飛天弓 皆空(ひてんきゅう かいくう)

  • 飛天弓 皆空(ひてんきゅう かいくう)

紹介文を読む

シマノテクノロジーが実現した「パワー」「振り込み性能」「軽さ」の融合。
釣り込んで、勝つための新機軸へら竿。

今回の「飛天弓 皆空」は、競技会で勝てる「釣り込める竿」を徹底追求しています。その中で「パワーロッドなのに軽い」「竿にパワーがあるのに柔らかいエサが振り込める」といった一見相反する要素を併せ持った竿が必要となりました。そのためには、様々なシマノの持つ竿作りのテクノロジーを注ぎ込む必要がありました。具体的には、新感覚先調子を実現する「変則的な継ぎ数」、ネジレにくいブランクスのために欠かせない「スパイラルX」、振り込み性能とパワーを両立させるための「タフテック半無垢穂先(7~11)とタフテック無垢穂先(12~16)の使い分け」、かつてないグリップ性能を実現した「しっとり綾織握りⅡ」などが搭載されました。そして、シマノジャパンカップへら釣り選手権大会の優勝経験者を中心としたプロジェクトチームによる実釣を積み重ね、トーナメンター一人一人が勝負竿として、自らが競技会で使うための機能を徹底的に突き詰めてモノ作りを行い製品化しました。テスト段階で、特に高い評価を得た部分としては、硬い竿だとどうしても不安定になる振り込み時の急な向かい風などに対しても「エサが正確に入る竿」だということ、取り込み時に沖で浮かせて横ブレすることなく釣り座の正面を魚がまっすぐ滑って玉網に収まるリフト性能を実現していることが挙げられます。さらに、握り部の新開発「しっとり綾織握りⅡ」に関しても、グリップ力が格段に上がるうえ、手のひらへの当たりもやさしくなることで、グローブなしでもしっかり握れるモノになっているとの高い評価があります。それら全てを総合してモノ作りに関わった釣り人全員が「これこそ勝負竿だ」と太鼓判を押しています。釣り込むことに真摯に取り組んだシマノの自信作、是非一度お試しください。

技術特性

技術特性

  • スパイラルX

    スパイラルX

    スパイラルX

    スパイラルXは縦繊維のシートの内層、外層を斜め方向のカーボンテープで巻くことによりサンドイッチ状にした3層構造。斜め繊維に横繊維としての機能も持たせた新次元のブランクスです。構造を変えただけなので重量を増やすことなくネジリ/つぶれ剛性の向上を実現。シンプルな構成で、強さと軽量化を実現した唯一無二の基本構造です。

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  • タフテック

    タフテック

    タフテック

    素材の配合と製法を見直すことで、従来にない強さを与えられたカーボンソリッド穂先。タフテックαと比べて張りのある高感度が特長です。

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  • マイクロまわリリアン

    マイクロまわリリアン

    マイクロまわリリアン

    糸ガラミが少なく、糸と馴染みが良い回転式リリアンです。さらにコンパクト性と水切れに優れたマイクロタイプもラインナップ。

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スペック表

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品番
品番 全長(m) 継数(本) 仕舞寸法(cm) 自重(g) 先径/元径(mm) カーボン含有率(%) 本体価格(円) 商品コード
品番
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品番 全長(m) 継数(本) 仕舞寸法(cm) 自重(g) 先径/元径(mm) カーボン含有率(%) 本体価格(円) 商品コード
7 2.1 4 61.0 37 0.9/8.7 95.9 52,500 36664 1
8 2.4 4 68.5 40 0.9/9.1 95.2 53,600 36665 8
9 2.7 4 76.0 45 0.9/9.5 95.4 54,900 36666 5
10 3.0 4 83.5 52 0.9/10.0 95.4 59,000 36667 2
11 3.3 4 91.0 54 0.9/10.0 95.8 62,700 36668 9
12 3.6 5 89.0 61 0.8/10.4 95.3 70,800 36669 6
13 3.9 5 97.0 62 0.8/10.7 96.0 75,400 36670 2
14 4.2 5 106.5 66 0.8/11.4 96.3 79,800 36671 9
15 4.5 6 96.0 73 0.8/11.9 96.1 87,000 36672 6
16 4.8 6 103.0 78 0.8/12.2 96.2 91,200 36673 3

