ショアジギのちシロギス釣り。
BORDERLESS 遠征満喫の夏の海

日本海・太平洋側に限らず、沿岸部は青物たちの接岸でにわかに活気付いてきた。
遠州や相模湾のサーフでもワラサクラスの釣果が上がり、シーズンの盛り上がりを
見せている。

さて、前回はショアジギングに興味を持つ皆さんに「ライトショアジギQ&A」を紹介した。
手軽で人気が高く釣果も期待できるこのゲーム。今月は実釣の様子をお伝えしよう!

辺見哲也

東京湾ボートシーバスの“伝説のカリスマガイド”として名を馳せ、現在は岸からのキャスティングゲームでも活躍するシーバスエキスパート。多彩なキャスト技術を持ち、どんな状況でも狙ったスポットを正確に撃ち抜く、キャスティングの名手としても知られている。

向かったのは新潟県上越市。
ショアからの青物ゲームを楽しみに毎年数回は訪れるエリアだ。

早春から始まる北陸から新潟にかけてのサゴシゲーム。
ゴールデンウイークを迎える頃にはワカシも回り始め、初夏にはワラサ級の大型も回遊する。 青物たちは暖流を回遊するのか、やがてその群れは山形から秋田へと東北に向かって北上する。

夜中の1時に東京を出発し、圏央道から関越道を経て北陸道へ。
米山インターチェンジで高速を降り、夜が明けたばかりの海岸線を眺めながら走る。例年に比べるとアングラーの姿が少ないようだ。今年の新潟は雪が多く、5月も中旬を過ぎたというのに山にまだ多く残る。季節の移り変わりはどうなのだろう?海も遅れ気味ではないのか?吉と出るか凶と出るか、一抹の不安を抱えつつ釣友とともに米山のサーフを目指した。

釣り場に到着すると、先行者はわずかに3名ほど。釣れていればびっしり人が並ぶこのサーフにしてはガラガラ状態と言えよう。しかも東側にある、海岸に突き出た岬の磯にはアングラーの姿がない。ショアジギでのポイント選びで重要なのは、いかに前に出るか!(笑)
少しでも沖へ、そして深い所へルアーを届けられるかを基準に考えるべきだ。

堤防でも磯でも、少しでも潮通しの良い沖にアプローチができれば回遊魚と出会う確率は上がる。ただ問題は、そういう場所は人気が高いので釣り座を確保するのが難しい。
今回はたまたま空いていたので、これを逃す手はないとばかりに岬の先端へ出る。

岬の先端へ向かう

展開が読めない遠征釣行。アウエーの地でも守備範囲が広ければ

足元から沖に根が続くこのポイントを選んだことは間違いないと思うがベイトの姿が乏しい。 少し気掛かりだが、せっかくなのでここからスタートする。
さて、今回は新しいロッドを持ち込んだ。以前より発売されている「BORDERLESS」というシリーズの新作。その名が示す通り、ボーダーを越えて釣りを楽しむというものだ。

フリースタイルを提唱するロッドで、メーカーが対象魚やスタイルを提案するのではなく、ロッドの調子に合わせて使い手が自由に選ぶというもの。磯の上物竿のような調子で港湾や沖堤を攻めるタイプの振り出しが最初にリリースされ注目を集めたが、今回は新シリーズとしてキャスティング仕様が発売された。こちらは大きく曲がる上物竿の調子とは逆に、キャスティングロッドとしての強さが持ち味。3本継の振出構造ながら、ガイドを含め投げのエッセンスが盛り込まれている。

対象魚やスタイルの垣根を外すという考えを最初に取り入れたのがAR‐C(オールラウンドキャスティング)シリーズであることを考えれば、ボーダレスシリーズの投げ専用モデルが発売されるのは当然のことかもしれない。

サーフより沖に突き出ている分だけ、回遊する魚を仕留めやすい。しかも足元から根が続いていた

BORDERLESS(振出キャスティング仕様・H3/H4/H5シリーズ)

フリースタイルを標榜するボーダレス6種類のうち、このシリーズは本格キャスティングモデル。そのコンセプトは、ルアーロッドでもあり投げ竿でもあること。40グラム前後のルアーやオモリを軽快に飛ばせる振出ロッドだ。単なる万能竿ではない証拠に、ブランクスは「スパイラルX」&「ハイパワーX」を搭載している。

ベイトが見当たらないのが唯一の気がかり

私が持ち込んだのは「ボーダレス 305H4‐T」というモデル。長さが3.05メートルで、換算すると約10フィート。ショアゲームの中核をなすレングスだ。
手にした第一印象は、AR‐Cをマイルドにした感じ。あまりの軽さに軟らかすぎる?と不安を抱いたが、投げてみると全くの杞憂であった。
バットに十分な張りを残すキャストフィールは申し分ない。ブランクスが細めで振り抜けもよく、バットガイドは小径ながらリールから離れた位置にセットされている。そのおかげでシマノの4000番を使用してもラインの抜けがスムーズ。恐らく5000番クラスでも大丈夫だろう。前号でも紹介した「AR-CエアロCI4+」のようにキャスティングに特化したリールをセットしても面白そうだ。ともあれ、振出ロッドのイメージを完全に覆すのではないだろうか。

