この夏に釣ってみよう
ショアジギシイラ
ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!

プロもおかわりするゲーム

暖流の接岸に伴っていよいよ夏も本番!アツいショアジギングが全国各地で楽しまれている。
私もこのゲームを楽しもうと、伊豆半島にて黒潮の申し子・シイラを狙った。昨年は渡船を利用する沖堤からのアプローチを紹介したが、今回はより身近な場所を選んだ。この夏に陸っぱりのシイラゲームへの挑戦をもくろむ皆さんに、タックルや釣り方のコツなどイメージ作りに役立つノウハウを紹介しよう。

辺見哲也

東京湾ボートシーバスの“伝説のカリスマガイド”として名を馳せ、現在は岸からのキャスティングゲームでも活躍するシーバスエキスパート。多彩なキャスト技術を持ち、どんな状況でも狙ったスポットを正確に撃ち抜く、キャスティングの名手としても知られている。

向かったのは西伊豆

ここはダイビングのメッカとして名高く、海水浴場もあってマリンレジャーの盛んな観光地。有料の大型駐車場やトイレが完備されていて、ファミリーフィッシングにも人気だ。
古くからエギングやライトゲームのポイントとして知られ、青物に至っては遊魚船もこの周りを案内するほど魚影が濃い。東京から東名高速を走り、沼津インターを出る。ここから伊豆縦貫道までつながってくれたおかげで、西伊豆方面へのアクセスは格段に良くなった。海岸線に出ると情緒あふれる港町やワインディングロードが続き、夏の行楽気分が盛り上がる。

駐車場には午前3時半に到着、白み始めた空の下でタックルを準備する。
シーズン中の週末ともなれば、釣り人が岬をグルリと並ぶ様子がここから見えるほどの人気スポット。今日は平日とあってか、人の姿はまばらだ。ただ釣り人とは勝手なもので、人が多く夜明け前から場所取りしなければならないとなれば閉口する。しかし人気釣り場に人の姿が見えないと、釣果が出ていないのかも?と不安を覚える。

例年通りであればシイラや青物の回遊があるはずと、自己暗示を掛けつつ励ますように岬の先端へ歩き始めた。

今回使用したロッドは3本継の振出。移動を繰り返すゲームにも優位性をもたらす

相手は万力。備えをしっかりとして臨むのがモラル

ロングキャストでき魚のパワーに負けないタックル選び

日の出時刻の30分ほど前に岬の外洋側へ到着。
今回用意したロッドは前々回でご紹介した『ボーダレス』のキャスティング仕様で、305H4‐T。長さが3・05メートル(10フィート)ある振出のモデル。ある意味”万能竿”でありながら、それを全く感じさせないのが特徴。キャストフィールも抜群にいい。
もちろん、仕舞寸法が短いので移動したり車載するのに便利。すっかり今年のお気に入りロッドとなっている。

BORDERLESS(振出キャスティング仕様・H3/H4/H5シリーズ)[本体価格] 39,500円~46,500円

リールはこのロッドに組み合わせるのは初となる『ツインパワーXD C5000XG』。前回のときのように中・小型の青物しかいないフィールドであれば4000番クラスでいけるが、大型も予想される場合にはこのクラスが望ましい。

そしてラインは『パワープロZ』の2号で、先端のリーダーは『エクスセンスリーダー EX フロロ』の30ポンド。西伊豆のショアから狙うメーターオーバーのシイラに照準を合わせた、パワフルなセッティングで臨む。

最初にセットしたルアーは、広範囲を攻めるためのサーチベイト的な役割を果たすメタルジグ。なかでも最近のお気に入りで、ショアスロー用に作られた『コルトスナイパー ワンダーフォール』をチョイス。先発は30グラムだが、ロッドのポテンシャルからするとこの倍でもいける。

ツインパワーXD C5000XG

[本体価格] 49,500円

このジグはフロントにアシストフックが装着されていて、そのままでも十分に使える。
だが、今日はテールにもフックをプラス。いわゆる「おかず」とか「毛付き」とか呼ばれる、ティンセルや魚皮などが巻いてあるものだ。
実は先日まで、この手のフックで大きな効果を実感したことがなかった。「なんとなく効きそう」くらいの感覚でいたのだが、少し前に沖縄へ釣行した際に衝撃を受けた。それはリーフのライトジギングでのこと。ボコボコに釣れるだろうと臨んだが、この日は思いの外苦戦。ジグの操作を変えたりサイズやカラーをチェンジをするなか、強烈に反応が良かったのが「おかず付きフック」。ベイトが極小の場合に特別の効果があると感じたのだ。

外洋に面するフィールドへ臨むなら、「結び」はしっかり!