その他スぺック

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品番
品番 調子 硬さランク 穂先仕様
品番
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品番 調子 硬さランク 穂先仕様
7 先調子 4 タフテック半無垢穂先
8 先調子 4 タフテック半無垢穂先
9 先調子 4 タフテック半無垢穂先
10 先調子 5 タフテック半無垢穂先
11 先調子 5 タフテック半無垢穂先
12 先調子 6 タフテック無垢穂先
13 先調子 6 タフテック無垢穂先
14 先調子 6 タフテック無垢穂先
15 先調子 7 タフテック無垢穂先
16 先調子 7 タフテック無垢穂先

フィーチャー

フィーチャー

  • ※画像をクリックすると拡大画像と説明文が表示されます。
スパイラルX
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スパイラルX

芯から強くなれ。

ネジレを克服しロッド性能を根幹から高める[スパイラルX]

[スパイラルX]はロッド縦繊維の内層と外層に、カーボンテープをそれぞれ逆方向斜めに密巻きした三層構造。従来の横繊維に替わる内外の斜め繊維により、重量を増すことなくネジリ剛性を高めます。キャストやファイトといった釣りの動作における瞬時のパワー伝達がよくなり、軽さを維持して“獲るための地力”を高める、シマノ独自の「基本構造」です。

しっとり綾織握りⅡ
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しっとり綾織握りⅡ

釣り込むための「しっとり綾織握りⅡ」

へら竿の「握り」は製品の顔ですが、シマノへら竿における「握り」は「一品一様」を基本としています。それは“製品の調子や長さに合わせて、求められる握りの形状が違う”と考えるからです。これまでのシマノへら竿で「握り」に対して改良の余地を感じていたのは、尻栓のエッジ(角)が手に当たることでした。「握り」を掌(たなごころ)に握り込むと若干なりとも気づきます。長ザオ使いを得意とされる釣り人は、ここにマメができている様子も見られました。シマノはこの現状解決のため研究開発を進め『しっとり綾織握りⅡ』を編み出しました。具体的には、手の平・拇指球に当たる部位の尻栓をできる限り小さくして、その分だけ「握り」の組み紐を竿尻側へ回り込ませるようにしました。竿尻まで『しっとり綾織握り』の感触に包まれていることにより、手の大きさを問わずそのグリップを体感できます。もちろん「握り」の曲線も“握り込んでも尻栓に当たらない形状”で設計しています。まるで、へら竿が腕の延長にあるような感触を覚えるほどのストレス・フリーな道具。シマノは、釣り人に優しい技術を研究、開発し続けていくことに使命を感じています。

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軽量化と質感を両立させたこだわりの塗装

■スパイラルX
■高精度テーパー合わせ
■マイクロまわリリアン
■タフテック(半無垢穂先7~11)(無垢穂先12~16)
■しっとり綾織握りⅡ
■手仕上げ(製品によって色味・風合いが微妙に異なり、それぞれ独特の表情を持っています)
■ミゾ切り口栓
■二層式竿袋/口栓収納ポケット付き

シマノ へら竿大全

勝負竿。 飛天弓 皆空

シマノジャパンカップ優勝者たちが『勝負竿』だと認めた[飛天弓 皆空]。「朱紋峰 神威」の『力』、「飛天弓 風刃」の『振り込み性能』、「飛天弓 閃光XX」の『軽さ』という一見、相矛盾する性能を合わせ待つことをテクノロジーの進化が可能にした。時代が求めた新機軸のへら竿の誕生である。

