ポイズングロリアス166L-G C66  リールで変幻自在の巻きバーサタイル 小野俊郎×長良川(岐阜県)その1

ポイズングロリアスチームの司令塔、満を持して登場!

「選ばれた4本のポイズングロリアス及びポイズンアルティマ、全てのロッドで釣果を!」

そんなミッションをコンプリートするまでの過程を追うのが当連載のコンセプト。第3回目となる今回、満を持して登場するのはポイズングロリアスチームの司令塔、小野俊郎さんだ。小野さんといえば、国内最高峰バストーナメント・TOP50シリーズで幾多の激戦を制してきたトッププロとして知られる。1998ワールド(現TOP50)シリーズA.O.Y.(=年間優勝)、2008エリート5ウィナー、2004&2013オールスターウィナーなど数々のビッグタイトルを総なめにして、その撃墜マークが愛艇のサイドに燦然と輝いている。

クールな風貌とは裏腹に、コンペティションへと挑む闘争心は常に熱く煮えたぎり、自他共に認める「負けず嫌い」。その模様は各メディアでご覧になってきた方も多いはずだ。今回のミッションは単独で、自身との戦いとはいえ、その趣旨はコンペティションとそう遠くはない。魂を揺さぶる熱き戦いを見せてくれるに違いない。

おの・としろう ポイズングロリアスチームの司令塔にして、国内最高峰TOP50シリーズで活躍中のトッププロ。硬軟を織り交ぜたマルチなスタイルで全方向に死角のないスキルが幾多のビッグタイトルを制覇。

4本のミッションのはずが、なぜか5本がデッキに!?

それでは、今回のスタメンとなるロッド4本を確認していこう。

1:ポイズングロリアス166L-G C66

2:ポイズンアルティマ163MH

3:ポイズングロリアス168ML-LM グレイハウンド68

4:ポイズングロリアス265L+ エアキャリバー

3本のベイトモデルに1本のスピニングモデル。ベイトはうち1本がポイズンシリーズの最高峰・フラッグシップモデルとなるポイズンアルティマだ。小野さんがボートデッキに並べたロッドを見ると、1・2・3・4…5? おや? なぜ5本もあるのか。それは後に明らかにしたい。

まずはスタート前にコメントをいただくことにしよう。今回の取材地は、岐阜県長良川ですが?

「実はサ、過去に1.5回しか来たことがないんだよね。完全にアウェー状態と言ってもいいと思うよ」。

経験豊富な小野さんのこと、勝手知ったるフィールドかと思いきや、意外にも数が少ない。1.5回とはいったい?

「一度は陸っぱり取材。灼熱の真夏、ちょうど今の時期(8月末)より少し前の本当に暑い時期で、実はシーバスしか釣れなかったんだ(笑)。あと0.5回分っていうのは、ボートでほんの数時間出たことがあるだけ。それも乗せてもらっただけ。そう多くは釣れなかったよね。いやな記憶は封印して、新たな気持ちで挑んでみるよ」。

潮の干満の影響を受けるタイダルリバー・長良川。東海エリア屈指のバスリバーとして知られる。

「パッと見た感じでは、関東の大河川・利根川に似ているよね」。

かつて2008エリート5を制した際の開催地は、その利根川。この川を始め関東のマッディウォーターフィールドで滅法強いだけに、釣果は言うまでもなく期待していいだろう。

「でも、こっちのほうが水質がクリアだね。まぁ、どんな水質であろうと、バス釣りの基本は変わらないからね」。

いざ、実釣スタート!

開始早々にいきなりヒット! まだ30分も経っていない。幸先の良いスタートにミッション達成への道は明るさを増した。

アウェーでも無問題。バス釣りの基本は普遍だ

当日の水温は25度。真夏の盛りを過ぎたとはいえ、まだ日差しは強く真夏と言っても過言ではない天候だが、水温は低い。夏から秋へと向かう微妙なシーズンか。こんな時期はどっちつかずな魚も多く、答えを見つけづらいのも事実だ。

まずはカーブのアウトサイド側。岸際を一見しただけでは自然のバンクのように感じるが、護岸化された上にブッシュが生い茂っている。岸から3メートル程度の場所には消波ブロック帯が水没して、その内側にはウィード。沖側はブロックの切れ目から深い水深を蓄える。

小野さんはシャロークランクをラインの先に結び、キャストを開始。使用するロッドはポイズングロリアス166L-G C66。6フィート6インチ、ライトアクションのグラスコンポジットモデルだ。狙うは消波ブロック帯の上。「まだ夏」との判断で、内側のウィードには触らない。沖からの流れが当たるブロックのみに焦点を絞り、ボートの進行方向へ斜めにキャストしてコースを切り取っていく。その巻きスピードはかなり速い。

「この辺り、イナッコが多いね。やっぱ利根川に似ているよね」。

イナッコとはボラの幼魚。海水と淡水が入り混じる汽水域には付き物のベイトフィッシュだ。数投の後、あっさりと釣果を得た。本当にあっさりと。

「うん、ここは大体わかった。エッジはまぁ、後で困ったらやってみる。次はカレントが欲しいね。ならば、橋脚はどうだろう?」。

当釣行のファーストフィッシュはポイズングロリアス166L-G C66とシャロークランクで仕留めた30センチ台。その全長に見合わない体高のあるボディに加え、付け根の太い尾びれ。川バスは実に力強く、ファイトにも手応えがある。

