風が北寄りに変わったので、島の西側でもサラシが出ているかもしれない」

島北西部をチェックするが、サラシは薄く広がってすぐに消える程度。夕方まで魚からのコンタクトはなく、3日目を終える。

「ドン深の磯は磯際狙いが基本」
先行者の後は沖のサオ抜けを視野に入れる

最終日は、帰路の関係で朝10時には実釣を切り上げないといけない。残された時間は少ない。
「釣れた状況から判断すると、濁っていないエリアで釣りをするのがベスト。風が北西に変わってウネリが落ち、赤瀬鼻の磯に立てるはずです」
3日目の雨で流れた必釣プランを4日目に実行するが、そこにはまた先行者が……。
「地元の方が釣ったあとでアタリが出せるほど魚が多い時季ではない。でも、新たなスポットを探す時間はない。潮位が下がってサラシが広がるのを期待しましょう。磯際はドン深だけど、沖も探ってみましょう」
辺りがすっかり明るくなると徐々に潮位が下がり、沖にサラシの泡がたまる。そこに初日に釣ったサイレントアサシン140Fを投入すると、小さな魚信。
「多分、小型の青物です。沖のほうが魚の気配がありそうですね」
沖に伸びるサラシの最前線に向かって投げ、ゆっくり巻くと、いきなりヒラスズキの尾ビレが空を切る。だが、ロッドに重みはのっていない。
「尾ビレの大きさからすると、70cmはありました。下から突き上げて反転するようにアタック。産卵後特有の低活性で、喰うというよりゆっくり通したからちょっかいを出してきた感じです」

その後、2kg弱のヒラマサをサラシの中から引き出し、隣接する磯では5kgクラスのワラサがヒット。ヒラスズキの反応だけが鈍く、朝マズメの好機が終わる。

最後にベイトフィッシュの気配。だが魚は青物に変わっていた

時刻は8時半をすぎ、残された時間は2時間もない。鈴木さんは風が北西に変わったこともあり、今回、初めて島西部を見に行く。すると、そこには待望の光景が。
「良いサラシがあって、鳥が海面に刺してます。ベイトフィッシュがいますね」
磯際だけでなく沖にもサラシがあり、沈み根が点在。磯際がダメでも沖の沈み根周りという今回の必釣パターンが通用する。
鈴木さんは磯際を探った後に、迷いなくサイレントアサシン140Sを沖にキャスト。巻きはじめるとすぐにワイルドコンタクトS1100MH/Rが大きく弧を描き、ラインが横に走る。
「魚が青物に変わっていますね」
上がってきたのはワラサだ。
「春の水温が上がるタイミングで、魚がヒラスズキから青物に変わることは良くあります。青物は磯のサラシ周りを回遊して捕食しています。ヒラスズキは青物の勢力に押されて、青物がアタり出すと反応が悪くなることがあります」

難しいときこそ、磯のヒラスズキゲームの謎解きを楽しむ

実釣は、海は荒れ、産卵がらみで魚影が薄い状況で、2尾のヒラスズキを獲ることができた。
「魚がある程度まとまって、産卵で沖に出ているのでアタリが少なく、いつもの壱岐ではなかったです。逆にそういう状況で、どういうところを狙えば良いかをお見せできたとは思います」
荒れたら水深があって濁らないエリアを選ぶ。先行者が攻めた後は沖の根を探るなど、実釣で鈴木さんがみせた釣り方だ。
「本来はサラシでグリグリッと巻いて、ドカンと釣れるのが一番ですけど、甘いときばかりではない。釣れないときにあれこれ考え、ポイントやルアーのセレクトで釣果に結びつける。これも磯のヒラスズキ釣りの面白さです」

Hitoshi’s 磯ヒラリール考【後編】

「滑らかで力強い巻きが強引なファイトをサポート」

「ツインパワーXDは、軽くてタフなリールで、なおかつ巻く力が1番手大型のリールと同等の力強さを感じます。磯のヒラスズキ釣りでは、かけた魚を寄せ波に乗せて一気に巻き上げる強引なやり取りが可能。ゲストに大型青物が来ても、ギアの強さとボディの剛性感で力強い巻き上げができます。」

ツインパワーXD 4000XG

[本体価格] 49,500円