本気で釣り込める竿。勝利をもたらす、硬式先調子。

  • 2014年ジャパンカップ王者 吉田康雄
  • トーナメント・モンスター 岡田清
  • スプラッシャー 杉山達也
  • ミスタージャパンカップ 萩野孝之

2014年の勝者が語る勝つための竿に求められる性能。

吉田 康雄
吉田 康雄 (よしだ やすお)
1976年、東京都荒川区で生まれる。
数々の大会で上位入賞、全国大会進出を果たしているが、記憶に残るのは99年シマノジャパンカップへら釣り選手権大会の準優勝と、14年に実現した同大会優勝。人気ウキ師としても評価が高い。巨ベラ狙いにも積極的で、05年春には亀山湖で50cmを達成した。

2014年、ジャパンカップ王者の栄冠に輝いた吉田。
その釣りは、吉田が追求してきた繊細さではなく、強固な時合いを構築する不撓不屈の力強さだった。
貪欲に1枚でも多くの釣果を得るため、大バラケを打ち抜き、小さく誘う。
大胆さと緻密さを兼ね備えた吉田の釣技は『飛天弓 皆空』で、さらなる進化を遂げようとしている。

管理釣り場で競技会が開催されることにより、必然的に競技桟橋が浮き桟橋である環境が多くなった。但し書きを要する話になるが、釣り人の足もとから深い、「深宙天国」の状況を招いてしまったといえる。

ご存知の通り、大会独特の混雑下において、クワセエサを伴うセットの釣りは避けられない。クワセエサが持つからといって投餌の手を止め、ぶら下げて待っていようものなら魚どころか勝機も逃がす。喰わせる誘い方の基本動作、リアクションバイト(反射的に喰わせる)を狙ったリフト&フォール(持ち上げて落とす)を細かく刻みたいとしても、従来のへら竿はこの釣りを想定していない。

そんな中、穂先の進化が、チョウチン・セットの精度を高めた。これに関して多くの釣り人が頷く。 2014年の吉田康雄もまた、この恩恵にあずかった一人と言えるだろう。

夏のような日差しの降り注ぐ6月上旬、千葉県野田市にある野田幸手園で『シマノジャパンカップへら釣り選手権大会(以下、ジャパンカップに略)』王者となった吉田に、ジャパンカップで優勝した釣り方を『飛天弓 皆空』8尺を使って再現してもらい、この竿を使うことで何が変わるのかを語ってもらった。

吉田「僕のチョウチン・セット釣りは、簡単に言ったら"寄せる釣り"です。そうなるとタナで暴れさせず上げてこられる利点は、非常に大きい。できる限り、散らさないで釣り込めることは大変なメリットなのです。大きく曲がる軟らかい竿で、魚を自由に暴れさせてしまった場合、1枚の釣り自体は面白いかも知れませんが、次にアタリを出そうとしても、アタリを出す環境まで寄せないといけなくなります。それが『飛天弓 皆空』であれば、いいときで次の1投、あるいは3~4投でアタリを出せるかも知れないのです。このとき軟調子の大曲がりする竿で取り込んでいたら2投はチャンスを失いますよ」

さらに吉田は続ける「この握りは、すごいですよ」

吉田は『しっとり綾織握りⅡ』の感触に驚きを隠せなかった。

吉田「竿尻をここ(親指の下のふくらんだ部分の下部)に当てるでしょう。そこで滑らないから、このまま竿に掛けてある人さし指だけ動かせば、十分に誘えるだけ竿が動かせる。指先で竿を上下することに無理がない」

例えるなら"指先に仕掛けが付いていて、それを直接、操るような感覚"に近いということ。竿先の水切れがいいことも、この誘い軽さにひと役買っている。

吉田「トーナメント予選会の盛んな時期は、まだ夏の延長で、夏の釣りといったら"動かす釣り"になる。魚の活性があるのだから、エサ打ち量だって多い。操作が忙しい時期に欲しかった竿です」

