ポイズングロリアス168ML-LMグレイハウンド68 マキモノの釣りがまた進化する! 川島勉×亀山ダム(千葉県)その1

かわしま・つとむ 千葉・房総半島のリザーバーをホームグラウンドにストロングなゲーム展開で魅せるスーパーローカル。ハイプレッシャーなぞどこ吹く風。フィネスのみに依存しない独自のスタイルが人気を呼んでいる。

亀山ダム屈指の手練、ホーム実釣に黄色信号!?

登場アングラーに幾つかのミッションを与え、コンプリートするまでの過程を追うのが当連載のコンセプト。今回登場するのは、千葉県房総半島に位置するハイプレッシャーレイク・亀山ダムをホームとするスーパーロコ・川島勉さんだ。今回の舞台は亀山ダム。取材班は出演オファー後から大船に乗ったつもりで当日を迎えたのは言うまでもない。ホームグラウンドで即座にミッションを解決するであろうことは必至と考えていたからだ。

「いや、今回ばかりはそう簡単な展開になるとは思っていません…」。

当の川島さんはと言うと、そう楽観視していない様子が伺えた。いったい何があったのか。取材日は8月下旬。ここ数日の釣果情報では、どのレンタルボート店からも景気の良い話を知ることはできなかった。最高でも数尾。1尾でも釣れれば御の字といった状況が浮かび上がっていた。

今回お世話になったおりきさわボートの店主の話によれば「8月は雨続き。昨日、本当に久々に晴れて、真夏に逆戻りした感がある」とのことだった。亀山ダムから数10分の場所に住んでいる川島さんも無論、この天候推移を把握している。だからこそ、先のネガティブな発言に繋がっているのだろう。暑さがバスの活性を下げているのか、それとも…。

「真夏ならまだ手はある。しかし、今は厳しい…」

左からマイティスティンガー、マイティストローク、グレイハウンド68、トリックボルティズム69の順。川島さんが駆るボートのデッキには4タックルのみ。そう、これらが今回川島さんの挑むミッションだ。

今回、川島さんに与えられたミッションは4本のポイズングロリアスロッドで釣果を魅せること。使用ルアーは限定しない。ただし各モデルにマッチするルアーを使うことが必然的に求められる。各詳細は以下の通りだ。

1:ポイズングロリアス168ML-LM グレイハウンド68

2:ポイズングロリアス1610M マイティストローク

3:ポイズングロリアス1610H マイティスティンガー

4:ポイズングロリアス169XH-SB トリックボルティズム69

カテゴリー分けするならば1と4がファーストムービング&ビッグベイトでいわゆる巻き物ロッド、2が使うルアーの汎用性が実に高いバーサタイルロッド、3がジグ&ワームで撃ち物系ロッドだ。このラインナップを聞いた瞬間、川島さんは頭を抱えたという。

「7月下旬から8月初旬なら、わりとスムーズな展開だったと思う。なぜか? その頃なら亀山ダムの水中シーズンはまだ真夏だったんですよ」。

天候こそ暑さで厳しいものの「流れのある場所、それとシェードに魚は集中して、魚は探しやすかった」と川島さん。しかし、その後は一転して雨が降り続いた。

「一時はかなり減水していたのに、今は再び水位が上がって、季節も秋寄りになっていった。夏から秋へと移行する時期は例年、魚が口を使わなくなる傾向にあるんです。ましてや、再び真夏の天気。もう何がなんだか…」。

気象情報では猛暑が予想されたこの8月だが、まさかの冷夏。水中はいち早く秋を迎えた感があるかと思いきや、再び真夏。人間でさえ混乱するこの気候に、水中のバスの活性もトーンダウンしていったのは致し方ないことなのだろう。

「ただ朝のうちは、真夏と同じパターンでいけるかな、いけたらいいなと」。

取材当日、川島さんは岸際のオーバーハング下に広がるシェードを狙い、各ロッドを盛んにローテーションして撃ち始めていった。狙うは主に流れが当たり比較的水深があるアウトサイド側。浅く流れの弱いインサイド側は極力スルーしていたようにも感じたのは、真夏を意識した展開だからだろう。

予想を覆す、実釣開始30分で会心の一撃!!

オーバーハングが形成するシェード+枯れ枝が積み重なったブッシュとでも言うべき岸際へと鋭いキャストで送り込んだ後、メタニウムMGLのハンドルを巻き始めるやグレイハウンド68が弧を描いた! 難なく足下へと手繰り寄せ、抜き上げ!! 川島さんの予想を良い意味で裏切り、結果は即座に出た!

スタートからわずかに30分後、おりきさわボート桟橋から出船してすぐのアウトサイドベンド、周辺に流れ込みを控えたブッシュ際でのことだった。使用ルアーはスモールクランクベイトのMR(=ミディアムランナー)。全長50ミリほどのボディに対して比較的大型のリップは潜行深度を稼ぐのみならず、シャローではカバーにスタックすることなく回避を可能に。幸先の良いスタートに取材班のテンションは上がる。しかし、川島さんの胸中は複雑だった。

「本当にこれでいいのかなぁ…。この真夏パターンで釣れ続けるのであれば、難しくないんだけど…」。

実釣はまだ始まったばかり。川島さんは当日の状況を探るべく、各ロッドをローテーションして答えを探していったのだった。

スタートダッシュとも言える1本に取材班の心は踊る。しかし、この後、まさか「無」の時間帯が待っているとは想像もしていなかった…。

168ML-LM。LMとは何を意味するのか?

