ポイズンアルティマ163MH  最高峰が実現するワーム&ジグの新たな形 小野俊郎×長良川(岐阜県)その2

ULTIMA=究極。いわばF1スペックがそこに

「全体的にワームな感じがするんだよね」。

前回は小野俊郎さんの濃密な経験値が生み出すアウェーの必然について言及したが、ここでもまたそれが発動した。厳密に言えば、この発言は5尾目をテキサスリグで仕留めた時に発した言葉だった。

当連載は掲載スタイルの都合上、モデルごとに1回の記事にまとめているが、実際にはその場その場であらゆるロッドをローテーションしていくのは当然の成り行きであることをご理解いただきたい。今回フィーチャーするモデルは、ポイズンアルティマ163MH。登場する4本のうち、唯一ポイズングロリアスではないモデルだ。

まずはポイズンアルティマとはどんなシリーズなのか、小野さんに問うと、こう解説し始めた。

「アルティマって、ポイズンロッドの最高峰に君臨するシリーズだってことは知られていると思う。では、何が、どこが凄いのか。簡単に言ってしまえば、すべて。これは本当のことなんだ」。

小野さんが解説を放棄しているのではない。すべてにおいて、ポイズンアルティマを凌げるバスロッドは存在していないということなのだ。

ポイズンアルティマの外観で特徴的なのは、ショートフォアグリップ。人差し指を伸ばした時に指の腹がメタルパーツに接触。細かな溝はグリップ力を高め、ブランキングされたパーツの内側に触れることで感度をさらに高める。もちろん特徴はそれだけではない。

シマノ最先端テクノロジーを余すことなく注入

「シマノさんのロッドテクノロジーは常に進化を続けているわけだけど、市場へとリリースするタイミングで最も優れた最新の技術を注ぎ込んでいるのがアルティマ。昨季2016年に登場したNEWポイズングロリアスに採用された技術の多くは、アルティマで早くから培われてきたものなんだ」。

一歩先行く未来のバスロッド。それがポイズンアルティマと言えるのかもしれない。

「例えば今季登場したポイズンアルティマ163MH。このモデルにはUBDのアップグレード版が採用されているんだ」。

UBDとはUltimate Blanks Design(=アルティメット・ブランクス・デザイン)の略称。ティップ・ベリー・バットのそれぞれに別の弾性率のカーボン素材を採用することで、従来のロッド製作技術に比べて圧倒的にロスがなく超軽量なロッドを形成することに成功。既にNEWポイズングロリアスにも採用されているが、ポイズンアルティマにはさらにもう1ランク上のより高度かつ繊細な技術が採用されているのだという。

「スペックを確認してみればわかるけど、6フィート3インチでこの軽さ。硬めのMHアクションでこの軽さは異常だと思うよ」。

その自重、何と85グラム! まるで繊細なスピニングロッドのような軽さだが、それでも存分な張りを持つMHに仕上がっている。

「軽さから来る高い感度や操作性は言うまでもないよね。ジグやワームの釣り、もっと具体的に言えばフットボールジグやテキサスリグの釣りで非常にテクニカルな釣りに対応できるんだ」。

より細かなシェイクをルアーに伝え、ここぞという場所で機敏に動かしてリアクションバイトを誘う。

「枝の1本1本、石の1つ1つを舐めるかのように丁寧に越えたり。移動距離が短い中で多彩なアクションを付けることができるのは大きな強みになるね」。

その緻密な操作性がまさに活きたのは、次の瞬間だった。

投げた・掛けた・獲った! 想像より小型の魚だったが、まずはこのロッドでの幸先良い1尾をキャッチ。

「ハイスペックモデルほどエントリーユーザー向け」

橋脚の下流側を狙っている際のことだった。

「ボトムがガチガチだね、いろんな物が落ちてるよ」。

手元へと伝わる感触が明らかに多彩であることが、小野さんの言葉から伝わって来る。「最初はあまりの高感度にどれがアタリなのかがわからず、すべてアワせていた」と語ったのは、前回登場の川島勉さん。使用ロッドはNEWポイズングロリアスだったが、ポイズンアルティマから受け継いだ優れた最新テクノロジーが投入されていたのは言うまでもない。

「ん? 深いのかな? そう思ったら、魚だった。おそらく他の竿だったら気づけていなかったアタリだと思う。ごく小さなバイトだったから、もっと大きい魚かと思いきやアベレージサイズだったね、ハハハ」。

大型のバスほどアタリが小さい。そんな傾向がある。だとすれば、より高感度を実現してくれるポイズンアルティマはモンスターに最も近いロッドと言えるのかもしれない。

「それもあると思う。けど、僕がよく言うのは、エントリーユーザーこそハイスペックロッドを使うべきだと。他では感じることができない高感度は必ずその後の釣りに影響していくはずだと思うよ」。

中級以上ともなれば自らの感性でロッドを選び、その1本に身体をマッチさせることも可能だろう。しかし、エントリーユーザーであれば経験値の蓄積はない。その基礎をポイズンアルティマを始めとするハイスペックロッドで覚えていったとしたら…上達のスピードは格段に上がると言っても間違いではないだろう。

ポイズンアルティマ163MHでの1尾目は、テキサスリグで仕留めたアベレージサイズ。「川バスだから、ホントよく引くよね」と笑顔が絶えない小野さんだった。

そして続けざまにもう1尾! 今度は何と2キロクラス!!