『飛天弓 皆空』は、そんな忙しい操作を軽快に変えてくれるはずだ。

変則的な継ぎ数で、鉄人・岡田清が感じた『好みの調子、硬さ』

岡田 清
岡田 清 (おかだ きよし)
1968年生まれ、神奈川県横浜市在住。
シマノジャパンカップへら釣り選手権大会は01年、02年と連覇し、03年は準優勝、09年に3回目の優勝をした。ジャパンカップと同様に予選会のある全国大会で通算7度の優勝を記録。「日本最強のトーナメンター」またの名を「鉄人」「トーナメント・モンスター」とも呼ばれる。

これまで何度、表彰台の最上段で微笑む岡田清を見てきたことだろう。
彼の掲げてきた優勝杯の目映さを彷彿させる、そんな金属的な光沢をまとった『飛天弓 皆空』が、これから岡田のフルパワーな釣りをサポートする。
岡田が「開発側と釣り人のマインドが合致している」と感じた製品の特長について、王道・浅ダナ両だんごの釣りをバッチリと決めながら語ってくれた。

『飛天弓 皆空』を手にしたとき、その継数に目新しさを感じることだろう。

7~11尺で4本継(半無垢穂先)、12~14尺の3アイテムが5本継(無垢穂先)、15尺と16尺は6本継(無垢穂先)という変則的な継数からも、従来にはない竿であることがお分かりいただけるはずだ。

竹竿でいうならば、長めで揃っている竹竿というわけでなく、かといって"元は長く、先が短くなる"古来の紀州竿とも異なる、カーボンロッドでしかできない変則的な生地組み(各部位、パーツの寸法)なのである。

『飛天弓 皆空』こそ、まさにシマノロッドテクノロジーが導き出した、現時点で"パワーを引き出す"ことに対するひとつの答えなのである。

6月上旬、野田幸手園で実釣する岡田へ、僭越ながら「これは、ジャパンカップで勝てる竿ですか」と訊ねた。何度も優勝経験のある岡田にだから聞ける質問だ。岡田は微笑んで頷いた。余計な口を利かないが、その態度で、あきらかに勝負竿として意識していることを漂わせる。

今回はプロトロッドではなく、初めて完成品が準備された。岡田は並んだ竿袋から、数本を手にして継ぎ、軽く振るように調子を確認し始めた。

岡田「釣りをせずに振っただけだと、10尺は硬さランクより、ちょっと軟らかいイメージだね。7尺は張りがあっていいね」

実は、この後、実際に仕掛けを付けて釣ったのだが、それが釣る前に確認したときとイメージの違う感触だったという。このところからも、いかに既成概念が通用しない竿であるかが分かるだろう。

岡田「まあ、第一印象で言ったら硬いって言われちゃうでしょう。ボクも竿自体は硬いと思います。でも、硬いから振り込みにくいって感じは全然ないですね。この硬さって、ボクは竿にパワーがあるなって感じるんですよ」

これまで競技会で戦える道具であることを条件に、自分に合う竿を探して数多の釣り竿に触れてきたであろう岡田が、継いだだけでも感じた『飛天弓 皆空』のパワーに期待しているのだ。岡田は、自分が感じたものを確認するため、全国大会の決勝における好時合いでするような「8尺1m両だんご」という王道の釣りを選択した。

岡田は麸エサで始め、ペレットを入れ、エサを重くした分だけ長ハリスにすると次々に釣果を重ねていった。8尺の感触を確かめると11尺も出す。仕掛けを取り付け1枚釣ると、隣席の吉田へ声を掛けるように「これもいいね」と微笑んだ。

岡田「これまでは竹竿風、釣り味を楽しむ…ボク的な言い方だと"品がいい軟らかい竿"が多かったような気がします。要するに、曲がる竿がほとんどでしたよね。曲がることに、へら竿の価値を見出す印象すら受けました。『飛天弓 皆空』は、そういう竿と一線を画しています。曲げようとしたって、細かい継ぎ数に分配されたスパイラルXが各部位で働いて、すぐに魚が玉網へ入っちゃいますよね。『飛天弓 皆空』はカーボンらしさの利点を最大限に引き出した製品ですよ。新感覚で、硬さに品性がある。従来品との差は、デザインにも表れていますね。見たことないでしょう、こういうの」