大型が喰っても安心できる接続方法

リーダーとルアーとの接続は、スナップではなくスイベルとスプリットリングで行う。
ジグを高速でリトリーブした際もラインにヨレが生じにくく、ショアジギングをするときはいつもこのパターンを採用している。
プライヤーの先端部がスプリットリングオープナーになっていれば、ルアーの交換もさほど手間ではない。

「情報時代」ではあるけれど、頼らず己の野生を磨くべし

魚の行動を読み、自然の流れに身を置くことで釣果はついてくる

準備も完了した頃にはずいぶん明るくなった。情報を頼って来ているわけではないので、「一か八かの勝負」といっても過言ではないゲームが始まる。まずは軽く第1投。その日の最初のキャストは、ラインを巻き整える意味もあるので6割ほどのスイングで行う。およそ7、80メートルほど先に着水し、そこから沈めずにリトリーブを開始。ここは遠浅なので根掛かりを防止するのと、表層付近を回遊するシイラを狙うなら水面直下を攻めるのが重要だから。ジグが水面に飛び出すスキッピングくらいのほうがアピールする場合もある。

すると、海からの回答は1投目から出た!すぐにバイトがあってフッキング。
小気味よい引きながら大きく左右に走るこの感触は、恐らくシイラ。と思った瞬間、
ジャンプ! ジャンプ! ジャンプ!!
サイズは小ぶりながら、激しく飛び回る魚とのファイトは最高に楽しい!興奮して黄金に輝くシイラを無事ランディングした。いわゆる「ペンペン」というサイズだが、陸っぱりからのファイトは格別。釣行前の不安は、この1尾で吹っ飛んだ。

  • 夜明け前からキャストを開始。
    70メートルほど沖にはいい具合に潮目が走っていた。

  • なんと、いきなりヒット!
    興奮して真っ黄色に輝くシイラが上がった。

さて、リリースをしようと口元を見ると……見事に「おかず」を喰っている。7月中旬にもなるとこの辺りはマイクロベイトが多くなる。
やはり効果はあったのかも?そしてこのあと、なんと”入れ喰い大会”となった。サイズは変わらないものの、とにかくものすごい連発。
あっという間に2ケタ釣果を記録し、まだまだワンキャスト・数バイトが続く。

ここまで釣れると、さすがにテールのおかず付きフックを取り外す。
魚を傷つけないためにもフロントフックのみのスタイルに変更したが、それでも釣れ続ける。いったい、この海はどれほどのシイラで埋め尽くされているのだろうか。釣り方は一貫して一緒。ジグが着水したら即座に糸フケを取り、リトリーブを開始。フォールを重視した設計のワンダーフォールは、ミディアムリトリーブでブリブリとよく泳ぐ。ヘンに水面から飛び出たりもしないので、水面直下をトレースしやすい。フォーリング主体のジグで沈ませずに表層を意識するシイラを相手にするのもヘンな話だが、とにかく使いやすく釣りやすい。

レンジや射程を変えつつ、魚に飽きさせずに時合を継続

「次の一手」を先読みしていくことで
爆釣タイムは伸ばせる

1時間ほどの爆釣劇が繰り広げられた午前5時過ぎ、シイラの活性もピークに達したのか、
岸からわずか2、30メートル先でもバイト。プラグの射程に入ったところで、今度は大型狙いのトップウォータープラグに変更。『コルトスナイパー ロックポップ 90F』をキャストした。

このルアーはずんぐりとした見た目からは想像もつかないほどよく飛ぶので、
ショアゲームでは強烈なアイテムだ。読みは見事に当たり、着水と同時にシイラが横っ飛びでアタック。こんな迫力あるシーンを目の当たりにしただけでも満足だが、なかなか乗らない。
そうなると今度はストレスがたまる(笑)。

