【限界突破の60メートル級】1グラムのジグヘッドを、
届けようがなかったエリアに投げるとどうなるか?

ウルトラシュートでメバルを
ねじ伏せる!

遠く離れた船道を狙う。ブレイクがあるので潮目が浮かんでいるが、距離にして50メートル以上。メバルはいるとみたが果たして──

寒かった冬から一転、帳尻を合わせるかのごとく気温は一気に上昇。自然の力を強く感じる今年の「春」だ。
そんな季節に似合う魚といえばメバル。「春告魚」とも書くこの魚、漁港や港湾部といった身近な場所から磯場まで広く生息する。そんな春の風物詩を探しに、神奈川県の城ヶ島へ向かった。

辺見哲也:写真

辺見哲也

東京湾ボートシーバスの“伝説のカリスマガイド”として名を馳せ、現在は岸からのキャスティングゲームでも活躍するシーバスエキスパート。多彩なキャスト技術を持ち、どんな状況でも狙ったスポットを正確に撃ち抜く、キャスティングの名手としても知られている。

神奈川県のメバルゲームというと、京浜運河を始めとするベイエリアで行うイメージが強いかもしれない。
特にボートによるメバルゲームは、創世記を担った一人として古くから楽しんでいる。ガイドをしていた時代、型も数もそろう激寒期はゲームの柱としていたほど入れ込んだ。

さて、港湾部ほどの手軽さはないものの多少の装備があれば磯やゴロタ場でもメバルは釣れる。こういった釣り場は手付かずのケースが多いため、サイズがいいので魅力だ。

メバルの他、アオリやシーバスなども好釣り場

メバルゲームはライトタックルの気軽さと手軽さがフィーチャーされがちだが、本当の魅力は小気味よい引き味にあると思う。繊細なバイトを捉え、フッキングが決まった瞬間からの強い引きはたまらない。磯の良型であればなおさらだ。

力勝負の大物相手よりテクニカルなゲームに釣りとしての魅力を感じるので、メバルは大好きなターゲットである。

そんじょそこらのサポートアイテムとは違う!

未来感ハンパないフォルムが革新的なゲームをもたらす!

東京湾内でも三浦半島はメバルの魚影が濃く、なかでも横須賀から三崎に掛けては小磯が多く良型が望める。多少の装備が必要といっても、私の場合シーバスのウェーディングゲームと同じ。スパイク底のウェーダーに浮力体の入ったライフジャケットを着用する。
ただしオープンエリアを攻める予定の今回は、タックルについては新たなものを導入している。

まずはリグ。オープンエリアのゲームで最大の要点は、「飛距離」ではないだろうか。口の小さいメバルが喰い込みやすい小さなルアーを飛ばすのは難しい。そのために様々なサポートアイテムが店頭に並んでいるし、シマノにも『ソアレ アウトシュート』などがある。

そのなかでとりわけて異彩を放つのが、50メートルオーバーの飛距離を実現する『ソアレ ウルトラシュート』。こちらはシンキングタイプで、3種類ある。重量は驚異の20、22、24グラム。いわゆるこれまでのキャストアシストとは一線を画す重さだ。これによってもたらされる飛距離によって、全く手付かずの場所にアプローチできる。
極小ジグヘッドにとって未知なる50メートルオーバーの彼方へ送り届けてくれる。辺見さんが紹介してくれたように、三つ又サルカンを使えばトラブルもないしセットもラクだ。リトリーブするとリアリップが開いて抵抗となり、レンジキープがしやすい設計。カラーは視認性のいいチャートとホワイト、そしてグローの3色。

ド級の飛距離。尺狙いはもちろんメバルポイントの開拓もお任せ!!

このウルトラシュートをキャストするためには、普段使っているメバルロッドでは想定外となってしまう。そこで〝専用設計〟ともいえる『ソアレCI4+ S900M‐S』を投入。繊細なメバルのバイトを弾かず、滑らかに吸収するソフトティップを持つ。それでいて中間部から手元に掛けてはパリッパリに仕上げた剛性がウリだ。20グラムオーバーのウルトラシュートもしっかり飛ばしてくれる。そして9フィートというレングスは、条件が限られるショアゲームでも絶対的な飛距離をもたらし、足場の高い場所でも有利に働く。

S900M-S

「はるか50メートル先を1グラム以下のジグヘッドで探る」をコンセプトに、『ソアレ ウルトラシュート』と組み合わせて使用することを前提に開発。ティップはもちろんハイレスポンスソリッドだから、しっかりとアタリを表現! 手付かずのフィールドから巨メバルを釣り上げよう。

ロングストロークのステラのスプールは飛距離もあと押し!