少し長めのハリスでも振り込みの妨げにならず、どこかに余裕すら感じさせる岡田。

勝負竿に成り得るか返事をもらおうとしたとき、岡田「ボクは嫌じゃないんだよね~こういう調子」

それを訊ねるのは愚問だったようだ。

硬い穂先でも振り込める。12~16尺はタフテック無垢穂先。

杉山 達也
杉山 達也 (すぎやま たつや)
1978年、栃木県生まれ。
03年シマノへら釣り競技会 浅ダナ・チョウチン一本勝負! 優勝。シマノジャパンカップへら釣り選手権大会は05年準優勝、07年優勝、08年準優勝。他、多数入賞。神の右手と称されるエサ合わせの妙技により、飛沫を上げ続ける姿から、人呼んで「スプラッシャー」の異名を持つ。

「エサの入る竿だな」
向かい風で細波の立つ水面に、沖打ちした杉山のウキが投餌点へ吸い込まれるように着水する。高精度の落とし込みができたことで杉山は冒頭のひと言をつぶやいた。
「この振り込み精度、ただ者じゃない」
それは、天才・杉山達也と『飛天弓 皆空』の両者を讃える言葉なのだ。

『飛天弓 皆空』の7~11尺は、好評を得ている『半無垢穂先』を採用しているが、12~16尺は『無垢穂先』である。つまり中尺~長尺の穂先#1がソリッドなのだ。この『無垢穂先』は、ピース長が極端に短いのが特長である。これが#2に継がれることで『半無垢穂先』同等の性能を発揮する。これによって硬めの竿ながら、高い振り込み性能を実現できたのだ。

杉山「自分は『普天元 独歩』が好きなんですが、それは使い手を選ばない竿で、どんな釣りでも高水準の精度を発揮できるため。そんな自分が硬い先調子の『飛天弓 皆空』を気に入ったのは、競技で何でも使えそう、いや、むしろ競技を意識しないで常用で普通に使える竿だと思ったから。強さと  調子の両立というのは、今までならば"軟らかい竿"で求めてきたことだと思うけれど、この硬さで実現できたことを評価しています」

杉山は手際よく仕掛けを取り付けるとウキのバランスを見るために、空バリで打ち込んだ。 その瞬間、ふと表情が緩んだ。バランス調整などで空バリのまま仕掛けを振り込まねばならないとき、エサを付けて打つときよりも妙に変な力が入るのは仕方がないことだと、皆どこかで諦めていたはずだ。それが自然な振り込みで決まる。つまり、軽い仕掛けが振り込める性能のあることが証明された瞬間だったのだ。

それから『飛天弓 皆空』の12尺と13尺でタナ1m、沖打ちの両だんごを実釣。ほどなくエサを合わせて、スプラッシャーと呼ばれる由来となった、釣果の飛沫を上げ始めた。

杉山「エサの入る竿だな~打つ寸前になって風が向かってきて、ショートする(届かない。短いところで着水してしまう)かなと思ったら、ちゃんと打てるんです」

そう語った杉山は、まるで少年のように瞳を輝かせた。

杉山「この硬さで正面から風が吹くのに難なく振り込めるのはいいですね。そもそも"競技で両だんごを打つ"というシチュエーションを考えてみてください。混雑して喰いが少し渋っているから、竿は魚の量と活性を求めて"沖めを狙う中尺"になる。それでいてエサは、喰い渋っているのだから、喰いやすい"軟らかいの"を打ちたい。こうして"振り込みにくい条件"が重なるとき、『飛天弓 皆空』みたいな硬い竿で打てるというメリットは大きいですよね。これは、いざ魚を掛けたときのアドバンテージにもなりますよ」

