阪本智子の船釣り探見!

阪本智子の船釣り探見!
アカメフグ(ヒガンフグ):標準和名はヒガンフグ。春の彼岸頃に波打ち際で大群を成して産卵することが由来。体側に不定形の暗色斑が散在し体表はざらざらしている。最大で40cmを超え、東京湾や千葉県の外房の専門の遊漁船で釣りができる
ショウサイフグ:梅雨から初夏にかけて産卵。水深100mより浅い沿岸部に生息。大きさは20~30cm前後が中心で大きなものは40cm近くまで育つ。体表はすべすべしており、東京湾や千葉県の外房の専門の遊漁船で釣りができる

外房・大原沖の一つテンヤマダイ釣り

目次
  • 1:専用仕掛けでねらう美味魚
  • 2:エサの付け方と誘い方
  • 3:効果的だった誘い下げ

専用仕掛けでねらう美味魚

フグは東京湾や千葉県の外房エリアで人気の釣りもの。専門の船宿が釣ったあとは安全に食べられる身だけの状態にして持たせてくれる遊漁が昔から行なわれてきた。10月初旬、阪本さんが訪れたのは金沢八景の「野毛屋」。三代目の黒川健太郎船長は、今から7年ほど前、それまでの定番だったショウサイフグと並んで、アカメフグのポイントも開拓し人気のターゲットに押し上げた実績を持つ。
八景島シーパラダイスを眺めて出船
東京湾のフグ釣りではカットウ仕掛けの上部にさらに喰わせバリも付けることが多い
カットウ仕掛けは丸オモリの下にエビを掛ける大きなテンヤバリ、その下にフグを引っ掛けるためのカットウバリを配置した構造。自作する人も多い
釣り方はカットウバリ(カエシのない3本イカリ)による引っ掛け釣り。東京湾ではポイントの水深が10m前後となるため、オモリは10号前後。サオは1.8m前後のいわゆる「湾フグ」用ザオや同クラスのライトゲームロッドが使われる。
午前7時15分河岸払い。釣り場は港を出てすぐ目と鼻の先の野島防波堤付近。野毛屋のフグ船は、北は横浜の本牧エリア、南は横須賀の猿島付近まで移動することもあるそうだが、今はこのあたりが好調とのこと。まずは船長がこの日が初めての乗船者のために、基本の釣り方とエサの付け方、さらに根掛かりした時の外し方を説明してくれる。
仕掛けは釣具店のほか船でも購入できる
グラスソリッドの穂先を持つ先調子の「ライトゲームCI4+アレグロ タイプ91SS180」は湾フグ釣りでも抜群の使いやすさ。リールは軽量好感度のサオを生かす「バルケッタ200HG」を組み合わせた
エサはアルゼンチンアカエビ。船上で配られるものをカットして使う
エサ付けはしっかり行う

エサの付け方と誘い方

寄せエサの付け方
最初にエビの頭を外す。使うのは尾の身のみ
尾羽根と尻尾から3節分を残して殻を外す
尾羽根の根元を残して先端をハサミでカット
余分な脚もカットするとこの状態になる
尾羽根の根元のパイプ状になったところにハリ先を入れる
ハリのフトコロまで刺したら背側にハリ先を抜く
エビの身をハリの付け根までしっかり押し込んだら
ハリの向きを反転させてちょうど2節目と3節目の境に背側からハリ先を入れる
エビの身をハリの軸に対してまっすぐにセットすればOK
喰わせエサの付け方
喰わせバリには殻を剥いた尾の身を一節分にカットしたものを付ける。ハリ先を身の端に通して軸まで移動させたら、身の向きを変えて反対側の端にもう一度ハリ先を刺せばOK
根掛かりした時はリールのクラッチを切ってまずサオを置き、目の高さくらいで両手でミチイトを掴んで上下にしつこく揺する。「高い位置で動かすのがコツです」とのこと。
釣り方はサオ先をやや上に向けた状態で底ダチを取ったら、あとは仕掛けの上げ下ろしでアタリを取る。「着底したら張らず緩めずで必ず3秒は我慢してアタリを待ち、3秒たったらまた上げて誘ってください」と船長。基本はフグに着底までエサを追わせ、仕掛けが横になってフグがカットウバリの上でモグモグとエサを齧る状態になったらアワセを入れてヒットさせる。
アタリは3秒の我慢の間にサオ先に出る場合が多いが、下ろして行く途中から分かることもある。いずれにしてもアタリを出すには、「サオ先は上向きをキープ」が大切。サオ先が下を向いてしまっているとモゾモゾとした反応が出にくい。あとは「カットウバリは少しずらせばフグに刺さります。アワセは小さく。サオを乱暴に動かしてしまうとかえって引っ掛かりません」とのこと。一連の説明を受けてイメージがつかめてきた阪本さん。さっそく釣りを開始してみたところ……なんと3投ほどしたところで船中で最初となるアカメフグを釣りあげてしまった!
良型のアカメフグがヒット!グッドサイズの取り込みはタモで行なう
「釣られて怒ってます!(笑)」