そしてリールは『ステラ C3000MHG』。メバルゲームには少し大きめだが、20グラム以上のリグを飛ばし9フィートロッドを使う上ではバランスの取れたものとなる。
なお、ルアーの重量増に伴うキャスト切れを防止するためPEラインは0.8号を使用。抵抗が大きなウルトラシュートは、繊細なラインメンディングを必要としない。だからメインラインは太くても問題ないのだ。
ここまで紹介してきて気付かれた方もいるだろうが、シーバスゲームとほぼ同じ装備となる。もちろん専用タックルのほうが快適に釣りできるが、ウルトラシュートを使えばシーバス用やエギング用でも楽しめる。

「やっぱりフラッグシップは違うもんだなぁ〜」と実感する圧倒的なパフォーマンス。軽やかで滑らかなフィールは、60メートル先のついばむようなバイトもしっかり伝達。
そこからの巻き合わせはもちろん、ショートバイトからのシェイキングにもシルキーに対応する。

リグは「三つ又サルカン」を使うのがキモ

ウルトラシュートの先からは、通常のメバルゲームと同じく6ポンドテストのフロロリーダーをセット。
70センチほど取った先には1グラムのジグヘッドリグを結ぶ。これらの連結には三つ又サルカンを用いると、ライン絡みがなく快適だ。
メインラインとリーダーも直線的に結束されるため、アタリも実にダイレクトになる。

甲殻類を模し、超スローフォールでじっくりアピールできるスローダイバー。リアルな小魚のシルエットで引いても落としてもいけるモモアジ。それぞれアソートカラーで2色ずつ入っているのがまたいい!この2タイプでメバルに死角なし!

オーソドックスなラウンドタイプに詰まった最新設計

掛かりのいいオープンゲイプにストロングタイプのワイヤー。
ラインが結びやすいラージアイに水の抵抗をきっちり捉えて受け流すオリジナルラウンドヘッドデザイン。そして、ソフトルアーのしなやかさを生かすショートシャンク設計・・・。

表層からボトムまで、ゲームの幅を広げる万能型ジグヘッド。めっちゃ使いやすいよ!

PEラインを市販の三つ又サルカンに直結

セット完了!戦闘準備が整った

このウルトラシュート、実は私も使うのは今回が初めて。1グラムのジグヘッドリグを届けようがなかったエリアに投げてみるとどうなるか。果して、結果やいかに!?

果たして未開の場は…メバルの宝庫であった!

重くてもアタリは吸収されずビンビンくる

日没直後の18時よりゲームを開始。
エントリーしたのは三崎港と城ヶ島との間に広がる水道で、潮通しのいい一級場所だ。
まだ上げ3分といった時間だったが、想像していた以上に潮位が高い。

テラス状に広がる沈み根は干潮時に大方顔を出すので、ウェーディングすると沖のブレイク(船道)が射程圏に入る。

浅場にある根周りの先で浚渫された深場なので、ここにはメバルが着くと踏んでいる。

日が沈み、メバルが浮いてきた頃と読んでキャストを開始

  • テラス状のゴロタへ慎重に歩を進める

  • ロッドのレングスを生かしたフッキング&ヤリトリ

ただブレイクまでは水辺から100メートル近く、潮位が高いとウェーディングしても一般的なサポートアイテムでは全く届かない。
干潮以外での攻略はあきらめるところだが、そこをこのウルトラシュートの遠投力でもってねじ伏せようという魂胆だ。
この日は横からの東風が強く、ライトリグにはなかなかの悪条件。しかしウルトラシュートを使えば難なくポイントを直撃できる。
答えは、数投で出た!
当初は20グラムオーバーの重量物をブラ下げて、メバルの繊細なバイトが取れるか不安であった。しかしその影響はほとんどないようで、メバルとおぼしきアタリをすぐに捉えた。
繊細なアタリだが、しっかり感じ取りつつ合わせるも乗らない。3月も終わりというのに前日は都心でも雪が降る冷え込み。このところ不安定な天気が続いていたため、メバルたちのご機嫌はよろしくないのかもしれない。喰い込みが渋いようだが、仕掛けの問題ではなさそうだ。

