ポイズングロリアス1610M マイティストローク 巻きを軸に撃ちも完遂する真バーサタイル 川島勉×亀山ダム(千葉県)その2

ミッションコンプリートすべく、残る3本で釣果を叩き出せ!!

「いや、マジでこんな展開になるとは…。厳しいとは予想していましたが…」。

千葉県のメジャーリザーバー、亀山ダムの手練・川島勉さん。その川島さんがまさかのホームグラウンドで手を焼いている…。

初日は早朝にスモールクランクベイトMRで1尾を獲り、幸先の良いスタートかと思いきや、その後のバイトは皆無。まさか、まさかの1尾で初日を終え、2日目を迎えてしまった。しかし、このままで終わるはずがない。誰もがそう思っている。スマホやPCの画面の向こうから、応援の声も聞こえてきそうだ。

当連載グロリアスウェブマガジンは登場アングラーに幾つかのミッションを与え、コンプリートするまでの過程を追うのが主なコンセプト。今回のミッションは4本のポイズングロリアスロッドで釣果を得ること。前回はポイズングロリアス168ML-LM グレイハウンド68で結果を叩き出したため、残すは3本のロッドで戦うことになる。

1:ポイズングロリアス168ML-LM グレイハウンド68(ミッション達成)

2:ポイズングロリアス1610M マイティストローク

3:ポイズングロリアス1610H マイティスティンガー

4:ポイズングロリアス169XH-SB トリックボルティズム69

使用するルアーに制限はない。ただし、各ロッドにマッチするルアーを使うことが必然的に求められる。それぞれの用途を端的に言うと、2はバーサタイル、3はジグ&テキサス、4はビッグベイトといったラインナップだ。

「当初、まずは3なら楽勝でしょうと思っていたのに、昨日は全然でしたからね。どうなってるんだ、亀山ダム?」。

秋から真夏に逆戻りした8月後半。季節の狭間、水中も人間も混乱する最高気温35度超のこの日、川島さんははたしてどんな展開で、どう魅せるのだろうか。

2日目、川島さんがまず手にしたのはポイズングロリアス1610M マイティストローク。「巻きを軸としたバーサタイル」とのことだったが、その実は非常に懐が広く、軽めの撃ち物も可能にする1本であることを後に知る。

「力強い一撃」の名を持つ1本で、タフリザーバーに勝つ!

この日、前日に釣果を得た1本にはほぼ触らず、残す3本で亀山ダムを転戦。実際にはその場その場で3本から1本を選んで挑んでいったが、便宜上、今回はポイズングロリアス1610M マイティストロークに絞って話を進めていくことをご理解いただきたい。

まずはそのマイティストローク、どんな特性を持つのか。川島さんに訊いてみた。

「ひとことで言うならバーサタイル。巻き物全般、中型のファーストムービングルアーの使用が中心の竿です。スピナーベイトにバイブレーション、トップウォーターにやや深めのクランクベイト。あとはライトテキサスに高比重ノーシンカー、軽めのラバージグにも使いやすいですね」。

これが1本あれば、どんな釣りにも対応できると言っても過言ではない。

「僕みたいに、レンタルボートの釣りがメインの方は、1本積んでおくと非常に便利。いや、2本あったらもっと便利かもしれません」。

その場その場で得たヒントを糧に、次々とルアーをローテションして答えへと導かれていく印象の強い川島さん。このバーサタイルロッドが自身の釣りに大きく影響を与えていることは言うまでもない。

中型巻き物を軸に、軽めの撃ち物も守備範囲

今回、川島さんがポイズングロリアス1610M マイティストロークで使用したのがこれらのルアー、実に7アイテム。トレブルフックが装着された巻き物から、シングルフックの巻き物、果ては軽めの撃ち物までを網羅。スペースの狭いレンタルボート派や1本で何でもこなしたい陸っぱり派は要注目と言えそうだ。

川島さんの使用ルアーラインナップを見ると、上の通り。右上には、前号で紹介したポイズングロリアス168ML-LM グレイハウンド68でも使用したクローラーベイトが見える。全般的に見ると、トップウォーターにクランクベイト、それにバイブレーションと、使用ルアーがクロスオーバーしている感がある。

「いや、よく見てください。クローラーベイトは前回小型モデルですけど、今回はオリジナルサイズ。それにクランクもバイブレーションもより大きいサイズを使用していますよ」。

比較対象物がないためわかりづらいが、川島さんの言う通り。前回の168ML-LMと今回の1610M、適合ルアーウェイトを比較してみると、5〜18グラムに対して7〜21グラム。同じ巻き物でも比較的重めのルアーに適していることがわかる。

「Mとはいえ、パワーは存分なんですよ。だから、軽めの撃ち物でもフッキングパワーを伝達できるし、感度も申し分ナシ。特に高比重ノーシンカーとの相性は抜群ですね」。

NEWグロリアスのパワーに関しては後に続く回で言及することにしよう。

時にはこんな場面で高比重ノーシンカーを使用。次回、このシーンを動画でお届けする予定。川島さんのスーパーキャストに乞うご期待だ。

ついに1610Mでヒット! いったいどんな場所を狙ったのか?