「人間の速巻きなんて、魚にとってたかが知れている」

「巻きが速い? いや、バスはもっと速い小魚を追っているんだから、これでも遅いくらいだよ」。

言い得て妙。水面から水中を泳ぐ小魚を見ればそれは明らか。時にバスに追われて水面を逃げ惑うボイルの際は、さらにスピードは増している。我々アングラーにはクランクベイト=ローギアリールという過去の刷り込みがあるせいか、どうしても遅巻きのイメージが付きまとう。しかし、それが水中の真実ではないのだ。

次に狙う場所として、小野さんは橋脚周りを選んだ。キャストしているルアーを遠目で見た限りでは、シャッドプラグのように感じた。気のせいだろうか。今回のミッションにはベイトフィネスプラッギングを主軸としたロッドは存在していない。

程なくして、またしても小野さんは釣果を得た。それが当記事のトップ画像だ。

「この1尾が今回のキーポイントになる」。

それはどんな意味なのか。サイズアップしたからなのか、それとも…。

シャロークランクに使用していたベイトリールは、メタニウムDC HG。ギア比7.4のハイギアだが、小野さんは我々の想像以上に速く巻いていた。

「C66」は2つのリールで躍動感を増す

「ロッドはさっきシャロークランクで使ったのと同じC66だよ。でも、ホラ、リールが違うんだ。もちろんラインの太さもね」。

トップ画像を見れば、そのリールがアルデバランBFS XGであることがわかる。聞けば、ラインはフロロカーボン10ポンドだという。

「グラスコンポジットなのにダルさは一切ない上に、シャッドのような軽いルアーでもしっかりティップが入ってくれるから、ベイトフィネス専用リールとのマッチングで存分に飛ぶ」。

橋脚周りに潜むボトムの障害物を狙うべく、ラインはいつもの8ポンドより1ランク上げての使用だったという。

「シャッドでボトムを叩いて、弾け飛んだ瞬間にグッと入ったよ。リアクションバイトでも身切れせずにしっかり食い込んでくれる。まるでシャッド専用モデルかと思うくらいだよ、本当に」。

小野さんが参戦するTOP50シリーズの舞台、今季の福岡・遠賀川で行われた開幕戦ではこのセッティングが威力を発揮。

「霞ヶ浦水系でも使いやすい1セットだと思うよ。リール次第で大小の巻き物を使い分けられるのは大きなメリットだよね」。

今回小野さんは4ミッションに対して5本のロッドを用意したのは、「C66」が2本存在していたからなのだと今更ながら理解できた。

橋脚周りに狙い場所を変えるや、これまたシャッドであっさりと釣果を得た。サイズも先の30センチ台から40アップへと。

上がメタニウムDC HG+フロロカーボン12ポンドで使用したシャロークランクで、下がアルデバランBFS XG+フロロカーボン10ポンドで使用したシャッドプラグ。見た目にもボリューム差は明らかだが、この2つのプラグがリールを変えるだけで1本の竿・ポイズングロリアス166L-G C66で使いこなせるとは驚きの事実だった。「いわば、巻きのバーサタイルかもしれないね」と小野さん。

1ロッドのミッションで既に3尾をキャッチ済!!

「シャッドっぽいなと思ったら、やっぱりね」。

そう言ってまたもあっさりと、もう1尾を追加した小野さん。シャッドとはシャッドプラグを指す。小野さんは訪れた場所、先々からのインスピレーションで、神の啓示を受けたかのようにルアーを選ぶ。それはけっして単に当てずっぽうな勘なのではない。釣りは時に「引き運」や「持ってる」などと形容されることも多いが、それは本来の釣りではない。

「前情報とかって、あまり意味がないと思うんだ。長年、自身が経験してきた引き出しの中から、その場その時にアジャストしていくことこそが大切だから」。

文字や数字には表すことができない濃密な経験値。小野さんの頭脳、いや身体にはバス釣りに関する膨大なデータが収められていることは推して知るべし。その量たるや、我々のそれとは比にならない。さらにはプレッシャーが極限まで高まる最高峰トーナメントの舞台まで対応力は及ぶ。そこに偶然はない。必然だけが存在する。

「初めてのフィールドが怖い? いや、何も怖くないよ。むしろ、慣れ親しんだフィールドのほうが怖い。決めつけにかかってしまうからね」。

小野さんにとって、ほぼ初の本格釣行とも言える今回の長良川実釣だが、そこに何も不安はないのだという。アウェーに洗礼はない。むしろホームにこそ落とし穴が潜んでいるのだという。

「フレッシュな気分で釣りができて、それで結果が出せたら、こんなに楽しいものはないよね」。

小野さんがこの後も快進撃を続けていったのは、もはや言うまでもないだろう。次週もお楽しみに!

実釣終盤、さらにもう1尾をポイズングロリアス166L-G C66で追加。ルアーはシャッド、リールはアルデバランBFS XG。ここは水面から立木が見えるため、水深は一見浅く見えるが実は10メートル近い。

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