アベレージサイズを獲った後、途端に風が強くなり始める。派手に水面を攪拌するウェイクベイトで探りを入れるや、即座に再びポイズンアルティマ163MHへ持ち替えた。橋脚下流側から上流側へとわずかに移動。ボトムを先と同じテキサスリグで探り始めた時のことだった。

「オダがあるね…ヨシ、来た! これはでかいよ!!」。

その瞬間がトップ画像。ロッドを根元まで絞り込むファイトを見れば、相手は明らかにでかい。上がってきたのは実に見事な長良川MAX級、推定50センチ!

「これもバイトはごく小さかった。だから、でかい魚だなってわかったんだよね」。

先のファイトシーンを振り返ると、ワームジグロッドである割りに根元から曲がっていたような印象を受けた。気のせいだろうか。

当釣行の最大サイズがついに出た! 推定50センチ、2キロ超! 「やっぱいい場所にはいい魚がいるね!」。

「通常はファストテーパーのイメージがあるけど、これ、実は胴調子なんだ。なぜか? 細かいアクションをつけようとするのがこの釣りだけど、先だけグニャッと曲がる竿ではせっかくのアクションが竿先で吸収されてしまう。ところが全体的にパワーのあるテーパーに仕上げることで、よりシャープなアクションを付けることに成功したんだ」。

竿先だけ曲がる方がアクションが付けやすいと考えるのは早合点。実はレギュラーテーパーに近い、ポイズンアルティマ163MHだからこそできるアクションがここにはあるのだ。

そして、さらにまた1尾! 怒涛の快進撃!!

ここまでの釣果をまとめてみよう。

1尾目はシャロークランク、4尾目と10尾目はシャッドで使用ロッドは前回解説のポイズングロリアス166L-G C66。今回のポイズンアルティマ163MHでは、2尾目と3尾目、そして画像の紹介はないが5尾目までがすべてテキサスリグ。ここへと至るまでにまだスタートから数時間と経過していない。恐るべき釣果だ。

そして昼を挟んで午後イチの魚となる6尾目が下のファイトシーンだった。狙ったのはオーバーハングが形成する大きなシェード内にあるブッシュ。

「コイかな? いや、バスかもしれないなと、投げてみたのが正解だったね」。

ブッシュ下に微かに見えていた魚影に半信半疑ながらもテキサスリグを投入するや1投目でのヒット!

「撃ち物の釣りって、即座に長い竿って考えがちだけど、ストラクチャーに対してタイトにポジションを取れるなら、短い方が撃ちやすいのは間違いないよね」。

全長は6フィート3インチと短め。しかし、その長さだからこそキャストの精度は高まるし、ロッドワークによるアクションもより繊細に行える。

「陸っぱりではなかなか難しいと思うけど、ボートならより明確な可能性があるよね。ショートキャストやバーチカルで、細かく刻んでいくような釣りにベストマッチだね」。

小野さんの勢いは止まらない!「今日は全体的にワームの感じがする」との言葉通り、またしてもテキサスリグでヒット!

体型こそスリムだが、長さだけで言えば当釣行の最大サイズ。この1尾をラストにポイズンアルティマ163MHは封印。他ロッドでの実釣に専念することとなった。

テキサスで4尾をキャッチして全釣果は既に7尾!

「今回はボトムが複雑な感じがしたからズナッグレス性が高いテキサスリグのみで使用したけど、もちろんフットボールジグとの相性も抜群だよ」。

小野さんの参戦するTOP50シリーズのトーナメントウォーターで言えば、福島県桧原湖などの山上湖、また高知県早明浦ダムなどのリザーバーでも活躍の機会がありそうだ。

「そうだね。ただ同じジグでもスイミングで使う場合は、また別のモデルの出番がある。グロリアスなら1610M マイティストロークがマッチすると思うよ」。

これもぜひ参考にしたい。

ここまでに4つのミッションのうち、2つをクリアした段階で全釣果は実に7尾!

「長良川、パンチが効いてるね! 本当に楽しいよ!」。

念のためにお断りしておくが、そう生易しいフィールドではない。パンチが効いているのはむしろ、小野さんの釣り自体なのだ。次週は、はたしてどのロッドでどんな釣りが繰り広げられるのか。乞うご期待!

今回ポイズンアルティマ163MHで使用したのは、すべてホッグ系をセットしたこのテキサスリグ。ワームサイズは4.5インチと3.8インチの2サイズを使用。シンカーは3.5〜5グラムをセット。「スライドフォールはもちろん、ズル引きに、シェイクにとあらゆるシーンで威力を発揮できる」。

<テキサスリグ使用タックル>