まさに“爆釣ロード”とも言うべき潮目に、想像を超えるシイラがいた

プラグを使ってもペンペンが先に喰ってきてしまう。サイズは伸ばせなかったものの、楽しい釣りは続いた

そこでガマンできずに『エクスセンス トライデント 115S AR‐C』を投入。
”トップじゃないじゃん!”てな言葉も聞こえてきそうだが、このルアーだって使い方次第。
5000番のエクストラハイギアのリールを生かし、着水後に糸フケを緊急回収。
トゥイッチしながらやや速めにリトリーブすれば、水面で暴れてくれる。
すると、速攻でバイトした!

このパターンで数尾をキャッチするものの、サイズはジグのときと変わらない。大きなシイラもいると思うが、とにかく素早いペンペンが多いので先にバイトしてしまうのだろう。
そこで42グラムの『オシア ペンシル 115HS』にチェンジ。シルエットをトライデントよりも大きくしたが、相変わらずペンペンがすぐに釣れてしまう。

そんなこんなで、やがて喰いが落ち始めた。
ほんの20分前まで目前で跳ねていたシイラが、気付けばはるか沖に離れてしまった。
時合というのは、やはり長くは続かないものだ。

それでもしばらくルアーを投げ続けたが、沖には小型のクジラが集まり始めた。もはや釣れないかも……。
ふと駐車場を見ると、準備を整えたアングラーたちが集まっている。先ほどまでの爆釣劇が嘘のように静まり返ったこの海を見て、彼らはなんと思うだろうか。
”今日はシイラがお留守”と思うほど、釣れる気配はない。まさに一気に始まり、一気に終わった。

それがショアゲームと言えばそれまでだが、やはりなんの釣りでも朝マヅメを狙うのは基本となる良い例だと思う。
サイズを伸ばすことはできなかったが、陸っぱりで黒潮の申し子を釣る夏の醍醐味は満喫できた。
近年のマグロ人気で、相模湾の遊漁船はシイラでの予約が取りづらい。最高のゲームフィッシュと出会う機会が少なくなっているが、あきらめることなかれ!
船じゃなくてもシイラは釣れる。楽しいライトなショアジギングにぜひトライしてみてはいかがですか?

血しぶきを浴びないために
さすが万力。御用となったあとも……

シイラはランディングしたあとも大暴れする。小型とはいえ、陸に上げると血だらけになることも。持ち帰っておいしく頂くのであればいいが、リリースを考えるなら陸に上げず水際で放そう。それが難しい場合は魚の動きを封じるために、ランディングネットを使うなど対策を考えて臨むといいだろう。

ヒットルアーも“ボーダーレス”
ジグにもプラグにも、ガンガン喰ってきた!

沈めても表層でも水面でも釣れるシイラゲーム。
シーバス用でも青物用でもショア、オフショアの垣根なくいろんなルアーが試せるので、使っていてまぁ〜楽しい。
青物とはまた違うショアジギングの魅力を感じるよね。

  • コルトスナイパー ワンダーフォール

    フォールに特化しているけど、巻いてもすごいんです。

  • コルトスナイパー ロックポップ 90F

    飛行安定性は特筆モノ。このサイズでまじブッ飛ぶ!!

  • エクスセンス トライデント 115S AR-C

    この細身で、みんなも知っているあの飛距離。
    そりゃ〜もう、入れパクですわ。

  • エクスセンス ガラスライド 110F

    ラトルの入った新製品。
    ーバス用ハイアピールペンシルでも……一撃っす!

  • オシア ペンシル 115HS

    ド定番。シイラはこのルアーが好きというDNAを持つ。

あんまりにも面白かったので、実は翌日も釣行してしまったのでした(笑)。

  • 圧倒的な飛距離と集魚効果で、ロックポップは陸っぱりの青物ゲームで頼れる存在!

  • ペンペンとはいえ、スタミナは十分。最後の最後までファイトするから楽しい

  • ノイジーなシーバス用ペンシルにも連チャン♪