玄界灘鯛ラバ釣行【後編】

前編で手にした1尾目の反応から、鈴木さんは「今日の真鯛は追わない」と推測。
次に打つ手で、真鯛がバクバクとなるか?
釣り人が実釣中に魅せる鯛ラバで釣果が伸びる発展的思考と、
タックルセレクトの妙をどうぞ!

フィールド紹介 / 玄界灘(福岡県)

九州北西部の福岡県、佐賀県、長崎県に跨がる海域で、大陸棚に対馬暖流が流れる日本有数の漁場。ソルトでは青物、真鯛などのオフショアや、対馬、壱岐、五島列島など離島の遠征フィールドとして人気だ。今回は博多港から北西約40kmに浮かぶ小呂島(福岡県)周辺で実釣。

鈴木 斉

すずき・ひとし シーバスからマグロまでショア、オフショアを問わず幅広いターゲットに挑み続けるマルチソルトエキスパート。オフの日もロッドを放さず腕を磨く、根っからの太公望だ。

絶妙な道具立てで「底を這うような巻き上げ」を実現

低水温で真鯛の活性が低く、アタリがない状況で釣った1尾目は着底後、巻きはじめと同時にバイト。この反応から鈴木さんは「真鯛は上に追わない」と読み、「底を這わせるように巻き上げる」と、次の手を打つ。
「着底した鯛ラバを直線的な軌道で巻き上げるより、底付近で緩いカーブを描くような軌道にすれば、ボトムを這うように巻き上げることができます。そうすれば真鯛の目の前を通す確率も高くなります」
ではどうやってボトムを這わせるように巻き上げる?
「まず、ゆっくり巻くこと。あと柔らかめのロッドで、ティップをもたれさせることも重要。タックルセッティングがキーになります」

“底を這うような巻き上げ”とは?

鯛ラバが海底にタッチ&ゴーで直線的に上がる軌道ではなく、着底後、緩いカーブを描くような軌道で巻き上げること。カーブの弧の分、鯛ラバが底スレスレで這うように動く。
「ボトムに居て上に追わない真鯛の目の前を長く通すことができます」

底を這うように巻くためのタックル選び…リール編
ローギアで誰が巻いてもスローな等速巻き

「鯛ラバの巻き上げは、等速巻きが基本。巻きスピードの違いで真鯛の反応が変わります。低速に反応がいいときにハイギアのリールだったら、巻きをスローにすれば良いと思いますが意外とそれができない。知らないうちに自分のリズムで巻いてしまいます。低速に反応が良いときはローギア。イワシについてタイが中層に浮くなど、速巻きが効くときはハイギアを使います」

「底を這うような巻き上げ」にはオシアコンクエスト200PGを使用。ギア比6.0。最大巻上長は60cm。炎月100HGのギア比は7.8。最大巻上長は78cm。18cmの違いが大きな釣果差になることがある。

底を這うように巻くためのタックル選び…ロッド編
長め、柔らかめを選び、底付近で半円軌道を描く

「同ウエイトの鯛ラバを同スピードで巻く場合、硬くて短いロッドほど直線的な軌道で上がります。反応が良いときは、直線的な巻き上げでコツコツと小気味良いアタリを楽しめますが、今回はそうじゃない。7ft前後の柔らかめのロッドを使うことで、巻きはじめでティップが入り、鯛ラバが底を這うような緩いカーブの軌道で巻き上げることができます」

使用ロッドは、炎月プレミアム B69ML-S。
「ティップはシマノ独自のソリッドティップ、タフテックαで強くてしなやか。長くて軟らかめのロッドはバイトを弾かず、乗せやすいという特徴もあります」

狙いどおり“底を這うような巻き上げ”が実を結ぶ

低水温で真鯛の活性が低いせいか、アタリがない中、実釣は進む。
「反応がないですね。手がかりがないときは、ひたすら落として巻くしかない。たまたま喰い気のある真鯛が居たら喰うはずです」