沖のブレイクに着いていたメバルを見事にゲット

〝神奈川サイズ〟を超えるアベレージを記録

風雲急を告げる現場。冷静な判断が未然に事故を防ぐ

ゲームの途中、何やら不穏な光が発せられた。発光した西の方角を見ると、空には真っ黒な雲。カミナリだろうか?
天気予報では降るようなことを全くいってなかったのでいぶかしんだ。
春の訪れを告げる春雷は、寒冷前線の接近に伴って起きる。ただの雨ならゲームは続行するが、カミナリとあっては別の話。いったん釣りを断念し、そそくさと撤収して県営の駐車場に戻った。すると直後、大粒の雨とカミナリに襲われた・・・。
結局3時間以上も天気の回復を待つことになったが、安全は第一。予報を鵜呑みにすることなく敏感に現場の状況を察知して早めの行動を心掛けることは、自然のなかで遊ぶ者にとって最重要のテクニックといえる。

いかなる状況でも繊細に展開できるのが強味

3時間ほどの休憩を挟み、カミナリ雲をやり過ごす。ゲームを再開すると、満潮を迎えたことで岸際には5センチほどのトウゴロウイワシとカタクチイワシの稚魚が接岸していた。これだけベイトがいれば期待できるというものだが、耳を澄ましても浅場でのライズはない。
徐々に潮が下げ始めたところでウェーディングに突入。多少前には出られたが今度は完全な北風に変わった。7、8メートルはある向かい風のなかでのゲーム。これまた、一般的なサポートアイテムでは歯が立たない状況だ。
改めて、ライトリグの釣りは自然環境に影響されるなぁと痛感。ショアのメバルはコンディションが整わないとなかなか釣れないのは、こういった点に左右されるのだろう。しかしウルトラシュートを使えばそれもクリアだ。

メバルのバイトを探すべく、リトリーブスピードやレンジ、トレースコースをあれこれ試してみる。そして、ついにバイトが集中するパターンを見付けた。それは、ディープゾーンだった。
めいっぱい、50メートルほど飛ばしてボトム近くまで沈めるとアタリがある。そのレンジで軽くシェイクすると、かすかなバイトの感触。ロッドで聞くようスイープに合わせると、メバル特有の小気味よい引きがロッドに伝わった。ダダダッと激しく暴れて根に向かおうとするメバルをいなし、ファイトを堪能して無事ランディング。
神奈川県の陸っぱりでは良型といえる25センチオーバーをキャッチ。すぐに同じパターンで数尾を追加した。

魚って腕じゃなく、道具で釣るんですね(笑)

身近な場所にある〝未知なるゾーン〟

メバルのレンジとパターンを見付けたことで、ディープをより攻めやすくする作戦に変更。
ウルトラシュートを24グラムにし、ジグヘッドも1から1.6グラムに重量アップ。

実際に投げてみると、たった2グラム+0.6グラムの違いで飛距離は格段に伸びた。およそ7、8メートルの向かい風のなか、限界突破の60メートル級。先ほどまでの着水点を軽々とオーバーしている。まさにウルトラクラスで、一般的なサポートアイテムとは別次元の飛距離だ。

フォールによく反応するときは、22グラムのウルトラシュートで連発させた

リグはヘビーであるが、それでいて繊細なバイトをしっかり伝えてくれるロッド。
そして『マイクロモジュールギアⅡ』の採用で回転フィールが一層滑らかになったリール。

更には12本ヨリでガイド抜けが恐ろしくスムーズになったPEラインの『ピットブル』。絶妙なタッックルバランスが、良型メバルを次々とキャッチさせてくれる。
いや、実にオモシロイ!

「リグ作りはカンタンだし、飛ばすのもラク。ライトゲームにおける画期的なアイテムですよ」

最終的には尺に迫るメバルまでキャッチし、「ここは本当に神奈川か?」と笑いが止まらない釣行となった。手付かずだった場所に小さなジグヘッドリグを送り込むと、すごいことになることが証明できた。
こういった楽しさを少しでも多くのアングラーに味わってもらいたいと、そんな思いを込めてこの原稿を書いた。

ウルトラシュートは新たなゲームの提案であり、まだいろんな可能性を秘める。それをコントロールするタックルの進化は、この先のショアゲームを変える存在かもしれない!

皆さんもぜひ、ウルトラシュートでいろいろなターゲットを狙ってみてはいかがだろうか。

メバルは夏場まで楽しめる好ターゲット。皆さんもぜひ!