折を見て、先にグッドコンディションをクランクベイトで獲ったロッドの解説を川島さんにお願いした。それが下の動画だ。

ロッドの詳細を知る前に、まずはベイトリールを確認。軽量ロープロファイルの代名詞とも言えるメタニウムMGLを使用していることがわかった。ハンドルは左巻き、ギア比はノーマルの6.2。7.4のHG、8.5のXGでないのはよりパワフルな巻き感を求めてのセレクト。何よりその軽さは、川島さんならではのコンパクトなスイングで、ルアーがスポットへと吸い込まれるようなテクニカルなキャストを可能にする上で大きなアドバンテージとなっている。

ラインを確認すると、フロロカーボン12ポンド。クランクベイト、いわば巻き物の釣りをするのであれば、伸びのあるナイロンラインを選び、フックをバスの口に確実に喰い込ませるべきではないかと考える方もいるだろう。なぜ伸びのないフロロなのか。その秘密はこのロッド、ポイズングロリアス168ML-LMグレイハウンド68だけが持つ優れた特性が起因しているのであった。

ジャッカル伝統のマキモノロッドとして知られるグレイハウンドの系譜、グレイハウンド68のサブネームを持つ168ML-LM。長さ・アクションに続く、「LM」は何か? Gならグラスコンポジット、SBならスイムベイト系ロッドの略称だが…。

シマノが誇る最先端技術・UBDとは?

動画をご覧になった方は、そのティップのしなやかさに驚いたのではないだろうか。川島さんが軽くラインを引いただけでU字を描き、トップガイドがブランクに届くかの如く柔軟性を見せている。

「これがLM。ローモジュラス(=Low Modulus)、低弾性という意味です。ティップ部分のみに低弾性率のカーボンを配置することで喰い込みを良くして、ベリーからバットの張りで確実に掛け大物とのファイトにも安心です」。

このLMティップがあるからこそ、フロロカーボンラインが使用できる。ライン自体に張りがあっても感度はナイロンより高いフロロの特性を有効に活かすことができるというわけだ。

「それと軽いルアーでもしっかりと重みを乗せて反発力を活かしたキャストが可能になる。グラスコンポジットにも似た使用感ですね」。

右から左から、サイドからバックハンドからとコンパクトかつ巧みなキャストを繰り返す川島さんにとって、この特性は何よりのアドバンテージになる。

「このように目的の部位に目的のカーボン素材を配置しているのが、アルティメットブランクスデザイン(=UBD)。シマノ独自の最先端技術は全てのグロリアスに採用されています。だから強くて軽い」。

通常ロッドは、底辺が短く頂点までが長いカーボンシート数枚を組み合わせ、芯金に巻き付け焼き上げることで完成する。通常であればティップ先端からバットの根元まで同じ素材が配置される1枚、ベリー〜バット部を構成する1枚、バット部の1枚の計3枚が使用されることが多く、それぞれ弾性率が異なっているとしても交差する部分が必ず生じるため重量増に繋がりやすい。しかし、驚くべきシマノの最先端技術はティップ・ベリー・バットのそれぞれに異なる弾性率を使用することで、贅肉を残さず理想の調子を実現することを可能にした。同時に耐久性とパワーを維持しながら、圧倒的な軽さにも繋げているというのだ。

残念ながらその製法過程は企業秘密とされているが、従来通りのロッド製作技術では不可能な製法がそこにはあった。2016年に驚愕の進化を遂げたポイズングロリアス。まずはその1つ目となる大きな特徴だけをここで紹介することにした。

タフでも必ず答えは存在する。ネバーギブアップ!!

狙いのスポットを撃ちながらスローで通り過ぎるや、振り向きざまにもう1投。ルアーのトレースコースを様々に変え、バスの反応を伺う。状況がタフなら、あらゆる手立てを尽くすことが大切なのだと川島さんのキャストが教えてくれる。

ここまでの各画像をご覧になっても分かる通り、亀山ダムの水色は深いグリーンだ。真冬こそ透明度を高めるが、多くの季節でその緑が絶えることはない。ましてやこの夏の季節、水面には繁殖しすぎた植物性プランクトンによるアオコを蓄え、停滞する水域では層を成すかのように分厚さを増して異臭を放っている。

流れに激しさを増す上流部を目指してもアオコは消えない。当日までの雨によって流れ込んだであろう流木が行く手を阻むと共に、アオコも厚みを増す。浅く透明度を増す上流部でも魚の姿は見えない…。バスはどこへ…。

「嫌な予感はしていましたが…そのまさかが起きてしまいましたね…。でも、絶対に諦めません!」。

亀山ダム屈指の手練、川島さんをもってしても手が出なかったこの日。早朝5時半に出船して30分後、即座に1尾目を仕留めたが、その後レンタルボート帰着時間の17時までまさかのノーバイト。翌日もまた真夏日、気温はさらに増して35℃超の予報。これがどう影響するのか、我々はまだわからない。

「明日は状況が好転することを祈って…」。

最後に川島さんが今回の実釣において、ポイズングロリアス168ML-LMグレイハウンド68で使用したルアーたちを紹介しておこう。

上段:左はポッパー、右はクローラーベイト。中段:バイブレーション60ミリ。下段:左は1尾目を仕留めたスモールクランクベイトMR、右は同じくSR。「クランクやバイブレーションの巻き物、それにトップウォーターで使いやすい1本。ショートバイトでも弾かずに乗せたいルアーに特化した竿です」と川島さん談。

<巻き物及びトップウォーター使用タックル>