壱岐ヒラスズキ釣行【前編】

当コーナー、2回目のターゲットはヒラスズキ。シーズン、サラシ、ベイトフィッシュなど好条件がそろえば、エキスパートにとっては比較的手にしやすい獲物だが、一つでも欠けると途端に難敵に変わる。春の壱岐の磯ヒラゲームに、鈴木さんはどんな思考で挑むのか?

フィールド紹介 / 壱岐(長崎県)

壱岐は、豊かな漁場として知られる玄界灘に浮かび、ソルトではヒラスズキ、青物、アオリイカ、アジなど多彩な魚種が狙える魅惑の島。福岡県博多港から高速船で約1時間とアクセスも良く、離島遠征が手軽に楽しめる。

鈴木 斉

すずき・ひとし 港湾のシーバスからオフショアのマグロまで、幅広いターゲットを追い続けるマルチエキスパート。豊富な実釣経験に基づく鋭い洞察力と超人的な体力で、狙った獲物は逃さない実力派だ。釣るまでの過程も魅せるプロ魂と、ここ一番で獲る勝負強さを持つ。

大きなウネリが磯際への接近を拒む。初日から波乱の展開

「うーん、予想以上にウネリがきついですね。さて、どうするか?」
実釣は4月初旬。初日午後、東京から壱岐に入った鈴木さんは、島北部の磯を前に今回の実釣プランに思いを巡らせていた。
「予報では今から北東の風が吹き始めて、波が上がって、サラシができるはずだったんです。でも昨日から対馬では風速14、5mの北東風が吹いて、そのウネリが壱岐にも入っています」
外海に面した磯は、分厚いウネリがドーンッと当たり、盛大なサラシが広がる。
「磯のヒラスズキ釣りはサラシがマストですけど、外海面はウネリが高すぎて危険。磯に立てませんね」

産卵がらみで魚影は薄い。ベイトの気配もない。難易度はさらに上がる

「さて、どうするか?」と鈴木さんがつぶやくのは、こんな理由もあった。
「壱岐をはじめ九州のヒラスズキは、2月後半から3月が産卵期で沖に出て、4月前半は魚が産卵から戻りはじめるタイミングです」
時季的に普段より魚影が薄いという状況だ。
「しかも産卵後で体力が落ちているから、ウネリがきつすぎると本来居るはずの磯際には付きにくい。よほどベイトフィッシュが入っていれば話は別ですけど、その気配もないですからね」

磯のヒラスズキ釣りで、喰わせるための必須要素がサラシとベイトフィッシュ。だが、現場に立つと前者はキツすぎ。後者は気配なし。
さて、どうするのか…?

“大きなウネリ”と“産卵期”から導き出した答えは、
波が当たりすぎない沈み根

大きなウネリが押し寄せる壱岐北東部を見て回り、鈴木さんはある磯で足を止めた。
「ここでやってみましょう。沖に離れ磯があってウネリをブロック。それでも磯際は荒れすぎて魚はつきにくそうですけど、ちょっと沖に沈み根がうっすら見えます。
サラシも絡んで、あそこなら産卵後の体力の落ちたヒラスズキがとどまれそうです」

産卵直後の低活性ヒラスズキに
サイレントアサシン140F AR-C という選択

磯際から約10m沖に沈む馬の背状の根。ルアーは、エクスセンス サイレントアサシン140F AR-Cをセレクトした。
「フローティングでアクションを重視しました。産卵直後の体力の落ちたヒラスズキは、速い泳ぎは追いきれない。ヒラヒラとゆっくり泳ぐルアーに反応しやすい。スローに引いて誘い出せるのが、フローティングの強みですからね」
その狙いは当たり、勝負は1投で決着した。磯に抜き揚げた獲物は68cm。
「沈み根の際をスーッとゆっくり通したらゴンッときました。痩せている。やっぱり産卵後、戻ったばかりの魚です。ツインパワーXDは力強く巻けるから、根から一気に離すことができました」

実釣開始1時間で幸先の良いスタートを切る。

沈み根の際の流れを噛ませながらスローリトリーブ

沈み根の先に投げて、ゆっくりと引き波の流れを噛ませるように沈み根の際を通すとヒット。「活性が低いときは、風でラインを引っ張らせたり、流れを利用してゆっくりヒラヒラ泳がせるのが効果的です」

ヒットルアー

エクスセンス サイレントアサシン140F AR-C

[品番] XM-140N(140mm/23g/フローティング)
[カラー] 各12色
[本体価格] 2,200円

飛距離が出て、沈み根の上をしっかり通せるミノーでうれしいゲスト

ヒットルアー

エクスセンス レスポンダー129F AR-C

[品番] XM-S29N(129mm/19g/フローティング)
[カラー] 全12色
[本体価格] 2,200円

沖の根周り攻略に選んだルアーは、シャローミノーのレスポンダー129Fだ。
「初めてのポイントで、根の上を確実に通して、しっかりアタリを出すためにチョイス。ちょっと潜るミノーを使うと根のトップに当たったりして、アタリと判別しにくいことがあります。レスポンダーは、飛距離も出ますからね」
レスポンダー129Fを沖の沈み根の先に飛ばして3投目。巻きはじめるとすぐにワイルドコンタクトS1100MH/Rが大きく曲がった。
「ココーンッとアタりました。青物かな? エラ洗いしないのでヒラスズキではなさそうです」
体高のある魚が磯際に寄せられてくる。
「マダイだ! イワシが居たら釣れることが多いですけど、今は居ない。おそらく上げ潮にのって磯周りを回遊していたんでしょう」
キャッチしたマダイは72cm、5kg弱。壱岐の豊かな海を感じさせるゲストを迎え、初日を終える。

Hitoshi’s 磯ヒラリール考【前編】

「荒磯でも安心して使える頼もしいリールが良いです」

「ツインパワーXDは、頑丈で防水性が高く、荒磯で多少波飛沫がかかっても気にせず使えます。また、ヒラスズキ釣りは磯を延々歩くことも多い。荷物をなるべく少なくして、身軽に動きたい。リールは1台で、現場でトラブルが少なく壊れにくいタフなリールは、使っていて安心感があります」

ツインパワーXD 4000XG

[本体価格] 49,500円