その“たまたま”の確率を上げるために“底を這うような巻き上げ”を試みる鈴木さんだが、果たして船中2尾目の真鯛も鈴木さんの炎月プレミアムB69ML-Sを大きく曲げた。「着底後、5mくらい巻いたらアタリが出て、10mくらい巻いたところで喰いました」水面に浮いてきた真鯛は、またしても70cmクラスの大鯛。口元には、タイガーバクバクのドチャートがしっかりフッキングしている。

タイガーバクバク150gで二枚潮を克服し、大鯛の口元に通す

キャッチした真鯛は全長70cm。重量4.5kg。活性が低いとはいえ、こんな大鯛が釣れるのが玄界灘のポテンシャルだ。
「やはり喰いが渋いときは、目立つ色が効きますね。ただ1尾目は120gですけど、2尾目は150gに替えています」
ウェイトアップの狙いは?
「上の潮が流れて下は動いていない。二枚潮で重くしないと水中のラインが膨らんでしまいます。あと、重くすることでティップをもたれさせて、底を這うような軌道で引きやすくなります」

炎月タイガーバクバク 150g

[品番] EJ-415Q(150g)
[カラー] 6色
[本体価格] 1,370円

表層の潮が流れる二枚潮で鯛ラバが軽すぎると、水中のラインはS字を描く。鯛ラバを重くすることで表層のラインを張ることができる。「炎月プレミアムB69ML-Sの適合ルアーウェイトはマックス100gですが、水深が60mと極端に深くなく、ボトムは砂底で根がかりも少ないので少し無理をして150gを使いました」。

※適合ルアーウェイトは参考値です。水深・潮流等によって引き抵抗が変わるので、適合値は増減します。

巻きアワセでアタリはすべてフッキングに持ち込む

日が高くなると、真鯛の活性も多少上がったのか、小型もポツポツ揚がるようになった。
「釣れるのはすべてボトムから10m以内です」
“底を這うような巻き上げ”が奏功。しかも鈴木さんが手にする真鯛は、すべてしっかりとフッキング。出したアタリはすべてのせた。
「のせやすいロッドを使っていることと、巻きアワセでフッキングしています。ロッドを立ててアワせても、鯛ラバのヘッドが暴れるだけでフッキングのパワーはハリ先に伝わりません。コツコツッとアタリがきて、タイが反転して重みがのったらグリグリッとリールを巻いて、ハリ先に直線的にフッキングのパワーを伝えます」
結局この日、鈴木さんは船中8尾中5尾をキャッチした。
「低水温で反応が渋い中、何とか釣れました」

鈴木さんが前編で言っていたとおり、巻き方や鯛ラバのカラーなどの“ちょっとした違い”が釣果差となって現れた。

潮止まりはインチクで根魚狙い。多彩な魚種が釣れるのも
漁具ingの面白さ

満潮・潮止まりの時間帯に水深25~35mのカケサガリで船がドテラ流しをはじめると、鈴木さんは誘導式インチクの炎月ロックホッパー集魚カスタム160gを結んだグラップラーB633を手に、ボトムでリフト&フォール。
「潮止まりで真鯛の期待は薄い。キジハタやヒラメが釣れるそうなので」
インチクにすぐに反応してくれたゲストがワニゴチだ。
「砂地の岩礁周りに付いている魚です。潮止まりの時間帯は、こういう遊びも楽しめます」
さらに鯛ラバに切り替え、ゲストにはアオハタ、カサゴ、そしてスルメイカまできた。
「多彩な魚種が釣れるのも漁具ingの面白さです」

【使用タックル】
ラインを長く出すドテラ流しは
ロングハンドル仕様のリール

使用タックルは、前編で紹介したとおり。
「オシアコンクエスト200HGと201HGはロングクランクハンドルです。これはドテラ流しで使用。ラインを200m出して50m巻くなど、ラインをたくさん出し入れするときに楽に巻けます。たくさん流して真鯛を掛けた後も力強く巻けます」

タックルデータ

#03

ライン、リーダー

※ライン、リーダーは#01~#03共通