杉山の『飛天弓 皆空』に対する期待は大きいようだ。

硬軟らかい竿による”コンパクトな振り込み”で時短する。

萩野 孝之
萩野 孝之 (はぎの たかゆき)
1969年、福島県生まれ。
シマノジャパンカップへら釣り選手権大会は初出場96年6位、98年3位、99年4位、00年3位、02年3位、03年優勝、04年優勝、05年3位(シマノへら釣り競技会 浅ダナ・チョウチン一本勝負! 3位)、以降も上位入賞しながら13年まで全国大会へ進出し続けた、ミスタージャパンカップ。

「寄せ負けしないように打ち返したいから、早く切る? 時間短縮はそこじゃない。
仕掛けが水中に入っていなかったら絶対に釣れない。スムーズに振り込める有利さを理解すべきだ」
萩野は反動を使わず振り込んだ。まるで野球のセット・ポジション投球だ。
この積み重ねによって時間が有効に使える。

初夏を思わせる陽気のなか、左腕に握られた『飛天弓 皆空』16尺をギラッと光らせ、得意のペレ宙を決めて見せた萩野。しかし、どこか今までの取り込む姿とは違うような気がした。

萩野「入門書には"腕を十分に伸ばして取り込む"と記載されています。確かに、それは基本動作。しかし『飛天弓 皆空』だとヒジを曲げたままで、もう玉網に入るところまで魚を寄せることができる。つまり、もしも魚が目前で抗ったとしてもヒジの屈伸運動でさばける余裕がまだあるということ。そもそも『飛天弓 皆空』を、ひとことで表すなら"硬軟(かたやわ)らかい"竿。例えば取り込みだと、硬い竿は魚が水面に顔を出したときイヤイヤすると竿の張りが反動になってバレやすい。軟らかいと魚の頭が出ず目の前でスイスイ泳いで、すくいづらい。硬軟らかい『飛天弓 皆空』ならば取り込みも楽でバレにくいということなのです」

つまり萩野は硬軟、両方の利点を持った竿だと感じている。

萩野「"ヒジの曲がりが残る"というのは、立ち上がらなくても取り込める証拠。これが軟らかい竿だと、そうはいかない。シマノには硬さランクという基準があり、使っている15尺と16尺は『硬さランク7』だが、働きや力強さに『8』を感じた。その割に釣り応えは『7』だ。そこで長尺は『7の釣り応え、8の性能』と説明しています」

それにしても「硬い」と言われたら、仕掛けへの負担が心配になるものだ。

萩野「"硬軟(かたやわ)らかい"から心配無用。衝撃や加重で、これ以上はハリスが持たないとき、竿が曲がってハリスが切れないという性能は竿として必須条件。自分としてはスパイラルXの製品は曲げて使うべきだと思って、意識的に竿が曲がるような取り込みをしている。それでも仕掛けのトラブルがない」

『飛天弓 皆空』が釣り場、型、釣り方を問わず相性がいいというのは、この硬軟らかさによる特性の表れなのだ。

萩野は『飛天弓 皆空』15尺でタナ1mに、振りかぶらずエサを打った。仕掛けの長さは握り位置で、ハリスは30㎝と40㎝だから、ちょっと反動をつけたくなりそうだが違和感はない。

萩野「例えば、そんなにかからないけれど振り込みに3秒かかるとして、竿のせいで無意識にロスしていた1秒があって4秒としましょう。1時間=60分間、60分間=3千6百秒。3千6百秒×競技時間3時間=1万8百秒。現実的じゃないけれど"振り込み動作だけした"と考えると3秒なら3千6百回できるのに、4秒なら2千7百回。たった1秒かも知れないけれど9百回もエサ打ちが少なくなる。"水の外に仕掛けがある時間"というのは絶体に釣れない時間。エサを早く切るより短縮すべき時間なんです」