発想の転換で、川島さんが狙ったのは意外な場所。上の写真の抜き上げシーンを見て、不思議に感じたことはないだろうか。その答えは後ほど明らかになる。

「昨日のうちにシャローはほぼ全域撃ち尽くした。まだやっていない場所、うーん…いくつかありますが、どうなんでしょう…」。

真夏と化した亀山ダムを前に、川島さんが選んだ大きな戦略の1つが「周囲より水温の低い場所」。例えばオーバーハングのシェード、流れ込み周り、それに流れの当たる岬周りなどだ。

「残す3本のミッションのうち、ジグ&ワーム用の1610Hが手堅いと思い込んで、昨日はシャローばかりを撃ち込みすぎましたね。今日は一段下も頭に入れておかないと」。

そう言うや、ボートは流域の中央部へと。他のボートは移動時にしか使わない、まるで航路とでも言うべき場所だ。一段下とは、岸際シャローからの一段下、つまりブレイクの下かと思いきや、そうではなかった。見渡す限り、およそ10艇がオーバーハング下のシャローを狙っている。涼しいシェードの中でフィネスを操るアングラー達に、直射日光を浴びる川の真ん中でルアーを投げ始めた川島さんは、周囲から冷ややかな視線を浴びる。

「ですよね。こんな暑い日にそんな場所をって、昔はよく笑われました」。

その言葉、どうやら勝算がありそうだ。周囲をボートが通過するのを見計らって超ロングキャスト。前回、秦拓馬さんが「人類が到達する限界まで飛んだ!」と絶賛したあのバイブレーションを川島さんも使っているようだ。着底するやその手は速巻き。

「んっ? 着底して、1回目の巻きでアタりました。まだバスかどうかはわかりません。何か魚の群れの中を通過したような感じもします」。

水面ではワタカの群れがザワついているが、バスが追っている気配はない。その水深は2.2メートルと、さほど深いわけでもない。バスはいったいどこにいるのか。

「ヨシ、きました!」。

遥か遠くのバイトを確実に乗せるべく、渾身のフッキング。ノーマルギアのメタニウムMGLを高速に巻き続け、素早く船べりまで獲物を寄せることに成功。川島さんの奇策とも言える、日中・川の真ん中・ボトム狙い作戦は見事に奏功したのだった。

狙ったのは川幅50メートルはあろうかという流程のど真ん中。岸際にアングラーの姿は見えるが、日中最高気温35度超の最中、直射日光を浴びるエリアで釣りをする者はいない。しかし、川島さんはそこで釣った。どんな戦略だったのか。

「川の真ん中、ボトムでバイト」の理由とは

「答えは単純でしたね(笑)」。

まずまずの魚を手にした川島さんはホッとひと息といったところだろうか。この後、饒舌となり、釣れた状況を解説し始めた。

「今はこんな真夏に戻ったかのような天候ですけど、ほんの2日前まで雨続き。上流から冷たい雨水が流れ込んでいるのは明白です。表層にはこんなに濃い緑色で水温は30度を超える酸素が少ない水がありますけど、この下のボトム付近を冷たい雨水が流れていると思うんです。バスも新鮮かつ冷たい水を求めてレンジを下げる。今がまさにそんな状況なんでしょうね。あれっ? 釣れると舌が滑らかになりますね(笑)」。

一気にまくし立てた川島さんの言葉をフォローすれば、一見しただけではあまりの暑さでバスはいないであろう川のど真ん中でも、事前に続いた冷たい雨が流れるボトムにバスはいるということだ。

「ボトムに沈み物があれば、なお良し。バスの付き場が絞り込めますからね」。

魚探を駆使して、周囲一帯のボトムを探索。

「この釣り、テキサスのズル引きでもイケるんじゃないかな。ドラッギングはどうかな。1610Hもここでミッションをクリアできそうな勢いです」。

しかし、2尾目のドジョウならぬバスからの答えはなかった。そう、今は気温35度超の真夏日。バスはおろか、人間自体の精度も下がらざるを得ない気候だったのだ。

ヒットルアーは、遠投性能とボートムサーチ能力に優れた70ミリサイズの超重量級バイブレーション。圧倒的な飛距離を見せた後、水深2メートルのボトムに即座に到達するや「時々ボトムにコンタクトするくらいの速巻き」でのヒット。前回の秦さんに続き、2回連続でこのルアーが釣果を叩き出した。

経験値が物を言う、瞬時のタイミング判断

2本のミッションをクリアして、残すはあと2本。とはいえ、クリアしたロッドでも条件さえマッチすれば、川島さんはそのロッドを手にしたのは言うまでもない。亀山ダムの本湖とも言える広大な下流域、岸際に適度な風が吹き付けた瞬間、オリジナルサイズのクローラーベイトをキャストし始めた。小魚の姿も水面にチラホラと見える。川島さんの経験値が自身の身体を揺さぶった。

クローラーベイトのウイングが表層を攪拌できるギリギリの水深、おそらく水面下は10センチ程度の岸際にスーパーキャストを決めると同時に、間髪入れずにリトリーブを開始。カコカコカコと3回ほどクロールしたかという瞬間、水面が炸裂! 瞬時にフッキングを決め、ロッドにターゲットの重みを乗せた瞬間を捕らえたのが上の画像だ。

だが、しかし。なぜかクローラーベイトは空を切り船べりまで戻ってきて着水。

「一瞬乗ったのに…。こんなこと滅多にないよ…」。

その表情に、やり場のない悔しさが滲み出ている。時刻は正午を回った。残すはレンタルボートの帰着時間となる17時まであと5時間。とはいえ、この真夏日。休憩なくしては、終盤の追い上げ時に存分なパワーを発揮できない。13時、涼しい木陰で充電した川島さんは存分な身体にパワーをみなぎらせ、ラストスパートへと挑んだのだった。

<バーサタイルタックル>