酷使するリールは万全な性能を

セットしたリールは「ツインパワーXD」の4000XG。今期のサクラマス釣りから使用しているが、ソルトウォーターでは初使用となる。
防水性能を向上させ剛性と耐久性を増したこのモデル。高速でのリーリングをベースにストップ&ゴーを繰り返すという、リールへの負担が大きいショアジギにぴったりだ。ライトとはいっても40グラムのメタルジグを100メートル以上も投げ、相手とする魚も時には5キロを超す。ライトながらも、それなりの対応ができるタックルを準備しておきたい。

ラインは8本ヨリの「ミッションコンプリート EX8」。これに「エクスセンス リーダー EXフロロ 30ポンドテスト」をFGノットで結束。
リーダーは80センチほどで、ダブルクリンチノットでスイベルを介し、スプリットリングでルアーへ接続している。

それにしても・・・条件は整っているポイントだが、ベイトの気配が希薄で潮の動きも悪い。ボトムから表層まで一通りチェックするがノーバイトだった。

  • なかなかパワーもあるので、ショアジギの使い勝手もグッド。

  • 3ピースの振り出し式は磯歩きもラクでいいです!

状況が悪いときこそフォールでもアピールする「スロー」の出番

潮止まりまで同じ場所で粘るか、それとも移動するかの判断を迫られる。
沿岸部を回遊する青物を仕留めるためには、何よりもまずベイトを見付けるのが先決だ。残念ながら、今日のポイントにはその気配がまるでない。
時間が限られる遠征釣行では潔く見切る勇気も大切である。
周辺のサーフにいたアングラーに話を聞いてもサッパリだったことを考えると、大きく移動したほうが賢明と判断。
直江津方面に向かう。

クルマで1時間ほど走り、午前9時にポイントに到着。タックルを準備して向かうと、ベイトの姿が確認できた。
手前の潮は澄んでいたが、沖にはイナダが好みそうな少し濁った潮も見える。潮目となる境目ははるか彼方だが、風に押されて着実に沿岸に迫っている。
チャンスがあるとすれば、恐らくあの潮目が射程距離に入ったとき。周りを見ても釣れている様子はないので、ここは厳しい状況に強いスロー系のメタルジグを使うことにした。

取り出したのは、新製品『ワンダーフォール』。ショアスローに特化した偏平形状のメタルジグで、フォールではヒラヒラと沈下。
一転リトリーブすると激しくアクションする。

コルトスナイパー ワンダーフォール

[重量/全長] 58mm/30g、66mm/40g、72mm/50g、77mm/60g
[カラー] 10色
[本体価格] 990円〜1,150円

重心がセンターにある小判型なのに、テール部への絶妙な肉付けで同型に比べて群を抜く飛距離。もちろんフォールでのアピールも秀逸。
スライドを交えての明滅が、活性の低いターゲットにもリアクションで口を使わせる!

重心がセンター寄り形状のため飛距離は期待していなかったが、飛行姿勢が安定しているせいかなかなか飛ぶ!30〜60グラムまでの4サイズあるなか、ライトショアジギのメインどころは40グラムだろうか。この上越エリアはどこも浅く、フルキャストした先でも水深は10メートル前後。フォールの遅いスロー系ジグでも、40グラムあれば余裕で着底を確認できた。

  • スロー系ジグはフォーリングが決め手

  • 見事、潮目からヒット!!

  • 活性が低かったイナダも、スロー系のジグにはたまらずバイト

体力と気力を温存しつつ、潮目が寄るのをひたすら待つ。そしてついに時はきた!
射程に入ったところでフルキャスト。リトリーブするとあっけなくヒット!!足元には障害物が多いので遊びは禁物。一気に寄せて抜き上げた。
濁った潮のなかで回遊していたイナダ。チャンスはほんの一瞬であった。

気分爽快! 肩の力を抜いて海で存分にアソビましょう!

潮止まりを迎えたところで、午後からは周辺のサーフに移動。青物は釣友に任せ、せっかくなので私はシロギスでも狙う。
セットしていたジグをジェット天秤に替えフルキャスト。青い空にオレンジ色のオモリが吸い込まれていく。
東京から350キロも走ってきたせっかくの遠征、釣りは存分に楽しみたい。こんなボーダレスのフィッシングもいいと思う。シロギスを狙っている人たちはまだポツポツ程度の釣果だが、6月中旬には軽く2ケタ釣れるようになるとのこと。

前回の記事と一緒に読み進めてもらえれば、ライトショアジギングをより理解できると思う。
シーバスロッドに代表されるプラッギング用でもこのゲームは可能だが、それはあくまでチョイ投げレベル。せっかくのいい時期にやるのであれば、存分に楽しめる道具で臨みましょう!

  • せっかくの遠征。海釣りを満喫しなきゃね!

  • 6月になると2ケタも楽勝だって

  • こういう釣りもたまにはいいモンです