効果的だった誘い下げ

「1尾も釣れなかったらどうしようと心配だったのにうれしすぎます(笑)」と阪本さん。この日のロッドは「シマノ ライトゲームCI4+アレグロ タイプ91SS180」。グラスソリッドのしなやかな穂先と剛性感のある穂持ち部分を合わせた個性的な9:1先調子で、5~50号という幅広いオモリ負荷に対応しつつ、湾フグ、エギスミイカ、カワハギ、マルイカなどの繊細な釣りにマッチして微妙なアタリを明確に伝えてくれる。すると驚いたことに開始から1時間も経たない8時までに4尾のアカメフグをキャッチ!
高い遊泳力を持つフグは引きも強く釣り応えも充分
好調の阪本さんはフグ以外にマコガレイもヒット。こちらも美味
「船長のアドバイスどおり、底で3秒待っている時にコツコツっと来ます」とのこと。さらに集中していると、8時15分に5尾目、19分に6尾目、40分に7尾目、50分にはついにグッドサイズの8尾目と破竹の勢いで連続ヒットとなった。同時に船中でもアタリが増え始め、うまく時合を掴めたようだ。
その後はポイント移動も挟んでしばらくアタリが止まった時もあったが、9時半頃に良型のショウサイフグがヒット。「昨日も釣果はよかったんですが、今日も悪くないですね。フグは潮が流れていなくても、〝いるポイント〟を見つけられれば釣れる魚です」と船長の声も明るい。正午前には再びアカメフグを追加。これも丸々と太った良型だ。
エサを新鮮なものに変えたところで良型のショウサイフグもゲット!
先を上向きにキープするのがアタリを出すコツだ
そして阪本さんが本領を発揮したのが、午後2時過ぎの沖上がりまであと1時間ほどの時間帯に見せた3連続ヒット。この時は全体的にスローな展開が続いていたのだが、好調な阪本さん「カワハギ釣りの応用でこれもありかな?と思ってやってみました」という誘いを試した。カットウ仕掛けを下ろして行く時に、かなり大胆にユサユサと仕掛けを揺らす。すると「落とすたびにアタリがあります(笑)」という状態になり、良型ショウサイフグの連続ヒットとなった。終わってみればアカメ9尾、ショウサイ5尾の計14尾。「積極的に掛けて行く釣りが大好きなので、フグのカットウ釣りってこんなに面白いんだって一気に好きになりました! 近いうちに絶対またやりたいです」と大満足。
釣ったフグは帰港後に船長がさばいてくれる。ショウサイフグはその日のうちから美味しく食べられるが、アカメフグは身が硬く、冷蔵庫で1週間から10日ほど寝かせてから食べる。いずれの場合も持ち帰った身はまず水道水でよく洗い、手で取れる筋や膜はきれいに取り除く。冷蔵庫で寝かせる時はキッチンペーパーでくるんでからジップロックなどに入れ、キッチンペーパーは1~2日ごとに取り替えてやる。あとは刺し身(薄皮は引く)、炙り刺し、焼き物、鍋の具と、何にしても極上の味わいだ。
この日はアカメフグ、ショウサイフグともに良型混じりで船中オデコなしの好釣果。賑やかな一日となった
阪本さんもアタリの多さでカットウ釣りの面白さを満喫!