時短といえば、本来は楽しみたいひとときだけれど、競技だと1番短くしたいのが取り込み時間だ。

萩野「取り込みはスパイラルXが利いて、魚が横へ逸れていく感じがない」

『飛天弓 皆空』のリフトアップ性能により、エサ打ち点に近い水面で魚が見えると、水面を滑らせるような軌跡で、まっすぐに玉網へ収まった。ペレ宙の釣果だけに良型なのだが、あまりに取り込みが素直だ。萩野の釣りは「速さを楽しむ」という、新しい釣趣の到来を予感させた。

  • 速攻・激釣 小山 圭造
  • 理論派 伊藤 さとし
  • 超速攻カッツケ・ペレ宙 中澤 岳
  • 横綱 西田 一知
小山 圭造

小継(こつぎ)で軽い、しっかり引ける竿です。そして高い振り込み性能。野釣りなど障害物の際(きわ)へ、正確に打てる振り込み性能は大事ですよ。そこで喰わせてアシとか、オダとかに駆け込まれないように魚を抜いてこられる。こういうエサ打ちから取り込みまでコントロールできる竿っていうのは、競技に限らず幅広く使えるものなのです。

小山 圭造 (こやま けいぞう)
1942年生まれ、東京都在住。
名門・浅草へら鮒会で年間優勝3回、3位入賞2回。 個人の記録としては、豊英湖で213枚、分川池で126kg。 この頃に故・門倉親水氏から「激釣」「速攻」と呼称される。 「浅草へら鮒会」副会長、「山水へら鮒会」会長、「KEIZO CLUB」会長。
伊藤 さとし

歴代ロッドの“いいところ取り”をしたような、シマノへら竿の結集です。最新技術の粋を集めた、新発想の個性的なへら竿なのです。振り込みのしやすさで感じる『飛天弓 風刃』の魂、アワセや操作性は『飛天弓 閃光XX』の軽やかさ。新たな局面を迎えた“チョウチン縦誘い釣法”で鮮明になる水切れと、穂先のバランスは『朱紋峰 神威』の性能を感じさせます。

伊藤 さとし (いとう さとし)
1959年生まれ、埼玉県在住。
日本へら鮒釣研究会・板橋支部では82年~91年、 年間優勝7回。日研個人ベストテン最年少優勝。 シマノジャパンカップへら釣り選手権大会のテレビ放送やウェブでは、釣り人の観点で詳細に解説。 日研板橋支部、アイファークラブ、武蔵の池愛好会所属。
中澤 岳

競技においてバラシは大敵。そんな1枚の重要性を極限まで追求した竿だと思います。『取り込みでバラさない安定性』には『タメが利いて魚の抵抗に負けない』いわゆる“トルク・フル”ながら、それでいてハリス切れや口切れを起こさないソフト感が伴っていることが重要。最新製竿技術の粋を集めて新調子を開発し、パワフルかつ軽快な使用感を実現しました。

中澤 岳 (なかざわ たけし)
1955年、茨城県生まれ。
86年シマノジャパンカップへら釣り選手権大会準優勝、 マルキユーゴールデンカップ優勝。06年と12年JC全国進出。 07年と11年にシマノへら釣り競技会 野釣りで一本勝負!! 優勝。 大学時代に学釣連大会の連覇記録達成。「関東へら鮒釣り研究会」所属、「クラブスリーワン」会長。
西田 一知

自分は竿選びについて“握りから伝わってくる情報の感度”を大事にしています。ウキ釣りだと疎かになりがちな感覚だけれど、振り込みではエサの重さ、取り込みでは魚に対してためるのか引くのか、そういう判断をするのは竿を握っている手から伝わる感度だと思うんですよ。新しく開発した“しっとり綾織握りⅡ”ならば、グローブなしで握り込めます。

西田 一知 (にしだ かずのり)
1969年生まれ、東京都在住。
関東へら鮒釣り研究会で97年、09年、10年、11年に 年間優勝して史上5人目の横綱位に就く。 09年シマノへら釣り競技会 野釣りで一本勝負!! 第3位。30尺の使い手で長尺の釣技に長ける。 「関東へら鮒釣り研究会」「コンテンポラリー・リーダーズ」所属、「KWC」会長。

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